2011年に開催されたトラックパーティが形を変え戻ってくる。「JAPAN TRACK CUP」は、オリンピックにつながるUCIポイントを獲得できる国際レースとして1月24・25・26日の3日間、伊豆ベロドロームで初開催される。

2011年に開催されたトラックパーティ。国際規格のトラック競技場として完成した伊豆ベロドロームのこけら落としイベントになった2011年に開催されたトラックパーティ。国際規格のトラック競技場として完成した伊豆ベロドロームのこけら落としイベントになった (c)Makoto.AYANO

トラックパーティには欧州スター選手が来日、ショーアップされたエンターテインメントレースとして観客を喜ばせたトラックパーティには欧州スター選手が来日、ショーアップされたエンターテインメントレースとして観客を喜ばせた (c)Makoto.AYANO2011年10月に同じ伊豆ベロドロームを会場に開催されたTRACK PARTY(トラックパーティ)。日本で唯一の屋内型板張り250m走路をもつ伊豆ベロドロームのこけら落としイベントとして、世界クラスの海外選手、日本のスター選手、そして往年の名選手マリオ・チポッリーニ(イタリア)らが来日し、このバンクを走った。

トラックパーティは欧州の6日間レースのコンセプトを日本に初めて持込み、バンクの中に飲酒ブースを設け、観客たちが食事やアルコール類を楽しみながらレースを観覧することができるイベントだった。

新城幸也や別府史之らロード選手や、すでに引退していたチポッリーニらもバンクを走るという、ショーアップされたエンターテインメント色の強いトラックレースとして大きな成功を収めた。

トラックパーティはその後も継続開催を見込んで企画が進んでいたが、第1回大会以降は翌2012年は開催されなかった。しかし、年をまたぎ約2年3ヶ月ぶりに開催されることに。しかし今大会からはUCIポイントを獲得できるトラックレースの公式戦として生まれ変わることとなる。

国内トップ選手が有名海外選手と闘うレースが観れるか?(写真はトラックパーティでの男子ケイリン)国内トップ選手が有名海外選手と闘うレースが観れるか?(写真はトラックパーティでの男子ケイリン) (c)Makoto.AYANO「JAPAN TRACK CUP」の選手参加資格は、「UCI加盟国で競技者登録を完了した男子エリート、女子エリート、男子ジュニアおよび女子ジュニアの競技者」。大会では海外からも出場選手を募り、より大きなUCIポイントが獲得できるようにレース自体の「格上げ」をも狙う。

大会自体の格を決めるのは出場国数だ。大会に5ヶ国以上からの参加者を得た種目については、1位の選手は80点のUCIポイントが獲得できる。4ヶ国以上からの参加者を得た場合は60点、3ヶ国の場合は30点となる。大会ではより多くの国の有力選手に出場を呼びかけている。

観客にとっては、つまり伊豆ベロドロームを舞台に、日本そして海外を代表する選手たちのスピードと迫力のあるレースを再び生で観ることができるのだ。

以下、JAPAN TRACK CUPの開催意図、そしてUCIポイント獲得の重要性を同大会の開催主旨をもとに解説する。



JAPAN TRACK CUP ロゴJAPAN TRACK CUP ロゴ 国際トラック競技大会 としての JAPAN TRACK CUP

自転車競技トラックレースは、1896年の第1回オリンピック競技大会から行なわれている伝統的スポーツ。現在ではオリンピックを頂点に、UCIの主催する世界選手権大会、ワールドカップ、大陸自転車競技連合の主催する大陸選手権大会、そして各国ごとに主催するクラス1から3の国際トラック競技大会がある。

国際トラック競技大会に参加した競技者には、順位に応じてUCI個人トラック・ランキングのためのポイントが与えられる。そしてこのランキングにより各国にワールドカップの参加資格枠が与えられる。さらにこのワールドカップでの成績に基づくワールドカップ・ランキングにより、世界選手権大会の参加資格が与えられる。

次回リオデジャネイロ開催のオリンピック参加資格制度はまだ発表されていないが、前回大会の例から、オリンピック参加のためにはワールドカップ、世界選手権での成績が重要になることは間違いない。つまりUCIポイント保持数がその根拠となる。

大陸選手権や国内選手権でもUCIポイントを得ることができるが、それぞれ年に1回しか開催されないため、より多くのポイントを稼いで世界選手権の参加資格を得るためには、世界各国で行なわれる国際トラック競技会に参加し、ポイントを積み重ねランキングを上げる必要がある。

自国開催の大会はポイント獲得において有利であり、当然ながら上位クラスの国際大会の方がより多くのポイントを得ることができる。そのためにもJAPAN TRACK CUPでは5ヶ国以上の参加を募ることでクラス1としての大会開催を目指している。

一方、世界選手権大会に参加した国は、次のシーズンに国際トラック競技大会を開催する義務があり、開催しなければ翌年の世界選手権参加の権利を失う。すなわち、この「JAPAN TRACK CUP」は、世界選手権大会参加資格の獲得とその確保のために重要な大会だと言うことができる。(大会リリースより)


JAPAN TRACK CUP (ジャパン・トラック・カップ) 実施要項

主催 :公益財団法人 JKA
競技主管 :公益財団法人 日本自転車競技連盟
期日 : 2014年1月25 日(土)〜26日(日)
会場 :伊豆ベロドローム(周長250m・屋内・木製走路)

日程
1月23日(木)
16:30 〜 17:30 ライセンス・コントロール、ゼッケン配布

1月24日(金) ジャパン・トラック・カップ I
9:00 〜 16:20 競技
16:20 〜 表彰式

1月25日(土) ジャパン・トラック・カップ II
9:00 〜 11:20 エキジビション
12:00 〜 17:00 競技

1月26日(日) ジャパン・トラック・カップ II
8:00 〜 15:30 競技
15:30 〜 閉会式

参加資格 UCI加盟国で競技者登録を完了した男子エリート、女子エリート、男子ジュニアおよび女子ジュニアの競技者。所属国内連盟を通じて、チーム単位で参加申込をすることができる。

実施種目
スプリント、ケイリン、ポイントレース、スクラッチ


※写真はTRACK PARTY2011で撮影したイメージです。


photo&text:Makoto.AYANO

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