アスリート向けSNSのSTRAVAが大幅なサービスのアップデートをアナウンス。これまでの3プランが用意されていたサブスクリプションプランを統合するとともに、更なる機能の拡充を図る。



GPSデバイスなどと連携することで、様々なタイプのアクティビティログをアップロードし共有できるアスリート向けSNSのSTRAVA。2018年末より本格的な日本での展開を開始し、サイクリストやランナーにとっては無くてはならない存在として定着した感のあるSNSだ。

今年に入ってから、ワークアウトの切り取り機能やフィードの時系列表示など、大小様々なものを含めると既に50以上の新機能や機能改修を行ってきたSTRAVAだが、更なる機能の拡充およびサービス内容の強化・整理を含む、大規模なアップデートを発表した。

アスリート向けSNSのSTRAVAが大幅なサービスのアップデートをアナウンスアスリート向けSNSのSTRAVAが大幅なサービスのアップデートをアナウンス (c)STRAVA
サブスクリプションプランのパック販売を統合

大きな内容としてはサブスクリプションサービスに関わるものとなる。これまで、サミットという名前で3つのパックに分けて販売されていたものを一つに統合。年間会員は月額525円、マンスリー会員は800円として、価格は据え置きのままより分かりやすい体系へと変更されることとなった。

このサブスクリプションサービスの統合に伴い、サービス内容にいくつかの変更が加わることが発表された。これまで無料会員が使えていた機能のうち、技術的に複雑かつメンテナンスコストが多く必要となるものに関しては有料会員限定の機能となる。

新たに有料会員限定となる中で大きなものは次の2つ。一つは、セグメント機能における"全体リーダーボード"。もう一つはコース作成機能の"ルートビルダー"が有料会員限定機能となる。

セグメントの全体リーダーボードが有料会員限定に

今回のアップデート以降、無料会員はセグメントリーダーボードに関してはトップ10名および、自分の順位のみが見えるように。他のユーザーの順位を確認したい、友人や知人の実績を知りたい、という際は有料会員となる必要がある。またセグメントエフォートの分析、および自分の過去のエフォートとの比較も有料会員限定となっている。

更に、このアップデートに伴いリーダーボードに関するAPIの公開を停止する。webサービスやアプリなどで、STRAVAのリーダーボードを取得してきたサービスは影響を受けそうだ。なお、ガーミンやワフーなどが搭載するライブセグメント機能などへの影響はないという。

また、これまでランニングにのみ実装されていた"アクティビティマッチ"がライドにも適用されるようになる一方、サブスクリプション限定サービスに。過去の自分のアクティビティと比較した分析などを行うことが出来る機能がサイクリストも利用できるようになった。

ルートビルダーが機能を大幅にアップデート ガーミンとのオートシンクにも対応

ルートビルダー機能が一新されたルートビルダー機能が一新された (c)STRAVA
ルートビルダーは、これまでベータ版として無償で提供されてきた機能だが、今回のアップデートに伴い、大幅な機能改善を行うことで正式にサービスインするとともにサブスクリプション限定のサービスとなった。

新たにmapbox社の地図データを使用し、STRAVAのビッグデータの真価でもあるヒートマップをデフォルトで表示することで、人気の道が一目でわかるように。さらに、舗装路/未舗装路といった路面タイプ、勾配の有無など、様々な要素を盛り込んだルート提案が可能になっている。もちろん、マニュアルでルートを引くことも可能となっているうえ、周辺のセグメントを指定すれば自動的にセグメントを通過するルートを提案してくれる機能も。

マップ機能に付随するアップデートとしては、STRAVA上でお気に入りに登録したルートをガーミンのデバイスにオートシンクすることも可能となった。これまではワフーのみ対応してきたが、選択肢が増えた形となる。

より使いやすくなったトレーニングログ機能
トレーニングログ機能がiOSにも対応トレーニングログ機能がiOSにも対応 (c)STRAVA
有料会員向けの新たな機能として、トレーニングログがiOSアプリでも確認できるように。さらに、過去のアクティビティを振り返りやすいように、カレンダービューやアクティビティタイプによって異なるカラーバブルでの表示や、様々なフィルター機能も実施されている。

今回の大規模アップデートに伴い、STRAVAでは同サービス史上最大級のフリートライアル期間を設けている。申し込みから60日間にわたって、無料でサブスクリプション機能を使用することが出来る。


以下、STRAVAの共同創設者のメッセージを紹介しよう。



Stravaコミュニティのみなさまへ

2020年という年は、早くも私たちの物の見方を大きく変えるような年となっています。ただ、困難に直面した時こそ、本当に大切な物事や、そのために自分がやるべきことをじっくり考えられる、内省と集中の機会でもあります。

この数カ月間、私たちもStravaが向かうべき道について様々な考えを巡らせ、その答えがより明確になりました。今後Stravaは、コミュニティへのコミットメントを新たに、唯一の指針としてサービス作りをしてまいります。

Stravaの共同創設者 Mark GaineyとMichael HorvathStravaの共同創設者 Mark GaineyとMichael Horvath (c)STRAVA
他の誰でもない、アスリートのみなさま、一人ひとりのために。

ご利用いただいているアスリートのみなさまにとって、Stravaは求めやすく良質なサービスであるべきだと考えています。特に今年は、その実現に向かって、Stravaで働く180人の小さいながらもパワフルなチームで全力投球しています。

いち早くご利用いただいている方も多くいらっしゃいますが、Apple Watch連携や、スノースポーツ向けの機能改良、新しいルート機能のリリースなど、この1月から既に51件のアップデートをリリースしています。また、フィード広告に最も近い機能であったパートナーインテグレーションの廃止や、フィードの時系列表示オプションの再実装など、みなさまからの厳しいフィードバックが多かったものについても、時間はかかってしまいましたが、対応を進めています。

コミュニティにコミットするということは、継続性を意味することでもあります。私たちはまだ、決して収益性の高い企業とは言えません。今後より良いサービスを提供し続けるためにも、公正さや透明性、そしてアスリートへの敬意もって、その状況を変えていく必要があります。

サブスクリプションをStravaの中核に

このような背景を踏まえ、本日より、これまで無料で提供していた一部の機能をサブスクライバー向けの機能に変更いたします。セグメントリーダーボードなど、主には技術的にも複雑でメンテナンスコストの高い機能が対象となります。また、今後新たに追加していく機能も、基本的にはサブスクリプションでのご提供となります。Stravaに投資していただいているアスリートのみなさまに、より多く還元できるよう努めてまいります。そして、サブスクリプションの内容をよりわかりやすくするために、これまで提供してきたパック販売やSummitの名称を廃止いたします。つまり、Stravaは無料でご利用いただくか、サブスクライブするかという、シンプルな選択になります。

サブスクリプションに注力することで、現在ご利用いただいているみなさまの応援に、より誠実にお応えする形で、今後10年、20年と先を見据えたサービス提供をできると考えています。今回の変更に伴う収益は、更なる機能の追加や改善にダイレクトに反映していきます。フィードに広告を流したり、データを販売したりする方法ではなく、購入する価値があると思っていただけるようなプロダクトを作ることで、みなさまへのコミットメントを示していく考えです。

Stravaは月額525円(*)の価値に見合うサービスだという自信はあります。ですが、特に今の情勢では、厳しい生活を強いられている方も多くいらっしゃると思います。これまで通り多くのアスリートにご利用いただけるよう、無料版のStravaも品質と使いやすさを保ち、今後も提供を続けていきますので、どうぞご安心ください。どのようなご利用形態であれ、みなさまはこのコミュニティの一員です。そして私たちは、自分たちが持っている全ての力をこのコミュニティに注いでいきます。そんなStravaに価値を感じていただき、ご理解とご協力を得られればと思います。

いつもStravaをご利用いただき、そして応援してくださり、心よりお礼申し上げます。今後もアスリートのみなさまに喜んでいただけるサービスづくりに専念してまいりますので、ぜひご期待ください。

Mark GaineyとMichael Horvathより

*年間サブスクリプションの場合は月額525円、マンスリーの場合は月額800円