高性能レーシングタイヤとして高い評価を得るパナレーサーのフラッグシップモデル、RACEシリーズ。2013年モデルからはラインナップはそのままに、コンパウンドを改良して進化を果たした。今回は耐久性を重視した「RACE D EVO2 25c」のインプレッションを行った。

パナレーサー RACE D EVO2 25cパナレーサー RACE D EVO2 25c

RACE D(デュロ)の特徴は、パンク要因の多い荒れた路面や、パンクを避けたいロングライドに対応する耐パンク性能を強化したタイヤであること。耐カット性能にも優れる3DケーシングにPTベルトを使用することで、貫通・リム打ち・サイドカットなどあらゆるパンク要因に威力を発揮するモデルだ。

コンパウンドはパナレーサー自信のZSG(Zero Slip Grip)デュアルコンパウンドのリニューアル版で、耐カット性能、耐磨耗性能が約20%向上させたことでパンクのリスク軽減と信頼性を高めることに成功。さらに信頼できる耐パンク強化レーシングタイヤへと進化している。

カラーはブラックとブラウンサイドの2色ありカラーはブラックとブラウンサイドの2色あり ややセンターが尖ったオールコンタクト トレッド形状ややセンターが尖ったオールコンタクト トレッド形状


タイヤの断面形状は、ややセンターが尖ったオールコンタクト トレッド形状を引き継ぎ、グリップ性能を最大限引き出すよう工夫が凝らされている。




―インプレッション

荒れた路面の振動を吸収できるしなやかさが感じられる荒れた路面の振動を吸収できるしなやかさが感じられる 今回テストしたモデルは、ロングライドを主体に使用するライダーに向けてラインナップされている25c。インプレッションを行った私の体重はおおよそ60kgで、使用したホイールは剛性の高いイーストンのアルミモデル「EA90-AERO」。チューブは同社製のR-AIR。使用推奨空気圧範囲内を基準に、様々な圧でテストを行った。

前作のRACE-Dの23Cでは、ケーシング剛性の高さから倒しこんでも断面形状が変化せず、コンパウンドの表面で引っ掛かるようにガッチリとしたグリップ感を実現する反面、若干のゴツゴツ感を伴っていたが、Evo2へのモデルチェンジと25C化に伴い、乗り味がしなやかな印象へと様変わりを果たしている。

具体的にはタイヤ全体がかなりしなやかになったように感じられ、そのため振動吸収性能が飛躍的に向上していることが特徴だ。荒れた舗装や細かく砂利が浮いているようなシチュエーションでもゴツゴツ来ることが無く、サドルやハンドルからの不快な振動が大幅にカットされている。

しなやかになったのと引き換えに、ガッチリとしたグリップ感はややマイルドになった感もある。しかし、しなやかになった分コーナリング中の挙動が素直で、リラックスして曲がって行くことができる印象だ。独自の断面形状のためか、車体を傾けると微妙に反発して立ち上がろうとする力が生じ、安心感を感じるところだ。

コンパウンドは変わらずしっかりとしているため、コロコロとした転がりで抵抗はかなり少ない。指定空気圧は下回るものの、私がこの25Cサイズでベストと感じた空気圧は5.5bar。圧をそこまで下げても転がり抵抗は上がらず、コーナリングで思いっきり膨らんでしまうことも少ないように思えた。なによりもソフトで上質な乗り味を楽しめたのがこの空気圧だった。

パンクリスクを最も嫌う私たち編集部が実走取材の常用タイヤとして使用するほど、パナレーサーRACE-Dの耐パンク性能の高さは群を抜いている。サイクリングに安心感を与えてくれる抜群の耐パンク性能を有し、25cならではのエアボリュームによる優しい乗り心地や少ない転がり抵抗を考えると、パナレーサーRACE-D Evo2の700x25cは、週末のロングライドを主体に楽しむライダーにはベストな選択と言えるだろう。


パナレーサー RACE D(duro)EVO2
サイズ&重量: 700x23C(230g)、700x25C(260g)
サイドカラー:ブラック、ブラウン
ビード:アラミドビード
価 格:5,800円(税込)
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