2019/06/07(金) - 12:51
5月26日(日)に開催された「緑のアルプスあづみのセンチュリーライド」の160kmクラスをCW編集部員・村田が実走レポート。最高の天気に恵まれ、青々とした緑を湛える北アルプスの雄大な景色を2400人の参加者が満喫しました。
いくつものロングライドやグランフォンドイベントを抱える長野県の中でも、一大イベントとして定着している「アルプスあづみのセンチュリーライド(通称AACR)」。北アルプスの麓、長野県安曇野を舞台に2009年から始まったこの大会は、2017年より4月の”桜”、5月の”緑”と2回開催に規模を拡大しており、合わせて約4500人ものサイクリストが集まる国内屈指の人気イベントとなっている。
4月21日(日)に行われた桜のAACRに続き、今回5月26日(日)に開催された「緑のAACR」にはおよそ2400人もの参加者が集結。160kmコースは観光宿泊施設である梓水苑がスタート/ゴール。まだ薄暗い朝4時から続々と駐車場が埋まっていき、スタートの5時にはゲート前に大勢の参加者が列を作った。
元気いっぱいの声で会場を盛り上げてくれるMCアケさんの進行の元、スタート前には大会実行委員長の鈴木雷太さんがあいさつ。大会が掲げる「100%の安全」を再度強調して、楽しく安全に走りましょうと参加者へ呼びかけた。まだ昇りかけで橙色に輝く朝日を背に受け、混雑がないよう5人ずつスタートを切っていく。
5月末ともなるとさすがに日の出は早く、1組目が出発する時点ですでにライトは不要なほど空は明るい。日本列島全域で一気に暑さを増したこともあり、朝一でも寒さは感じることなく走り出すことができた。田植えを終え朝日を反射してキラキラと輝く水田、たわわに実らせた穂を揺らす冬小麦、そして緑の深い山々など季節を目一杯に感じながら優雅にペダルを回していく。
長野を走っているとやはり果樹園の多さが目につく。国内でも生産量上位を占めるリンゴやモモ、ブドウなどの果樹が道の脇に整然と並んでおり、夏から秋にかけてはここに色鮮やかな果実が実るのだろう。フルーツ狩りを楽しむサイクリングなんかをしに来ても面白そうだ、と思いながら軽快に進んでいく。
最初の20kmほどを走り終えると、国営アルプスあづみの公園(堀金・穂高地区)でファーストエイドだ。公園の入口へと続く道からは遠くに常念岳と横通岳を望むことができ、その雄々しい姿を収めようと皆一旦止まって記念撮影タイム。そんなロケーションの良い穂高エイドでは、朝食代わりのコッペパンがいただけた。
パンとともに用意されたのは長野県産のジャム。ブルーベリー・ストロベリー・マーマレード・ルバーブの4種類から好きなものを塗ることができた。ちなみに筆者は4つ全部乗せ。特にルバーブはシャキッとした歯ごたえを残しつつ爽やかな酸味と甘味がバランスしてとても美味しく、あっという間に平らげてしまった。さらにはカステラ生地をホワイトチョコでコーティングした信濃銘菓「あずさ」で糖分を追加補給だ。
そこからは北アルプス山麓に沿って再び北上していく。安曇野市の行楽地帯を抜け、両脇に水田が広がる田園風景で日本を感じつつ、途中には緑のトンネルとも言える生い茂った木々が目を楽しませてくれた。時刻はまだ朝の7時過ぎ。爽やかな空気の中、次のエイドまでまた20kmほどを走る。
2箇所に分かれている国営アルプスあづみの公園の”大町・松川地区”に到着。森の一部といった公園内を通り緑を全身で感じつつエイドに向かう。園内ではウォーキングやピクニック、アスレチックや川遊びなど自然とたわむれる行楽も楽しむことが可能だ。ゆったりとした時間を過ごしつつ、仲間と談笑しながら休憩だ。
ここ大町エイドでは、AACRではお馴染みのネギ味噌おにぎりと漬物バイキングが振る舞われた。先程のエイドが甘い物だっただけに、今度は塩気のある味が汗をかいた体にも嬉しい。味が濃い目の味噌は少量でもおにぎりを1個まるごと食べられてしまうほど。
漬物もキュウリや大根を中心に9種類もの数が用意され好きなものを選ぶことができた。無農薬レモンを使ったはちみつ漬けも大人気で、皮ごと安心して食べることができ程よい酸味で疲労回復に。また地元で採れた新鮮なレタスとミニトマトもふんだんに振る舞われ、みずみずしい野菜たちで水分補給も完了だ。
北上するにつれ左手に見える北アルプスの山々も迫力を増してくる。遠くに見えているのは蓮華岳だろうか、山を向こう側に越えたらそこはもう富山県だ。まさにあの山の反対側には黒部ダムも広がっているというロケーションで、前日入りした参加者の中には観光に訪れた人もいたのではないだろうか。黒部ダムの帰りには大町温泉郷でお風呂に入るなんてのも最高だろう。
ほどなくして3つ目の大町木崎湖エイドに到着。エイド間の距離が近かったためまだそこまでお腹は減っていないが、これからさらに暑くなることを考えるとしっかり補給しておきたいところ。ここでは赤だすき白馬製麺所の冷麦と水ようかんがいただけた。冷たくさっぱりとした食べ物はスルリとお腹の中へ消えていき一瞬でなくなってしまった。うーん、もっと味わって食べればよかったと後悔。
日差しが強くなってきたタイミングもあり、エイドには自由に使える日焼け止めも完備。また替えチューブや補給ジェル、空気入れなども用意されていた。そんなサイクリスト目線のエイド準備をしてくれた白馬商工会の飯森さんは、男女の出会いの場として開催している「白馬コンサイクリング」をアピール。第3回目となるイベントは9月28日に実施予定だ。
さて、ここからは仁科三湖とともに白馬のダイナミックな山々を望みながら進む、AACRのハイライトとも言えるロケーションを堪能していく。すでに3つのエイドを終えたにも関わらず、まだ54kmほどしか進んでいないという現実…。残りの100kmを後編で一気に進むとしよう。
後編に続く。
text&photo:Yuto.Murata
いくつものロングライドやグランフォンドイベントを抱える長野県の中でも、一大イベントとして定着している「アルプスあづみのセンチュリーライド(通称AACR)」。北アルプスの麓、長野県安曇野を舞台に2009年から始まったこの大会は、2017年より4月の”桜”、5月の”緑”と2回開催に規模を拡大しており、合わせて約4500人ものサイクリストが集まる国内屈指の人気イベントとなっている。
4月21日(日)に行われた桜のAACRに続き、今回5月26日(日)に開催された「緑のAACR」にはおよそ2400人もの参加者が集結。160kmコースは観光宿泊施設である梓水苑がスタート/ゴール。まだ薄暗い朝4時から続々と駐車場が埋まっていき、スタートの5時にはゲート前に大勢の参加者が列を作った。
元気いっぱいの声で会場を盛り上げてくれるMCアケさんの進行の元、スタート前には大会実行委員長の鈴木雷太さんがあいさつ。大会が掲げる「100%の安全」を再度強調して、楽しく安全に走りましょうと参加者へ呼びかけた。まだ昇りかけで橙色に輝く朝日を背に受け、混雑がないよう5人ずつスタートを切っていく。
5月末ともなるとさすがに日の出は早く、1組目が出発する時点ですでにライトは不要なほど空は明るい。日本列島全域で一気に暑さを増したこともあり、朝一でも寒さは感じることなく走り出すことができた。田植えを終え朝日を反射してキラキラと輝く水田、たわわに実らせた穂を揺らす冬小麦、そして緑の深い山々など季節を目一杯に感じながら優雅にペダルを回していく。
長野を走っているとやはり果樹園の多さが目につく。国内でも生産量上位を占めるリンゴやモモ、ブドウなどの果樹が道の脇に整然と並んでおり、夏から秋にかけてはここに色鮮やかな果実が実るのだろう。フルーツ狩りを楽しむサイクリングなんかをしに来ても面白そうだ、と思いながら軽快に進んでいく。
最初の20kmほどを走り終えると、国営アルプスあづみの公園(堀金・穂高地区)でファーストエイドだ。公園の入口へと続く道からは遠くに常念岳と横通岳を望むことができ、その雄々しい姿を収めようと皆一旦止まって記念撮影タイム。そんなロケーションの良い穂高エイドでは、朝食代わりのコッペパンがいただけた。
パンとともに用意されたのは長野県産のジャム。ブルーベリー・ストロベリー・マーマレード・ルバーブの4種類から好きなものを塗ることができた。ちなみに筆者は4つ全部乗せ。特にルバーブはシャキッとした歯ごたえを残しつつ爽やかな酸味と甘味がバランスしてとても美味しく、あっという間に平らげてしまった。さらにはカステラ生地をホワイトチョコでコーティングした信濃銘菓「あずさ」で糖分を追加補給だ。
そこからは北アルプス山麓に沿って再び北上していく。安曇野市の行楽地帯を抜け、両脇に水田が広がる田園風景で日本を感じつつ、途中には緑のトンネルとも言える生い茂った木々が目を楽しませてくれた。時刻はまだ朝の7時過ぎ。爽やかな空気の中、次のエイドまでまた20kmほどを走る。
2箇所に分かれている国営アルプスあづみの公園の”大町・松川地区”に到着。森の一部といった公園内を通り緑を全身で感じつつエイドに向かう。園内ではウォーキングやピクニック、アスレチックや川遊びなど自然とたわむれる行楽も楽しむことが可能だ。ゆったりとした時間を過ごしつつ、仲間と談笑しながら休憩だ。
ここ大町エイドでは、AACRではお馴染みのネギ味噌おにぎりと漬物バイキングが振る舞われた。先程のエイドが甘い物だっただけに、今度は塩気のある味が汗をかいた体にも嬉しい。味が濃い目の味噌は少量でもおにぎりを1個まるごと食べられてしまうほど。
漬物もキュウリや大根を中心に9種類もの数が用意され好きなものを選ぶことができた。無農薬レモンを使ったはちみつ漬けも大人気で、皮ごと安心して食べることができ程よい酸味で疲労回復に。また地元で採れた新鮮なレタスとミニトマトもふんだんに振る舞われ、みずみずしい野菜たちで水分補給も完了だ。
北上するにつれ左手に見える北アルプスの山々も迫力を増してくる。遠くに見えているのは蓮華岳だろうか、山を向こう側に越えたらそこはもう富山県だ。まさにあの山の反対側には黒部ダムも広がっているというロケーションで、前日入りした参加者の中には観光に訪れた人もいたのではないだろうか。黒部ダムの帰りには大町温泉郷でお風呂に入るなんてのも最高だろう。
ほどなくして3つ目の大町木崎湖エイドに到着。エイド間の距離が近かったためまだそこまでお腹は減っていないが、これからさらに暑くなることを考えるとしっかり補給しておきたいところ。ここでは赤だすき白馬製麺所の冷麦と水ようかんがいただけた。冷たくさっぱりとした食べ物はスルリとお腹の中へ消えていき一瞬でなくなってしまった。うーん、もっと味わって食べればよかったと後悔。
日差しが強くなってきたタイミングもあり、エイドには自由に使える日焼け止めも完備。また替えチューブや補給ジェル、空気入れなども用意されていた。そんなサイクリスト目線のエイド準備をしてくれた白馬商工会の飯森さんは、男女の出会いの場として開催している「白馬コンサイクリング」をアピール。第3回目となるイベントは9月28日に実施予定だ。
さて、ここからは仁科三湖とともに白馬のダイナミックな山々を望みながら進む、AACRのハイライトとも言えるロケーションを堪能していく。すでに3つのエイドを終えたにも関わらず、まだ54kmほどしか進んでいないという現実…。残りの100kmを後編で一気に進むとしよう。
後編に続く。
text&photo:Yuto.Murata
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