スペシャライズドのロードバイクラインナップには、ピュアレーシングモデルのTARMAC、エアロロードのVENGE、快適性を重視したROUBAIXという3つの大きな柱があり、それぞれに最上位モデルのS-WORKSが設定され、その下にPRO、COMP、ELITE、SPORTSの順にグレードが並ぶ。

ROUBAIX SL4 COMPとTARMAC SL4 ELITEをインプレッションROUBAIX SL4 COMPとTARMAC SL4 ELITEをインプレッション
S-WORKS完成車が100万円以上、SPORTSグレードが20万円以下と価格帯も幅広い。長い歴史を持つTARMACとROUBAIXのモデル名の末尾には「SL4」というサブネームが付いているが、これは現行モデルが第4世代であることを示している。

ターマックとルーベの全グレードがSL4に進化

S-WORKSとPROグレードは、TARMACが2年前、ROUBAIXは昨年SL4世代に進化している。上位2機種が先にSL4化したわけだが、2014モデルでCOMP、ELITE、SPORTSというミドル~エントリーグレードがSL4世代に進化した。これで、TARMACとROUBAIXが全て同じ世代に移行したことになる。

ROUBAIX SL4 COMPROUBAIX SL4 COMP TARMAC SL4 ELITETARMAC SL4 ELITE

「全てのライダーに素晴らしいライディングを提供するため、SL4の技術をボトムラインまで採用しました」と担当エンジニア。具体的な技術トピックは、フレーム形状が上位モデルと同様のものとなり、サイズスペシフィックデザイン(全てのフレームサイズで同じ剛性感とするための各サイズ専用設計)が導入されたことだ。なお、VENGEのラインナップに変更はない。

TARMAC ELITEインプレッション

まずTARMACから詳しく見ていく。SL4化されたのは、COMP、ELITE、SPORTSの3グレード。形状がS-WORKSモデルと同一のものとなり、ヘッドチューブ径は2013モデルの上:1-1/8インチ&下:1-1/2インチから、上:1-1/8インチ&下:1-3/8インチにあえてサイズダウン。

ヘッド下ワン径を小さくしたことによってヘッドチューブの湾曲を強くすることができ、剛性はアップしているのだという。さらにダウンチューブのヘッド側を太くしてヘッドチューブに巻きつくような形状にすることによって、より強靭なヘッドになっているとのことだ。

左右シートステーの間隔を広げ、リアトライアングルのねじり剛性がアップ左右シートステーの間隔を広げ、リアトライアングルのねじり剛性がアップ
ヘッドベアリングの下側をあえてサイズダウンし(1-1/2→1-3/8インチ)、ヘッドチューブの湾曲を強めることで剛性を向上させているヘッドベアリングの下側をあえてサイズダウンし(1-1/2→1-3/8インチ)、ヘッドチューブの湾曲を強めることで剛性を向上させている
TARMAC SL4 ELITETARMAC SL4 ELITE
前作では窪みにゼルツをボルトオンしていたが、SL4では左右から挟み込むような形に前作では窪みにゼルツをボルトオンしていたが、SL4では左右から挟み込むような形に
ゼルツは上位機種と同じ形状に進化。より効率的に振動を吸収するゼルツは上位機種と同じ形状に進化。より効率的に振動を吸収する


さすがにS-WORKSとPROに採用されるコブルゴブラー(振動吸収性を高めた専用形状のシートポスト)やサイズスペシフィックフォーク(フレームサイズごとにフォークコラム径を変える設計)は採用されていないが、各チューブの形状などはサイズ毎に専用設計されている。

試乗できたのは、モデルチェンジしたばかりの68系アルテグラをメインコンポーネントに採用したROUBAIX SL4 COMP。このバイクが驚くほどよかった。さすがにS-WORKSほどの高みには到達しきれていないが、S-WORKSの3分の1以下の値段ながら、しっかりと「S-WORKS ROUBAIXの完成された走り世界」を感じ取ることができる。快適性はS-WORKSとほぼ同等だ。登坂力もかなりのレベルにあり、ヒルクライムレースでも不満なく使えるほど。モデルチェンジしたばかりの68系アルテグラの変速タッチ&変速性能が素晴らしいこともあり、完成車としての完成度が高まっている。

提供:スペシャライズド・ジャパン 企画/制作:シクロワイアード