サイクリスト目線に立った多くの便利なアイテムを開発してきた東京サンエス。女性による、女性のための、バイクライド企画「サンエス ウィメンズライド」の第2回目が行われました。舞台は北海道・札幌。短い夏を謳歌する北の女性サイクリストを訪ねた旅のレポートをお届けしましょう(第1回のライドレポートはこちら)。



初夏、なのに今年の東京は毎日しとしと雨模様。そのような中、飛行機でひとっ飛び!札幌の街をどんな自転車で走ろうかと悩みに悩んで決めた太いタイヤを履かせたソーマのブエナビスタ ディスクを持って、飛行機で北海道へ向かった。

空港にて。今回の飛行機輪行はオーキャリーで空港にて。今回の飛行機輪行はオーキャリーで photo:Yuka.Kani
フレームとホイールは分けて預けるフレームとホイールは分けて預ける photo:Yuka.Kani
国内の飛行機輪行は初めての私、今回利用した航空会社は20kgまでの荷物は受け入れてくれるので(航空会社によって規定が違うので事前に確認するのがおすすめ)、余裕を持って大きめの輪行袋、グランジ オーキャリーを選んだ。

オーキャリーにフレームを入れ、太いタイヤがついたホイールは別の袋に入れて2個を預け荷物にした。事前に変速機を梱包材で保護したり、チェーンが跳ねないように固定したりして、航空会社さんに預けて、あとは信じる。北海道でまた会おうね、ブエナビスタ。

変速機などを梱包材で保護変速機などを梱包材で保護 photo:Yuka.Kani
到着時間は夜で暗かったけれど、ほんの数時間で東京とは全く違う世界が目の前に広がっているのが分かる。空気はカラッとしていて久しぶりに深呼吸が気持ちいい。身体が喜んでいる。レンタカーを借りて札幌市月寒にあるお店へと急いだ。

今回の訪問先は、札幌にある創業28年の「サムズバイク」さん。店名にもなっているサムさんは数年前に他界されてしまったけれど、奥さんである奈美さんがお店を引き継ぎ、自転車だけでなく音楽、アートなど幅広い楽しみ方を伝え続けている。年に数回お会いするたびにいつか訪問したいと2年越しでやっと実現できたのだ。

到着したのが23時頃にもかかわらず、お店の玄関前のスペースで植木鉢(鷺草(サギソウ))のお手入れをして待っていてくれた。車が到着すると笑顔で手を振り近づきハグをして出迎えてくれた。鷺草のお手入れは亡くなったお父さんから教えてもらい引き継いだもので今でも大切にしていると。お店はウッディで落ち着く。夜も遅いのでお店拝見は早々に切り上げ、奈美さんのお家へ。すぐ寝るかと思いきややっぱり話が盛り上がる。朝の3時まで……。

明日の朝起きれるか??寝る前に明日の予定を確認。明日は札幌の街をサイクリング。どんなところに連れて行ってくれるのか、ワクワクしながら就寝した。

札幌・月寒にある「サムズバイク」さん札幌・月寒にある「サムズバイク」さん photo:Yuka.Kani
こだわりのSAM'S COFFEEも販売しているこだわりのSAM'S COFFEEも販売している photo:Yuka.Kaniガラスドア越しの店内ガラスドア越しの店内 photo:Yuka.Kani


おはようございます。

東京から来た私にとっては久しぶりの晴天。爽やかな一日が始まった。朝起きたら、奈美さんがコーヒーを入れてくれている。コーヒーはサムズバイクさんオリジナルの豆。ここにもこだわりが溢れている。朝食から北海道満喫コースを用意してくれている。

食卓になんと夕張メロン!!そして地元のパン屋さんのパンとよつ葉牛乳。北海道を堪能して欲しいという奈美さんのお気持ちが嬉しかった。なんというホスピタリティー。そして美味しかった。

気持ちのこもった朝食気持ちのこもった朝食 photo:Yuka.Kani
手作りのお菓子入れとティッシュケース手作りのお菓子入れとティッシュケース photo:Yuka.Kani
食べ終わるころに、今日明日と一緒にサイクリングをしてくれるスタッフのクミちゃんが合流。クミちゃんは趣味で小物を作ったり、リメイクしたり、とっても器用なしっかり者の女の子。なんと私たちに自分で作った自転車柄のティッシュケースと巾着袋、袋の中には地元月寒のお菓子「あんぱん饅頭」を用意してくれていた!!感謝!

「これクミちゃんがサムさんのチノパンをリメイクしてくれたの」と奈美さんがバッグを見せてくれた。なんとすごい!とにかくクミちゃんの奈美さんとサムさんへの愛情がこもっている。バッグを持つ奈美さんの愛情も感じる。

サムさんのチノパンをリメイクしたバッグサムさんのチノパンをリメイクしたバッグ photo:Yuka.Kani
リメイクにもひとつひとつこだわりがある。ポケットのついたお尻の部分でなく、裾部分の生地を使って元はチノパンだったと分からないように仕上げたり、メーカータグやサイズタグを内側に縫ったり、生かせるものは生かすというポリシー。この奈美さんのバッグは皆のおもいやりが詰まった優しい逸品だ!

今日の行程をオリジナルのルートを描いてくれた地図をもとに教えてもらった。アンパン道路~大通公園~時計台~北大~サムズバイクさんがいつもお世話になっているというたくさんの方々に会いに。

靴の泥を落とせるハリネズミのドアストッパー靴の泥を落とせるハリネズミのドアストッパー photo:Yuka.Kani紙地図を見ながらのブリーフィング紙地図を見ながらのブリーフィング photo:Yuka.Kani店前にて、ウェアは主にロコゴワとterry店前にて、ウェアは主にロコゴワとterry photo:Yuka.Kani


アンパン道路にて歴史を振り返るアンパン道路にて歴史を振り返る photo:Yuka.Kani月寒公園内のファットタイヤが入る駐輪場月寒公園内のファットタイヤが入る駐輪場 photo:Yuka.Kani


あんぱん饅頭の由来のアンパン道路を通り、月寒公園に。ファットタイヤも入る駐輪場発見! 札幌では7月くらいになると至る所にある公園でフリーマーケットやイベントをやっているそうだ。短い夏を目いっぱい楽しんでいる。フリーマーケットで賑わっている中島公園。自転車を引きながら歩いていると店を開いている女性に「かっこいい自転車ですね」と声を掛けられる奈美さん。穏やかで優しい人柄が出ているから話しかけやすいのだろうと感じた。

フリーマーケットで声をかけられる奈美さんフリーマーケットで声をかけられる奈美さん photo:Yuka.Kani
途中で立ち寄った奈美さんのお気に入り「smooch coffee」さん。カフェ内はアメリカのアンティーク品ばかり。店主の方が全てアメリカで買い付けてくるのだそう。その中でもシュウインのレトロなトレーニングバイクにすぐ目が行った。

コーヒーも特徴がある。黒ビールのような泡立ったアイスコーヒー、炭酸が入ったアイスコーヒーなどなど個性的。

SCHWINNのレトロなトレーニングバイクSCHWINNのレトロなトレーニングバイク photo:Miki Sakai「smooch coffee」さんの個性的なコーヒー「smooch coffee」さんの個性的なコーヒー photo:Yuka.Kani選ぶ楽しみがある種類豊富なコーヒー選ぶ楽しみがある種類豊富なコーヒー photo:Yuka.Kani


コーヒーを飲んでいるとサーリーのファットバイクに乗ったサムズバイクさんのお客様親子が通った。普段通らない道だというのになんという偶然。奈美さんの人を引き付ける(惹きつける)力が強いのだ。

お父さんのファットバイクは泥んこ。いつも通勤にも使っているのだという。「自宅前から800mは林道なんだよ」と嬉しそうに語る姿が目に焼き付いた。だから熊を避けるために自転車にラッパもつけて、熊ベルも生活の必需品だ。

北海道の道路は広いけど札幌中心部は東京と変わらない大都市。でも、すれ違う自転車のファットバイク率が高かった。生活の脚、趣味。自転車は地域によって、道路事情によって根付くものが違うことを実感した。札幌は大自然に囲まれているのだ。

熊よけにラッパやベルは必需品熊よけにラッパやベルは必需品 photo:Yuka.Kaniサムズバイクさんのお客様に遭遇サムズバイクさんのお客様に遭遇 photo:Yuka.Kani左からSURLY pugsley、SOMAブエナ ビスタディスク、SOMAジュース左からSURLY pugsley、SOMAブエナ ビスタディスク、SOMAジュース photo:Yuka.Kani


北大の構内をサイクリング。そして有名なポプラ並木を眺める。緑が美しい。東京ではお目にかかれないオレンジ色がトレードマークの地元のコンビニも大学構内にあり、その2階でバーベキューができるらしい。

構内の庭では多くの生徒さんがジンギスカン?バーベキュー?鍋料理?をしている。これも日常だ。写真を撮るのを忘れてしまったのが残念。

時計台で自転車を持ちあげ撮影会。力持ち。時計台で自転車を持ちあげ撮影会。力持ち。 photo:Yuka.Kani有名な北海道大学のポプラ並木有名な北海道大学のポプラ並木 photo:Yuka.Kani


緑が美しい北海道大学構内緑が美しい北海道大学構内 photo:Yuka.Kani
音楽やアートを通じて繋がり、サムズバイクさんのサイクルキャップを作っている Brown floor clothingさんへ。

次の訪問先への移動の途中、またも奈美さんが話しかけられている。今度は元競輪選手のお爺さん。昔の話が止まらない。

元競輪選手だというお爺さんの昔話は興味深い元競輪選手だというお爺さんの昔話は興味深い photo:Miki Sakai自転車デザインのTシャツなどもラインナップしている自転車デザインのTシャツなどもラインナップしている photo:Yuka.Kani蔦が絡まったレンガ造の建物が美しい蔦が絡まったレンガ造の建物が美しい photo:Yuka.Kani


SLOG BIKE SHACK さんは昔のパーツを大切に再利用しているという若い方が代表。古いパーツは好きだけれど強度などが心配なパーツは持ち込まれてもしっかりお断りする。古い自転車、古いパーツ、古いネジ1本でも大切にするサムさんのコレクションの良き理解者のお一人だそう。SLOG BIKE SHACK さんでもフリーマーケットをやっていて大賑わいだった。

北海道は夏を心から喜び、余すところなく満喫して、古いものを大切にする。そこでもバーベキュー。それが普通なのだ。

「SLOG BIKE SHACK」さんのユニークな看板「SLOG BIKE SHACK」さんのユニークな看板 photo:Yuka.Kani
レストア中心の「SLOG BIKE SHACK」さんレストア中心の「SLOG BIKE SHACK」さん photo:Yuka.Kani
もう夕飯の時間。急がなきゃ。

サムズバイクさんに到着すると、スタッフの皿井さん、柏谷さんが楽しかったですか?と笑顔で出迎えてくれた。そして女性スタッフのちえこさんがバーベキューの準備をしていてくれた。皆さんお仕事している中、楽しくサイクリングしてきて、ご飯の準備まで……本当に有難く感謝しかない。

スタッフの方々やそのご家族は皆とっても素敵。バーベキューの準備があっという間にできあがっている。役割分担が出来ている!なんというチームワーク。皆本当に仲良し。分かり合っている。

バーベキューコンロはなんとサムさんが作ったのだと教えてくれた。20インチのリムとドロップハンドル2本と金網ですよと笑顔。私は700Cのリムしか持っていないといったら、大人数用のができますね。と……笑。ギターの机もある。サムさんはマルチアーティストだ。

ジンギスカンなどいろいろな地元の食材をバーベキューしてくれてお腹一杯に。ここでも北海道ならではを楽しませていただいた。

サムさんお手製のバーベキュー台サムさんお手製のバーベキュー台 photo:Yuka.Kani
ジンギスカンなどの美味しいバーベキュージンギスカンなどの美味しいバーベキュー photo:Yuka.Kani
バーベキューの後は、近くの川でホタル観賞という素晴らしいデザートも用意してくれていた!ホタルは心休まる。ホタルのふわっふわっとした光と川や空気の清らかさを感じるのが好きだ。

札幌市という都会の中でも少し行くと見られるとは驚いた。これからも守ってほしい。ホタル観賞を満喫し、お家に戻り、寝るか、と思いきやまた1時頃まで……女性の話は尽きないのだ。

ホタル観賞へ出発ホタル観賞へ出発 photo:Yuka.Kani
ホタルの光に癒やされるホタルの光に癒やされる photo:Yuka.Kani
また、明日起きられるかな……?明日はファットバイクを経験させてくれる予定を立ててくれていた!お昼は女性が経営しているカレー屋さん。またワクワク、ドキドキがとまらない。

そしておはようございます。また今日も晴天。清々しい。今日のスペシャルはもちろん夕張メロンとクミちゃんの作った庭でとれたさくらんぼのジャム!美味しいに決まってる!

お手製のさくらんぼのジャムお手製のさくらんぼのジャム photo:Yuka.Kani
今日の私の相棒はお借りしたサルサのファットバイク。サムズバイクさんも作業道清掃のお手伝いをしている札幌近郊の山に連れて行ってくれた。ファットバイクも山も全て初めてで本当にドキドキ。乗れるのか不安が襲う。

とにかく自転車とタイヤを信じてペダルを踏めば大丈夫とアドバイスをもらって出発。なんだ?この道を掴む感じ。初めての感覚だった。まだまだカーブは怖い。オンロード系の自転車に慣れている私は砂利を見ただけで怖い。

葉っぱとかにマダニがいるから気を付けて!と教えてくれた。えっ、マダニいるの?自然界に私はいさせてもらっている。虫、木、葉っぱ、小川、風、雲、土、石……そして人。

初めてのファットバイク。そして、ダートライド初めてのファットバイク。そして、ダートライド photo:Yuka.Kaniまだまだ慣れず、カーブが怖いまだまだ慣れず、カーブが怖い photo:Yuka.Kani


この山を管理している方々は、木がしっかり根を張り、生きた山として存在するように考えて、間引きする。その木を運ぶためにだけ最小限の道を作っている。サムズバイクさんはその道の作業道清掃のお手伝いをしているそうだ。

自然があるから人間が生きていける。自然と人とのつながりを大切にして毎日を過ごしている奈美さんの姿を垣間見せてもらった。

鳥のさえずりが聞こえる鳥のさえずりが聞こえる photo:Yuka.Kani
木漏れ日のなかひと休み木漏れ日のなかひと休み photo:Yuka.Kani道にだんだん慣れてきた道にだんだん慣れてきた photo:Yuka.Kani


間引きした木が置いてあるところで、樹液がキレイなのと奈美さん。ほんとだ。宝石みたいにキレイ。奈美さんは樹液を見るのが好きなスタッフの皿井さんへのお土産と言って一生懸命に写真を撮っている。優しさが伝わってくる。

帰り道は砂利も怖くない。楽しい。逆に砂利の上を走りたくなる。地面を踏みしめている感覚が残る。初めての楽しさを教えてくれたサムズバイクさんに感謝。

スタッフの方へのお土産に撮影スタッフの方へのお土産に撮影 photo:Miki Sakaiキラキラ光る宝石みたいな樹液キラキラ光る宝石みたいな樹液 photo:Miki Sakai


木の優しい香りが満ちている空間木の優しい香りが満ちている空間 photo:Yuka.Kani
程よくお腹がすいた頃、女性が経営しているカレー屋さん「Pani」さんへ。いつもお世話になっていてお姉さんみたいなのと語る奈美さん。手間暇惜しまず作った丁寧なカレーは絶品。黄(辛くない)と赤(辛い)からそれぞれ味を選んで楽しめる。なんて優しいカレー。添えてあるクラッカーのようなものがまた絶品。豆のクラッカー?あとを引く味だ。

女性が経営しているカレー屋「Pani」さん女性が経営しているカレー屋「Pani」さん photo:Yuka.Kani
美味しそうな匂いに思わず笑みがこぼれる美味しそうな匂いに思わず笑みがこぼれる photo:Yuka.Kani
黄(辛くない)と赤(辛い)から味を選べる黄(辛くない)と赤(辛い)から味を選べる photo:Yuka.Kani
デザートも食べられるかな?と奈美さん。北海道といったらソフトクリーム。地元の農産物がたくさんある「さっぽろハーベストランド」に行こうと連れて行ってくれた。私はソフトクリームには目がないのだ。お腹一杯でも食べられるし食べたい。

ソフトクリームだけでなく、野菜も豊富。珍しい色のカリフラワーが美味しそう!持って帰りたい。もちろんソフトクリームは美味しい。牛乳を食べているみたい、濃厚過ぎない。大満足。

「さっぽろハーベストランド」「さっぽろハーベストランド」 photo:Yuka.Kaniカラフルな地元の野菜がたくさんカラフルな地元の野菜がたくさん photo:Yuka.Kani牛乳みたいなソフトクリームに大満足牛乳みたいなソフトクリームに大満足 photo:Yuka.Kani


楽しい時間はあっという間に過ぎ、もう帰りの時間が近づいてきた。

次は雪の北海道に来てね。そうしたらファットバイクの楽しさがもっと広がるよ。と笑顔で見送ってくれた。

サムズバイクさんの魅力は、亡きサムさん、その遺志を継いだ奈美さん、皿井さん、柏谷さん、クミちゃん、ちえこさん、皆のお人柄とその気持ちがこもった物たちが店内にあふれているから。どうやって毎日を楽しもう、楽しみを共有しよう。『自転車だけでなく音楽、アート、様々なイイと思うものを多くの人に紹介していきたい。それが役割だと思っているの』と奈美さん。

明日も一緒に自転車に乗れるような気がするのに……寂しくなる。

左から、クミちゃん、奈美さん、柏谷さん、ちえこさん、皿井さん、miki(筆者)左から、クミちゃん、奈美さん、柏谷さん、ちえこさん、皿井さん、miki(筆者) photo:Yuka.Kani
バーベキューもできるスペースバーベキューもできるスペース photo:Yuka.Kaniファットバイク、MTBが中心ファットバイク、MTBが中心 photo:Yuka.Kani


アートな店内アートな店内 photo:Yuka.Kani
東京では味わえないとっても濃密な3日間。サムズバイクさんには大変お世話になりました。自転車の楽しみを広げて頂き、自転車でつながる人と人、自然を大切にして楽しむ心、美味しい地元のグルメを教えて頂いた。またいつか雪の北海道の楽しさを、雪での自転車の楽しみ方も知りたいと思った旅でした。次はどこへ行こうかな……。

~当時担当だったサンエス スタッフの回想談~

皆を見守っているサムさん皆を見守っているサムさん photo:Yuka.Kaniサムズバイクのサムさんと東京サンエスは古くからのお付き合いがあった。サムさんは、東京サンエスがMTB隆盛期に国内販売元となっていたアメリカ GT バイシクルのBMXやATB(MTB)の販売先店舗(東京都内)で働いておられた。そう、もう30年くらい前のこと。

その時から独特の気色を発揮するイイ兄貴だったな・・。札幌に戻られてから仕事先のアメリカで何度か会ったけどその何れかだったか、その魅惑の笑みにハニカミを潜ませながら、まるでお嬢さんのような奈美さんを紹介いただき、今度札幌においでよ、と会う度に言っていただきながら、時が経って突然の悲報に接し……ちょっと遅かったけど実現したことは、サムさんとのご縁も生きていた証拠だな……と。

text:坂井美紀(東京サンエス)
photo:蟹由香