ユネスコ世界自然遺産登録地として日本が誇る島、屋久島。昨年この地で初開催されたロングライドイベントが今年も帰ってくる。 "2012サイクリング屋久島"。 太古の自然を感じながら100kmを走る、エキゾチックなロングライドイベントを紹介しよう。

2012サイクリング屋久島2012サイクリング屋久島 (c)Yakushima ECORIDE
年々人気の高まりを見せているロングライドイベント。2011年にはブームの波は屋久島まで訪れた。昨年第1回大会を開催した"サイクリング屋久島" は、ユネスコ世界自然遺産登録地である屋久島の外周をぐるりと100km走ることのできるイベントだ。

屋久島は鹿児島から飛行機で30分、東シナ海に浮かぶ鹿児島県の離島だ。近隣の種子島とともに大隅諸島を形成し、その面積は504.88km²と全国でも9番目の大きさを誇っている。その土地は山岳地帯を有しており、最高峰の宮之浦岳は標高1,936mと「洋上のアルプス」の呼び声も高い。 そんなアップダウンを含んだコースを"サイクリング屋久島"は行く。

コースではヤクザルやヤクシカを見かけることができるコースではヤクザルやヤクシカを見かけることができる (c)Yakushima ECORIDE降雨量の非常に多い屋久島 雨対策は万全に降雨量の非常に多い屋久島 雨対策は万全に (c)Yakushima ECORIDE

屋久島のシンボルと言えば縄文杉。縄文時代の杉と呼ばれる推定樹齢7000年以上の巨大な杉のその周囲は、大人が10人がかりでようやく囲めるほど。霧の中に浮かぶ雄大な杉のたたずまいを写真やテレビで目にした方も多いはず。「太古の島」たる所以がこの杉なのだ。

他にもウミガメの産卵地として、ガジュマルの群生地として、やはり固有の杉ヤクスギの土壌として、偉大な自然がその姿をありのままに見せるのが屋久島だ。映画ファンなら「もののけ姫」の舞台となった白谷雲水峡の名前を知っているかもしれない。その悠久の歴史と神秘から近年ではパワースポットとしても注目されているが、訪れる者に力と癒しを与える自然があることは疑いない。

コース途中にはこんな絶景もコース途中にはこんな絶景も (c)Yakushima ECORIDE西部林道の道幅は狭く、自然を間近で感じることができる西部林道の道幅は狭く、自然を間近で感じることができる (c)Yakushima ECORIDEエイドステーションでは郷土料理がふるまわれるエイドステーションでは郷土料理がふるまわれる (c)Yakushima ECORIDE

太古からの自然がそのまま残る島西部を抜ける西部林道では、島の固有種であるヤクザルやヤクシカを見かけることができ、まるで太古にタイムスリップしたような気分に浸ることができるだろう。

2012サイクリング屋久島 コース紹介
ヤクザルなど島固有の生物も多いヤクザルなど島固有の生物も多い (c)Yakushima ECORIDEフェリーや高速船が発着する宮之浦港からスタート。南東岸に位置する安房(あんぼう)港を経由し、島の南、尾之間へ進む。満潮時には入れなくなる平内海中温泉を過ぎ、日本の滝百選に選ばれた島最大の大川の滝を右手に見ながら、島西部の世界遺産登録地域へ。

世界自然遺産登録地区へは登り坂が待ち構える。ここでコース最高地点288mまで一気に登る。登り始めて1kmで第3AS「栗生」があるが、ここで十分な休息と栄養補給ができるように、しっかり補給をとろう。ASでは特産の柑橘類"たんかん"や、黒糖蒸しパン"ふくれ菓子"などがふるまわれる。

西部林道内ではこの様な自然に触れることができる西部林道内ではこの様な自然に触れることができる (c)Yakushima ECORIDEこの先世界自然遺産登録地区(=通称:西部林道)までは道幅も広く走りやすい。また登るたびに海を見下ろす絶景ポイントを通過していくので記念撮影のスポットだ。このあたりからはヤクサルも度々出没する。そっと刺激しないように通過しよう。

高低差の厳しいこのエリアを越えて、ウミガメの産卵地として知られる白砂の「永田いなか浜」を過ぎれば、そこはゴールの宮之浦。屋久島の美しい自然を満喫できる、島一周約100キロのエコライドコースだ。

そっとそばを通り過ぎようそっとそばを通り過ぎよう (c)Yakushima ECORIDE他にも屋久島には自然を活かした見所がたくさん存在する。日本の滝百選に選ばれた「大川の滝」や、満潮時には海に沈んでしまう「平内海中温泉」などを訪れるのも、きっと生涯忘れられない体験となることだろう。

2012サイクリング屋久島は、太古の島を自転車で走るまたとない機会。一般の観光でも魅力溢れる屋久島は、誰もが一度は行きたいと思ったことがあるはずだ。万全のエイド体制で存分に屋久島一周サイクリングを楽しんでみてはいかがだろうか。きっと数々の自然との出会いに、心震える体験ができるはず。

2011サイクリング屋久島コースマップ2011サイクリング屋久島コースマップ (c)Yakushima ECORIDE

コースタイムスケジュール
◆宮之浦(スタート地点)START 06:45
◆安房AS(19km) 関門時間 9:00
◆尾之間AS(34km) 関門時間 10:30
◆栗生AS(52km) 関門時間 12:00
◆永田AS(76km) 関門時間 14:00
◆宮之浦(ゴール地点)FINISH 後15:40

2月19日(日)開催の2012サイクリング屋久島。エントリーの締め切りは1月23日と日が迫っているのでお早めに。エントリーはスポーツエントリーのページからオンラインで行える。参加費は大人9,500円。小学生は4000円となっている(※高校生以下は保護者の同意、小学生は保護者同伴申し込みが必要)。

また、大会公式ホームページでは詳しいコースガイドや、参加者ガイド、試走レポートなどコンテンツが盛りだくさん。興味をもった人や、参加を迷っている人もぜひ一度目を通してみると、このイベントの魅力の更なる側面が見えてくるはずだ。バイクの宅配についても案内があり、初めてのロングライドでも不安無く参加できる配慮がなされている。

2012サイクリング屋久島~太古の森を感じて世界自然遺産の島でエコライド~
■開催日:2012年2月19日(日曜日)
■開催地:屋久島(鹿児島県)
■定 員:300人
■申込締切: 1月23日
■参加費:大人9,500円、小学生4,000円

text:So.Isobe