フルモデルチェンジしたEdge 1000J。ガーミンコネクトに接続して、ある日気がついた方も多いのではないでしょうか。「セグメント」という新しい機能が追加されていることに。今回はこの新機能「セグメント」に絞ってその活用方法や楽しみ方について解説します。セグメントとは何か?どうやって楽しめば良いのでしょうか?

セグメントとはなにか?

ガーミンコネクトのアクティビティに現れた「セグメント」の項目ガーミンコネクトのアクティビティに現れた「セグメント」の項目
まず、セグメントという単語に馴染みがありませんので、その意味を辞書で引いてみましょう。

セグメント:「部分」や「一部」を表す単語。セットワーク・電波・パケット・プログラムなどの一部などの意味でも使用される。”ワンセグ”のセグもセグメントのことです。

何かを部分的に切り出したり、全体の中の一部を表す際に使用されるようです。それでは、ガーミンにおけるセグメントとはどんな意味なのでしょう。先ほどの意味通り、記録したログの一部を切り取った部分、これをセグメントと呼びます。それらセグメントは、ユーザーが任意に切り取って設定することができ、ガーミンコネクトに接続するユーザー全てと共有することができます。

ヒルクライムなどの区間で他のユーザーとタイムが比較できるのはセグメントの典型的な楽しみだヒルクライムなどの区間で他のユーザーとタイムが比較できるのはセグメントの典型的な楽しみだ photo:Makoto.AYANO例えば、あなたがいつも通る通勤路やトレーニングに使う坂をセグメントとして切り出すことができます。切り出すのはあなた自身です。あなたが好きな道を一定区間セグメントとして切り出し、設定することができます。

以後、あなたがそのセグメントを通過した場合、その区間通過タイムは自動的に切り出され、記録されます。通過タイムだけではなく、ANT+で接続されたケイデンス、心拍数などデータも記録されます。また、そのセグメントを通過した他のライダーのログに対しても自動的にセグメントが適用されますので、通過タイムをランキング形式で比較することが出来ます。

つまり、ある区間のタイムトライアルを比較できるということです。また、これまでに記録された全てのログに対しても自動的に適用されますので、過去のデータと現在を比較することも可能です。

たくさんの人と走ったほうが面白いサイクリングですが、一人で走っていることもあります。でも、時にはちょっと退屈ですよね。この機能によって普段の走りにちょっと張り合いが出ますので、大変良い機能です。一人だと目標を作りにくく単調になりがちですが、他のライダーや過去の自分と競い合うことが出来るので、練習にも自然と熱が入るでしょう。
これからのヒルクライムレースシーズンにはぴったりの機能、これが新機能「セグメント」です。

セグメントは全てのガーミンEdgeシリーズのデータに適用される

セグメントはEdge1000Jだけでなく、ガーミンコネクトに接続することが出来る全てのガーミンデバイスが記録するデータに採用されます。ガーミンコネクトにアップロードしたデータをチェックしてみて下さい。あなたが保存した過去のデータを見て見てください。それらにもセグメントは適用されますので、思わぬ所でランキングに参加しているというわけです。

アクティビティの下部分に表示されるのがセグメントデータ。それぞれのセグメント名から詳細画面へと遷移し、自分のタイムや順位を表示することが出来る。データを性別、年齢や体重の範囲によって絞り込むことも出来るのが面白いアクティビティの下部分に表示されるのがセグメントデータ。それぞれのセグメント名から詳細画面へと遷移し、自分のタイムや順位を表示することが出来る。データを性別、年齢や体重の範囲によって絞り込むことも出来るのが面白い

ランキング表示の例。ANT+で取得したデータ、日付、風向きや強さなど環境要因も記録される。日付の部分から当該データを取得した当日のデータへリンクしているので、どのような状況で記録されたのかも見ることができるランキング表示の例。ANT+で取得したデータ、日付、風向きや強さなど環境要因も記録される。日付の部分から当該データを取得した当日のデータへリンクしているので、どのような状況で記録されたのかも見ることができる

Edge1000Jではセグメントデータとのヴァーチャルトレーナーが稼働する

Edge1000J以外の機種では、データの記録を終了し、アップロードした後で、走行ログに対してセグメントが適用されます。Edge1000Jでは、ホーム画面にセグメントのアイコンが追加されています。
ガーミンコネクトから任意のセグメントのデータをEdge1000Jにダウンロードし、そのデータと競争することができるようになりました。従来からあったバーチャルトレーナーの進化形ともいうべきこの機能は、過去の自分やセグメントリーダーとの競争をすることができ、普段のトレーニングで加熱すること間違いなしでしょう。ただし、ルールの遵守やマナーの尊重は欠かせませんので、お行儀よく争って下さい。



Edge1000Jにセグメントデータをダウンロードし、そのセグメントのリーダーや自己ベストタイムとバーチャルトレーナーで競うことが出来ます。競い合う相手は過去の自己ベストデータにすることも出来ますし、コネクション(ガーミンコネクト内で作る任意のグループ)内のベストデータやそのセグメントで最も速いデータに設定することも出来ます。

Edge1000Jでは2段目の真ん中にセグメントのアイコンが追加されたEdge1000Jでは2段目の真ん中にセグメントのアイコンが追加された ガーミンコネクトからダウンロードしたセグメントデータを一覧で見ることができるガーミンコネクトからダウンロードしたセグメントデータを一覧で見ることができる セグメント開始値点近くを通過した場合に自動的にスタートするかどうかを決めることもできる。オフにした場合は手動でのスタートとなるセグメント開始値点近くを通過した場合に自動的にスタートするかどうかを決めることもできる。オフにした場合は手動でのスタートとなる

リーダーボードではそれぞれのタイムを確認可能。緑色のマークが現在バーチャルトレーナーに設定した対象となるリーダーボードではそれぞれのタイムを確認可能。緑色のマークが現在バーチャルトレーナーに設定した対象となる タップすることでトレーニング対象データを変えることができるタップすることでトレーニング対象データを変えることができる 手動で開始する場合には地図上の確認から出発する。コースでスタートするやり方と同様だ手動で開始する場合には地図上の確認から出発する。コースでスタートするやり方と同様だ

自動開始に設定するとオートマチックにセグメント計測できる!

セグメントは自動開始にするとオートマチックに区間データを競えるセグメントは自動開始にするとオートマチックに区間データを競える photo:Makoto.AYANOセグメントデータの設定で「自動開始」するようにしていれば、当該セグメントに近づくと自動的に競争をスタートしてくれます。
セグメントのスタート地点に近づくと「あと何メートルでスタートします」と教えてくれますので、一層気合いが入りますね。まるでレースのスタート前のような緊張感を味わえるかも知れません。なかなか楽しい機能です。

セグメントが開始されますと、競っているデータに対して遅延しているか先行しているか、あるいはそのタイムが表示されます。先行しているときは先頭で逃げを打っている選手の気分。遅延しているときは先頭集団を追いかける追走グループの気分で、競いながらより一層楽しめるようになっています。

自動開始にしている場合、スタート地点近くを通過して以来セグメント開始位置までのカウントダウンが始まる自動開始にしている場合、スタート地点近くを通過して以来セグメント開始位置までのカウントダウンが始まる 自動計測スタート!自動計測スタート! 遅延している場合にはついついがんばってしまう遅延している場合にはついついがんばってしまう

先行時間がかさんでくる時の安心感は逆に足を緩めたくなる先行時間がかさんでくる時の安心感は逆に足を緩めたくなる ゴールするとこの画面になり、アラート音で教えてくれるゴールするとこの画面になり、アラート音で教えてくれる

動画でみる ガーミンコネクトでセグメントを切り出す方法

ガーミンコネクトに記録された走行ログの一部からセグメントとして切り出す手順を動画で説明します。プロフィールマップ上の標高や地図から区間を指定することができるので、かなりピンポイントでセグメントとして指定できることがわかります。



まとめ セグメントを活用して楽しくバーチャルトレーニングを

今回はEdge1000Jの登場とタイミングを同じくして登場した新機能「セグメント」について解説しました。Edge1000Jにとっても、ガーミンコネクトの中でも大変重要なアップデートです。ただ何となく走っていた道にスタートとゴールが設定され、擬似的に競い合うことが出来る面白さは、実際に使ってみた人の多くがすぐに実感することと思います。

端末上で競争することが出来るEdge1000Jだけが持つこの機能は、これまで走行データを表示するだけだったサイクルコンピュータの上を行く面白さを持っていますよ。「今日は調子が良いぞ」という時ならば、それが本当の実力かどうか、過去の自分と勝負してみましょう!
文:朝倉 誠(Bicicletta Di Mattino) 編集:シクロワイアード 提供:いいよねっと