説明不要の世界最大規模を誇るスポーツバイクメーカー、ジャイアント。そのボリュームゾーンであるエントリ〜ミドルグレードモデルに位置するアルミロードバイクが2017年モデルで一新した。この大改革のキーとなるニューモデル、TCR SLRとCONTENDシリーズをそれぞれ掘り下げていこう。

2017年、ジャイアントアルミロードの大改革

フルモデルチェンジしたTCR SLR(左)と、新登場したCONTENDシリーズ(右奥)フルモデルチェンジしたTCR SLR(左)と、新登場したCONTENDシリーズ(右奥)
ロードバイクやMTB、シクロクロスやミニベロといった豊富なバイクラインナップはもちろんのこと、最近は女性向けブランドLivの認知度アップや、ホイールやサドル、ヘルメット、シューズといったパーツやアクセサリー類の拡充など、ますますその枠を広げ続けているジャイアント。

そしてその魅力の一つに、各ジャンルのエントリーモデルにまで一切手を抜かず、かつ他のブランドと比較しても飛び抜けてリーズナブルな値札を付けていることがある。しかもただ安価であるだけでなく、品質や性能は折り紙つき。これは世界中のブランドからの受託製造を引き受けるほど信頼の高い自社工場を持つからこそ成せる技である。スポーツバイクに初めてチャレンジするユーザーにとっては、これ以上無いほどに頼れる存在と言って良いだろう。

写真で見るジャイアントのアルミフレーム製造現場

簡単な部分の溶接は自動化されているが、今でも職人の手にゆだねられる部分が大きいという簡単な部分の溶接は自動化されているが、今でも職人の手にゆだねられる部分が大きいという (c)ジャイアント・ジャパン母材の温度管理が重要なロウ付け溶接。コンピュータ制御による6本のトーチがチューブを最適な温度に加温する母材の温度管理が重要なロウ付け溶接。コンピュータ制御による6本のトーチがチューブを最適な温度に加温する (c)ジャイアント・ジャパン
職人の手によって溶接されていくアルミフレーム職人の手によって溶接されていくアルミフレーム (c)ジャイアント・ジャパン溶接されたアルミフレームは一台一台精度チェックをして熱処理前にジグで補正を行う溶接されたアルミフレームは一台一台精度チェックをして熱処理前にジグで補正を行う (c)ジャイアント・ジャパン


ロードバイクに関してみれば、ピュアレーシングのTCR、エアロ性能を突き詰めたPROPEL、長時間のライディングに対応するエンデュランスロード、DEFY。この3つのラインが世界一の巨大自転車ブランド・ジャイアントのロードラインナップを支える屋台骨であり、いずれもが質の高いアルミモデルを有し人気を得てきた。

しかし2017年モデルでは、そのアルミロードバイクラインナップが一新。ジャイアントが誇る最軽量のALUXX SLRアルミニウムを使ったレーシングマシン「TCR SLR」がモデルチェンジを果たし、SLR以下のアルミTCRとDEFYを統合した後継機、CONTEND(コンテンド)が発表されたのだ。

ジャイアントのアルミフレームはトップ選手からも愛されてきたジャイアントのアルミフレームはトップ選手からも愛されてきた photo:Hideaki.TAKAGI
湘南ベルマーレの選手がJプロツアーで駆ったアルミ TCR.基本性能の高さがあってこそ湘南ベルマーレの選手がJプロツアーで駆ったアルミ TCR.基本性能の高さがあってこそ photo:So.Isobe2014年にジャイアントが発表した最軽量のALUXX SLRアルミニウム2014年にジャイアントが発表した最軽量のALUXX SLRアルミニウム 滑らかな溶接跡。オートメーションとハンドメイドを組み合わせ、高品質を維持している滑らかな溶接跡。オートメーションとハンドメイドを組み合わせ、高品質を維持している レーサーらしい加速感を味わえるTCRと、どこまでも長い距離を走るために快適性を求めたDEFY。性格を違えるこの両アルミモデルの統合はセンセーショナルな出来事だが、それにはもちろん理由がある。

その大きな理由の一つが、昨今のアルミ加工技術の進化によって、従来では不可能とされてきた性能を実現できるようになってきたこと。例えば、長寿命を担保しつつ1kgを切る超軽量フレームが生産可能となったり、1つのフレームで剛性と柔軟性を両立したり。これまでカーボンという素材のみが成し得ていた範疇に、今やアルミが割って入るようになっているのだ。

そのため登場時と比べてTCRは柔軟性が高くなり、DEFYは俊敏な運動性能が高くなってきていた。そこで性能が近づいていた両モデルの良いところを足して2で割った新モデルとして、CONTENDがデビューを飾ったという流れなのだ。

これからスポーツバイクにチャレンジするユーザーの受け皿となる、次世代のエントリーアルミロードCONTENDと、アルミロードバイクを愛するファンに贈る超軽量・高性能をより推し進めたTCR SLR。否が応でも注目を集める2台のインプレッションを次ページより紹介したい。

今回テストを行ったのは、軽量性を突き詰めるべくアルミ地に最低限の塗装を施したTCR SLRの上級モデル「TCR SLR 1」(機械式アルテグラ組み)と、ALUXX SLアルミをフレームに使い、ジャイアント独自のディスクブレーキシステム「CCONDUCT」を組み合わせた「CONTEND SL 1 DISC」の2台。

インプレッションを担当したテスターは、かつてコムレイド・ジャイアントの選手としてTCR SLを駆りツアー・オブ・ジャパンを完走した経験を持つ山根理史さん(ウォークライド)と、東北屈指の規模を誇るプロショップ、ベルエキップの早坂賢さん。選手目線から、そしてショップ目線から注目を集める2台のインプレッションを行った。

インプレッション担当ライダー プロフィール

テスターを務めた山根理史さん(ウォークライド)と早坂賢さん(ベルエキップ)テスターを務めた山根理史さん(ウォークライド)と早坂賢さん(ベルエキップ)
山根理史(ウォークライド)
ウォークライド代表。かつてコムレイド・ジャイアントや湘南ベルマーレに所属し、12回の国体出場と2回の入賞経験を持つ。現Jプロツアーでの5位入賞やフランスでの活動経験も。選手時代は長くジャイアントを駆り、アルミのTCR SLでツアー・オブ・ジャパンを完走した。自転車スポーツの安全な普及を考えウォークライドを立ち上げた。大磯クリテリウムや箱根ヒルクライムの運営など、ホビーレーサーが楽しめる環境づくりに力を注いでいる。

早坂賢(ベルエキップ)
宮城県仙台市のプロショップ「ベルエキップ」のスタッフ。趣味として始めたスポーツサイクルの魅力にどっぷりはまり、ショップスタッフになりたいとベルエキップの門を叩いて今年で6年目。現在は店長代理を努め、主にメカニック作業やビギナー向け走行会を担当する。普段は美味しいものやコーヒーなどを求めグルメライドを楽しむ一方で、ヒルクライムイベントに参加することも。平坦よりも登りが得意で、快適性が高くバネ感のあるソフトな自転車が好み。

テストバイクスペック

ジャイアントTCR SLR 1

ジャイアントTCR SLR 1ジャイアントTCR SLR 1
サイズ425(XS)、445(S)、470(M)、500(ML)mm
重量7.5kg (470mm)
カラーアルミニウム
フレームALUXX SLR-Grade Aluminum OLD130mm
フォークAdvanced-Grade Composite,Full Composite OverDrive 2 Column
コンポーネントシマノ アルテグラ
ホイールジャイアント SL1 WheelSystem
タイヤジャイアント P-SL1 700x25C
標準価格230,000円(税抜価格)


ジャイアント CONTEND SL 1 DISC

ジャイアント CONTEND SL 1 DISCジャイアント CONTEND SL 1 DISC
サイズ410(XS)、445(S)、480(M)、515(ML)mm
重量9.4kg (480mm)
カラーマットブラック
フレームALUXX SL-Grade Aluminum OLD135mm
フォークAdvanced-Grade Composite,Aluminum OverDrive Column
コンポーネントシマノ 105
ブレーキジャイアント CONDUCT HYDRAULIC DISC、140mmローター
タイヤジャイアント P-SL1 700x25C
標準価格155,000円(税抜価格)
提供:ジャイアント・ジャパン 制作:シクロワイアード編集部