フジが展開する、バイクを好みのデザインにカスタマイズできるオーダーサービス「REMIX(リミックス)」がリニューアルを遂げた。最大86万通りものカラーオーダーが可能となる手軽で魅力的な新プログラムだ。台北でお披露目となった新REMIXのプレゼンテーションよりお届けする。

鮮やかにREMIXカラーが施されたフジ TRANSONIC鮮やかにREMIXカラーが施されたフジ TRANSONIC photo:Makoto.AYANO
シンプルなカラーであっても非常に美しいシンプルなカラーであっても非常に美しい photo:Makoto.AYANOフジREMIXによるカラーオーダーフレーム 目を奪われるカラーリングと仕上がりだフジREMIXによるカラーオーダーフレーム 目を奪われるカラーリングと仕上がりだ photo:Makoto.AYANO

日本発祥のバイクブランド、FUJI(フジ)。カラーオーダーシステム「REMIX(リミックス)」は2012年より展開されていたが、今回大幅なリニューアルを遂げ新たな内容で発表された。実は世界に先駆けて2017年9月に日本でβ版サイトによるオーダーが開始されていたが、この度ワールドプレミアとなるプレゼンテーションが台北にて開催された。

グラデーションのGradientによるカラーリング例グラデーションのGradientによるカラーリング例 フォーク先端と裏側にアクセントパターンが入るフォーク先端と裏側にアクセントパターンが入る

レインボークロームシルバーは光の具合によりマジカルな発色を見せるレインボークロームシルバーは光の具合によりマジカルな発色を見せる
台湾の首都・台北の中心部、人気のアートエリアを会場に世界のメディアが詰めかけたREMIXのメディアプレゼンテーション。フジは創業初期は日本の日米富士自転車をルーツにもち、アメリカで大きく育ったブランドだ。今季より会社組織的にもASI USAの傘下にあったASI Asiaが独立し、今後は独自の道を歩むことになるという。

プレゼン冒頭では、ステージに設けられた富士山の絵に、台湾の著名ペイントアーチスト、ANO塗鴉阿諾さんが即興でペイントを施していくというパフォーマンスが行われた。世界遺産に登録された日本の富士山は、今までも今後も、フジのブランドシンボルであることを印象づける。

台湾の著名アーティスト ANO塗鴉阿諾さんによるペイントパフォーマンス台湾の著名アーティスト ANO塗鴉阿諾さんによるペイントパフォーマンス photo:Makoto.AYANO
プレゼンの最後には6人のアンバサダーによるファッションショースタイルのREMIXバイクのお披露目が行われた。観客席から大きな声援が沸くのは、彼らが女優、野球選手、有名タレントだから。今後、台湾では頻繁にメディアに登場する彼らインフルエンサーによりプロモーションが行われるようだ。

FUJI REMIXによるショーFUJI REMIXによるショー photo:Makoto.AYANOアンバサダーとして有名野球選手が登場アンバサダーとして有名野球選手が登場 photo:Makoto.AYANO

86万通り以上の組み合わせで世界に一台の自分だけのバイクを

OVER 860,000 DIFFERENT MIX(86万通り以上の組み合わせ)が可能OVER 860,000 DIFFERENT MIX(86万通り以上の組み合わせ)が可能 photo:Makoto.AYANO
REMIXが選択できるバイクはフジの現行のロードラインアップに対応し、選択できるフレームはSL1、SL3、TRANSONIC、ROUBAIXという主要モデル4種類だ。それぞれのフレームにElite、SE、Gradient、Plainという4パターンのグラフィックデザインが用意されており、その4✕4=16種類のプラットフォームを基本とし、各デザインごとにカラーの選択が行えるようになっている。

4車種✕4パターン=16種類のプラットフォームを基本とする4車種✕4パターン=16種類のプラットフォームを基本とする フレームのベースカラーパレットで40色。色帯によるアクセントパターンで10種。ロゴで34種、フィニッシュで2種フレームのベースカラーパレットで40色。色帯によるアクセントパターンで10種。ロゴで34種、フィニッシュで2種

「Elite」はレギュラーモデルと同様のグラフィックパターン、「SE」はREMIXのみで展開するスペシャルエディションのデザイン、「Gradient」はグラデーションを活かしたデザイン、「Straight」は塗り分けの無いシンプルパターンになっている。すでにREMIXサービスはスタート。今シーズンからチーム右京が跨るレースバイクにもREMIXのグラフィックが起用され、選手たちはSEパターンのチームカラーバイクに乗ることになっている。

カラーパターン「SE」のカラーリング例カラーパターン「SE」のカラーリング例
カラーパターン「ELITE」のカラーリング例カラーパターン「ELITE」のカラーリング例 カラーパターン「Gradient」のカラーリング例カラーパターン「Gradient」のカラーリング例

オーダーは完全オンラインとなり、カスタマーはREMIXをパソコンの画面上で操作して色やパターンを選択する。フレームのベースカラーパレットで40色。色帯によるアクセントパターンで10種。ロゴで34種、フィニッシュで2種といったように、カラーとグラフィックパターンによる組み合わせはじつに860,000種類以上にのぼる。これはカスタマーが世界でただ1台のカラーのバイクを選べることを意味している。そして付け加えれば、用意されるカラーはその年の流行にあわせてリニューアルされるという。

例えばレインボークロームシルバーとブラックスパークリングは話題のiPnoneXからインスパイアされたカラーであり、光の当たり具合により色合いや輝きが変化するその様子は写真では表現しきれないほどだ。

夜間走行を安全に。光るロゴでアピールする「ライティングデカール」

点滅発光状態のロゴ。夜間でもアピール度は高そうだ点滅発光状態のロゴ。夜間でもアピール度は高そうだ
「ライティングデカール」は、FUJIのロゴが発光するシート状デカールだ「ライティングデカール」は、FUJIのロゴが発光するシート状デカールだ オプションで用意される「ライティングデカール」は、FUJIのロゴが発光するシートとなっている、夜間走行時のアピール度を狙ったもの。電源に専用の小型バッテリーを用い、暗闇でも積極的な発光により注意喚起する。バッテリーには小型・大型の2サイズを用意し、発光時間により選択することができる。

防水・防塵・耐候性のあるロゴデカール部はワイヤレスのため不発光時のルックスもスマートだ。バッテリーサイズと点灯・常時発光モードの選択により4時間〜10時間の発光が可能だ。ブラックベースのフィルム状のライティングデカールは剥がすこともでき、下部のフレーム素地にはFUJIのロゴも入っているためステッカーなしでも乗ることができるという。

プロライダーのようなネームシールもオーダーできる

プロサイクリストのバイクではお馴染みの、シートチューブ上部にアルファベットで名前や国旗が入れられるネームシールも選択注文が可能だ。バイク用に6枚、ヘルメットやアクセサリーなどのエキップメントに使用する小サイズ6枚が提供される。まさにプロ気分が味わえるサービスといえるだろう。

プロレーサーのようなネームステッカーがオーダーできるプロレーサーのようなネームステッカーがオーダーできる ネームステッカーもオプションの1つとして用意されており、まさに世界で1台のマイバイクを作ることができるネームステッカーもオプションの1つとして用意されており、まさに世界で1台のマイバイクを作ることができる

REMIXウェブシステムはソーシャルメディアとも連携

タブレットからもシミュレーターでカラーカスタマイズすることができるタブレットからもシミュレーターでカラーカスタマイズすることができる 一新されたREMIXのオンラインシミュレーターでは、パソコン上で全てのカスタマイズ内容と特殊塗装やオプションによる料金アップチャージと合計金額を確認しながら調整することができる。シミュレーター上で試したデータはもちろん保存可能だ。

オーダーのフローとしては、WEB上で好みのデザインに調整。確定した仕様をフジディーラーのサイクルショップに持ち込み注文を行う。発注を行ってからバイクがディーラーのもとに届くまでの納期は約5週間だ。

また現時点では台湾国内のみのサービスとなるが、REMIXのオンラインシミュレーターはソーシャルメディアとも連携する。サイト上にあるFaceBookやtwitterのボタンから、確定させたデザインを自身のアカウント上に投稿できる。また、Live Chatボタンが設けられ、自身のデザインしたカラーについての質問などをオペレーターに投げかけることもできるという。近いうちの日本での展開開始に期待したい。

また特筆すべきはその価格の手軽さだろう。カラーオーダーの価格は選択する色や「特色」と呼ぶオプション等により価格が変動し、その注文価格はオンラインで随時確認できる。REMIXによるアップチャージ価格の目安は、特色を使わなければあらかじめ用意されているスタンダードカラーの+3万円程度〜という手頃さだ。アルミモデルなら11万円〜という価格で自分だけのカスタムフレームを手にすることができるのだ。

日本での先行販売価格が発表され、その安さが驚きをもたらした日本での先行販売価格が発表され、その安さが驚きをもたらした 「You can't buy Happiness but you can buy a Bicycle(幸せは買えないけど、自転車は買える)」「You can't buy Happiness but you can buy a Bicycle(幸せは買えないけど、自転車は買える)」

スポーツバイクをカラーでカスタムできる楽しさと、オンラインならでの双方向性やソーシャルネットワークとの連携で広がる世界を、フジは先取りしようとしている。

「You can't buy Happiness but you can buy a Bicycle(幸せは買えないけど、自転車は買える)」という言葉で、楽しくポップなプレゼンは締めくくられた。

日本のフジ REMIXウェブサイト内のディーラーリストに記載のある店舗では、店頭にREMIXコーナーが設置され、実際のカラーサンプルなどを確認することができるという(2月上旬から随時設置予定)。



REMIXプロジェクトマネージャー ジョーンズ氏インタビュー

「REMIXの自在な展開と低価格の秘密。そして将来はもっとカラフルに広がっていく」

プレゼンテーションを行った、フジREMIXプロジェクトのマネージャーのジョーンズ氏にインタビューした。無限の広がりを感じさせるREMIXのシステムの秘密と、これからについて。

Q:9月からの日本での先行展開では60台の発注があったそうです。それは成功でしたか?

REMIXのプロジェクトマネジメントを担当するジョーンズ氏REMIXのプロジェクトマネジメントを担当するジョーンズ氏 日本のカスタマーの皆さんに注文していただいたバイクは、非常に素晴らしいセンスのバイクばかりで、私達も大いにインスパイアされました。
日本はバイクビジネスにおいてもっとも重要なマーケットです。私達は敏感なカスタマーたちの反応が知りたいし、だからこそREMIXのβ版を日本でスタートさせたのです。日本はフジの故郷でもありますから、なおさらです。ウェブサイトにももう少しモディファイを重ねてより良いサービスになるようにしたいと考えています。

Q:カラー選択の多さに驚きますし、何よりプラス3万円程度でフルカスタムできるREMIXはとても魅力的に映ります。他社のカラーオーダーが「空の上の価格」なのに対して、とても手軽に楽しめそうです。

OVER 860,000 DIFFERENT MIX(86万通り以上の組み合わせ)OVER 860,000 DIFFERENT MIX(86万通り以上の組み合わせ) 特色の場合は少しエクストラがかかりますが、それでも非常に安い価格です。アルミフレームだと11万円からREMIXで注文できる。例えばチームで揃えたカラーのバイクを低予算で組めますから、レーシングチームなど皆さんで楽しんで欲しいですね。

Q:REMIXのペイントは台湾で塗られているのですか?

すべて台湾のFUJI工場内で塗られ、非常に厳しいクオリティコントロールを経ています。手塗りのカスタムカラーですが、価格が安いからといって仕上がりにバラつきがあったり雑な塗り方では工業製品として失格ですから。

Q:素晴らしいペイントと、それに反して驚くほどの低価格の秘密は何でしょう?

REMIXのペイントはフジの台湾工場内ですべて行っており、4人の専門ペインターが担当しています。外注はしていません。彼らは熟練したREMIX専門のペインターであり、それぞれが分業しています。間違いがないように、品質を安定させるため。ムラが出たりはみ出したりといった失敗が許されないから、少人数でその作業だけを担当します。それが品質を高く保つ秘訣だと考えています。

例えば今回発表した「レインボークロームペイント(光の当たる角度により様々な色合いに変化する特殊塗装)」は塗装のコントロールが非常に難しいため、ひとりのペインターが担当することで品質を管理します。

クロームシルバーは単なるシルバー以上の深みがあるクロームシルバーは単なるシルバー以上の深みがある アースカラーのマット仕上げなども可能だアースカラーのマット仕上げなども可能だ

価格面では他社のカラーオーダーが人件費の高い本国(欧米諸国)で塗り、本国からアジアへと発送される輸送コストなども重なり、非現実的なプライスになってしまっています。REMIXは生産拠点の台湾で塗ることで、輸送コストを抑えています。

カスタムペイントは手塗りのイメージですが、REMIXは安定した品質、そして確実な納期に自信があります。

Q:光るロゴのライティングデカールは世界初の試みですね。どういった仕組みで、どの分野から来たテクノロジーなのでしょうか?

専用バッテリーからワイヤレスで給電されるライティングデカール専用バッテリーからワイヤレスで給電されるライティングデカール もちろん自転車界では初めての採用です。「LEDパウダープリント」という技術を用いています。発光し、曲げることができるフレキシブルなシートは耐候性・防水性があり、悪天候での使用も問題ありません。台湾の企業が開発したもので、カー分野で使用されてきたものです。

カーアクセサリー業界ではブレーキランプに同調してクルマの後部のロゴが光ったりするステッカーが流行っています。それからの応用です。バッテリーはボトル内に内蔵する、よりスマートなシステムも開発を進めています。

Q:サンプルとして展示されたデジタルプリントステッカーによる展開の将来性を聞かせてください。非常に凝ったカラーリングで、こんなこともできるようになるのか! と驚きました。

参考出品のデジタルプリントを使用したカラーサンプルフレーム。手にする2人はREMIXを手がけるカラーエンジニアだ参考出品のデジタルプリントを使用したカラーサンプルフレーム。手にする2人はREMIXを手がけるカラーエンジニアだ photo:Makoto.AYANO
デジタルプリントによるステッカーであしらわれたモザイク模様デジタルプリントによるステッカーであしらわれたモザイク模様 このデジタルプリントによるカラーリングは、先に挙げたライティングデカールを開発した企業と開発しているものです。コンピュータプリントによる デカール(ステッカー)によるカラーリングで、従来は手塗りで行っていた細かな塗り分けやモザイク模様なども、ステッカーにより再現しています。自転車フレームに特化したステッカーで、見た目は塗装したように見えます。近い将来にはこのプリントによるカラーもオーダーできるようにしたいと思っています。塗装でやればコスト的に非現実的なものになります。

Q:カラーリングに無限の展開を感じます。REMIXはどこに向かうのでしょう?

将来的にはアーチストやクリエイターとコラボしたりして、面白いものをつくっていきたいですね。今回、トラディショナルさの象徴である富士山に前衛的なカラーリングを施したANOさんによるペイントパフォーマンスがそれを象徴しているのです。

デジタルプリントには大きな可能性を感じています。例えば私はアルベルト・コンタドールのファンなのですが、角度を変えると異なった絵柄が浮き出るホログラムステッカーはご存知でしょう? 自分がダンシングした際に、フレームの上で彼のダンシングを再現するようなプリントを作りたい。面白いと思いませんか?



※プレゼンテーション動画上では納期の表現が3〜5週となっているが、日本国内では約5週間となる。
※ライティングデカールの国内での正式サービス開始は来春頃が予定されている。
提供:フジ(アキボウ) 写真と文:綾野 真
presented by FUJI, AKIBO Corp photo&text:Makoto.AYANO