第2週の最終日となる第15ステージ。標高1912mのモンヴァントゥーの山頂ゴールを制したのは、圧倒的な実力を見せつけたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)。フルームは山岳賞も手中にした。新人賞はナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)へと移行した。

ステージ優勝・総合1位・山岳賞のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)

モンヴァントゥーを独走で登るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の後ろ姿モンヴァントゥーを独走で登るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の後ろ姿 (c)Makoto.AYANO今日の山岳ステージは、100回記念大会のものであるという意味で、かなり歴史的な価値が高い。このステージで勝てるとは思っていなかった。総合成績でリードを広げようと思っていただけで、ステージ優勝できるとは思っていなかった。ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)は本当に強いクライマーだ。

彼があんなに速く走るなんて思っていなかった。すごい走りをして、その実力を示してくれた。クインターナに追いついたときは「この選手が今日のステージ優勝になりそうだから、ぼくは2位を狙うべきだ」と思った。でも、その後の残り2kmで、彼は少し消耗していて、ぼくにはまだ少し余力があった。

そこで「なあ、あとちょっとがんばろう……もう少しだ……」と声を掛けたのだけど、彼は後ろに下がっていってしまった。終盤では、自分はアタックしたつもりはない。単にクインターナが後ろにまったく付いてこられなくなって、ギャップが開いていったのだと思う。


新人賞・ステージ2位のナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)

フルームに遅れを取ったナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)フルームに遅れを取ったナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター) (c)Makoto.AYANOこのステージで勝つという幻想を抱いていたけど、終盤に力が出なくなってしまった。全力は尽くした。でも、本当に険しい登りだったし、序盤からずっとペースの速いレース展開だったこともあって、完全に消耗していた。

クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が伴走しているのがわかったので、少しは休めると思った。彼は少しも疲弊していなかったと思う。彼はものすごくがんばって走って、ぼくが付いていくことができなかっただけだ。

(最終日の)表彰台か新人賞の白いジャージのどちらかを選ぶ気はない——両方とも手に入れたい。今のところは、この新人賞ジャージを防衛するつもりだ。


ポイント賞のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)

逃げグループに入ったマイヨヴェールのペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)逃げグループに入ったマイヨヴェールのペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) photo:A.S.O.今日、逃げに入ったのはスプリント・ポイントを稼ぐためでもあったけど、同時にモンヴァントゥーで10位以内に入ることも狙っていたからだ——実現していたらすごかったのに!

残念なのは(メイン集団で)おとなしくしていた選手たちも多かったのだけど、彼らが目を覚まして、先に進んでいたぼくたちを追ってきたことだ。彼らは追走してなかったのに。いまだに理解できないのは、彼らは最初は追走しようとすらしなかったのに、後になって監督たちが彼らに集団のペースをアップするように指示を出したことだ。意味がわからない。

今日はかなり体力を使ってしまった。しっかりとした休息日が必要だ。第3週はかなりハードになると思われる。いまはなんとかして生き残ることのみを考えている。重要な(中間スプリントでの)ポイントを少しでも獲得できて満足している。集団に吸収されたときには、見世物を披露した。あのウィリーはおもしろそうだからやった。観客へのプレゼントだ——良い写真が撮れたでしょ? ぼくがウィリーを見せているときは、集団は全力で走っていたけどね……。


敢闘賞のシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)

クラウチングで下りを攻めるシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)クラウチングで下りを攻めるシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) photo:A.S.Oフランス革命記念日に敢闘賞を獲得できたことがうれしい。最初の2時間はペースもかなり速かった。(集団との)差もあったけど、優勝を狙うほどのリードではなかった。モンヴァントゥーの麓に来るまでに7〜8分のリードしておくべきだった。

逃げに乗った選手のなかでも、自分はかなり強い選手のうちに入ると思えただけに残念だ。沿道でぼくや総合成績に絡む選手たちへの大きな声援を送ってくれる観客たちの多さには驚いた。

彼らが、今日のツールを楽しんでくれたことを願う。今後のステージは自分にできることをやっていくつもりだ。コースは、ぼく向きのものではないし、今後は山岳ステージに入っていく。でも、どうなるかは誰も予想できない。


総合3位・ステージ6位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)

フルームについていけなかったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)とミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル)がランデブーフルームについていけなかったアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)とミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル)がランデブー (c)Makoto.AYANOあのペースで登坂するには、まだ無理があった。フルームには敬意を表したい。フルームが本当に強いという以外に言うことがない。優勝のことはずっと考えてきた。それが目標だけど、彼と相対する状況は日ごとに大きく変化している。でも、今後を見守りたい。

総合3位、ステージ6位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)総合3位、ステージ6位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) photo:CorVosツールはパリに着くまで何が起きるか誰もわからない。いまは体力回復のことを考えて、休息日を満喫したいだけだ。総合2位を考えるにしても、その後でいい。今日のステージは難しかった。とくに今日の前半はペースも非常に速かったことも大きい。

ペースが信じられないほど速かったのは、ユーロップカーなどのチームが逃げ集団に選手を送り込むためだったが、結局は失敗していた。モンヴァントゥーの登り口に着いたときは、そこまでの220kmに相当なペースで足を使っていたこともあって、あまり体力が残ってなかった。

フルームに付いていこうとしたときは、彼がクインターナにかなり警戒していたことはわかっていた。フルームは自分にチャンスがあるとわかっていたはずだ。登り基調が続く道で、休みながら1対1で走る場合、彼のほうにアドバンテージがあった。

フルームがバッド・デイにならない限りは誰も登りで彼に勝てないと思う。だけど、アルプスの山岳ステージには注目しておきたい。いくつもの山岳が続くため、彼のチームへも影響を及ぼす可能性があるからだ。総合成績はすでに大きな開きが出ているけど、ツールはパリに着くまで終わってはいない。


総合10位・ステージ18位のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)

集団内で走るミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)集団内で走るミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) photo:A.S.Oようやく今日、このモンヴァントゥーに遭えた——このステージを待ち望んでいた。とても信じられなかった。登りの沿道に観客がいて、そこでレースをした。今後しばらくは忘れられそうにない体験だ。本当に伝説的だった。自分自身の走りについていうと、できるだけメイン集団に付いていこうとした。

序盤のうちはかなり良かったのだけど、集団が加速したときはベストな状態で付いていけなかった。それから、登坂についても少し改善する必要があると思う。こういったレースを体験していけば良くなると思う。自分の実際のレベルを知って、また上を目指して走れば良いだけだ。

現在の成績は総合10位だ。来週、この成績を守るのはたぶん難しいと思う。だけど、ぼくは今のチームにいる限り「ネバー・ギブ・アップ」と口にする。自分のベストを尽くすつもりだし、さまざま体験をしながらツールを最後まで終わらせることのほうが重要で、まったく後悔もしないと思う。


ステージ3位のミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)

先頭集団を追走するアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)とミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)先頭集団を追走するアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)とミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) photo:CorVos今日の山岳ステージの結果には満足している。自分にとっては、この伝説的な山頂ゴールをステージ3位でゴールできたことが重要だ。初めてのツールで、このモンヴァントゥーで3位という成績になったことがうれしい。

ステージ3位のミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)とステージ4位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)ステージ3位のミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)とステージ4位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) photo:CorVos最後まで待てずに、争うべき選手にアタックしてしまった。ぼくは自分の切り札を全部使って、なんとか対応できる方法を探した。クインターナに追いついたときは、彼を捉えたのだと思った。でも、彼のほうが強いことがわかり、対応するのは無理だった。

それで一定のペースで上ることに集中した。3位でゴールすることを目指して、達成した。(フルームは)とても高いレベルの選手だ。そのレベルに近づくことができて、今年はそして今日は、とても良い体験ができた。彼の後ろに付くのは不可能だった。

長い登りでは、ときおりダンシングする必要があることがわかった。今日はとても厳しい日だったけど、幸いなことに明日は休息日だ。しっかり回復に努めたい。この後の最終週はかなりハードだけど、脚の調子は良いので、がんばって戦い続けるつもりだ。

ステージ4位・総合8位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)

序盤から難しいステージだった。実際にはいつも通りとはいえるけど、最初の1時間、集団の平均速度が極めて速かった。最後の登りでは、一定ペースで走ることにして、アタックや加速には反応しないことにした。そのおかげで、最後の区間でベストな状態にまで回復して、タイム差を多く稼ぐことができた。


※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation & text: Seiya.YAMASAKI
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