シマノが誇るDURA-ACEコンポーネントとホイールにフォーカスを当ててきた、今年のツール・ド・フランス特集も今回が最終回。熱狂した第3週のレースを振り返り、マイヨジョーヌに袖を通した選手たちの活躍を紹介しよう。

総合優勝と新人賞獲得 シマノがツールを手中に

第8ステージでクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)がマイヨジョーヌを獲得してから、一度もその座を譲ることなく迎えたツール・ド・フランス最終週。パリ・シャンゼリゼにゴールする第21ステージ以外の4ステージすべてで過酷な登りが待ち構える、世界最高峰のレースにふさわしい最後の5日間だ。

スタッフを含めて全員でステージに上がるチームスカイスタッフを含めて全員でステージに上がるチームスカイ photo:TDWsport/Kei Tsuji
休息日明けの第17ステージから、チームスカイの牙城を崩すべく攻撃を繰り返したライバルチームたち。しかし、その攻撃はフルームの強力なアシスト達によって封じ込められ、逆にチームスカイの強さを際立たせる結果となってしまう。唯一チームスカイのアシスト体制を崩すことに成功したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)は総合6位に成績を上げ、総合表彰台を射程圏内に収めた。

そして、アルプスへと入る前に用意された山岳TTで総合成績は決定的に。多くのライバルたちがノーマルバイクをチョイスする中で、ヒルクライムだがTTバイクの方が速いと判断したフルームが更にタイム差を広げる事に成功した。ここまでの成績を見ると、今ツールの山岳で最も強さを見せたのはフルームであったことは明らかだ。

詰めかけた大観衆のなかTTバイクでクライミングするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) 詰めかけた大観衆のなかTTバイクでクライミングするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
第7ステージで獲得した新人賞ジャージを堅守したアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)第7ステージで獲得した新人賞ジャージを堅守したアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) photo:Kei Tsujiチームスカイのアシスト体制を崩したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング)チームスカイのアシスト体制を崩したリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシング) photo:TDWsport/Kei Tsuji


ゲラント・トーマスらチームメイトに守られてジュー・プラーヌ峠へ向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) ゲラント・トーマスらチームメイトに守られてジュー・プラーヌ峠へ向かうクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Makoto.AYANO
最終決戦の場となるアルプス2連戦は、またしてもチームスカイの総合力を見せつけられた。1戦目となる第19ステージでは、雨が降るダウンヒルでスリップダウンしたフルームをゲラント・トーマスとワウト・ポエルスが献身的にサポート。

実質のラストステージとなる第20ステージは、チームスカイの完全なコントロール下に置かれた。ゲラント・トーマスらの強烈な牽引により、チャンスを窺っていたライバルたちは完封され、手も足も出ず。フルームは落車のダメージを微塵も感じさせない落ち着いた走りで最後のジュー・プラーヌ峠を登り切り、マイヨジョーヌをシャンゼリゼへと運んだ。

マイヨジョーヌを着用してパリ・シャンゼリゼに凱旋したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)マイヨジョーヌを着用してパリ・シャンゼリゼに凱旋したクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) (c)CorVos
そして、チームメイトたちとともに、笑顔でパリに凱旋したフルーム。自身2年連続3度目の総合優勝をDURA-ACEとともに成し遂げた。加えて、新人賞はアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ)の手に。イェーツは既に総合表彰台に登る実力があることを見せつけており、来年以降の活躍に期待がかかる。

ツール・ド・フランス制覇を支えたPROのパーツ

今回のツールではシマノのサポートチーム中、チームスカイ、ジャイアント・アルペシン、オリカ・バイクエクスチェンジ、FDJという4チームがPROの製品を用いてレースを戦った。今回フルームがマイヨジョーヌを獲得したことで、DURA-ACEはもちろん、PRO製品も2連勝を果たしている。

クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) の駆るピナレロBOLIDE PROのバトンとディスクホイールの組み合わせだクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) の駆るピナレロBOLIDE PROのバトンとディスクホイールの組み合わせだ
バイクによってはVIBEシリーズのハンドルとステムが装着されているバイクによってはVIBEシリーズのハンドルとステムが装着されている photo:Makoto.AYANOクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)は使用するバイクや戦略によってSTEALTH EVOとVIBEシリーズを使い分けるクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)は使用するバイクや戦略によってSTEALTH EVOとVIBEシリーズを使い分ける photo:Makoto.AYANO


今ツールでも活躍した通り、ハンドルやステム、シートポスト、ホイールなど幅広いラインナップを揃え、選手たちの走りをあらゆる角度から支えているPRO。本章では各ステージにおける、選手たちの製品チョイスのバリエーションを振り返りたい。ホビーユーザーの皆さんのパーツ選びの一助となれば幸いだ。

まずは圧倒的な走りでマイヨジョーヌを獲得したクリス・フルーム。先駆けてR9100系DURA-ACEのホイールを使用したフルームだが、第3週でもニュースを届けてくれた。ほぼすべての選手がノーマルロードバイクを使用した山岳個人タイムトライアルに、TTバイクとディスクホイール、バトンホイールを持ち込んだのだ。「TTバイクが重くて使えないのは昔の話」と語っていたフルームだが、その言葉はPRO 3-Spoke WheelとTeXtream Carbon Discの空力はもちろん、登りにも対応する剛性、そして軽量性という裏付けがあってこそ。

ジャイアント・アルペシンのTTバイクには、プロライダーと共同開発が行われたというPRO エアロフューエルが装着されているジャイアント・アルペシンのTTバイクには、プロライダーと共同開発が行われたというPRO エアロフューエルが装着されている FDJのTTバイクにはPRO MISSILE EVOシリーズが装着されているFDJのTTバイクにはPRO MISSILE EVOシリーズが装着されている photo:Makoto.AYANO

PROのハンドル、ステム、バーテープでまとめられたジャイアント・アルペシンのバイクPROのハンドル、ステム、バーテープでまとめられたジャイアント・アルペシンのバイク
FDJはシートポストなどもPRO製品で固められているFDJはシートポストなどもPRO製品で固められている photo:Makoto.AYANO140mm長のステムを使用するルーク・ロウ(チームスカイ)。プロの細かいニーズに合わせて開発される140mm長のステムを使用するルーク・ロウ(チームスカイ)。プロの細かいニーズに合わせて開発される photo:Makoto.AYANO


そしてもう一つ。新型の軽量バイクを勝負所のステージに投入したフルームだが、これまで乗り慣れていたバイクからハンドル周りのセッティングを変えていたことも話題だ。軽量の新型バイクにはハンドルステム一体式で剛性を求めたSTEALTH EVOを、従来のバイクにはノーマルタイプのVIBEシリーズを取り付けていた。その理由は明らかではないが、こうした細やかなセッティングに対応し得る点は、幅広いラインナップを誇るPROならでは。

プロトン内で愛用者が多いのは、数あるハンドルの中でもトップレベルの高剛性を誇るVIBEシリーズ。その人気の秘密は豊富なバリエーション展開にある。ハンドル1つとっても、アナトミックやシャローといった形状はもちろん、様々なポジションに合わせるべく細やかなサイズ展開も行っている。素材もカーボンとアルミの2種類が用意されるため、選手は自分のライディングスタイルに最も適合した組み合わせを選択できる。

シマノ製品で固められたティボ・ピノー(FDJ)のスペシャルペイントバイクシマノ製品で固められたティボ・ピノー(FDJ)のスペシャルペイントバイク photo:Makoto.AYANO
タイムトライアルではMISSILE EVOシリーズの出番だ。プロチームと協力し開発を進めたこのシリーズは、よりポジションが重要となる種目だけに様々なバリエーションが揃っている。各バイクメーカーが誇るTTバイクと、PROのハンドル、ここに最小限の力で瞬時に変速できるDURA-ACE Di2を組み合わせれば、最強最速のTTマシンパッケージが完成するのだ。

世界最高峰レース、ツール・ド・フランスでの戦いを支えたシマノDURA-ACE

チームメイトたちと並んでフィニッシュするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)チームメイトたちと並んでフィニッシュするクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:TDWsport/Kei Tsuji
パリ・シャンゼリゼの表彰台に登ったのは、総合優勝のフルームと新人賞のイェーツという2人。今年のツール・ド・フランスを振り返れば、シマノDURA-ACEは16勝を挙げ、マイヨジョーヌの座を終始キープするという功績を残した。

選手自身の力はもちろん大きいが、機材スポーツでもある自転車競技の最高峰であるツールにおいて、考えうる限りほぼ最高の名誉と言えるのではないだろうか。過半数を優に超える21ステージ中16勝という結果はまさにDURA-ACEの優位性を示すものであり、それはこの先も変わることがないだろう。

凱旋門に向かってシャンゼリゼを駆ける凱旋門に向かってシャンゼリゼを駆ける photo:TDWsport/Kei Tsuji
提供:シマノ 制作:シクロワイアード編集部