静岡県伊豆の国市のMERIDA X BASEにて、新城幸也ファン交流イベントが開催された。プレミアムな少人数ファンライドと昼食会、栗村修さんとのトークショーなど盛りだくさんの内容をレポートする。



新城幸也を一緒に走る事が出来るファンライドが開催された新城幸也を一緒に走る事が出来るファンライドが開催された
今年も残すところ1ヶ月を切った12月2日。日本を代表するプロロード選手、新城幸也のファン交流イベントが静岡県伊豆の国市にて開催された。世界で活躍する新城幸也と一緒に走る事が出来る先着10名限定のファンライドと昼食会、そして栗村修さんをナビゲーターに迎えたトークショーというプレミアムな内容だ。

会場となったのは道の駅「伊豆のへそ」にあるメリダの展示・試乗施設、MERIDA X BASE。体育館ほどのホールにメリダのレンタルバイクが勢揃いする世界最大規模の施設となっている。車では修善寺道路・大仁中央ICから1分、電車では伊豆箱根鉄道・田京駅から徒歩8分と交通アクセスも良く、伊豆でスポーツバイクを楽しむ拠点として利用しやすい施設となっている。

スタート前に一言挨拶を行う新城幸也スタート前に一言挨拶を行う新城幸也 憧れの選手を目の前にして笑顔が絶えない憧れの選手を目の前にして笑顔が絶えない


いざファンライドにスタートだいざファンライドにスタートだ
ファンライドの参加者は受付を終えるとバイクのチョイスへ。今回のライドイベントはMERIDA X BASEのレンタルバイクが1台レンタル出来るようになっており、新城選手と同じエアロロードのリアクトや、オールラウンドモデルのスクルトゥーラなどのハイエンドモデルに乗ることが出来るのも1つの楽しみ。また、次のバイクの参考にと、ディスクロードを選択する人も多かった。

ウェアに着替え、準備を済ますとそろそろライドスタートの時間。会場外の集合場所に集まる。ここで新城幸也選手も登場。参加者の皆さんから感嘆の声が漏れる。普段は遠いヨーロッパで活動し、ロードレース中継でしか見ることのない人が目の前にいるというのは何とも信じがたい状況ではある。

今回のライドをサポートするスタッフの紹介も行われ、新城選手からも一言挨拶が行われたらいよいよスタート。サポートスタッフを先頭に道の駅「伊豆のへそ」を出発していく。

紅葉の美しい狩野川沿いを行く紅葉の美しい狩野川沿いを行く
走りながら新城選手と交流する事が出来る走りながら新城選手と交流する事が出来る
狩野川にかかる鉄橋を渡っていく狩野川にかかる鉄橋を渡っていく
全国的には11月半ばあたりに見頃を迎える紅葉だが、この伊豆半島では温暖な気候もあり、12月初旬頃に見頃を迎える。そのため、MERIDA X BASE周辺の狩野川流域も彩り豊かな紅葉を見ることが出来た。

コースは10kmほど離れた道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」まで狩野川サイクリングロードを結んでいくコース。車も通らないため、安心してサイクリングを楽しむ事が出来る。世界で戦う新城選手の走りを間近に目にすることができ、貴重な時間となったことだろう。「そこにいるんですよ!新城選手が!」と感動しながら話してくれた参加者の表情が印象的だった。

世界中を旅する小輪ちゃん世界中を旅する小輪ちゃん 伊豆ゲートウェイ函南にはシンプルな自転車スタンドが設置されている伊豆ゲートウェイ函南にはシンプルな自転車スタンドが設置されている


Spoke Cafeで新城選手を囲み団らんSpoke Cafeで新城選手を囲み団らん
10kmほどの道のりであるため、気がつくと伊豆ゲートウェイ函南に到着。メリダエクスペリエンスセンターも併設しているSpoke Cafeにお邪魔し、サービスのドリンクを頂く。サイクリストが気軽に寄れることを目指したカフェだが、フードサービスも充実しており、伊豆の名物であるシシ肉をふんだんに使った「伊豆シシバーガー」なども提供している。

お店の中心にあるテーブル席で、新城選手を囲みながら団らんタイム。ヨーロッパでの生活やレース中の経験など、新城選手しか話せないようなエピソードに皆さん興味津々で耳を傾ける。質問するとその場で答えてくれるのもこのファンライドイベントの良さである。

インスタ風パネルで新城選手とツーショット写真を撮るインスタ風パネルで新城選手とツーショット写真を撮る ヨーロッパでの生活やレースのエピソードなど貴重な話を聞けたヨーロッパでの生活やレースのエピソードなど貴重な話を聞けた


短い時間だが濃密なファンライドとなった短い時間だが濃密なファンライドとなった
さて再出発の前に、メリダが用意していたインスタっぽいパネルで新城選手と2ショット記念撮影タイム。日本のトップ選手との写真はさぞかし記念となったことだろう。復路も同じ道を通り、道の駅「伊豆のへそ」へ帰還。新城選手と一緒に走る時間は参加者の皆さんにとって貴重な時間となったのではないだろうか。

伊豆のへそに帰って来たらウェアから着替え、昼食会へ向かう。会場となったのはMERIDA X BASEのスタッフが通っているという伊豆之助。ここでイチオシのアジフライ定食を新城選手と共に頂く。新城選手と一緒に走った事がある人はたくさんいるかもしれないが、新城選手と一緒にアジフライ定食を食べたことがある人は、世界中でもこのイベントの参加者だけだろう。

MERIDA X BASEのスタッフが通っている伊豆之助でランチタイムMERIDA X BASEのスタッフが通っている伊豆之助でランチタイム
沢山のおかずがついたアジフライ定食沢山のおかずがついたアジフライ定食 店主と奥さん二人で切り盛りしている地元でも人気の定食屋さんだ店主と奥さん二人で切り盛りしている地元でも人気の定食屋さんだ


中身ふっくら外はサクサクのアジフライはかなりの絶品。アジの刺身も脂が乗っていて美味しい。他にもたくさんの定食メニューがあるようで、MERIDA X BASEに来た際はぜひ訪れてみてはいかがだろうか。さて、昼食会が終わるとプレス向けの記者会見も行われたので、その模様をお届けしよう。



―2018年シーズンはどういったシーズンでしたか?

まずシーズンはツアー・ダウンアンダーからスタートし、開幕戦からチーム総合優勝という結果を残す事ができました。その後はアジア選手権のチームタイムトライアルで優勝、ナショナルチームで出場したツール・ド・台湾で総合優勝という結果を残すことができ、シーズン序盤から幸先の良いスタートになったと思います。3月からはヨーロッパに戻り、4月にアシストとして走ったツアー・オブ・クロアチアではチームメイトが総合優勝しました。

2018年シーズンは幸先いいスタートを切れた新城選手2018年シーズンは幸先いいスタートを切れた新城選手
その後の予定としてはツアー・オブ・ジャパンを走り、クリテリウム・デュ・ドーフィネを経てツール・ド・フランスへと考えていたのですが、ツアー・オブ・ジャパンで落車。クリテリウム・デュ・ドーフィネには1週間のトレーニングを行い臨んだのですが、落車の影響もあり、フルパフォーマンスを発揮することは叶わず、ツールメンバーにも選出されませんでした。

シーズン後半はヨーロッパでビンクバンクツアーを走った後、アジア大会でメダルを取り、ブエルタ・ア・エスパーニャへというのを目標としました。ツール期間中の7月にタイ合宿を行いビンクバンクツアーに臨んだのですが、第1ステージで落車し肘を骨折してしまい、自分が思い描いていたシーズン後半には全くなりませんでした。その後は復帰戦となる10月のツアー・オブ・広西でシーズンを終えました。

前半は良いスタートを切れただけに、5月の落車から思うようなレースを走れなかったというのは心残りです。ですが、最後のツアー・オブ・広西でコンディションが戻ってきた感覚は確認できたので、2019年シーズンに切り替えていきます。1シーズンで2回骨折したこともあり怪我の年と思われるかも知れませんが、アジア選手権チームタイムトライアルとツール・ド・台湾では優勝しているので、自分が力を出したレースで結果を出せたというのは自信に繋がりました。

―来シーズンの意気込みは?

2019年はオリンピックの出場枠をかけたポイント獲得において重要な年になります。ですが、自分のUCIポイント獲得を優先して好き勝手にレースを走ると再来年の所属チームがなくなってしまうので、自分の仕事はこなしつつ、チャンスを貰えれば積極的にポイントを獲得していきたいですね。といってもポイントだけにフォーカスするのではなく、年間を通して良いパフォーマンスを出すことが大切だと思います。

オリンピックのコースのキツさというのはいろんな選手から聞かれますね。それに8月の東京の暑さはヨーロッパ人はもちろん、僕自信もあまり体験したことがないので、苦労するかもしれませんね。来年のプレオリンピックについてはツールと日程が被るので、ツールメンバーに選ばれるならツールを走ります。2020年のオリンピック本戦は日程が被らないので、できればツールと両方走りたいですね。

「怪我もあったが、自分の力を出せたレースでは結果を残す事ができ、自信に繋がった」「怪我もあったが、自分の力を出せたレースでは結果を残す事ができ、自信に繋がった」
―オフのときはどのようにリフレッシュしていますか?

フランスの家で愛犬の小輪とのんびりしているのが好きですね。小輪は6歳になって結構長く一緒にいるので家族そのものです。今年は怪我して動けなかった期間もありましたが、そういった時でも一緒に居てくれるので、精神的に助かっています。それとモータースポーツを見るのも好きです。友達のドライバーがいるので見始めたのですが、自転車競技に通じる限界域での戦いをしている部分は共感するところですね。

今シーズンを一緒に戦ったメリダ REACTOと新城幸也今シーズンを一緒に戦ったメリダ REACTOと新城幸也


栗村修さんナビゲーターに迎えた新城幸也トークショーも開催

その後はサイクルロードレース中継の解説でお馴染みの栗村修さんをナビゲーターに迎え、トークショーも開催された。MERIDA X BASEのメインホールに約50人ほどのファンが集まり、新城選手のトッププロ選手ならではのエピソードに耳を傾けた。

多くのファンが詰めかけたトークショー多くのファンが詰めかけたトークショー
元選手という経験を織り交ぜながらナビゲートしてくれた栗村修さん元選手という経験を織り交ぜながらナビゲートしてくれた栗村修さん 食事、トレーニング、ポジションなどの話題を約1時間に渡り語ってくれた新城選手食事、トレーニング、ポジションなどの話題を約1時間に渡り語ってくれた新城選手


食事、トレーニング、ポジションなど自転車競技に関わるトピックスを網羅的に話していった栗村さんと新城選手。中でも食事に関しては印象深い内容が多く、獲得標高4,000m級のグランツールの山岳ステージでも前日から食べているので朝食はパスタ150g程度という話には、栗村さんから「ランチパスタくらいじゃないですか!僕なんかフランスのレース走るのに500gぐらいパスタ茹でて食べてましたけど、身体が重たかったので食べ過ぎですね」とボヤキが飛んだ。

また「赤カブジュースを飲むとタイムトライアルのパフォーマンスがアップするという科学的研究結果が出ていてプロトンで流行っているんです」という話も。栗村さん曰く「プロトンには数多くの都市伝説があって、白ワインを飲むと脚が攣るというのも定番ネタですが、赤カブはデータが出ているんですね」と感嘆も漏れた。

王様が座るような仰々しいイスで行われたトークショー王様が座るような仰々しいイスで行われたトークショー
トークショー終了後にはサイン会と記念撮影会も行われ、バーレーン・メリダのグッズを持った多くのファンが列を成した。日本を代表するトッププロロード選手として活躍する新城選手との交流は多くのファンにとって貴重な時間となったのではないだろうか。

新城選手は12月6日からイタリア・トリノで行われるチームキャンプに参加した後、年末年始はタイで自主合宿を行う。その後はオーストラリアで1週間のチーム合宿を経て、ツアー・ダウンアンダーからシーズンをスタートする予定だ。

多くのファンにとって新城選手と触れ合える貴重な機会になったのではないだろうか多くのファンにとって新城選手と触れ合える貴重な機会になったのではないだろうか
text&photo:Kosuke Kamata