終盤に平均勾配10.8%の峠が登場する個人タイムトライアル。この厳しいステージで、山岳とタイムトライアルを得意とするヴァンガーデレンの走りが光った。ライバル達に大きな差を付け、翌日に控える頂上ゴールの最難関ステージに構える。

敢闘賞ジャージを着て走るイェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・レオパード)敢闘賞ジャージを着て走るイェンス・フォイクト(ドイツ、レディオシャック・レオパード) photo:Cor.Vosツアー・オブ・カリフォルニア(UCI2.HC)の開催期間8日のうち、唯一の個人タイムトライアルとなったのがこの第6ステージ。サンフランシスコから直線距離でおよそ60kmほど南下したシリコンバレーの中心地・サンノゼの街がその舞台へと選ばれた。

新人賞ジャージのローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガー)新人賞ジャージのローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガー) photo:Cor.Vosステージ6位 キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)ステージ6位 キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor.Vos毎年およそ30kmほどの個人タイムトライアルが組まれるツアー・オブ・カリフォルニアだが、2013年度大会の難易度は群を抜いて高いと言える。スタートしてから標高100m余りを稼ぐと、終盤までは緩いと平坦が長く続くクロノマン向きのレイアウトだが、最後には獲得標高287mのメタクリフ・クライムを上り詰めてゴールへと到達する。合計距離は31.6kmだ。

途中ノーマルバイクに乗り換えたマイケル・ロジャーズ(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)途中ノーマルバイクに乗り換えたマイケル・ロジャーズ(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) photo:Cor.Vosメタクリフ・クライムは距離2735mと短いものの、10.3%という急勾配をコンスタントに刻む難易度の高い峠。そのためステージ上位はピュアスピードマンではなく、総合を狙うオールラウンダーによって占められると見られていた。上りとタイムトライアルを得意とする地国アメリカの若きスター、ティージェイ・ヴァンガーデレン(BMCレーシングチーム)の走りに期待がかかる。

ノーマルバイクでゴールに飛び込むアレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェーミス・ハーゲン)ノーマルバイクでゴールに飛び込むアレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェーミス・ハーゲン) photo:Cor.Vos現地時間の午後1時、カーソン・ミラー(アメリカ、ジェーミス・ハーゲン)を先頭に、総合順位の低い順から選手たちは1分おきにコースへと飛び出していく。なお特別カラーのTTバイクを持ち込むなど気合の入っていたデーヴィッド・ザブリスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)は直前の試走で落車し、病院に運ばれる事態に。

まず序盤に好タイムをマークしたのはトラヴィス・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)。今季好調を見せるマイヤーは51分31秒のタイムを記録しホットシートへ。しかし前日逃げに乗るなど積極的な姿勢を見せるトーマス・デヘント(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)が21秒上回る。

オランダTTチャンピオン、リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)はステージ2位オランダTTチャンピオン、リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)はステージ2位 photo:Cor.Vosしかしこれをも上回ったのは、2012年のオーストラリア個人タイムトライアルチャンピオン、ローハン・デニス(ガーミン・シャープ)。若きオーストラリア人選手がここカリフォルニアでも強みを見せる。

シーズン初めに鎖骨骨折したマルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)や、キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)らも構想したものの、デニスのタイムには及ばない。そんな中、リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)が5秒上回るトップタイムを記録した。

そして14時44分からは、いよいよローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガー)を筆頭に総合トップ10がスタートしていく。

後半に控えるメタクリフ・クライムの難易度が高いため、序盤ステージでリーダージャージを着たアレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェーミス・ハーゲン)やマイケル・ロジャーズ(オーストラリア、サクソ・ティンコフ)は峠の前にノーマルロードバイクに乗り換える作戦を実行。アセヴェドは平坦でのロスタイムを上りで切り詰め、最終的にステージ18位となる好走を見せ、ロジャーズはデニスから40秒遅れのタイムに。

しかし、それまでの選手を全て上回るタイムを叩きだしたのはリーダージャージを着て走ったヴァンガーデレン。TTバイクに乗ったまま最後の峠を駆け上がると、ヴェストラを28秒突き放す48分52秒をマークしステージ優勝。同時に総合ライバル達から大きくリードを奪うことに成功した。

「今日はレース無線が動かず、自分がどういった順位で走っているかを良く把握できていなかった。でもレース全体にわたって良い状態で走れていたから、そんなことは関係無かったんだ。今日の最初の上りは思ったよりもきつく、平坦区間でも強い風が吹いていたから上体を低く構える必要があったんだ。もちろん最後の山もとてもハードだったよ」

表彰式では生まれたばかりの娘を抱いてみせたヴァンガーデレン。「妻と娘がレースに来てくれたことが凄くモチベーションに繋がった。信じられないよ。今日ほど良い一日は今までに無かった。」なおこの日の結果をもって、BMCレーシングチームはチーム総合成績トップに。

明日第7ステージは難関峠の頂上ゴールへと至る最終山岳ステージ。2位のロジャーズ以下に対して1分47秒というリードを持つヴァンガーデレンの走りに注目が集まる。

リーダージャージのティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)とリエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)リーダージャージのティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)とリエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) photo:Cor.VosTTポジションでゴールに飛び込むティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)TTポジションでゴールに飛び込むティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) photo:Cor.Vos



ツアー・オブ・カリフォルニア2013第6ステージ結果
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 48′52″
2位 リエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)      +23″
3位 ローハン・デニス(オーストラリア、ガーミン・シャープ) +28″
4位 マイケル・ロジャーズ(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +1′05″
5位 マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム) +1′08″
6位 キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)+1′28″
7位 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)+1′29″
8位 レオポルド・ケーニッヒ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ)+1′43″
9位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)+1′46″
10位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)+1′48″

個人総合成績
1位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 22h44'24″
2位 マイケル・ロジャーズ(オーストラリア、サクソ・ティンコフ) +1′47″
3位 キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)+2′57″
4位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)+3′21″
5位 アレクシス・アセヴェド(コロンビア、ジェーミス・ハーゲン)+3′31″
6位 マシュー・ブッシュ(アメリカ、レディオシャック・レオパード)+3′33″
7位 フランンシスコ・マンセボ(5アワーエナジー)+4′26″
8位 フィリップ・ダイグナン(アイルランド、ユナイテッドヘルスケア)+4′52″
9位 チャド・ハーガ(アメリカ、オプタムp/b)+5′02″
10位 ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガー)+5′04″

ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール・プロサイクリング)

山岳賞
カーター・ジョーンズ(アメリカ、ビッセルプロサイクリング)

新人賞
ローソン・クラドック(アメリカ、ボントレガー)

チーム総合成績
BMCレーシングチーム


text:So.Isobe
photo:Tour Of California
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