「チームメイトの走りには本当に感激した。パーフェクトなポジションからのスプリントだった」と鼻息を荒げるマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)。実際はかなり後方からのスプリント開始だったが、伸びやかな加速で先行するアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)を撃ち落とした。



アデレード市内の周回コースを駆け抜けるアデレード市内の周回コースを駆け抜ける photo:Kei Tsuji

周回コースを高速で駆け抜ける周回コースを高速で駆け抜ける photo:Kei Tsuji2013年1月19日、ツアー・ダウンアンダーが開幕した。初日は「ピープルズチョイスクラシック」と名付けられたクリテリウムレース。UCIワールドツアー本戦に出場する選手が全員顔を揃えるが、UCI非公認であり、顔見せ的な意味合いが強い。また、この日の成績はUCIワールドツアー本戦の総合成績には反映されない。

笑顔でこちらにジェスチャーを送る新城幸也(ユーロップカー)笑顔でこちらにジェスチャーを送る新城幸也(ユーロップカー) photo:Kei Tsuji昨年までアデレード東部のライミルパークを中心に行なわれてきたが、今年から同市北部のトレンス川両岸に広がる公園を駆け抜ける。ほぼ真っ平らな2km周回コースを25周する全長50kmのクリテリウムだ。

先頭で周回を重ねるネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)先頭で周回を重ねるネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ) photo:Kei Tsuji9万5000人(主催者発表)の観客が詰めかけた周回コースで、レースのスタートが切られたのは午後7時15分。5周毎に設定されたスプリントポイント目がけて、スタート直後からアタックの応酬となる。ロバート・ヘーシンク(オランダ、ベルキンプロサイクリング)らもアタックに加わった。

2周目を終えた頃にネイサン・ハース(オーストラリア、ガーミン・シャープ)、アントニー・ルー(フランス、FDJ.fr)、ルーカ・ワッケルマン(イタリア、ランプレ・メリダ)、アクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼル)の4名が先行。メイン集団はこの動きを見送り、徐々に先頭4名のリードは広がり始める。

レースが落ち着きを取り戻した6周目に最終コーナーで落車が発生。約20名が落車に巻き込まれる中、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)が脚の脛骨骨折で病院に搬送されている。救急車がコース上に入ったため、一時的にメイン集団はスピードを落とした。

逃げグループの中で最も積極的にスプリントポイントを獲得したのはハース。最終的にドモンが単独で逃げ続けたものの、フィニッシュまで6周回を残してメイン集団に引き戻される。ここからチームスカイによるハイスピード集団牽引が始まった。



6周目にメイン集団内で落車が発生6周目にメイン集団内で落車が発生 photo:Kei Tsuji救急車で搬送されるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター)救急車で搬送されるジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) photo:Kei Tsuji
救急車の手前でスピードを落とすメイン集団救急車の手前でスピードを落とすメイン集団 photo:Kei Tsuji
周回コースをこなす全日本チャンピオンの新城幸也(ユーロップカー)周回コースをこなす全日本チャンピオンの新城幸也(ユーロップカー) photo:Kei Tsuji最後まで粘り強く逃げるアクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼル)最後まで粘り強く逃げるアクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼル) photo:Kei Tsuji



ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)らが積極的にメイン集団を牽引ゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)らが積極的にメイン集団を牽引 photo:Kei Tsujiオリンピックの団体追い抜きで2度、世界選手権の団体追い抜きで3度金メダルを獲得しているゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)らがハイスピードを維持してメイン集団を引き倒す。チームスカイによる主導が数周続いたが、残り2周でロット・ベリソルが主導権を奪う。アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)が強力にメイン集団を率いて最終周回へ。

メイン集団を牽引するアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)メイン集団を牽引するアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル) photo:Kei Tsujiリードアウトトレインを得たグライペルの後ろには、クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)とカレイブ・イワン(オーストラリア、UniSA)、そしてキッテルを引き連れるクーン・デコルト(オランダ、ジャイアント・シマノ)が続く。

ゴールスプリントを制したマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)ゴールスプリントを制したマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Kei Tsujiロット・ベリソル勢のリードは揺るがず、ルーランズにリードアウトされたグライペルが最終コーナーをクリア。そのまま先頭でドイツチャンピオンがスプリントをスタートさせた。

チームメイトと喜ぶマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)チームメイトと喜ぶマルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ) photo:Kei Tsujiグライペルはサットンらを引き離しながら加速。しかしその更に上をいく加速でキッテルが追い上げる。昨年までの勝ちパターンに持ち込んだグライペルを、キッテルが差しきった。

"ミスターダウンアンダー"とも呼ばれるグライペルを力勝負で下したキッテル。「シーズン最初のスプリントはいつも複雑で、守りの走りになりがち。でも今日はパーフェクトなポジションからスプリントに持ち込むことが出来たんだ。たった50kmのレースなので誰もがフレッシュな状態でフィニッシュを迎える。だから位置取りがとにかく重要だった。この勝利で少しリラックス出来るよ」。昨年のツール・ド・フランスでステージ4勝を飾った25歳が、UCI非公認ながら勝利でシーズンをスタートさせた。

ドイツ人選手がワンツーを独占したその後ろで、19歳のイワンが3位を射止めた。小柄な現オーストラリアU23チャンピオンは「勝てなかったのは残念だけど、前の2人(キッテルとグライペル)は世界最高峰のスプリンター。彼らと闘っていることは素晴らしい経験になる。厳しい1週間の闘いになると思うけど、挑戦し続けたい」とコメント。今年10月にイワンはオリカ・グリーンエッジでプロデビューを果たす。

「脚も良く回って、調子良く走れた」という新城幸也(ユーロップカー)は、終始集団の前方で周回をこなし、29位でフィニッシュ。休息日を挟んで、21日から始まるツアー・ダウンアンダー本戦に備える。

その他の写真はフォトギャラリーにて!



ツアー・ダウンアンダー2014ピープルズチョイスクラシック
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、ジャイアント・シマノ)           1h04'34"
2位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
3位 カレイブ・イワン(オーストラリア、UniSAオーストラリア)
4位 クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
6位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)
7位 マーク・レンショー(オーストラリア、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、ドラパックプロサイクリング)
9位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデールプロサイクリング)
10位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)
29位 新城幸也(日本、ユーロップカー)

text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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