「新生TEAM NIPPO 2010 始動!」

昨年末の「EQA・梅丹本舗・グラファイトデザインチームUCI登録断念」というショッキングなニュース。しかしその反動とも言うべき選手の大移動でTEAM NIPPOが大きく、そしてより強くなった。生まれ変わったチームの想いと決意をエースの一人である井上が語る。

イタリアをベースに走り出したTEAM NIPPO。左から井上、佐野淳也、中島康晴、マリウス・ウィズィアックイタリアをベースに走り出したTEAM NIPPO。左から井上、佐野淳也、中島康晴、マリウス・ウィズィアック 私、TEAM NIPPOの井上和郎は、おかげさまで今年2010年、イタリアを拠点にレース活動を行うことになりました。

TEAM NIPPOは、コンチネンタルチームという立場ですが、主にヨーロッパを中心としたプロレースに参加し、そこで結果を出してアピールすることによってヨーロッパプロチームへの道が開ける可能性のある環境です。

今年のチームは平均年齢が低く、皆、結果を出してさらなるステップアップをしようと集まってきたメンバーばかりで、私もこの年齢にあって最後のチャンスを与えられたことに感謝しています。

ヨーロッパを駆け巡るチームトランスポーターの横にはNIPPOのロゴヨーロッパを駆け巡るチームトランスポーターの横にはNIPPOのロゴ 今年のチームの活動環境は、ヨーロッパのプロチームを目指す若手にとっては魅力的な環境と言えるのではないでしょうか。

通常ヨーロッパでは毎年のようにチームが再編され、スタッフや選手がチーム間を動きます。
これは、金銭面、環境面で少しでもいい条件を求めてのことですが、あらゆるスポーツのチーム競技の中でそれは入れ替わりの激しい部類に入ることは間違いないでしょう。

選手、スタッフが毎年当然のように移籍して、いきなりシーズン当初からレースを戦っていけるのは、それぞれのチーム間で規模(資金や人材)に差はあれど、シーズンの流れやレースに対しての取り組み、レース中の動きなど、チームの動きそのものに関しては大差がないからです。

実際私がTEAM NIPPOに移籍した2008年は、イタリア人監督、スタッフ、選手に囲まれて過ごし、レースに対する意識から、レース会場、ホテルでの振る舞いなど、イタリア人が持つ独特な感性に入り込めました。 そういった感性に染まる必要はないとも思いますが、ヨーロッパのチームが持つ”空気”を自分の中に取り込むことができなければ、レースに対して万全の体制で臨むこともできないはずです。

小さな振る舞いや意思疎通の違いでも、ヨーロッパ文化になじまないことをすれば、こちらの選手、スタッフ、ファンにとっては奇妙な人間に映ります。こうした小さな行き違いで自分が損をすることは非常にもったいないことだと思います。

ここは規模こそ小さいですが、イタリア人監督のアルベルト・エッリを中心とした、こちらのプロチームを経験したスタッフによるサポートのもと、次のステップアップを目指す選手たちが揃うチームです。

シーズンインとともに新しい機材で走り出す。今年もパナレーサーのタイヤがフルクラムのホイールにセットされたシーズンインとともに新しい機材で走り出す。今年もパナレーサーのタイヤがフルクラムのホイールにセットされた
なので、こういった経験を知っているスタッフと選手が揃うTEAM NIPPOで1シーズンを戦うということは、ヨーロッパにおいて次のステップアップを目指す選手にとってはなくてはならないものだと思いますし、この経験を20代前半のうちにすべきだと思います。

「日々の小さな積み重ねが、最終的に自分の大きな利益になる」

2010年のTEAM NIPPOは、2月6日のGPコスタ・デッリ・エトルスキ(ITA 1.1)で開幕戦を迎えました。

2〜4月はイタリア、フランス、スペイン、スイス、クロアチアなどと、ヨーロッパ各地の1,2クラスのレースに参戦し、5月に帰国します。日本国内では、5月にツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・熊野、6月はJツアー、そして全日本選手権に参戦します。

ジロ・デル・フリウリのスターティングセレモニーで紹介されるTEAM NIPPOのメンバーたちジロ・デル・フリウリのスターティングセレモニーで紹介されるTEAM NIPPOのメンバーたち
これらのレースでは、TEAM NIPPOおよび選手一人一人を集団内で認知させ、しっかりと居場所を作ることが大切になってきます。それと同時に、チーム内でも各自が責任を持って仕事をし、アピールをして認めてもらい、自分の居場所を作らなければいけません。

メカニックは西勉さん。新機材のセッティングに一年で一番忙しい時期だメカニックは西勉さん。新機材のセッティングに一年で一番忙しい時期だ その1レース、1ヵ月、1年の積み重ねの差が、近い将来において自分が思っている以上に大きな差になって自分に返ってきます。

日々の小さな積み重ねが、最終的に自分の大きな利益になる、自分のために頑張るんだということを、いち早く自覚することが大事なのだと思います。

私がロードレースに目覚めたきっかけは、漫画「シャカリキ!」でしたが、その後すぐにヨーロッパのロードレースに魅了されました。
それはやはりロードレースの本場はヨーロッパであり、純粋に本場のレースを走ってみたいと思ったからです。そしてこうして今年もそのチャンスを与えられた以上は、責任を持って挑戦していく覚悟でいます。

しかし、時には自分の望まない状況に陥ることだってあるはずです。そのときに自分の逆境をただ悲観し、努力を怠ることはもったいないことだと思います。物事がうまくいっていようが、逆境であろうが、それは自分に与えられた道ですし、現状を素直に見つめて一歩ずつ前に進んでいけば、そこから学べることも必ずあるはずです。

今年のチームには、力のあるいい選手がそろっていると思います。そして、チームの力が結集したときには、必ずいくつもの勝利をつかみ取れるはずですし、それを自分の手でつかみ取りたいと思います。

2010年、新生TEAM NIPPOに是非注目してください!

プロフィール
井上 和郎 いのうえ かずお
1981年生 29歳
国体で3連覇という前人未踏の偉業を成し遂げた経歴を持つ、TEAM NIPPOのエースの一人。ナショナルチームの経験も豊富で、一昨年は日本代表として世界選手権(イタリア)にも出場。

昨シーズンは、12月に開催された東アジア大会(香港)で優勝、見事金メダルの栄光に輝いた。今年もチームにとって、「勝てる選手」として、なくてはならない存在だ。

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レッドトレッド/ホワイトサイド(700×28Cのみ)、
ブルートレッド/ホワイトサイド(700×28Cのみ)

注)重量は平均重量のため実際の製品重量とは多少の誤差があります。
税込参考価格:2,990円
Panaracerサポートチーム情報

パナレーサー2010レーシングサポート体制発表


「ロードレース」
・TEAM NIPPO
・宇都宮BLITZEN
・マトリックス パワータグ
・かぶちゃん農園・ボンシャンス飯田
・TACURINO・KSマテリアル
・ナカガワ AS・Kデザイン
・鹿屋体育大学 自転車競技部(ロードレース)
「トライアスロン」
・細田 雄一 選手(稲毛インター)
・平野 司 選手
・谷 新吾 選手
・今泉 奈緒美 選手
・シラトタロウ 氏
・Team SUNNY FISH


「車イスマラソン&トラック」
・副島 正純 選手(C's Athlete)
・廣道 純 選手(TDKラムダ)

・土田 和歌子 選手(サノフィ アベンティス)
 東京マラソン2010 女子車イスの部 優勝(3連覇)


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提供:パナソニック ポリテクノロジー株式会社