2019/08/09(金) - 17:59
雨予報を覆し、ドライコンディションで走り出した「走ってみっぺ南会津!」。連晴記録を8に伸ばした、100%の晴れ大会は今年も盛りだくさんのグルメでもてなしてくれました!(前編はこちら)
8年連続雨に降られずにやってきた走ってみっぺ南会津!だけれども、意外に走りやすさには差がある。昨年は完璧な快晴だった一方で、灼熱の炎天下で走ることに。かなりの高気温で、常に水を掛けながら走る必要があるほどだった。
長引いた梅雨の影響もあり、冷夏となった今年は気温という面においてはむしろサイクリングにはぴったり。これで雨が降ってしまうとむしろ寒さを感じるくらいだけれど、そうはならず。つまり、最高のコンディションでライドを楽しむことができたのだ。
そんな天候の中、第1エイドを出発すると分岐点が近づいてくる。100kmのロングコースは左に、それ以外のコースは直進する交差点なのだが、左に曲がるとちょっとした峠が一本追加されることになる。なので、なんとここでは100kmコースの参加者も直進することが認められているのだ。その名もなんと「サボってみっぺ!南会津」(笑)
世界一ゆるーいロングライドをモットーに掲げる大会は伊達ではない。ちなみに私は毎年この分岐で心惹かれつつ、今のところ何とか毎回左折できています。今年も左へ舵を切り、緩い登り区間へと入っていく。しばらく行くと、なんとも風情のある鄙びた温泉街、湯ノ花温泉の中を通り過ぎていく。
温泉マニアがたまらなさそうな秘湯感あふれるロケーションを楽しみつつ、唐沢峠へと右折。青々と茂った森の中をいく峠道は、2kmと距離こそ短いもののなかなか本格的な峠道の雰囲気を醸し出している。とはいえ、まだ走り出してここまでずっと下り基調だったので脚はフレッシュ。むしろいい刺激になる、とばかりに踏んでいく人も。
頂上に掛かる橋を過ぎ、トンネルを走り抜けたら第2エイドが登場。気温はそこまで高くないとはいえ、やはりヒルクライムするとどうしても体温は上昇してしまうし、水分も補給したくなるもの。そんなところで用意されたこのエイドで、冷たいドリンクをいただきつつボトルに水を詰め替えて、ここからのライドに備えられるのは大助かりだ。
ここからの下りは、森の中ということもあり日陰部分はまだウェットな箇所も。例年以上にゆっくりと下っていき、サボってみっぺ!コースと60kmと30kmコースに再合流。再び舘岩川沿いにしばらく下っていくと、伊南川との合流地点に次なるエイドが見えてきた。
3つ目のエイドステーションとなるこの第3エイドでは、瑞々しいアスパラとじゅうねん味噌と呼ばれるあまめのお味噌を塗られた「ばんでい餅」が振舞われている。シャクシャクとした食べ応えのフレッシュな野菜にとすこし甘めのばんでい餅がナイスなコンビネーションだ。
さて、ここからは伊南川を上流側へと登っていくことに。先ほどのまでの舘岩川よりも太く水量の大きな流れを横目に見つつ、ゆるゆると川沿いを上っていく。開けた谷あいの集落とそれをつなぐ川沿いの道、そんな繰り返しをいくつか経て標高を上げていくと、昨年よりも手前にエイドステーションが登場した。
これまでは、奇岩絶景で名高い屏風岩の駐車場に設置されていたエイドステーションだったが、今年は手前の会津高原高畑スキー場に会場変更。確かに、年々参加者も増えてきており手狭になってきていただけに、より広い会場への変更は歓迎だ。
こちらで振舞われるのは、大会名物にして走ってみっぺ!の代名詞ともいえるジューシーなマトン丼!ロングライドイベントの枠を超えたボリュームとクオリティの一品に魅せられて、毎年この地に足を運んでいるリピーターも多い絶品グルメだ。広くなったロケーションを活かして、今年はマトン丼の提供も2列体制になり並ぶ行列も半分に。これまで、ピーク時には並んでいる時間が長いという意見もあっただけに、うれしい改善点だといえる。
早さまで備えることで、死角をなくした走ってみっぺ!のマトン丼。今年ももちろん変わらぬおいしさでぺろりといただくことができました。そうそう、コース的には例年より手前とのことで、早めに到着した参加者の中には、折り返して戻ってきてからマトン丼を頂くという人も。おなかの減り具合と相談しつつ、フレキシブルに楽しめるのも、走ってみっぺ!のいいところ。
メインイベントとも言える(?)マトン丼を攻略したら、折り返し地点となる屏風岩へと登っていくことに。マトン丼を食べたら下る!という固定観念のおかげでついつい下ってしまいそうになるけれど、やはりここまで来たらあの絶景を見ないでは戻れない。
もう少し伊南川の流れを遡っていき、しばらく行くと屏風岩の駐車場が登場。大きな三角形の折り返しコーンが置かれ、ついつい記念撮影してしまう。そのままくるりとUターンする方もいるけれど、絶景を見ずに帰るなんてもったいない!
階段を下りた先には大きな柱状節理がまるで屏風のようにそびえ立つ渓谷が。ドウドウと流れ落ちる川と、その流れが削り取ったであろう奇岩のコントラストがなんとも素晴らしい絶景は今年も健在だ。ちょうどゲストライダーの皆さんも到着した頃合いで、皆さん一緒に写真撮影タイムに。涼しい屏風岩は、ずっと逗留していたくなるロケーションだけれども、まったりしすぎると後が辛くなるということで、そろそろコースへ戻ることに。
ここからは走ってきたルートを一路戻ることに。100kmコースのつもりで走ってきたのだけれど、ちょっとエイドでゆっくりしすぎたようで周りにいるのは60kmコースの方ばかり。参加者の皆さんがいないと写真映えもよろしくない、ということで100kmコースとの分岐点は泣く泣く60kmコースのほうへ向かうことに。決して脚がそろそろ無くなってきた、とかそういうことではない。ホントですよ?
途中のエイドではキュウリやプチシューを頂き、元気を補充しつつ、今度は再び舘岩川を上流側へ。緩く上り基調のコースを最終エイドへ向けて走っていく。第1エイドであった舘岩物産館が最後のエイドとして再登場。きのこをたっぷり使ったお蕎麦が用意されており、最後のたかつえスキー場へのヒルクライム前に、エネルギーと塩分を補給できる。
なんだか食べてばかりだな、とお思いのそこのあなた。確かにその通りなのですが、ここから先のヒルクライムで、補給し続けたエネルギーはしっかり消費できるのだ。朝、気持ちよく下ってきたたかつえスキー場からのルートは、最後の最後になかなかなヒルクライムとして再登場する。
距離約2.8km、平均勾配6.8%とかなり登りごたえのある坂道がライドの最後に登場する。脚自慢の健脚サイクリストはしっかりと追い込んで、何とか走り切れるレベルの私は淡々とペースを守りつつ、クルクルとペダルを回していく。
途中、撮影と称して足を止めていると、ブリッツェンやブラーゼンの選手に押される女子ライダーが!グイグイと登っていく様子はまさにエスカレーターのよう。う、うらやましい(笑)。大体サポートライダーといっても、コースを先導してくれたり、メカトラに対応してくれるだけの大会が多い中(いや、それでも十分すぎるほど助かるのですが)、登りを実際にサポートしてくれるのはこの走ってみっぺ!くらいだろう。しかも、現役プロレーサーの走りを文字通り体感できるのである。ファンなら嬉しくて泣き出してしまいそうなシチュエーションだ。
それぞれの楽しみ方で、最後のヒルクライムも走り切ったら待望のフィニッシュへ。朝、気持ちよく送り出してくれた杏寿沙さんが、フィニッシュゲートでお出迎え。ハイタッチしながら100kmの旅路を終えるのであった。(実際は60kmにショートカットしましたが…。)
フィニッシュ後には腱引きブースでマッサージを受けたり、近くの温泉で汗を流したり。さっぱりして会場に戻ってきたあとは、豪華賞品が用意された大抽選会も待っている。2日間を通して、南会津を楽しみ尽くせる大会、それが走ってみっぺ南会津!だ。
text&photo:Naoki.Yasuoka
8年連続雨に降られずにやってきた走ってみっぺ南会津!だけれども、意外に走りやすさには差がある。昨年は完璧な快晴だった一方で、灼熱の炎天下で走ることに。かなりの高気温で、常に水を掛けながら走る必要があるほどだった。
長引いた梅雨の影響もあり、冷夏となった今年は気温という面においてはむしろサイクリングにはぴったり。これで雨が降ってしまうとむしろ寒さを感じるくらいだけれど、そうはならず。つまり、最高のコンディションでライドを楽しむことができたのだ。
そんな天候の中、第1エイドを出発すると分岐点が近づいてくる。100kmのロングコースは左に、それ以外のコースは直進する交差点なのだが、左に曲がるとちょっとした峠が一本追加されることになる。なので、なんとここでは100kmコースの参加者も直進することが認められているのだ。その名もなんと「サボってみっぺ!南会津」(笑)
世界一ゆるーいロングライドをモットーに掲げる大会は伊達ではない。ちなみに私は毎年この分岐で心惹かれつつ、今のところ何とか毎回左折できています。今年も左へ舵を切り、緩い登り区間へと入っていく。しばらく行くと、なんとも風情のある鄙びた温泉街、湯ノ花温泉の中を通り過ぎていく。
温泉マニアがたまらなさそうな秘湯感あふれるロケーションを楽しみつつ、唐沢峠へと右折。青々と茂った森の中をいく峠道は、2kmと距離こそ短いもののなかなか本格的な峠道の雰囲気を醸し出している。とはいえ、まだ走り出してここまでずっと下り基調だったので脚はフレッシュ。むしろいい刺激になる、とばかりに踏んでいく人も。
頂上に掛かる橋を過ぎ、トンネルを走り抜けたら第2エイドが登場。気温はそこまで高くないとはいえ、やはりヒルクライムするとどうしても体温は上昇してしまうし、水分も補給したくなるもの。そんなところで用意されたこのエイドで、冷たいドリンクをいただきつつボトルに水を詰め替えて、ここからのライドに備えられるのは大助かりだ。
ここからの下りは、森の中ということもあり日陰部分はまだウェットな箇所も。例年以上にゆっくりと下っていき、サボってみっぺ!コースと60kmと30kmコースに再合流。再び舘岩川沿いにしばらく下っていくと、伊南川との合流地点に次なるエイドが見えてきた。
3つ目のエイドステーションとなるこの第3エイドでは、瑞々しいアスパラとじゅうねん味噌と呼ばれるあまめのお味噌を塗られた「ばんでい餅」が振舞われている。シャクシャクとした食べ応えのフレッシュな野菜にとすこし甘めのばんでい餅がナイスなコンビネーションだ。
さて、ここからは伊南川を上流側へと登っていくことに。先ほどのまでの舘岩川よりも太く水量の大きな流れを横目に見つつ、ゆるゆると川沿いを上っていく。開けた谷あいの集落とそれをつなぐ川沿いの道、そんな繰り返しをいくつか経て標高を上げていくと、昨年よりも手前にエイドステーションが登場した。
これまでは、奇岩絶景で名高い屏風岩の駐車場に設置されていたエイドステーションだったが、今年は手前の会津高原高畑スキー場に会場変更。確かに、年々参加者も増えてきており手狭になってきていただけに、より広い会場への変更は歓迎だ。
こちらで振舞われるのは、大会名物にして走ってみっぺ!の代名詞ともいえるジューシーなマトン丼!ロングライドイベントの枠を超えたボリュームとクオリティの一品に魅せられて、毎年この地に足を運んでいるリピーターも多い絶品グルメだ。広くなったロケーションを活かして、今年はマトン丼の提供も2列体制になり並ぶ行列も半分に。これまで、ピーク時には並んでいる時間が長いという意見もあっただけに、うれしい改善点だといえる。
早さまで備えることで、死角をなくした走ってみっぺ!のマトン丼。今年ももちろん変わらぬおいしさでぺろりといただくことができました。そうそう、コース的には例年より手前とのことで、早めに到着した参加者の中には、折り返して戻ってきてからマトン丼を頂くという人も。おなかの減り具合と相談しつつ、フレキシブルに楽しめるのも、走ってみっぺ!のいいところ。
メインイベントとも言える(?)マトン丼を攻略したら、折り返し地点となる屏風岩へと登っていくことに。マトン丼を食べたら下る!という固定観念のおかげでついつい下ってしまいそうになるけれど、やはりここまで来たらあの絶景を見ないでは戻れない。
もう少し伊南川の流れを遡っていき、しばらく行くと屏風岩の駐車場が登場。大きな三角形の折り返しコーンが置かれ、ついつい記念撮影してしまう。そのままくるりとUターンする方もいるけれど、絶景を見ずに帰るなんてもったいない!
階段を下りた先には大きな柱状節理がまるで屏風のようにそびえ立つ渓谷が。ドウドウと流れ落ちる川と、その流れが削り取ったであろう奇岩のコントラストがなんとも素晴らしい絶景は今年も健在だ。ちょうどゲストライダーの皆さんも到着した頃合いで、皆さん一緒に写真撮影タイムに。涼しい屏風岩は、ずっと逗留していたくなるロケーションだけれども、まったりしすぎると後が辛くなるということで、そろそろコースへ戻ることに。
ここからは走ってきたルートを一路戻ることに。100kmコースのつもりで走ってきたのだけれど、ちょっとエイドでゆっくりしすぎたようで周りにいるのは60kmコースの方ばかり。参加者の皆さんがいないと写真映えもよろしくない、ということで100kmコースとの分岐点は泣く泣く60kmコースのほうへ向かうことに。決して脚がそろそろ無くなってきた、とかそういうことではない。ホントですよ?
途中のエイドではキュウリやプチシューを頂き、元気を補充しつつ、今度は再び舘岩川を上流側へ。緩く上り基調のコースを最終エイドへ向けて走っていく。第1エイドであった舘岩物産館が最後のエイドとして再登場。きのこをたっぷり使ったお蕎麦が用意されており、最後のたかつえスキー場へのヒルクライム前に、エネルギーと塩分を補給できる。
なんだか食べてばかりだな、とお思いのそこのあなた。確かにその通りなのですが、ここから先のヒルクライムで、補給し続けたエネルギーはしっかり消費できるのだ。朝、気持ちよく下ってきたたかつえスキー場からのルートは、最後の最後になかなかなヒルクライムとして再登場する。
距離約2.8km、平均勾配6.8%とかなり登りごたえのある坂道がライドの最後に登場する。脚自慢の健脚サイクリストはしっかりと追い込んで、何とか走り切れるレベルの私は淡々とペースを守りつつ、クルクルとペダルを回していく。
途中、撮影と称して足を止めていると、ブリッツェンやブラーゼンの選手に押される女子ライダーが!グイグイと登っていく様子はまさにエスカレーターのよう。う、うらやましい(笑)。大体サポートライダーといっても、コースを先導してくれたり、メカトラに対応してくれるだけの大会が多い中(いや、それでも十分すぎるほど助かるのですが)、登りを実際にサポートしてくれるのはこの走ってみっぺ!くらいだろう。しかも、現役プロレーサーの走りを文字通り体感できるのである。ファンなら嬉しくて泣き出してしまいそうなシチュエーションだ。
それぞれの楽しみ方で、最後のヒルクライムも走り切ったら待望のフィニッシュへ。朝、気持ちよく送り出してくれた杏寿沙さんが、フィニッシュゲートでお出迎え。ハイタッチしながら100kmの旅路を終えるのであった。(実際は60kmにショートカットしましたが…。)
フィニッシュ後には腱引きブースでマッサージを受けたり、近くの温泉で汗を流したり。さっぱりして会場に戻ってきたあとは、豪華賞品が用意された大抽選会も待っている。2日間を通して、南会津を楽しみ尽くせる大会、それが走ってみっぺ南会津!だ。
text&photo:Naoki.Yasuoka