6月22、23日に大分県で行われる全日本ロード。当初発表とは逆コースで、エリートは周回を減らして180kmへ変更された。あわせてコースの見どころを紹介しよう。

コース平面図(残距離)コース平面図(残距離) image:JCF4月11日、日本自転車競技連盟(JCF)は今年6月22、23日に行われる全日本自転車競技選手権大会ロードレースのコミュニケNo.1を発表した。内容は、それまで発表されていたコースを逆に回ることと、エリートクラスが短縮されて180kmになったことだ。内容は次のとおり。
コース高低差図(残距離)コース高低差図(残距離) image:JCF
1 コース周回方向
コースの周回方向は従来左回りとされていたが、コース予定区間道路の改修工事進捗状況を勘案し、右回り(時計回り)に変更する。

2 男子エリートの競技距離
上記変更による所要時間の見直しにより、男子エリートの競技距離は1周回短縮し、12周回・180km とする。

その他は発表されていない。
ゴール地点、のつはる少年自然の家(順路は画面奥から手前へ)ゴール地点、のつはる少年自然の家(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI
これにより日程等概要は次のとおりに。
主催:(財)日本自転車競技連盟
共催:大分市 
主管:大分県自転車競技連盟
期日:平成25年6月21日(金)~6月23日(日)
会場:大分県 県民の森 平成森林公園特設コース(15.0km/周)

日程:
・6月21日(金)
 14時から、ライセンスコントロール・ゼッケン配布、監督会議、ライダーズ・ミーティング、メディア・ミーティング
・6月22日(土)
 8時00分 男子U17+男子U15 60km(4周)
 8時05分 女子U17+女子ジュニア 45km(3周)
 11時00分 男子U23 135km(9周)
 11時05分 男子ジュニア 90km(6周)
・6月23日(日)
 8時00分 男子エリート 180km(12周)
 8時05分 女子エリート 90km(6周)

昨年、岩手県八幡平で開催された全日本選手権昨年、岩手県八幡平で開催された全日本選手権 photo:Hideaki.TAKAGI昨年、全日本選手権を制したのは土井雪広(当時アルゴス・シマノ)昨年、全日本選手権を制したのは土井雪広(当時アルゴス・シマノ) photo:Hideaki.TAKAGI

コース概要
2km地点、平成パークラインはアップダウンの連続(順路は画面奥から手前へ)2km地点、平成パークラインはアップダウンの連続(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI4.5km地点下り区間(順路は画面奥から手前へ)4.5km地点下り区間(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI
1周15km、累積標高差470mの山岳コースで平坦はほとんど無い。スタート/フィニッシュ地点の、少年自然の家付近がコース内最高標高の約690m。ここから北方向へ平成パークラインを走る。ここは尾根沿いの小さなアップダウン区間。4kmほど進み大峠から一気に400m近いダウンヒル。

基本1.5車線で狭くワインディング。師田原ダムから今度はゴールへ向けて一気に400mほどを上る。一ヶ所いったん下りラスト2.5kmは上ってゴール地点へ。1周の標高差は470m、12周するエリートの標高差合計は5600mを超える。

一言で表すならば山岳コース。高い登坂能力のあることが優勝するための必要条件。しかし平成パークラインでのアップダウンの攻防、テクニカルな下り区間、そしてラスト3kmにある少しの下り、これらのために登坂能力だけでも勝てないコースだ。クライマーは単独または少人数での大逃げで、スピードマンはラスト2.5kmまで残れば、それぞれに勝機がある。
7km地点集落下り区間(順路は画面奥から手前へ)7km地点集落下り区間(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI

観戦するには
会場へは車で移動するのが前提と考えられる。会場一帯は大分県県民の森であり駐車場は十分にある。観戦ポイントはラスト2.5kmの県道からゴールまでの上り区間がベスト。上下の見通しが利きコース幅も広いのでおすすめ。ほかは師田原ダムと大峠にコース外からアプローチする方法。レース中は一般車両はすべて交通止めにするため、コース内の車での移動はできない。
8km地点下り区間(順路は画面奥から手前へ)8km地点下り区間(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI
メイン会場は少年自然の家前で、大型テント、MCブース、協賛ブースに加え飲食ブースも予定される(主催者側情報)。会場周辺にコンビニや商店などがないため飲食ブースは嬉しい。

試走から見たコース紹介
シクロワイアードでは3月に当時の正ルート、現在の逆ルートで自転車及び車で試走している。正規ルートになおしてコースを紹介しよう。
11km地点急勾配の上り区間(順路は画面奥から手前へ)11km地点急勾配の上り区間(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI
0km-4km:平成パークラインは最初500mほどは平坦基調で2車線、歩道もある。あとはアップダウンの連続で歩道も無い1.5車線、見通しが悪く両端は砂がある。周回中は上りきった後の区間であり、きつい状態からのアタックが繰り出されるだろう。
12km地点短い下り区間(順路は画面奥から手前へ)12km地点短い下り区間(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI
4km-9km:平均8%ほどの下りで車の離合に気を使うほどの狭い1.5車線。この全日本選手権のために道路改良工事を施工済みで、路面はスムーズ。ただし全般に見通しが利かず勾配のきつい部分もあり注意を要する。下りの得意な選手ならばここでタイム差を詰めることも可能。

9km-12km:師田原ダムからゴールへ向けて8-10%ほどの上り区間。直線状ですべて2車線の広い道。下りでバラバラになった集団がまとまるが上りの得意な選手は抜け出す。クライマーはここで差をつけておきたいところ。スピードマンはなんとしても食らいついておきたいところ。
13.5km地点県道上り区間(順路は画面奥から手前へ)。絶好の観戦ポイント13.5km地点県道上り区間(順路は画面奥から手前へ)。絶好の観戦ポイント photo:Hideaki TAKAGI

12km-15km:いったん標高差40mほどを下って県道に入っていよいよゴールまで2.5kmの上り。勾配は7%ほどで緩いカーブの見通しの良い2車線。センターラインにキャッツアイがありレースまでに撤去されない可能性があるので注意。県道から平成パークラインへ右折してからも上りが続き、ゴールまで300mほどはやや勾配が緩くなる。
ゴール前100mほど地点、緩い上り(順路は画面奥から手前へ)ゴール前100mほど地点、緩い上り(順路は画面奥から手前へ) photo:Hideaki TAKAGI
勾配と景色の変化が大きいため、1周で累積標高差470mもあるとは思えずオールラウンダーにこそ可能性あると感じた。だが間違いなく山岳コースであり、最低限、高い登坂能力は必須だ。下り区間は狭く見通しが悪いが、全日本レベルの選手ならば問題は無いだろう。レースで大きな動きは上り区間で、アタックポイントは平成パークラインだ。

なお自転車や自動車での試走時には十分に気をつけよう。平成パークラインは土日の交通量はそこそこある。見通しの悪い下り区間は、集落の間を抜けていく。上り区間に相当する県道区間は交通量が多い。地元の協力があって開催される大会だ。

image:日本自転車競技連盟
協力:大分県自転車競技連盟
photo&text:高木秀彰