上りスプリントで新城幸也が再び6位に　優勝は逃げ切ったM・イグリンスキー

戦いの場をフランドル地方からアルデンヌ地方に移したツアー・オブ・ベルギー第4ステージ。スプリント勝負を狙うメイン集団の追走を2秒差で振り切ったマキシム・イグリンスキー（カザフスタン、アスタナ）が優勝した。

トマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）らを含む強力な7人の逃げ集団 (c)CorVosツアー・オブ・ベルギー第4ステージはオードゥール湖の湖畔を発着点とする164.3㎞で争われた。コースはアルデンヌ地方特有の細かなアップダウンが多く含まれる、クラシックハンターが得意とするプロフィール。また、上りを苦にしないスプリンターにもチャンスがある。

メイン集団をコントロールしたのはオメガファーマ・クイックステップ (c)CorVosレースは序盤からアタックが頻発するも逃げが中々決まらないず。そんな中、強力な逃げ集団が形成される。先頭集団に入ったのはトマ・ヴォクレール（フランス、ユーロップカー）、ビョルン・ルークマンス（ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM）、グレゴリー・ラスト（スイス、レディオシャック・レオパード）、マキシム・イグリンスキー（カザフスタン、アスタナ）ら7人。

集団の追走を振り切ったマキシム・イグリンスキー（カザフスタン、アスタナ） (c)CorVosメイン集団をコントロールしたのは、この日もオメガファーマ・クイックステップ。現在ポイント賞でトップに立つアンドレ・グライペル（ドイツ、ロット・ベリソル）を擁するロット・ベリソルは、イェンス・デビュッシュール（ベルギー、ロット・ベリソル）を逃げに送り込んだため集団コントロールに加わらず。先頭集団は残り132㎞地点で3分43秒のリードを稼いだものの、その後は徐々にタイム差を詰められる。

しかし、残り10㎞地点から先頭集団とメイン集団の差が縮まらくなり、メイン集団ではトム・ボーネン（ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ）が先頭に出る場面も。先頭集団ではヴォクレールがアタックを繰り返すもルークマンスらが冷静に反応しため、決定打とはならず、残り2㎞でメイン集団とのギャップは17秒に。

メイン集団の影が逃げ集団の背後に迫る中、残り1㎞からマキシム・イグリンスキーがアタック。ゴール前の緩斜面を独走し、メイン集団の追走を振り切ってゴール。メイン集団はグライペルを先頭に、フィリップ・ジルベール（ベルギー、BMCレーシングチーム）が続いた。そして第1ステージで6位に入った新城幸也（日本、ユーロップカー）はこの日も6位でゴール。調子の良さをうかがわせる結果となった。また総合首位のトニ・マルティン（ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ）はメイン集団でゴールしている。

結果、マルティンがリーダージャージをキープ。2位でゴールしたグライペルと、3位でゴールしたジルベールが総合の順位を上げた。山岳賞は逃げに入ったセバスチャン・デルフォッセ（ベルギー、クリーン・ユーフォニー）が獲得。ポイント賞、新人賞は変動なし。新城は総合の順位を7つ上げ、31位につけている。


ツアー・オブ・ベルギー2013第2ステージ結果
1位　マキシム・イグリンスキー（カザフスタン、アスタナ）　　　　　3h41'38"
2位　アンドレ・グライペル（ドイツ、ロット・ベリソル）　　　　　　　　+02"
3位　フィリップ・ジルベール（ベルギー、BMCレーシングチーム）
4位　ダニー・ファンポッペル（オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM）　
5位　フランシスコ・ガヴァッツィ（イタリア、アスタナ）　
6位　新城幸也（日本、ユーロップカー）　
7位　レイナード・ヤンセファンレンズバーグ（南アフリカ、アルゴス・シマノ）　
8位　マルセル・メイセン（ドイツ、BKCPパワープラス）
9位　トム・ヴァンアスブロック（ベルギー、トップスポーツフラーンデレン）　
10位　ジャンピエール・ドラッカー（ルクセンブルク、アクセントジョブス・ワンティ）

個人総合成績
1位　トニ・マルティン（ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ）　　　　　12h45'47"
2位　トム・ドゥムラン（オランダ、アルゴス・シマノ）　　　　　　　　　　　　　　＋40"
3位　トム・ボーネン（ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ）　　　　　　　＋50"
4位　クリストフ・ヴァンデワール（ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ）　＋53"
5位　フィリップ・ジルベール（ベルギー、BMCレーシングチーム）　　　　　　　　　＋57"
6位　ニキ・テルプストラ（オランダ、オメガファーマ・クイックステップ）　　　　　＋59"
7位　アンドレ・グライペル（ドイツ、ロット・ベリソル）　　　　　　　　　　　＋01'10"
8位　マヌエル・クインツィアート（イタリア、BMCレーシングチーム）　　　　　＋01'11"
9位　ステイン・デヴォルデル（ベルギー・レディオシャック・レオパード）　
10位　アレクセイ・ツァテヴィッチ（ロシア、カチューシャ）　　　　　　　　　＋01'14"
31位　新城幸也（日本、ユーロップカー）　　　　　　　　　　　　　　　　　　＋01'54"

ポイント賞
アンドレ・グライペル（ドイツ、ロット・ベリソル）

山岳賞
セバスチャン・デルフォッセ（ベルギー、クリーン・ユーフォニー）

新人賞
トム・ドゥムラン（オランダ、アルゴス・シマノ）

チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ


text:Yuya.YAMAMOTO
photo:CorVos