2019/04/25(木) - 12:46
走り出して数kmで素晴らしい景色を堪能できる桃と桜のサイクリング。絢爛に咲き誇る桜を堪能した八代ふるさと公園の先にも次々と絶景スポットが登場。更にパワーアップしたランチエイドのBBQでお腹一杯になった満腹ライドをレポートします。
さて、第一エイドの八代ふるさと公園を出発すると、巨大構造物が目の前に登場する。谷を横断する橋のような建造物は次代の日本の大動脈であるリニア中央新幹線。東京から甲府まで25分で繋ぐ夢のような乗り物の実験線が大月から敷設されているのだ。
「リニアの見える丘」として名高い花鳥山展望台は、斜面一面の桃と桜の花が満開でハイキングに訪れる観光客の方々でごった返している。ちなみにリニアが走っているところを見ることが出来る人はかなりの幸運なのだとか。実験走行の日程は公表されているものの、何時にどこを通過するのかという情報は一切公開されていないので、確実に見たければ試験走行日に待ち続けるしかない。
地元の方も「何十回と通ってるけど、1回も見れたことはないねー」「この前見てやろうと思って、友達と1時間くらい待ってたんだけど、お喋りしただけで帰ってきちゃったよ」なんて話している。その横を偶然リニアが通りすぎる、なんて奇跡は無かったれど素晴らしい景色であることは間違いない。ちなみに1週間後もう一度走りに来たら偶然見れました。プチ自慢ですが何か?
さて、花鳥山展望台で眺望を楽しみ、もう一つ二つアップダウンをこなせば、みやさか道も間もなく終わり。最後の丘の上には、菜の花と桃畑が鮮やかなコントラストを見せる農園が登場し、ここまで頑張って走ってきたご褒美を頂くことに。
甲府と富士吉田を繋ぐ御坂みちをくぐり、交通量の少ない裏道を使って盆地の底へと降りていく。目指すは第2エイドとなる観光農園、御坂農園グレープハウスだ。こちらでは到着した順に5~6名のグループを作り、お待ちかねのBBQタイム!
お土産屋さんを通り抜けると、予想以上に広いBBQ会場が登場。そしてテーブルには既に食材がセットされているのだけれど、それがなんだか昨年よりもボリュームアップしているような気も。結構厚めのお肉に野菜もしっかり用意され、どんどん焼いていかないと食べきれなさそうなほど。
初対面の方と同じテーブルを囲むことになり、普段ならちょっと緊張してしまいそうなものだけれど、そこは同じ自転車という趣味を持つ仲間同士、話題には事欠かない。しかも、最高の絶景コースを走ってきたばかりなのだ。あそこは良かったここは良かった、そんな話題に華が咲く。
あちこちでジュウジュウお肉が焼ける音が響く中、どこの卓も会話が途切れることは無い。とても賑やかな喧噪に包まれ、あっという間に楽しい時間は過ぎていく。ちなみに昨年はこのエイドでついつい長居してしまった人が続出し制限時間ギリギリの方が沢山いたという。その反省を活かし、今年は出発時間が明記された紙が渡されるので、その心配はかなり少なくなったようだ。
さて、私たちも記された時間をめいっぱい使った後、再出発。ここから先は平坦基調のはずなんですが、意外にちょくちょくパンチの効いたアップダウンが登場する。最たるものが、第3エイドとなる境川自転車競技場へと向かう急坂。斜度でいうと優に10%は越えていそうな激坂がエイドへ向かう参加者の前に立ちふさがる。
仲間とスプリントごっこする元気溢れたサイクリストにとってはご褒美だけれど、中には押しが入る人もちらほら。しかし、そんなところに現れる真っ白なハイエース。「エスコートカー」として自転車とライダーを坂の麓からてっぺんまで送り届けてくれるという。現代の白馬の騎士は白いハイエースに乗った大会スタッフさんたちだ。
ある人は渾身のダンシングで、ある人は文明の利器で越えた激坂の先に待っている第3エイドの境川自転車競技場では甲府にルーツを持つシャトレーゼのラスクや大ぶりなイチゴ、更には桃のお酢なんて珍しいものも。確かにお酢なんですが、桃の風味が強くてこういったお酢系の飲み物があまり得意でない人でも飲みやすそうな逸品でした。
さて、盛りだくさんの振る舞いもさることながら、このエイドの目玉はバンクの走行体験。普段はロードバイクで走ることのできない自転車競技場を自分の愛車で体験できる貴重な機会。初めてのバンクという方も多く、最初はおっかなびっくりだけれど、だんだんと慣れて来たらもがいてみようという方もちらほら。経験者と思しきサポートライダーが先導するのについていく猛者もおり、皆さん楽しそう。
バンクの走り心地を味わったあとは、最後のエイドである道の駅とよとみへ向かってひた走る。いくつか丘を越えていくコース設定だけれど、段々疲労がたまり始めた方向けに平坦路のショートカットコースも用意されている。エスコートカーといい、ショートカットコースといい、ここまで初心者大歓迎の大会はないのでは?
脚に余裕があれば本コースへ挑戦するもよし、疲れてきたと思ったら短縮コースへ向かうもよし。その場で判断できるのも嬉しいポイントだ。ちなみに半ば義務感で本コースへと挑戦したところ、意外な長さの登坂区間に少し後悔してしまったのはここだけの秘密である。
甲府南インターを右手に通り過ぎ、しばらく行くと第4エイドの道の駅とよとみが登場だ。全国直売所甲子園の初代グランドチャンピオンに輝いたというこちらの道の駅で振舞われたのは、地元の農家で採れたての新鮮な野菜を使ったバーニャカウダ。
野菜スティックを手作りのバーニャカウダソースに付けていただくと、なんだかスナック菓子のように感じるほどサクサクした食感。それでいて瑞々しいのだから、あっというまにペロリと平らげてしまうのだった。
ここまでくれば、後はゴールへと戻るだけ。もう一度みやさか道へと戻り、10kmほど走ったらフィニッシュはすぐそこだ。中央農林公園へのラストクライムを勢いでこなすと、先にゴールしていたサポートライダーの皆さんが大喝采で迎えてくれるのは何度経験してもテンションが上がること間違いない。
ちなみにフィニッシュ地点では「青春のトマト焼きそば」がじゅうじゅう湯気を立てつつ次々に焼き上げられていく。焼肉をお腹いっぱい食べたはずなのに、その匂いを嗅いでいたらいつのまにか受け取ってしまっていた。完全にオーバーカロリーな予感もするけれど、仕方ない。
そうしていると、牧野ステテコさんといしいそうたろうさん、今中大介さんと田中中央市長らによるトークショーが始まった。感想を求められ「ヒルクライムイベントばっかりだったので、こんな至れり尽くせりのイベント初めてで、感動しました!是非また呼んでください!」と牧野ステテコさん。
そんな大満足で大満腹なライドとして、今年も大成功を収めた桃と桜のサイクリング。初めてのロングライドイベントデビューにもぴったりだし、速く走ることに疲れてしまった方もこのイベントだったら自転車の楽しみ方の原点を思い出すことが出来るはず。美しい春の甲府を自転車で楽しみたい方は、ぜひ来年参加してみては?
text&photo:Naoki.Yasuoka
さて、第一エイドの八代ふるさと公園を出発すると、巨大構造物が目の前に登場する。谷を横断する橋のような建造物は次代の日本の大動脈であるリニア中央新幹線。東京から甲府まで25分で繋ぐ夢のような乗り物の実験線が大月から敷設されているのだ。
「リニアの見える丘」として名高い花鳥山展望台は、斜面一面の桃と桜の花が満開でハイキングに訪れる観光客の方々でごった返している。ちなみにリニアが走っているところを見ることが出来る人はかなりの幸運なのだとか。実験走行の日程は公表されているものの、何時にどこを通過するのかという情報は一切公開されていないので、確実に見たければ試験走行日に待ち続けるしかない。
地元の方も「何十回と通ってるけど、1回も見れたことはないねー」「この前見てやろうと思って、友達と1時間くらい待ってたんだけど、お喋りしただけで帰ってきちゃったよ」なんて話している。その横を偶然リニアが通りすぎる、なんて奇跡は無かったれど素晴らしい景色であることは間違いない。ちなみに1週間後もう一度走りに来たら偶然見れました。プチ自慢ですが何か?
さて、花鳥山展望台で眺望を楽しみ、もう一つ二つアップダウンをこなせば、みやさか道も間もなく終わり。最後の丘の上には、菜の花と桃畑が鮮やかなコントラストを見せる農園が登場し、ここまで頑張って走ってきたご褒美を頂くことに。
甲府と富士吉田を繋ぐ御坂みちをくぐり、交通量の少ない裏道を使って盆地の底へと降りていく。目指すは第2エイドとなる観光農園、御坂農園グレープハウスだ。こちらでは到着した順に5~6名のグループを作り、お待ちかねのBBQタイム!
お土産屋さんを通り抜けると、予想以上に広いBBQ会場が登場。そしてテーブルには既に食材がセットされているのだけれど、それがなんだか昨年よりもボリュームアップしているような気も。結構厚めのお肉に野菜もしっかり用意され、どんどん焼いていかないと食べきれなさそうなほど。
初対面の方と同じテーブルを囲むことになり、普段ならちょっと緊張してしまいそうなものだけれど、そこは同じ自転車という趣味を持つ仲間同士、話題には事欠かない。しかも、最高の絶景コースを走ってきたばかりなのだ。あそこは良かったここは良かった、そんな話題に華が咲く。
あちこちでジュウジュウお肉が焼ける音が響く中、どこの卓も会話が途切れることは無い。とても賑やかな喧噪に包まれ、あっという間に楽しい時間は過ぎていく。ちなみに昨年はこのエイドでついつい長居してしまった人が続出し制限時間ギリギリの方が沢山いたという。その反省を活かし、今年は出発時間が明記された紙が渡されるので、その心配はかなり少なくなったようだ。
さて、私たちも記された時間をめいっぱい使った後、再出発。ここから先は平坦基調のはずなんですが、意外にちょくちょくパンチの効いたアップダウンが登場する。最たるものが、第3エイドとなる境川自転車競技場へと向かう急坂。斜度でいうと優に10%は越えていそうな激坂がエイドへ向かう参加者の前に立ちふさがる。
仲間とスプリントごっこする元気溢れたサイクリストにとってはご褒美だけれど、中には押しが入る人もちらほら。しかし、そんなところに現れる真っ白なハイエース。「エスコートカー」として自転車とライダーを坂の麓からてっぺんまで送り届けてくれるという。現代の白馬の騎士は白いハイエースに乗った大会スタッフさんたちだ。
ある人は渾身のダンシングで、ある人は文明の利器で越えた激坂の先に待っている第3エイドの境川自転車競技場では甲府にルーツを持つシャトレーゼのラスクや大ぶりなイチゴ、更には桃のお酢なんて珍しいものも。確かにお酢なんですが、桃の風味が強くてこういったお酢系の飲み物があまり得意でない人でも飲みやすそうな逸品でした。
さて、盛りだくさんの振る舞いもさることながら、このエイドの目玉はバンクの走行体験。普段はロードバイクで走ることのできない自転車競技場を自分の愛車で体験できる貴重な機会。初めてのバンクという方も多く、最初はおっかなびっくりだけれど、だんだんと慣れて来たらもがいてみようという方もちらほら。経験者と思しきサポートライダーが先導するのについていく猛者もおり、皆さん楽しそう。
バンクの走り心地を味わったあとは、最後のエイドである道の駅とよとみへ向かってひた走る。いくつか丘を越えていくコース設定だけれど、段々疲労がたまり始めた方向けに平坦路のショートカットコースも用意されている。エスコートカーといい、ショートカットコースといい、ここまで初心者大歓迎の大会はないのでは?
脚に余裕があれば本コースへ挑戦するもよし、疲れてきたと思ったら短縮コースへ向かうもよし。その場で判断できるのも嬉しいポイントだ。ちなみに半ば義務感で本コースへと挑戦したところ、意外な長さの登坂区間に少し後悔してしまったのはここだけの秘密である。
甲府南インターを右手に通り過ぎ、しばらく行くと第4エイドの道の駅とよとみが登場だ。全国直売所甲子園の初代グランドチャンピオンに輝いたというこちらの道の駅で振舞われたのは、地元の農家で採れたての新鮮な野菜を使ったバーニャカウダ。
野菜スティックを手作りのバーニャカウダソースに付けていただくと、なんだかスナック菓子のように感じるほどサクサクした食感。それでいて瑞々しいのだから、あっというまにペロリと平らげてしまうのだった。
ここまでくれば、後はゴールへと戻るだけ。もう一度みやさか道へと戻り、10kmほど走ったらフィニッシュはすぐそこだ。中央農林公園へのラストクライムを勢いでこなすと、先にゴールしていたサポートライダーの皆さんが大喝采で迎えてくれるのは何度経験してもテンションが上がること間違いない。
ちなみにフィニッシュ地点では「青春のトマト焼きそば」がじゅうじゅう湯気を立てつつ次々に焼き上げられていく。焼肉をお腹いっぱい食べたはずなのに、その匂いを嗅いでいたらいつのまにか受け取ってしまっていた。完全にオーバーカロリーな予感もするけれど、仕方ない。
そうしていると、牧野ステテコさんといしいそうたろうさん、今中大介さんと田中中央市長らによるトークショーが始まった。感想を求められ「ヒルクライムイベントばっかりだったので、こんな至れり尽くせりのイベント初めてで、感動しました!是非また呼んでください!」と牧野ステテコさん。
そんな大満足で大満腹なライドとして、今年も大成功を収めた桃と桜のサイクリング。初めてのロングライドイベントデビューにもぴったりだし、速く走ることに疲れてしまった方もこのイベントだったら自転車の楽しみ方の原点を思い出すことが出来るはず。美しい春の甲府を自転車で楽しみたい方は、ぜひ来年参加してみては?
text&photo:Naoki.Yasuoka
Amazon.co.jp