3月24日、第2回JBCF幕張クリテリウムが千葉市の幕張海浜公園内で開催された。2013年度JBCFエリートツアー第一戦、JBCFフェミニンツアー第一戦として位置づけられる大会で、各カテゴリー総勢350人で争われた。

各クラスのレースの決勝の模様をダイジェストでお届けする。

幕張クリテの会場はビルの眺められる海浜公園内だ幕張クリテの会場はビルの眺められる海浜公園内だ (c)Yosuke Suga

Jフェミニンツアー決勝 15周/1.7km 25.5km

Jフェミニン決勝 15周 Ready Go Japanがずらりと並ぶJフェミニン決勝 15周 Ready Go Japanがずらりと並ぶ (c)Yosuke Suga武田和佳(ARAI MURACA)が果敢に先頭を引っ張る武田和佳(ARAI MURACA)が果敢に先頭を引っ張る (c)Yosuke Suga


今期初のシスターローズジャージ奪取を目指す今大会は、昨年のJフェミニンツアーの覇者の高橋奈美(vittese-serotta)はいないものの、19名の選手によってスタート。前半は人数を揃えるReady Go Japanとシクロクラブの牽制の中で、松永(GROWING racing team) や武田(ARAI MURACA)が果敢に引っ張って行く展開。

中盤、レースを強力に動かしたのは前田(シクロクラブ)。積極的に抜け出し展開を作る。しかし赤塚(Ready Go Japan)の追走を受けレースは振り出しに戻り終盤へ、ラスト4周に入ると伊藤(Ready Go Japan)が単独アタックに成功。力強い踏み込みで追走に間隔を詰めさせない。

ラスト2周で捕まると、この追走で11名に減った集団から満を持して、米田和美(Ready Go Japan)がゴールに向けてスプリント。2着の西塚選手と2車身あまり離して優勝。2013年最初のシスターローズジャージを手に入れる事となった。女子レースの中で、チーム単位の動きが見えた初戦。今後のツアーでのレースの展開に注目だ。

米田和美(Ready Go Japan)がゴールスプリントを制する米田和美(Ready Go Japan)がゴールスプリントを制する (c)Yosuke Sugaフェミニンは米田和美(Ready Go Japan)が優勝フェミニンは米田和美(Ready Go Japan)が優勝 (c)Yosuke Suga




エリート3決勝 20周/1.7km 34km

エリート3決勝 ブラウブリッツェンが先頭を固めるエリート3決勝 ブラウブリッツェンが先頭を固める (c)Yosuke Suga5組にわたる予選を勝ち残った45名の選手によってクラスタE3決勝はスタートした。数多くのチームの選手が揃う中でも、決勝に5人を送り込んでいるブラウブリッツェンが注目のレース。しかし、前半レースを大きくリードしたのは、清水(SPACE ZEROPOINT)と予選でも走りが光った斉藤(DOKYU HOKKAIDO)。「レースに流れを作りたかった」という清水とともに16秒のタイム差を保ちながら中盤まで逃げ続ける。

後方を組織するのは、ブラウブリッツェンや東海大学勢、関谷(Racing CUBE)あたりが強力に追走体制に入る。
残り3周で先頭2人吸収されて間もなく、なんと再び清水(SPACE ZEROPOINT)がアタックと気迫の走り。ラスト一周を前に再び集団となるとスタート地点を通過するのは柳瀬(チバポンズ)。ゴールスプリントへ向け、集団のテンションが高まって行く。

エリート3 レースはハイスピードで展開するエリート3 レースはハイスピードで展開する (c)Yosuke SugaBALBAの寺崎と新村が華麗なワン・ツー・フィニッシュを遂げたBALBAの寺崎と新村が華麗なワン・ツー・フィニッシュを遂げた (c)Yosuke Suga

そして真っ白い2人のジャージを先頭にゴールに飛び込んで来た。BALBAの寺崎と新村が華麗なワン・ツー・フィニッシュを遂げた。そして3位には、本大会を殆ど逃げ続けた清水(SPEACE ZEROPOINT)となった。

優勝の寺崎浩平と二位の新村穣(ともにBALBA)優勝の寺崎浩平と二位の新村穣(ともにBALBA) (c)Yosuke Suga優勝者の寺崎浩平と二位の新村穣(ともにBALBA) 「前半の二人の強力な逃げを前に、もし残り5周まで続くようだったら、二人で飛び出して追う事を考えていました。二人が吸収された事で、気持ちをスプリントに切り替えて望みました。同じ大学(法政)で冬の乗り込みを行って来たので、成果が出て嬉しい。将来はBALBAの先輩の井上和郎選手(現アンカー)のようにプロで活躍したい。」





エリート2決勝 25周/1.7km 42.50km

エリート2 45名の選手によってクラスタE2決勝はスタートエリート2 45名の選手によってクラスタE2決勝はスタート (c)Yosuke Suga3組の予選を勝ち抜いた45名の選手によりクラスタE2決勝はスタート。前半は相川(シクロクラブ)が単独逃げを敢行しレースをリードする展開。残り14周、相川が吸収されるとカウンターで19歳の萩原(EQADS)が単独でスパート。5秒差のタイムギャップを保ち踏み続ける。

後方集団では小林(ラバネロ)、向田(ブラウブリッツェン)、大橋(チームアヴェル)が追走に力を入れる。残り9周で吸収されると再び前半をリードした相川がアタック。展開の隙をうまくついたエスケープは残り2周では25秒まで広がった。決定的な差になってしまった後方集団は、2位争いのスプリントに切り替え、牽制気味となる。

相川将(シクロクラブ)が独走逃げ切りを果たした相川将(シクロクラブ)が独走逃げ切りを果たした (c)Yosuke Suga

相川がラスト1周のスタートラインを踏んでから22秒後、一列棒状になった集団の先頭を渾身の力で通過するのは濱野(大福屋)。そしてゴールは、華々しく相川が片手を上げて優勝。2位争いのスプリントは大塚潤(TEAM YOU CAN)に軍配があがった。ともにエキップアサダ系列のチームに所属する相川とまだ若い萩原が盛り上げたE2クラス決勝、二人に今回のレースについて振り返ってもらった。

エリート2の2位争いのゴールスプリントエリート2の2位争いのゴールスプリント (c)Yosuke Sugaエリート2表彰 相川将(シクロクラブ)が優勝エリート2表彰 相川将(シクロクラブ)が優勝 (c)Yosuke Suga


優勝の相川将(シクロクラブ)「今日はE1に先輩の飯島誠さん(アンカー時代の先輩)が見ている前で、恥ずかしい試合は出来なかったです。兄弟チームであり、後半逃げを打った萩原選手には一度集団内で少し話した程度、チームでの連携という意識はなかったけど、結果として、後半もう一度自分が逃げを打つチャンスが訪れました。自分はやはりスプリント力がないので、集団内に居ては大塚選手(YOU CAN)などにはかなわないです。理想通りの展開に持ち込めて嬉しいです。」

後半逃げた萩原慎也(EQADS)「相川さんのアシストなんてとても出来る力はないので、自分はとにかく全力で走るだけでした。相川さんには集団内で自分の走りをしろよと一度アドバイスをもらいました。」




エリート1 決勝 30周/1.7km 51km

本大会のファイナルレースは、Jエリートツアーの最高峰となるクラスタエリート1決勝。2組の予選を勝ち上がった46名でネクストイエロージャージを争うこととなった。

エリート1 決勝は30周で争われるエリート1 決勝は30周で争われる (c)Yosuke Suga飯島 誠(アクアタマ)が強力に先頭を引く飯島 誠(アクアタマ)が強力に先頭を引く (c)Yosuke Suga


レース巧者の揃うこのクラスでは、スピードが高いのも相まってエスケープを試みるもなかなか許されない厳しいレース展開となった。そんな中果敢にもレースをリードしたのは、二俣(イナーメ信濃山形-EFT)。一列棒状で追走する集団にもなかなか追いつかせない力強さで単独で逃げ続ける。相原や阿部(チームスキップ)、武田(ARAI MURAKA)、高木(BREZZA)などが集団から先頭へ少人数で加わろうとブリッチをかけ、展開を作り出そうと何度も試みる。

昨シーズンまで愛三工業で走っていた品川真寛(YOU CAN)の姿も昨シーズンまで愛三工業で走っていた品川真寛(YOU CAN)の姿も (c)Yosuke Suga後方から更にアクアタマの飯島、山口、秋山が追走をかけると、逃げていた二俣を吸収しながらも次に大きな流れを作り出すきっかけとなる動きがうまれる。レース後半、飯島、武田、江本(なるしまフレンド)、そして前半を盛り上げた二俣を含む強力なグループが形成されるが、追走の力走で再び吸収。

この隙をついて抜け出しに成功したのが若生(なるしまフレンド)。若い選手の果敢な逃げに会場が沸く。単独で1周逃げるも、残り4周でブリッヂに成功した飯島、高木、豊田(チームアヴェル)によって追いつかれる。これを最終の逃げにしようと後方はアクアタマ勢が抑えに回っている様子。しかし、ラスト2周で再び一つとなった集団はゴールスプリントへ向け位置撮り争いが激しくなっていく。

市山襄(明治大学)が飯島 誠(アクアタマ)らをゴールスプリントで下す市山襄(明治大学)が飯島 誠(アクアタマ)らをゴールスプリントで下す (c)Yosuke Suga

ゴール150mで先頭に見えて来たのは末永と市山(明治大学)に挟まれた飯島。そしてレースを僅差で制したのは市山。2013年度最初のネクストイエロージャージに袖を通す事になった。

エリート1表彰 市山襄(明治大学)が優勝エリート1表彰 市山襄(明治大学)が優勝 (c)Yosuke Suga市山襄(明治大学)がネクストイエロージャージに袖を通す市山襄(明治大学)がネクストイエロージャージに袖を通す (c)Yosuke Suga


市山襄(明治大学):「今日は本当に速い展開で、もう前に位置どるだけで精一杯でした。この直前で1週間の合宿をしていたので、その疲れもあったのですが、最後は同期の末永選手とうまくスプリントに持ち込めました。実業団の試合は、学生の試合に比べ、位置取りの駆け引きがより難しい試合が多くて、今回も飯島選手や品川選手などの往年の選手もいるので本当に勉強させてもらっています。」

フォトギャラリー(写真181枚・CW FaceBook)

photo&text:Yosuke Suga