前章で紹介したチャンピオンシステムのサイクリングアパレルは、早速同社がサポートするキナンレーシングチームに供給され、選手たちと共に2021年シーズンを戦った。今回は畑中勇介と山本元喜両選手に登場頂き、1年通して使用した感想を話してもらった。プロ目線でのウェア評価は、きっとこれからオーダーを考えている方の参考となること請け合いです。

チャンピオンシステムを選び続ける、キナンレーシングチーム

ジャパンサイクルリーグで存在感を見せつけたキナンレーシングチーム。リーグのリーダージャージもチャンピオンシステムがサポートするジャパンサイクルリーグで存在感を見せつけたキナンレーシングチーム。リーグのリーダージャージもチャンピオンシステムがサポートする photo:Nobumichi Komori
ランキングでは山本兄弟が個人と山岳でリーダーを獲得したランキングでは山本兄弟が個人と山岳でリーダーを獲得した photo:Nobumichi Komori畑中勇介は第5戦で2017年全日本選手権以来となる勝利畑中勇介は第5戦で2017年全日本選手権以来となる勝利 photo:Satoru Kato

チャンピオンシステムのウェアの進化を、日本で一番感じているのはキナンレーシングチームの選手たちかもしれない。チームは2015年のUCIコンチネンタルチーム化から一貫してチャンピオンシステムのウェアに袖を通し、日本国内やアジア、そしてヨーロッパの舞台で戦い続けてきた。

2020年後半に総刷新されたチャンピオンシステムのウェアは、最上級グレードのAPEXシリーズを中心に2021年より供給され、今年開幕したジャパンサイクルリーグで選手たちの走りを支えた。広島ロードで新城雄大が、オートポリスでは畑中勇介が勝利し、年間ランキングでは山本大喜が総合優勝を飾るという好成績に与えたメリットも少なくはなかったはず。

今回は畑中と、山本元喜という全日本チャンピオン経験者2人に登場頂き、チャンピオンシステムがプロデュースするCROSS COFFEEでウェアに対する意見を聞いてみた。長く同社ウェアを着る山本、初めて同社ウェアに袖を通した畑中。キナンレーシングチームを引退後、チャンピオンシステムに入社した椿大志さんも交えて聞いた2人の声は、一般ユーザーにとっても非常に参考になるものだった。

畑中勇介と山本元喜に聞く、刷新されたチャンピオンシステムウェアの魅力

「新しいウェアは、ガラッと変わった」

畑中勇介(左)と山本元喜(右)にインタビュー。チャンピオンシステムウェアの魅力を聞いた畑中勇介(左)と山本元喜(右)にインタビュー。チャンピオンシステムウェアの魅力を聞いた photo:So Isobe
CW:まずは山本選手に聞きましょう。2017年のキナン加入からチャンピオンシステムウェアを着ていますが、新しくなったウェアはいかがでしょう。違いは感じましたか?

山本:ガラッと変わりました。特に袖がラグランからセットインスリーブになったので、生地の伸縮性も加わって肩周りのフィット感が良くなりましたね。僕はApex Aeroジャージを気に入って使っていますが、とても良い感じです。

CW:畑中選手は初めてのチャンピオンシステムと聞きましたが、どんな印象を受けましたか?

畑中:やはりエアロ。これに尽きますね。山本選手と同じくレースではApex Aeroジャージを良く使いますが、それ以外のモデルも含めてフィット感はとても良いんです。それと、最新技術を積極的に投入しているのも選手として嬉しい部分。ラテックス素材のジャージを市販化したのは未だチャンピオンシステムだけですし、そのノウハウがもう、新しいAPEXシリーズに降りてきているのは凄いな、と。

山本元喜:「新しくなったウェアは従来からガラッと変わりました」山本元喜:「新しくなったウェアは従来からガラッと変わりました」 photo:So Isobe
CW:お二人がお気に入りのApex Aeroジャージの特徴は?

山本:まず第一にエアロ効果が高いこと、それから日本の蒸し暑い気候に適していることの2つですね。乾きすぎず、適度に保水してくれるから風が当たった時にとても涼しく感じます。とにかく暑いアジアレースではより速乾性の高いApex Liteジャージを使う場面がありますが、使いやすいのはAeroでしたね。

畑中:そうそう、使い勝手の良さが良いですよね。生地の目が詰まっているので最初は暑いのかな?と思ったんですが、そんなことはありません。温度帯的にも使える状況的にも守備範囲が広くて、走っていてもセパレートワンピースに近い感覚。袖や裾部分の仕上がりも綺麗ですし、僕はタイムトライアルじゃない限り、ほぼ全てのレースでAeroジャージを使っていました。

山本:あとは耐久性の高さですよね。僕たちはほぼ毎日のようにトレーニングをしてレースを走るわけですが、それでもヘタるスピードが段違いに遅い。手元に2,3年間使ったジャージもあるんですが、それをみていても劣化が少ないと思いますよ。

「よく伸びるのに、ヘタらない不思議」「よく伸びるのに、ヘタらない不思議」 photo:So Isobe「デザイン上の細かい線もきっちり表現。長期間使ってもにじまない」「デザイン上の細かい線もきっちり表現。長期間使ってもにじまない」 photo:So Isobe

畑中:伸びちゃうことはないよね。練習用とレース用でウェアを分けているんですが、一般的に酷使するトレーニング用は選択するうちに色が薄くなったり、生地が伸びたりしますが、チャンピオンシステムのジャージはヘタらないから見分けがつけにくい。ちゃんと確認して、前日のうちにレース用ウェアを分けておかないといけないんですよ(笑)。

山本:チャンピオンシステムのウェアを落車無しでボロボロにしようと思ったら、灼熱のアジアツアーで走りまくって、向こうの強烈な洗剤でガシガシ手洗いして...とかじゃない限り難しいのかな、と。

畑中:そうそう。僕たちのジャージって白いから洗濯大変じゃない?と言われるんですが、意外とそんなこともないんです。ねえ椿、これって何でなの?

「雨や泥で汚れても洗濯が簡単」「雨や泥で汚れても洗濯が簡単」 photo:Satoru Kato
椿:明確な理由はスミマセン、分かりません(笑)。でも僕もキナンに入ってからそれは思ってました。メーカーとしてそこはPRしてませんが...。

畑中:もっとPRしても良いと思うどね!泥で汚れたりしても、適当に洗濯機に放り込んでしまえばOKなんですよ。普通のジャージはウタマロ石鹸とか使わないと落ちないんですが、そんなこともなくて。

「ベストも、長袖ジャージも良い」

CW:先ほどApex Aeroジャージについて触れましたが、他にお気に入りアイテムはありますか?

畑中:僕は分厚いベスト(PERFORMANCE ウィンドベスト)。バタつきがないのと、襟が高いので家を出て体が温まるまでネックウォーマー要らずなんですよ。暑くなったら袖が無いぶん小さく背中に入れられる。薄いベストしかないメーカーも多いですが、チャンピオンシステムはこういう部分もしっかりカバーできる。嬉しいですね。

山本:僕は薄手の長袖ジャージ(TECH長袖ジャージ)。季節の変わり目など「今日はどれがいいかな」と悩む日も多いですが、とりあえずコレならどんな状況にも対応できる。登りを使ったインターバルトレーニング中にすごく効果を発揮してくれますね。

畑中勇介「お気に入りは厚いベストと、ジッパーレスジャージ」畑中勇介「お気に入りは厚いベストと、ジッパーレスジャージ」 photo:So Isobe
畑中:あと、ジッパーなしのAPEX ELITEジャージも大好き。ジッパーがないぶん軽くて着心地が驚くほどいいし、涼しくてエアロなんです。最初テレビで向こうの選手が使っているのを見て「1人じゃ脱ぎ着できないプロ専用品だろ?」と思っていたんですが、全然そんなことなかった。びっくりしましたね。

CW:お二人は結構体格差がありますが、それでも同じXSサイズを選んでいると聞いて少し驚きました。

畑中選手が自費で作ったというオリジナルシューズカバー畑中選手が自費で作ったというオリジナルシューズカバー photo:So Isobe山本:それは生地の伸びの良さが現れた部分でしょうね。僕はエアロ重視でぴったり目に着るのが好みなのですが、少し小さめを選んでも伸びがいいから窮屈さを感じません。生地の使い方もあるんでしょうけど、横方向に伸びるので胴回りがきつくない。反対に縦方向には伸びないので、ポケットにたくさん重たいものを入れてもヘタらないんですよ。

畑中:走行抵抗において空気抵抗はものすごい率を占めていますから、選手ってすごくエアロを意識するんですよ。僕もウェアに求める一番大きなものってエアロですし。年初めのウェア合わせの時に苦しかったらどうしよう?と少し思っていましたが、しばらく着ても圧迫感がないので、じゃあコレで。って(笑)。キュッと引き締まる感覚がレースでは気持ちいいですね。

細かい要望に応える製品ラインナップ

畑中:チャンピオンシステムで驚いたのは製品点数が多いことです。ベストやレインジャケットのような、あまり使用頻度が高くないものも複数種類が用意されていて、その中から使うものを選べます。チーム加入当初は「あ、今年は1種類あたりのサポート枚数少ないから大切に使わないと」と思ってたんですが、実はそんな心配は要らなかった。これは一般ユーザーにとってもすごく良いことだと思います。

山本:種類は豊富すぎて選びきれないくらい。一昔前ってインナーで調整することが多かったのですが、今アウターの機能が高くなっているので、分かりやすいし特化した機能のジャージを着ることができる。それがAPEXだけじゃなくて、ミドルやエントリーグレードでも同じなのは素晴らしいなあ、と。

椿大志さん「エントリーグレードのアップデートの多さに驚きます」椿大志さん「エントリーグレードのアップデートの多さに驚きます」 photo:So Isobe
椿:弊社製品の特徴は、ベースグレードのTECHシリーズも頻繁にアップグレードやモデルチェンジされることですね。全くアピールされないままアップデートが掛かったりするので驚きますね。それもAPEXのテクノロジーが落とし込まれている場合が多い。ベースグレードは値段の制約があるのですが、ここまで頻繁にやってるメーカーは他にないんじゃないかな、と。

畑中:過去にはプロスペシャルのウェアを作っているメーカーもありましたが、チャンピオンはこれだけの品数が全てラインナップに乗っていて、オーダーできるのが凄い。オーダー時の最小ロットも少ないし、実は僕、今日までオーダーの最小ロットの中身がごちゃ混ぜでも良いって知らなかった(10アイテムもしくは5アイテムの中身を自由に組み合わせ可能)んですよ。これはどこのブランドもやってませんよね。凄いことだと思いました。

選手お二人へのインタビューは以上の通り。最後に石田哲也ゼネラルマネージャーの話でこのレポートを締めたいと思う。

石田哲也GM:チームの要望に完璧に応えてくれる

石田哲也ゼネラルマネージャー「チームの要望に完璧に応えてくれる」石田哲也ゼネラルマネージャー「チームの要望に完璧に応えてくれる」 photo:So Isobe
チャンピオンシステムはチーム発足時に実績も何も無い状態なのにサポートしてくださったご縁があります。製品はアイテム数も多いし、新しいアイディアをふんだんに盛り込んでいるし、創立初年度からずっとお付き合いさせて頂いているのは、まず製品のクォリティが高いからです。半袖ジャージ一つとってもバリエーションも豊富ですし、酷使しても綻びがない。こういう部分はチャンピオンシステム最大のメリットだと思います。

大きな特徴としては選手それぞれ用のカスタムオーダーができることです。例えば山本はザ・日本人体型ですが、一方でトマ・ルバは手足の長いヨーロッパ体型。この二人はどちらもXSサイズを選んでいるんですが、裾や袖の長さを変えてオーダーしています。

また、レインジャージにデザインを入れられることもチームとしてすごく大きいのです。他チームだと真っ黒のレインウェアを着ているんですが、チャンピオンシステムは同じ機能なのに通常ジャージと同じデザイン。これはスポンサーに支えられているプロチームにとっては非常に大切なこと。これは一般ユーザーでもどんな時にもお気に入りのチームジャージで走れるというメリットもありますね。

提供:チャンピオンシステム photo&text:So.Isobe