秋田県男鹿半島を舞台に開催されたグレートアースあきた白神男鹿なまはげライド。豪華な前日イベントに続き、絶景&秋田グルメが目白押しのメインコースのレポートをお届けしよう。



秋田県男鹿半島を舞台に開催されたグレートアースあきた白神男鹿なまはげライド秋田県男鹿半島を舞台に開催されたグレートアースあきた白神男鹿なまはげライド
グレートアース名物のラジオ体操から始まるグレートアース名物のラジオ体操から始まる 良い天気にたくさんの参加者が集まった良い天気にたくさんの参加者が集まった


なまはげハッピを羽織るのはなまはげハッピを羽織るのは 男鹿市長です!男鹿市長です!


それではグレートアースあきた白神男鹿なまはげライドのスタートです!それではグレートアースあきた白神男鹿なまはげライドのスタートです!
水族館での前夜祭(レポートはこちら)という前代未聞の豪華な夜を過ごした翌朝。爽やかな青空が広がるなまはげオートキャンプ場に続々とサイクリストたちが集まってきた。少々風が強いところだけれども、天気は最高。集まる皆さんの表情も明るく、これからの100㎞に期待大。

定番のラジオ体操を終え、男鹿市長のあいさつの後スタート。「みなさんが来ていただいているおかげで、男鹿の雰囲気が変わってきております!ぜひ今年も楽しんでいってください!」なんて言われると、走らせていただいている身としては感無量というもの。

市長を先頭にグループごとに出発市長を先頭にグループごとに出発
なまはげ大橋を渡っていきますなまはげ大橋を渡っていきます
橋の袂にはなまはげの銅像が橋の袂にはなまはげの銅像が
キャンプ場をスタートしてしばらくは「なまはげライン」と名付けられたルートを辿っていく。谷間に架けられた橋には「青鬼橋」「赤鬼橋」「なまはげ大橋」とそれぞれ名付けられており、橋のたもとにはエンブレムや銅像も設置されている。災いを祓うというなまはげだけに、きっと安全で楽しい一日となりそうだ。

第1エイドのキャンパルわかみへは、海岸線沿いを北上していくことになる。大きな風力発電機が立ち並ぶことからも、ここが年中強い風が吹き付ける地域なのだということが察せられる。でもご心配なく。この時期は大体南風が優勢になるとのことで、追い風基調の快走ライドを楽しめる。

青い日本海を横目に走っていく青い日本海を横目に走っていく
海岸線沿いのアップダウンを走っていきます海岸線沿いのアップダウンを走っていきます
防風林の中のルートを行く防風林の中のルートを行く
男鹿半島は風力発電のメッカでもある男鹿半島は風力発電のメッカでもある
砂浜が広がる海岸沿いは、水はけの良さを活かしたメロンやスイカの栽培が盛んなのだとか。いくつかの丘を越えると第1エイドに到着だ。焼きそばをじゅうじゅうと焼きあげる匂いが充満しており、ぐう、とお腹の虫がなる。

はたはたの魚醤であるしょっつるを使った焼きそばはソースをかけなくともしっかりした塩味がついている。しかも、この時期日本海で採れるベニズワイガニのツメも乗っており、なんとも贅沢な気持ちにさせてくれる一品。

第一エイドに到着第一エイドに到着 じゅうじゅうと焼きそばが焼けていくじゅうじゅうと焼きそばが焼けていく

しょっつる焼きそばにみんなで舌鼓しょっつる焼きそばにみんなで舌鼓 しょっつる焼きそばはけっこうあっさり目の味で朝ごはんにも食べやすかったしょっつる焼きそばはけっこうあっさり目の味で朝ごはんにも食べやすかった


そんなしょっつる焼きそばに舌鼓を打ち、水分を補給したら、一路内陸方面へとハンドルを切る。少し東進したのち、かつて日本で2番目の面積を誇った八郎潟の西側を南下していく。遠浅の潟を干拓した土地には延々と水田が広がっており、ここが日本有数のコメどころであることが実感できる。

遮るものの無い水田のど真ん中を貫く区間は、完全に吹きさらしの強風地帯だ。姿勢を低くしたエアロポジションでじりじりと進んでいく。遠くにこんもりと見える山の上には、UFOのようなものが乗っかっている。どうやらあれが次なるエイドステーションが設置された寒風山なのだろう。

目指すは遠くに見える寒風山目指すは遠くに見える寒風山
藤の花の季節だったようでそこかしこに咲き誇っていました藤の花の季節だったようでそこかしこに咲き誇っていました 八郎潟の田園地帯を行きます八郎潟の田園地帯を行きます


男鹿の風景を一望できるヒルクライムコース男鹿の風景を一望できるヒルクライムコース
向かい風で結構足を使ったあとに、本格的な登りが始まった。登り初めから結構な斜度がコンスタントに続いていく。森の中を抜けると、一気に視界が開ける。すると、まるで森林限界を超えたかのような風景が広がっていた。

山肌は緑の芝生に覆われており、視界を遮るものは何一つない。背後には美しく孤を描く海岸線が続く大パノラマが広がっており、登ってきた甲斐もあろうというもの。とはいえ、視界が開けてから頂上まで残り1/3といったところ。でも、絶景に気を取られていれば、少しは時間も短く感じよう。

ダイナミックなヒルクライムコースだダイナミックなヒルクライムコースだ
あの看板まで行けばエイドまではもう少しあの看板まで行けばエイドまではもう少し もう少しでエイドですよ!とサポートライダーが指すもう少しでエイドですよ!とサポートライダーが指す


あんぷら餅にかぶりつく白戸さんあんぷら餅にかぶりつく白戸さん 登ってきましたー!登ってきましたー!


激坂区間を登りきれば、第2エイドに到着だ。こちらでは「あんぷらもち」と呼ばれる、ジャガイモを使った揚げ餅の串が振る舞われる。しょっぱさと甘みがバランスよく混ざり、ヒルクライムを達成したご褒美にはもってこい。

さて、一つ目を逸らしている事実がある。実はエイドステーションが設置されている駐車場はまだ頂上ではない。麓から見たUFOのような建物がもう一段上に見えている。その正体は「寒風山回転展望台」、つまり寒風山で最も景色が良いと保証されている地点だ。

「え、まだ登るの?」「いやいや、ここまで来たら登っておくべきでしょ」と、頭の中で2人のイマジナリーフレンドが合議をしている。どうにかこうにか折り合いをつけ、真の山頂を目指して登った先に見えたのは、まさに360度広がる大パノラマだった。

さらにもう一段上へと登る。左手には八郎潟の干拓地に広がる田園風景さらにもう一段上へと登る。左手には八郎潟の干拓地に広がる田園風景
まるで森林限界のような草原が広がっていますまるで森林限界のような草原が広がっています
男鹿市長とともに記念撮影男鹿市長とともに記念撮影
美しい海岸線と八郎潟の干拓地に広がる田園地帯、風車が並ぶ砂浜。少し首を巡らすだけで、それら全部が楽しめる。誰が言ったかこの寒風山、「世界三景」に入るのだという。グランドキャニオン、フィヨルドと並ぶ絶景だという触れ込みで、登る前は「んな大げさな」と思っていた。でも、実際に見てみればちょっと言い過ぎかもしれないな、くらいの納得感はある絶景だ。ちょっと登りが増えても十分おつりがくる。

さて、大パノラマを楽しんだ後は後半戦へ。再びバイクにまたがり、寒風山を爽快にダウンヒルしていくのだった。

text&photo:Naoki Yasuoka