アフロにバナナにサラリーマン、赤い彗星シャアと三木のり平。スタートラインに並んだ面々からして、いつものレースとはまるで違う様子。レースも仮装も、とにかく楽しんだ者勝ち。そんな緩やかな空気がなんとも心地よいのがSSJ??

まずは開会式からこんな調子でスタートまずは開会式からこんな調子でスタート 初めて国内で開催されたシングルスピードMTBによる日本選手権、SSJ(シングル スピード ジャパンオープン)。まるで由緒正しい大会のような名称をもつこのイベントは、実のところ、とにかく楽しくMTBに乗りたいスタッフたちが集まって、手作りで開催したローカルレースなのだ。

そんな思いからスタートしたレースだけあって、会場では、走る人も応援する人も、私を含めた取材陣も、それに大会運営のスタッフだって、とにかくみんながこのお祭りを楽しんでいる。

仮装のライダーが通れば自然と笑顔が湧いてきて、ひとつしかないギアで急な坂道を誰かが苦労して上っていれば、思わず誰にでも声援を送ってしまう。こんなことを通して自然と会場の一体感が高まっていくのがSSJの魅力。
なんだか自転車レースじゃなくて、どこかの野外フェスにでも来たみたいな雰囲気だ。

この楽しさをお伝えするには、おそらくいろいろ説明するよりも、会場に集まった人たちの笑顔に勝るものはないと判断して、今回は楽しんでいる参加者にクローズアップ。それではフォトレポートで紹介していくことにしましょう!



ちょんまげと作務衣の和風コスチューム。まだこのあたりは正当派コスチュームちょんまげと作務衣の和風コスチューム。まだこのあたりは正当派コスチューム この辺はかなり安心して見ていられるこの辺はかなり安心して見ていられる ビールの着ぐるみあたりから、なんだか変なことになってきてビールの着ぐるみあたりから、なんだか変なことになってきて


代々伝わるという由緒ある衣装とインディアンのミスマッチだったり代々伝わるという由緒ある衣装とインディアンのミスマッチだったり あまりにイメージが違う(失礼!)自称シャア・アズナブルやらあまりにイメージが違う(失礼!)自称シャア・アズナブルやら


なぜか、こはんですよの三木のり平が居たりなぜか、こはんですよの三木のり平が居たり 突然サラリーマンにご挨拶されたり突然サラリーマンにご挨拶されたり


このあたりから参加者のコスチュームがエスカレートしていくのでした。

見た目とは裏腹にちょっと控えめなビッグフットに出会ったり見た目とは裏腹にちょっと控えめなビッグフットに出会ったり 素顔だけはカンベンを・・・という方や素顔だけはカンベンを・・・という方や あげくは日本選手権に出場の池田選手までもが勝負服で出場あげくは日本選手権に出場の池田選手までもが勝負服で出場


矢沢みつみさんはピンクコンビで嬉しそうだし矢沢みつみさんはピンクコンビで嬉しそうだし もうあちこちこんな人ばかりですもうあちこちこんな人ばかりです


こんな不思議な光景は、レースがスタートされるとさらに加速する・・・

レースが始まると目の前に馬が通りかかったりレースが始まると目の前に馬が通りかかったり ん?タコですか?ん?タコですか?


戦う日本のサラリーマンに出会ったり戦う日本のサラリーマンに出会ったり 戦うMr.ピンク(ただいま命名)に出会ったり戦うMr.ピンク(ただいま命名)に出会ったり 戦う酒?にも出会ったり戦う酒?にも出会ったり


ガチャピンとムックのバトルもだんだんあたり前になりガチャピンとムックのバトルもだんだんあたり前になり タコと裸のバトルなんかもあちこちで繰り広げられタコと裸のバトルなんかもあちこちで繰り広げられ


そのうちバナナが通りかかっても何も不思議ではなくそのうちバナナが通りかかっても何も不思議ではなく セーラー服の向こうではビッグフットが坂を登る。そんな、ごくありふれた自転車レースの風景が広がっていたセーラー服の向こうではビッグフットが坂を登る。そんな、ごくありふれた自転車レースの風景が広がっていた


ここまであまりに濃かったので、せめて最後にはさわやかな仮装で締めくくりませんかね。

最後にはこちらの方々最後にはこちらの方々 名古屋のショップ・サークルズから参加した名古屋のショップ・サークルズから参加した キャッツアイ3人組でしたキャッツアイ3人組でした


とにかく会場に居合わせたみんなからは笑顔が絶えず、レースなのになぜかピースな雰囲気。そんなところがまさに野外フェスのよう。

参加者の皆さんが思いっきり楽しんでいる様子を取材するうち、初めて開催されたSSJは、本来の自転車とイベントの楽しさというものを、多くの人に思い起こさせてくれる大会だった。
ひとつのギアで一見とても不自由にも思えるシングルスピードの世界。どうやら変速を無くした代わりに、いろんなモノを手に入れたようだ。



text,&photo: Takashi Kayaba