2011年6月16日、東京・原宿のKDDIデザイニングラボで、「~有名サイクリストたちが提言するこれからのサイクリングスタイル~スマートサイクリングをはじめよう!」と題して、自転車に縁深い4人のゲストによるトークショーが開催された。

KDDIスタジオで開催された「スマートサイクリングをはじめよう!」公開トークショーKDDIスタジオで開催された「スマートサイクリングをはじめよう!」公開トークショー (c)Yuko.SATO

自転車の様々な楽しみを語るゲスト3人自転車の様々な楽しみを語るゲスト3人 この日のゲストの顔ぶれは、プロトライアスリートであり、J SPORTSの自転車レースなどの解説でもおなじみのスポーツナビゲーター白戸太朗さん、毎日新聞社会部記者で、安全や法律など自転車をとりまく社会情勢に切り込むシリーズ記事「銀輪の死角」を手がけてきた馬場直子さん、フォークシンガー・俳優・タレントであり、「自転車DO!カフェ」理事長として自転車が安全に走れる走行レーンの確保を目指す活動にも取り組んでいるなぎら健壱さん、自転車雑誌のコラムやイラストなどで活躍中のドロンジョーヌ恩田さんと、サイクリストにはおおいにおなじみの皆さん。
それぞれの立場から、安全に楽しく自転車を楽しむための”提言”を語ってくれた。

トークの前にはまず、au損害保険株式会社(以下au損保)営業企画部の今井康智さんから、このトークショー開催のきっかけとなった同社の傷害保険「自転車プラン」の概要説明や、auのスマートフォン向けアプリから、事故多発地点などに近づいたことを教えてくれる「ガクブルペンギン」や、GPSロガーとして活用できる「Run&Walk」を利用し自転車を楽しむ方法などがプレゼンされた。

「社員総出で考えた商品がこの『自転車プラン』です!」と語る今井さん「社員総出で考えた商品がこの『自転車プラン』です!」と語る今井さん トークを楽しむお客さんたちトークを楽しむお客さんたち

そしていよいよお楽しみのトークショー。
ステージ上には白戸さん、馬場さん、なぎらさん、ドロンジョーヌさんが登場。白戸さんが進行役として、まずは自分の自転車との関わり方や楽しみ方を語り、なぎらさんとドロンジョーヌさんを中心に、しばし街乗り談義。
「エンジンがついていない乗り物って、自分で物が見れる感じがいいですよね」。続いて街乗りで感じる危険に話は及ぶ。

「自分の力で遠くに行けることが自転車の一番の楽しみ」と白戸太朗さん「自分の力で遠くに行けることが自転車の一番の楽しみ」と白戸太朗さん 子どもの頃からの自転車歴を語るなぎら健壱さん子どもの頃からの自転車歴を語るなぎら健壱さん

「レース中にはそんな怪我をしたことはなかったのに、町中で人をよけそこねて落車して鎖骨を折ったことがある」と白戸さん。
「日本の道は自転車のために作られていないし、法律もしっかりしていない」となぎらさん。
そして「自転車対自転車の事故はとても増えている」と、自らの取材データを見せてくれる馬場さん。
数千万円の高額賠償になったケースなど、裁判の事例も紹介しつつ、「歩行者と自転車の事故で、歩道上を自転車が走っていた場合には、過失相殺で自転車が100%悪いという方針が出てしまった。これは乗っていたのがたとえ高齢者であっても13歳の男の子でも同じように責任をとらせましょうということなんです。賠償命令で自己破産を余儀なくされたケースもあります」とさまざまなデータを見せてくれた。

毎日新聞で連載「銀輪の死角」を手がけてきた馬場直子さん毎日新聞で連載「銀輪の死角」を手がけてきた馬場直子さん 妻(さい)クリストとして知られるドロンジョーヌ恩田さん妻(さい)クリストとして知られるドロンジョーヌ恩田さん

「みなさん『自転車でこんなことになるとは』、と思われるんですが、遺族にとっては自動車(事故)と一緒なんです」。
「自動車の自賠責のような強制加入保険のない自転車でも、人を傷つけることがあるということを忘れがちだけれど」「そもそもこういうことを知る機会がまだ少ないですね」と、安全についての認識がまだまだ広がっていないことにうなずきあうゲスト、そして会場の観客たち。

馬場さんの身のひきしまるような話に続いては、なぎらさんとドロンジョーヌさんがそれぞれ、自分たちの自転車の楽しみ方についてスライドで紹介。

子どもの頃からの自転車歴を語るなぎら健壱さん子どもの頃からの自転車歴を語るなぎら健壱さん 子どものときからどこでも自転車ででかけていて、本格的に乗り始めてかれこれ30年、というなぎらさん。山でサドルを自転車仲間の森幸春さんに押してもらった話、無名だったころの山本一力さんたち自転車仲間、オーダー車の話、馬は軽車両か?という話などなど、長年のさまざまな思い出話をまじえた軽妙なトークで、おおいに会場をわかせていた。

そして「旦那さんが一緒に乗ろうってFELTのロードバイクを買ってくるまで、全く運動の嫌いなタイプだった」というドロンジョーヌさんは、女子が生活のなかで自転車を楽しむというテーマで、楽しいカラーコーディネイトや楽しむための発想を紹介。
「私は最初ギアがこわくて変えられなかったという状態。でも体力がなくても運動がキライでもとにかく乗り始めた、そドロンジョーヌ恩田さんはヘルメットとネイルをオレンジで統一したコーディネートを紹介ドロンジョーヌ恩田さんはヘルメットとネイルをオレンジで統一したコーディネートを紹介 (c)Yuko.SATOれが大事!」というドロンジョーヌさん。
「自転車はダイエット効果も抜群です。自転車に乗る前は顔が違ったんですよ!」という、秘蔵のまんまるフェイス写真も大公開。バイクパンツの上にミニスカートを重ねばきしたりと、メカスペックのみを追求する世界とはまた違う、生活のなかで楽しく自転車を続けるつきあい方、考え方をそんなトークで紹介してくれた。あ、楽しそう! 真似してみようかな?という気分にさせられる語り口には、会場もほっこり。

イベントの最後は会場からの質問コーナー。「女性にすすめる初めての自転車のおすすめは? マウンテンとクロスバイクだったらどちら?」という質問に、ゲストの回答は「クロスバイク」。「長く乗るほうがダイエット効果があるので、クロスのほうが距離を稼ぎやすいと思います」というドロンジョーヌさんのアドバイス。
馬場さんは今後の記事について「震災を期に自転車に乗る人がすごく増えています。今後も集中的に(自転車の)記事を書いていきたい」と抱負を語っていた。

そしてゲストお揃いのフォトセッション。こうして短いながらも充実したミニイベントはおひらきとなった。

「スマートサイクリングをはじめよう!」のゲスト4人によるフォトセッション「スマートサイクリングをはじめよう!」のゲスト4人によるフォトセッション

今回のトークイベントは、「携帯電話ユーザーのライフスタイルに応じた損害保険」をキャッチフレーズに5月25日に開業したau損保が、開業記念として8月31日までの期間限定で販売している傷害保険、「自転車プラン」にちなんで企画されたもの。携帯コンテンツやアプリを購入するような感覚の月々100円の保険料で、個人賠償・入通院・死亡補償がカバーできる、というこの保険。

アピールするにあたり、「プレス発表だけではなく、一般の人にも楽しんでもらえるイベントにしたいと考えました」というau損保の今井さん。webなどで一般参加者の申し込みを募り、今回のような形で開催することにした。「お客様に響くものは何かを探り、8月の限定期間終了後も、今と違う形にはなるかもしれませんが、また自転車の保険を続けていきたい、と考えています」。

また、au損保は6月16日より「スマートサイクリングプロジェクト」と銘打って、「自動車と同様に人を傷つけたり命を奪ってしまう可能性も持っている自転車が、ルールとマナーを守り、保険に加入することで安全と安心を携えて運転すること」をアピールするプロジェクトを開始している。facebookページやAndroidアプリと連携した「自転車利用者向け都内の危険な交差点ランキング」などの情報公開や、今回のようなイベントなどを通じてのPR活動を予定している。

USTREAM 録画
~有名サイクリストたちが提言するこれからのサイクリングスタイル~
スマートサイクリングをはじめよう! 




photo&report 佐藤有子
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