山岳初日となった第8ステージは、クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)が圧倒的な力で制し、スカイプロサイクリングがステージ・総合ともに1位と2位を独占することになった。フルームは山岳賞も獲得。新人賞はナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)に移行した。

ステージ優勝・総合1位・山岳賞のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)

マイヨジョーヌを受け取ったクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)マイヨジョーヌを受け取ったクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:A.S.O.レースの渦中は簡単ではなかったけど、山岳初日に結果が出せた——総合優勝の候補者たちにとって実際に試練となる初日の結果だから、とても満足だ。とにかく、総合成績に大きな影響がある緒戦は心理戦になる。それに勝てた。チームとしてはステージ1位と2位、そして総合1位と2位を獲得できた。

その2位になったがリッチー・ポルト(オーストラリア)で、チームとしてはまさに夢のシナリオが実現した瞬間だった。まだまだ残りの道のりは長い。でも、少なくとも幸先の良いスタートが切れた。

マイヨジョーヌへとサインするクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)マイヨジョーヌへとサインするクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:A.S.O.今日やろうと思っていたことは、まだいくつか残っている。ツール・ド・フランスでマイヨ・ジョーヌを着用するのは、ぼくがずっと夢見たことだった。それが実現した……これ以上は求めようがない。特別な感情が湧き起こっている。

同ポイントで山岳賞も手にしたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)同ポイントで山岳賞も手にしたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) photo:A.S.O終盤にはもっと激しいバトルがあると予想していた。だから、こうして総合1位と2位の成績を、他の総合優勝の候補者にこれだけの差をつけることができたことに驚いている。ここまでが長かった。その分、今日は多くの収穫を得ることができた。

この成果を得るのはとてもハードだし、これがチームの今年のスケジュールでの最大の目標だった。今日ここで、このリザルトを得られて素晴らしく思う。チームとしては最初の1週を良い成績で終えようとしている。とても満足だ。このチームは、今大会のすべての上りゴールのステージと総合に絡むステージに対してかなりアドバンテージを持てたと思う。

次のタイムトライアルを迎えるにしても、本当に最高の順位で備えることができる。この順位にいる栄誉を本当に感じている。(第4ステージ)のチーム・タイムトライアルの後、かなり良い順位につけた。

マージンはほんの僅かだったにしても、今日のステージにしっかり備えることができた。山頂ゴールのステージはいくつかある。その中で、今日のステージでの優勝を狙っていて、ゴールの厳しさを利用する計画だった。

新人賞・敢闘賞・ステージ9位・総合8位のナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)

新人賞・敢闘賞・ステージ9位・総合8位のナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)新人賞・敢闘賞・ステージ9位・総合8位のナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター) photo:A.S.O山岳初日のステージの結果にとても満足している。脚も好調だったので、これを利用してアタックした。ステージ優勝も意識したが、それは一瞬だった。でも、終盤でちょっと体力が落ちた。

チームスカイはとても強かった。クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)とリッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)もいたからね。今日はチャンスを逃したけど、自分としては大騒ぎするほどではない。

このツール・ド・フランスが初めての体験で、今回はいろいろ学んでいる。また、この新人賞ジャージも大きな目標として狙っていた。こうして着ることができた。パリまでキープしたいと思う。

ポイント賞のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)

ポイント賞のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)ポイント賞のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) photo:A.S.O今日のステージでは、ぼくたちの最終的な目標であるポイント賞ジャージの獲得に向けて、決定的な手を打てたと思う。中間スプリントに狙いを絞っていて、スムーズに獲得できた。中間スプリントポイントまでは、チームメイトたちのリードアウトも完璧だった。

昨日のステージ優勝を演出してくれたように、彼らのアシストには満足している。今日のステージではアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)のほうが優勢だったけど、総合ポイントにはわずか1ポイント程度の差しかつかないから、あまり関係ない。かなり余裕をもってリードできている。

これからは一種のゲームとして、ライバルたちの動きをコントロールする必要がある。今日の出来には満足している。今日は休養日みたいだったとは言うほどではないけど、これまでにステージに比べてかなり静かだった。明日は若干ハードなステージになると考えている。どのステージでも、母国の国旗をたくさん見かけている。スロバキアから車でやって来たファンのキャンパーたちを確認できた。ぼくの応援にここまで来てくれた。彼らの声援も聞こえる。あれは心に響くよ……。

総合で1分51秒差となったステージ8位・総合7位のアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)

今年のツールでのバッド・デイだった。感覚も良くなかった。これから変わっていくと思う! チームとロマン・クロイツィゲル(チェコ)に感謝したい。明日から気持ちを切り替えたい。

コンタドールの不調を語るサクソ・ティンコフのダン・フロスト監督

苦しみながら登るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)苦しみながら登るアルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ) photo:Makoto.Ayanoアルベルトはゴールまでずっとうまく防衛していたと思う。アルベルトも他の選手たちと同様に過酷さと暑さを感じていた日だった。もちろん、山岳初日でここまで脱落するのは、気持ちの面にも大きく影響する。

クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)とリッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)は極めて強力で、この緒戦に勝利した。しかし、このレースは勝ち負けだけではない。どのレースでも山岳初日のステージは、バッド・デイになることはよくあることだ。

パリのゴールまでには、まだたくさんの山岳も距離もある。われわれはチームスカイがどの程度までタイム差を防衛できるかを楽しみにしている。負う側の立場を利用するつもりだ。

4分36秒差で総合23位となったカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)

4分遅れたカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)4分遅れたカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) photo:Cor.Vos最初の山頂ゴール、最初の総合に絡む大きなステージ…そこで「大失敗」してしまった。ケガや健康の問題はなかったけど、今日は自分のこれまでのツールの経験でも最悪の部類のパフォーマンスだった。だけど、今はあれ以上の力を発揮できるわけではない。

だから、今日の超バッド・デイのことは忘れて、今の不調とうまくつきあっていくしかない。チームとしては、今後の目標や目的を再調整して、今後のステージに挑むことになる。明日も簡単なステージではないし、明日以降もさらに厳しいレースとなるだろう。

このレースでは、まだまだたくさんのことが起きると思う。ともかく今は少し休みたい……それから沿道でのたくさんの声援には感謝したい。


※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。

translation & text: Seiya.YAMASAKI

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