10月中旬からヨーロッパでもシクロクロスの2013-2014シーズンが動き出している。オランダとチェコで開催されたUCIワールドカップ第1戦と第2戦で、22歳のラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)が連勝を飾った。



2戦連続メカトラで精彩を欠いた世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)2戦連続メカトラで精彩を欠いた世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL) photo:Cor Vosシクロクロスにおける三大シリーズが、UCIワールドカップとスーパープレスティージュ、そしてbpost bankトロフェー(元GvAトロフェー)だ。それぞれシーズン7〜8戦で争われ、その日程は重複していない。UCI世界選手権は2月1日から2日までの2日間オランダのホーヘルハイデで開催される予定だ。

10月30日の時点でbpost bankトロフェー1戦とスーパープレスティージュ1戦、UCIワールドカップ2戦が終了。日本からは竹之内悠(コルバ・スペラーノハム)と豊岡英子(パナソニックレディース)が転戦し、10月27日にベルギーのロッデルヴォールデで開催されたスーパープレスティージュで豊岡が自身最高位となる11位に入っている。

シクロクロス2013-2014カレンダー(WC=UCIワールドカップ、SP=スーパープレスティージュ)
10月13日(日)bpost第1戦 ロンセ(ベルギー)
10月20日(日)WC第1戦 ファルケンブルフ(オランダ)
10月26日(土)WC第2戦 ターボル(チェコ)
10月27日(日)SP第1戦 ロッデルヴォールデ(ベルギー)
11月1日(金)bpost第2戦 コッペンベルグ(ベルギー)
11月3日(日)SP第2戦 ゾンホーフェン(ベルギー)
11月10日(日)SP第3戦 ハンメ・ゾッゲ(ベルギー)
11月16日(土)bpost第3戦 ハッセルト(ベルギー)
11月17日(日)SP第4戦 ガーフェレ(ベルギー)
11月23日(土)WC第3戦 コクサイデ(ベルギー)
11月24日(日)SP第5戦 ギーテン(オランダ)
12月21日(土)bpost第4戦 エッセン(ベルギー)
12月22日(日)WC第4戦 ナミュール(ベルギー)
12月26日(木)WC第5戦 ヒュースデン・ゾルダー(ベルギー)
12月27日(金)bpost第5戦 ローエンホート(ベルギー)
12月29日(日)SP第6戦 ディーヘム(ベルギー)
1月1日(水)bpost第6戦 バール(ベルギー)
1月5日(日)WC第6戦 ローマ(イタリア)
1月26日(日)WC第7戦 ノメ(フランス)
2月1日(土)〜2月2日(日)世界選手権 ホーヘルハイデ(オランダ)
2月8日(土)bpost第7戦 リール(ベルギー)
2月9日(日)SP第7戦 ホーフストラテン(ベルギー)
2月15日(土)SP第8戦 ミッデルケルケ(ベルギー)
2月23日(日)bpost第8戦 オーストマレ(ベルギー)



UCIシクロクロスワールドカップ2013-2014第1戦
10月20日(日)ファルケンブルフ(オランダ)

第1戦 独走でゴールするラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)第1戦 独走でゴールするラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) photo:Cor Vos
第1戦 チェーントラブルで先頭から脱落したケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)第1戦 チェーントラブルで先頭から脱落したケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス) photo:Cor Vosオランダで開催されたUCIワールドカップ開幕戦で、地元オランダのラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)が勢いを見せつけた。

1991年生まれの22歳ながら、昨シーズンのエリートオランダチャンピオンに輝き、世界選手権エリートで3位に入ったファンデルハール。一時的に並走しながらチェーントラブルで脱落したケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)を振り切って、ファンデルハールがUCIワールドカップ初勝利を飾った。世界チャンピオンのスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)はメカトラでDNFに終わっている。

第1戦 メカトラでDNFに終わったスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL)第1戦 メカトラでDNFに終わったスヴェン・ネイス(ベルギー、クレラン・KDL) photo:Cor VosUCIワールドカップリーダージャージを手にしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)UCIワールドカップリーダージャージを手にしたラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) photo:Cor Vos

エリート男子
1位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)    1h02'45"
2位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)      +20"
3位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)          +39"
4位 クラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)   +48"
5位 バルト・アールノウト(ベルギー、AAドリンク)               +1'00"
6位 トム・メーウセン(ベルギー、テレネット・フィデア)             +1'09"
7位 タイス・ファンアメロンヘン(オランダ、AAドリンク)            +1'20"
8位 エンリコ・フランツォーイ(イタリア、セッレイタリア・グエルチョッティ)  +1'31"
9位 バルト・ウェレンス(ベルギー、テレネット・フィデア)           +1'39"
10位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)         +1'53"
-3laps 竹之内悠(日本、コルバ・スペラーノハム)

エリート女子
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ、ラボウィメンサイクリング)        37'56"
2位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス)        +1'35"
3位 ニキ・ハリス(イギリス、ヤングテレネット・フィデア)          +1'52"
26位 豊岡英子(日本、パナソニックレディース)                +6'15"



UCIシクロクロスワールドカップ2013-2014第2戦
10月26日(土)ターボル(チェコ)

シマノの11速Di2・ロードバイク用油圧ディスクブレーキを使用するラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)シマノの11速Di2・ロードバイク用油圧ディスクブレーキを使用するラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) photo:Cor Vos
ファンデルハール曰く「キャリア最大の勝利」から1週間が経った10月26日のUCIワールドカップ@チェコで、再びファンデルハールの強さが炸裂。レースは序盤からドイツチャンピオンの25歳フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)とファンデルハールが先行し、ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)とフランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)を振り切った2人による一騎打ちに。

ゴールスプリントで先着し、UCIワールドカップランキングのリードを広げたファンデルハールは「言葉が見つからない。間違いなくこれまでのキャリアの中で最高のコンディションなんだ。フィリップ(ワルスレーベン)とのスプリントでは分が悪いので、勝つにはアタックするしかないと思っていた。こうして勝った今、スプリントの自信もついたよ」とコメント。ベテラン勢がメカトラに苦しむ中、22歳の新星の走りが光った。

第2戦 ドイツチャンピオンのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)第2戦 ドイツチャンピオンのフィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス) photo:Cor Vos第2戦 スプリントで勝利したラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)第2戦 スプリントで勝利したラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント) photo:Cor Vos

エリート男子
1位 ラルス・ファンデルハール(オランダ、ラボバンクデベロップメント)   1h09'06"
2位 フィリップ・ワルスレーベン(ドイツ、BKCP・パワープラス)
3位 ケヴィン・パウエルス(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)     +11"
4位 フランシス・ムレー(フランス、FDJ.fr)                  +12"
5位 クラース・ヴァントルノウト(ベルギー、サンウェブ・ナポレオンゲームス)  +24"
6位 ニールス・アルベルト(ベルギー、BKCP・パワープラス)           +27"
7位 バルト・アールノウト(ベルギー、AAドリンク)               +31"
8位 マルティン・ビーナ(チェコ、クワドロ・スタンナー)             +36"
9位 コルヌ・ファンケッセル(オランダ、テレネット・フィデア)          +51"
10位 エンリコ・フランツォーイ(イタリア、セッレイタリア・グエルチョッティ)  +55"

エリート女子
1位 キャサリン・コンプトン(アメリカ、トレックシクロクロス)        43'41"
2位 ニキ・ハリス(イギリス、ヤングテレネット・フィデア)           +06"
3位 パブラ・ハブリコバ(チェコ、ヤングテレネット・フィデア)         +07"
27位 豊岡英子(日本、パナソニックレディース)                +4'48"




text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos