スポーツバイクを愛するlife.シクロワイアードをご覧のみなさま、こんにちは!「シングルスピードな自転車生活vol.1」から4ヶ月、ひとつの季節をまたいでみなさまと再会です。

昨年の晩秋にシングルスピードバイクに乗ろう!と息巻いてみたものの、季節は折しも冬を迎え…。奇しくもぼくの住む新潟は豪雪に見舞われ、しばらくは自転車と離れる生活になってしまいました。

自転車乗りには試練の冬、雪自転車乗りには試練の冬、雪 ようやく雪解けを迎え桜も散り始めた4月、だいぶ時間が空いてしまいましたが、「シングルスピードな自転車生活vo.2」をお送りします。季節は春。新しい自転車で走り出すには最高の季節です。シングルスピードバイクがいよいよ欲しい! (まだ持ってないんです)

ぼくだってこの冬の間、ただ黙って雪の下に埋もれていたわけではありません。どれだけのメーカーがシングルスピードと呼ばれるバイクをリリースしているのか、カタログやウェブをチェックする日々。ひとくちにシングルスピードといっても、各メーカーそれぞれに特色あるバイクをラインナップしています。

う〜ん、どのバイクにしようかな?いろんなバイクを見てるだけで楽しいけれど、自分に向いてるシングルスピードバイクってどのバイクだろう。ぼくの心にピンときた、各メーカーのバイクをちょっと整理してみよっと!

「ワカッテル」街乗りサイクリストになる!伝統のヨーロピアンブランド

自転車の本場と言えばやっぱりヨーロッパ。ツール・ド・フランスなんて100年以上の歴史がある。それだけにヨーロッパの自転車メーカーは伝統と革新の両立に日夜専心している。レースバイクを作っているノウハウと、伝統的なデザイン性ならヨーロッパのブランドを選びたい。

ピナレロ ルンガヴィータ グリーンサンドピナレロ ルンガヴィータ グリーンサンド (c)ピナレロジャパン

ピナレロ・ルンガヴィータ

ロードレースでお馴染みのイタリアのブランド、ピナレロのシングルスピードバイク。デザインがクラシックでカッコいい!1951年のブランド創設当時のロゴデザインなのだとか。フレームはシャキシャキ走るアルミチューブ。4サイズ、全6色。フィックスドコグとフリーホイール装備。


コルナゴ スーパーコルナゴ スーパー (c)コルナゴジャパン

コルナゴ・スーパー

やはりイタリアのレースバイクブランドの雄、コルナゴ。こちらも80年代のバイクを思わせるヴィンテージなデザイン。フレームにはスチールチューブをラグでつなぎ、乗り味の良さとクラシカルな外観を実現。街に映えるカラーリングはさすが。全6サイズ。フィックスド、フリー兼用。

さすがにカッコイイこれらのバイク…。ファッションにも気を遣ったりして、ちょっとクラシコなジャケットなんかを羽織って街を駆け抜けたくなる。でも、ちょいワル(古い?)でダンディな大人の男にならないと、バイクに負けてしまいそう。。若造であるところのぼくには少し、立派すぎるかな。


都市も、街も、町も快適に走る!日本の街を熟知した日本ブランド

ヨーロッパとは違う独自の交通ルールを持つ日本。そして街のあり方も、ヨーロッパのそれとはだいぶ違う。そんな日本の街を快適に駆けるには、やっぱり日本のブランド。サイズ設定やジオメトリーなど、日本人向けのラインナップが嬉しい。

im(アイム)FIXED ホワイト/レッドim(アイム)FIXED ホワイト/レッド (c)インターマックス

im・FIXED

日本人として初めてツール・ド・フランスに出場した今中大介さんのプロデュースするブランド InterMaxから、この春新登場した街乗り自転車ライン、im(アイム)。もちろんそこにはシングルスピードバイクもラインナップ。それがこのFIXED。全5色のバイクはいずれもシンプルカラーにパーツカラーでアクセント。最大のポイントはハンドルのライザーバー。誰でも違和感無く乗る事ができる。フリーギア仕様。460サイズからラインナップ。


アンカー PA3 モノトーンブラックアンカー PA3 モノトーンブラック (c)ブリヂストンアンカー

アンカー・PA3

もともと、シングルスピードバイクはバンクを走る固定ギア、ピストバイクにオリジンを持つ。ブレーキ無し、クランクとギアが固定となるピストバイクにブレーキをつけ、フリーホイールを搭載して街で安全に乗れるようにしたのがシングルスピード。日本の自転車界の雄、アンカーのシングルスピードはピストバイクのエッセンスを伝える快速モデルPA3。ピストバイクのノウハウを生かし、走行性能の高いアルミをフレームに採用したモデル。フリーギア仕様。460サイズからラインナップ。

まだまだ自転車が走りやすいとは言えないのが悲しいけれど、日本の街の現状。だからこそしっかりと安全に乗れるバイクが重要ですね。ライザーバー採用のimのデザインの良さにも惹かれるし、スパルタンなアンカーのバイクには硬派なカッコ良さがある。悩ましいなぁ…。もうちょっとだけ、他のブランドを見てみようかな。

トンガッてて街で大注目!個性的なアメリカンブランド

シングルスピードバイクブームを作りだしたのはメッセンジャーたち。とりわけアメリカの大都市はホットなメッセンジャーたちが集い、街を駆ける。そんなアメリカを代表するブランド、トレックはマスプロブランドながらトンガッたシングルスピードバイクをラインナップ。人とちょっと違ったバイクなら、アメリカンブランドか!?

トレック ディストリクト カーボントレック ディストリクト カーボン (c)トレック

トレック・ディストリクト カーボン

レースに使用されるバイクと同じフルカーボンのシングルスピードバイク。ジオメトリーなどもレース仕様のそれ。レースバイクへ肉薄する意味で、究極のシングルスピードバイクと言っても過言ではない?オールブラックカラーで洗練された印象。お値段もレースバイク並み。フリーギア。ベルトドライブシステム採用。5サイズ。
トレック ディストリクトトレック ディストリクト (c)トレック


トレック・ディストリクト

ポップなデザインが特徴的。アルミフレーム採用。各ブランドのシングルスピードバイクに競合するモデルだ。ハンドルはライザーバー仕様。チェーンカバーは街乗りに嬉しい親切な装備。そのチェーンも、トレック独自のベルトドライブシステムを採用。チェーンよりも長持ちで、メンテナンスも容易なアーバンバイクのニュースタンダードとなりそうなシステムだ。4サイズ。

驚きのフルカーボンシングルスピードバイク!もちろん、僕の身に余るスペックだということは言うまでもありませんが…。ディストリクトのベルトドライブシステムは大きな魅力。でも欲を言うと、ロードバイクに敬意を評してドロップハンドルのバイクに乗りたい。ううむ、バイク選びは楽しいけれど、難しい。




それぞれに魅力的な、各ブランドのシングルスピードバイクのラインナップを旅しながら、だんだんとぼくの理想のシングルスピードバイク像が浮かび上がってきた。それは…

・クラシックな細身のスタイルを持つクロモリフレーム
・安全に乗るためのフリーホイール&前後ブレーキ装備
・ロードレーサー気分を味わうためのドロップハンドル
・アバンギャルドでもいい!眼をひくカラーリング


と、こんなところ。ひと昔前のロードレースが好きなぼくは、やっぱりどこかクラシックなロードレーサースタイルに憧れているのかもしれません。長く乗りたいシングルスピードバイクだから、見た目やスタイリングにもじっくりこだわりたい。ゼイタクな悩み。

そんな意固地な条件を確認しながら、スチールバイクを多く手がけるブランド、MASI(マジィ)をチェック。するとそこには多くのシングルスピードバイクがラインナップされているではありませんか!フラットバー仕様とドロップバー仕様のシングルスピードが揃う充実ぶり。

マジィ・スペシャーレ フィックスド ドロップ ディコブラックマジィ・スペシャーレ フィックスド ドロップ ディコブラック (c)東商会

マジィ・スペシャーレ フィックスド ドロップ

さらにこのブランド、かつてはロードレースの世界チャンピオンも乗ったバイクを作ってきたイタリアの名工房なのだとか。スタイリングもイタリア的なシンプルさでカッコいい。長く付き合っていけそうな、そんな予感を感じます!

そこで早速、マジィの輸入を手がける東商会の広報担当者さんに問い合わせると、「ワケアリ」な一台があるという。どんなワケだって構わない!乗らせてください!

ずいぶん悩んだけれど、その悩んだ分だけ愛着を持って乗れるはず。どんな乗り心地なんだろうか。どんな風に乗ってみようか。どこへ行ってみようか。そんな風に心待ちにしていると、ついに届きましたマジィのスペシャーレ!

ドキドキしながら封を開けると、そこにはまばゆいイエローカラーの車体。そのスタイリングはクロモリバイクの、クラシックなバイクのそれ。カッコ良さにほれぼれです。

マジィ スペシャーレ フィックスド ドロップマジィ スペシャーレ フィックスド ドロップ photo:Makoto Ayano

でも…あ、あれ!?よく見るとブレーキが前輪にしかついてない? バイクの梱包されていた箱の底を見てもブレーキは落ちていない…。まさか、これが東商会の広報担当者さんの言っていた「ワケ」ってこと!?どうしよう〜。
(※市販車には前後ブレーキが装着されています)

これからの連載の相棒となるマジィ・スペシャーレ号。よろしくたのむぜ!これからの連載の相棒となるマジィ・スペシャーレ号。よろしくたのむぜ!

いよいよ登場したシングルスピードバイク、マジィのスペシャーレ。ちょっとしたハプニングはありましたが、次回からはこのバイクとともに「シングルスピードな自転車生活」を考えていきたいと思います。ハヤリモノではあるけれど、ちょっと真面目に取り組んでみようという長期連載企画です。ギア無し自転車生活はどんな展開を見せるのか? 次回に続きます!