7月4日、世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランス2010が開幕。およそ3週間にわたる戦いの火ぶたが切って落とされた。今年のグランデパールは、オランダ第2の都市・ロッテルダム。初日は同市街を巡る個人タイムトライアルだ。

前日のプロローグを終え、第1ステージでいよいよフランスへの大移動が始まった。まずはオランダからベルギーへ、風車に見守られながら集団は進む前日のプロローグを終え、第1ステージでいよいよフランスへの大移動が始まった。まずはオランダからベルギーへ、風車に見守られながら集団は進む photo:Makoto Ayano
勝利という栄光を手にするために戦う世界のトップライダーたちとともに、コンマ数秒を削るために進化を続けてきたTT専用スペシャルマシンも集結。これらのバイクに装備されているシマノのホイールやPROのパーツに注目しつつ、選手たちの熱い戦いを写真で振り返る。


プロローグ

この日は天気が崩れるとの予報だったため、有力選手の一部が早めにスタートを切る賭けに出る場面も。また、最新鋭の機材や次世代の製品が投入されるツール・ド・フランスは機材の博覧会とも言え、さっそく多くのシマノ製品がレースに使用され、機材面での注目を集めた。

スタートを待つラボバンクのTTバイク達。オールブラックの車体にPROとDURA-ACEのロゴが映えるスタートを待つラボバンクのTTバイク達。オールブラックの車体にPROとDURA-ACEのロゴが映える Photo:Makoto Ayano
チームHTCコロンビアのTTバイク。PROのハンドルに電動コンポーネントDi2を装備。ステムには戦闘機風ヘッドマークがペイントされていたチームHTCコロンビアのTTバイク。PROのハンドルに電動コンポーネントDi2を装備。ステムには戦闘機風ヘッドマークがペイントされていた Photo:Makoto Ayano 地元金融機関のチームである、ラボバンクの選手には熱い声援が飛ぶ。ラボバンクはシマノ製品を信頼し、積極的に使用するチームでもある地元金融機関のチームである、ラボバンクの選手には熱い声援が飛ぶ。ラボバンクはシマノ製品を信頼し、積極的に使用するチームでもある photo:Kei Tsuji

スタートの合図を待つアントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)。フロントは75mmのDURA-ACEホイールをチョイススタートの合図を待つアントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)。フロントは75mmのDURA-ACEホイールをチョイス Photo:Makoto Ayano
スタートを切るエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)。ホイールにはPROブランドのプロトタイプスタートを切るエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)。ホイールにはPROブランドのプロトタイプ photo:Makoto Ayano
オリジナルペイントが強いインパクトを与えるアントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)のTTバイク。PROとDURA-ACEのロゴがデザイン的なアクセントにもなっているオリジナルペイントが強いインパクトを与えるアントニー・ルー(フランス、フランセーズデジュー)のTTバイク。PROとDURA-ACEのロゴがデザイン的なアクセントにもなっている Photo:Makoto Ayano


シマノのコンポーネントで固められたアントニー・ルー(フランセーズデジュー)の脚回り。シューズ、ペダル、変速機、ホイール、全てがシマノ製品だシマノのコンポーネントで固められたアントニー・ルー(フランセーズデジュー)の脚回り。シューズ、ペダル、変速機、ホイール、全てがシマノ製品だ Makoto Ayano

シマノ製のカーボンプロトタイプペダルを使っている選手も見られたシマノ製のカーボンプロトタイプペダルを使っている選手も見られた Photo:Makoto Ayano PRO製品と電動デュラエースを使用して挑んだトニ・マルティン(ドイツ、チームHTCコロンビア)がカンチェラーラに次ぐ2位に入り、マイヨ・ブランを獲得PRO製品と電動デュラエースを使用して挑んだトニ・マルティン(ドイツ、チームHTCコロンビア)がカンチェラーラに次ぐ2位に入り、マイヨ・ブランを獲得 photo:Makoto Ayano


第1ステージ

“前哨戦”であるプロローグが終了し、本格的なロードレースはこの第1ステージから始まる。今年はオランダ第2の都市・ロッテルダムからベルギーの首都・ブリュッセルまでの223.5km。前日のTTとは使用する機材もガラリと変わり、自然と目がいってしまう。この日新たに投入された機材を見ながらレースを振り返ろう。

クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)のバイク。電動デュラエース7970シリーズをメインコンポに採用する。ホイールはデュラエース7900シリーズ、リムハイト35mmのプロトタイプモデル:クリストフ・ルメヴェル(フランス、フランセーズデジュー)のバイク。電動デュラエース7970シリーズをメインコンポに採用する。ホイールはデュラエース7900シリーズ、リムハイト35mmのプロトタイプモデル: photo:Makoto Ayano
フランセーズデジューの別の選手は、シマノのバイブシリーズのステムとハンドルに、PROのサイクルコンピュータを組み合わせて使っていたフランセーズデジューの別の選手は、シマノのバイブシリーズのステムとハンドルに、PROのサイクルコンピュータを組み合わせて使っていた photo:Makoto Ayano メイン集団が海辺の直線道路をひた走る。大きなオランダ国旗がはためく様子が、この地域の風の強さを物語るメイン集団が海辺の直線道路をひた走る。大きなオランダ国旗がはためく様子が、この地域の風の強さを物語る photo:Makoto Ayano

PRO製品の供給を受けるトッププロの多くが好んで使うバイブシリーズのハンドルトステム。ステムのサイズやハンドル形状を自由に選びやすいので、選手の好みや体型を反映しやすいというメリットがあるPRO製品の供給を受けるトッププロの多くが好んで使うバイブシリーズのハンドルトステム。ステムのサイズやハンドル形状を自由に選びやすいので、選手の好みや体型を反映しやすいというメリットがある photo:Makoto Ayano
スタート直後にアタックを決めたラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)ら。ボームはオランダが誇るシクロクロスの至宝で、ロードでもU23個人TT世界チャンピオン、ブエルタ区間優勝、パリ〜ニースプロローグ優勝と着実に力を付けているスタート直後にアタックを決めたラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)ら。ボームはオランダが誇るシクロクロスの至宝で、ロードでもU23個人TT世界チャンピオン、ブエルタ区間優勝、パリ〜ニースプロローグ優勝と着実に力を付けている photo:Makoto Ayano
スタート前のチームスカイの選手達。彼らはTTステージではプロのディスクホイール、通常のステージではシマノのホイールを使用するスタート前のチームスカイの選手達。彼らはTTステージではプロのディスクホイール、通常のステージではシマノのホイールを使用する photo:Makoto Ayano

電動デュラエース7970シリーズは、TTステージだけでなく、山岳ステージでもすでにスタンダードになりつつある電動デュラエース7970シリーズは、TTステージだけでなく、山岳ステージでもすでにスタンダードになりつつある photo:Makoto Ayano
ラボバンクの選手たちが使用するバイク。ホイールに記されている数字は、リムハイトを表し、平坦ステージでは35mmと50mmのものを選ぶ選手が多かったラボバンクの選手たちが使用するバイク。ホイールに記されている数字は、リムハイトを表し、平坦ステージでは35mmと50mmのものを選ぶ選手が多かった photo:Makoto Ayano
PROのステム一体型カーボンモノコックハンドル・ステルスEVO。軽量ながらプロユースにも耐える強度を備える:PROのステム一体型カーボンモノコックハンドル・ステルスEVO。軽量ながらプロユースにも耐える強度を備える: photo:Makoto Ayano ほぼ平坦のこのコースでは、オランダ名物の強風が選手たちを苦しめた。そんな中、スタートからアタックをかけ、存在感を示したのは地元オランダ出身のラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)。

ボームは残り約30km地点まで逃げ集団で走り続けたが、後にメイン集団に吸収された。メイン集団では落車が多発し、残り2kmを切ったコーナーでも落車が発生。勝利が期待されたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)も巻き込まれ、不運にもスプリントに参加できず。

この波乱含みのステージを制したのは、かつて最強スプリンターの名をほしいままにしたアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ファルネーゼヴィニ)だった。


第2ステージ

平坦基調のプロローグや第1ステージと異なり、この日はブリュッセルからスパまでの起伏に富んだ201km。リエージュ〜バストーニュ〜リエージュやフレーシュ・ワロンヌというアルデンヌクラシックと同じ丘を越える。レースは序盤から8人による逃げが決まり、さらに残りおよそ30kmの下りでメイン集団内で落車が発生。この影響もあって、逃げ集団の選手の勝利が濃厚に。残り20kmでアタックを決めたシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)がステージ優勝。マイヨジョーヌも獲得した。

広大な畑の中、プロトンが行く広大な畑の中、プロトンが行く photo:Makoto Ayano 現役最強スプリンターとして今大会も活躍が期待されるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)もPROのバイブシリーズのハンドルを採用する現役最強スプリンターとして今大会も活躍が期待されるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームHTCコロンビア)もPROのバイブシリーズのハンドルを採用する photo:Makoto Ayano

カヴェンディッシュのバイクにはフレーム同色に塗装されたPROのステムが装着されていた。バイブのトラックステムに似ているが、プロトタイプのようカヴェンディッシュのバイクにはフレーム同色に塗装されたPROのステムが装着されていた。バイブのトラックステムに似ているが、プロトタイプのよう photo:Makoto Ayano
ブリュッセル市街を駆け抜けるプロトンブリュッセル市街を駆け抜けるプロトン photo:Makoto Ayano
横から見たカヴェンディッシュのバイク。PROのステムも同色にペイントされているため、統一感がある。フォークに書かれた日本語もユニーク横から見たカヴェンディッシュのバイク。PROのステムも同色にペイントされているため、統一感がある。フォークに書かれた日本語もユニーク photo:Makoto Ayano
レース序盤で8人がアタックを決めるも、メイン集団は容認モード。今年のツールで初勝利を獲得したいチームHTCコロンビアも集団内で潜伏していたレース序盤で8人がアタックを決めるも、メイン集団は容認モード。今年のツールで初勝利を獲得したいチームHTCコロンビアも集団内で潜伏していた photo:Makoto Ayano




トニ・マルティンのマイヨ・ブラン獲得などで序盤から存在感を示しているシマノやPROの製品。パリ・シャンゼリゼのゴールに到達するまでに、選手たちのさらなる活躍を支え、勝利を量産することに期待しよう。

提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード