今年も3000人に迫るサイクリストが集まった秋の定番イベント、もてぎ7時間耐久エンデューロ。ゲストライダーとして毎年顔を出してくれる新城幸也と、チームメンバー全員で走ることが出来る特別企画も実施された。そんなプレミアム感たっぷりの取り組みを紹介しよう。



ユキヤを先頭にスタートしていく7時間エンデューロユキヤを先頭にスタートしていく7時間エンデューロ
だんだんと日が短くなってきたことを実感する11月も半ば。朝夕はかなり冷え込む一方で、日中は晴れれば自転車に乗るには最高の季節でもある。そんな季節に栃木県のツインリンクもてぎにて開催される耐久レースイベントがもてぎ7時間エンデューロだ。

春と秋の年2回開催される人気のエンデューロイベントとして多くのサイクリストが集う大会なのだが、実はこの秋大会には毎年ビッグなゲストが登場することでも知られている。そう、日本人で初めてツール・ド・フランスを完走したプロロードレーサー、新城幸也が毎年顔を出してくれるのだ。

ここ数年欠かさず走ってくれた新城幸也だが、15回目の節目の大会ということもあって、今年は更に特別な企画が登場。その名も「オレが新城幸也を引っ張る!」。内容としては、エンデューロに参加するチームのメンバー全員でユキヤと一緒に走ることが出来るという企画なのだけれど、なんと恐れ多いタイトルなのだろうか(笑)

トークショーにはたくさんの人が集まったトークショーにはたくさんの人が集まった
直筆サインをもらえるのだ直筆サインをもらえるのだ サイン会は長蛇の列 こんな人気選手を一人占めできる贅沢な企画なのだサイン会は長蛇の列 こんな人気選手を一人占めできる贅沢な企画なのだ


サーキットを見守るユキヤサーキットを見守るユキヤ
そもそも、新城幸也を引っ張る、つまりアシストするということは、少なくともナショナルチームレベルの走力が求められるハズ。せいぜい自分が引っ張れるのはこの原稿の締め切りくらいのもので、ワールドチームの選手を引くなんて夢のまた夢である。

そんな夢のような企画を現実にしてくれるというのだから、なんと太っ腹なのだろうか、もてぎエンデューロ。いくらシーズンが終わったタイミングとはいえ、日本人最高峰のプロロードレーサーを独占できる機会なんてそう無いはずだ。

というわけで、多くのチームが応募したこの企画。幸運にも選ばれた3つのチームの皆さんのレポートをお届けしましょう。



岡崎忍さん

なんとソロでの参加で企画に当選した岡崎さん。つまり完全に二人きりでのランデブー、トロフェオバラッキスタイルで、ツインリンクを走ることに。これがまた、新城幸也を引っ張る!という意気込みの通りかなりの健脚の持ち主。これまでソロで走っていたというのがウソのようなハイペースで周回し、ユキヤも「このペースなら2周目行けますね」ということで2周目に突入。必死に着いていた私はピットに戻りました。

私の呼吸がどうにか落ち着いたころにピットへと戻ってきた二人。「千切れたらどうしようかと思ってドキドキしながら走ってたんですが、最高に楽しかったです」と夢のようなひと時を振り返る。ロード歴は1年という岡崎さんがもてぎ7hエンデューロへエントリーしたのは、富士チャレンジ200が雨で無念の短縮レースになってしまったリベンジのためだとか。今年は天候で中止になった大会が多かったですね……。

早速二人でコースイン早速二人でコースイン ユキヤを延々と引き続ける!ユキヤを延々と引き続ける!


イイミワさんに感想を聞かれる岡崎さん ついつい笑顔がこぼれてしまうイイミワさんに感想を聞かれる岡崎さん ついつい笑顔がこぼれてしまう
さて、ユキヤのことは知ってましたか?と尋ねると、「もちろん知ってはいましたが、そこまで熱烈なファンというわけではなかったんです。今回もダメ元で申し込んだら当選しちゃって。でも、一緒に走るなかでいろいろなことを教えてもらって、ファンになりました!今度はユキヤが出るレースに応援に行ってみたいですね」とのこと。熱狂的なファンがここに一人誕生した模様です。


チームアップダウンのみなさん

チームアップダウンのみなさんチームアップダウンのみなさん
二番目の幸運な方々はチームアップダウンの皆さん。なんと全員がミニべロでの参加という、世界のユキヤを前になかなかチャレンジングなトリオ。なぜ小径車で?と尋ねると「愛です、小径車が好きでたまらないんです」と純粋にミニベロに対する愛が感じられ、「ミニベロ部門は結構穴場なんだとか、入賞しやすいブルーオーシャン戦略だとかそういうんじゃないです!」……愛ってなんなんでしょうね……。

哲学的な思索に耽りつつよくよく見れば、ひとりはミニベロどころかキッズバイクにまたがっている。「いやあ、自転車を2台でリレーしつつ走る予定だったんですが、まさかこの企画に当たると思っていなくて……。急遽、子供の自転車を借りてきたんです」な、なるほど……?

チームで隊列を組んでユキヤを引っ張りますチームで隊列を組んでユキヤを引っ張ります
みんなミニベロで息もぴったりみんなミニベロで息もぴったり 走り終えてトークに花が咲く走り終えてトークに花が咲く


そんなわけで、まさかのキッズバイクがワールドチームの選手を引くという前代未聞の出来事が実現。うんうん、それもまたもてぎエンデューロだね。ちなみにポジション的にも無理があったようで、何度もユキヤに押されていました。それはそれで貴重な体験で羨ましい(笑)

走った後には「テレビの中でしか見たことなかったスタァと走れるなんて、夢のような時間でした」と興奮気味な皆さん。「今年はツールに出れなくて残念でしたが、ずっと応援してます!これからも!」と変わらぬ愛を示してくれました。


チーム9101のみなさん

チーム9101のみなさんチーム9101のみなさん
ジャージにサインをゲット ジャージにサインをゲット  今回の企画最多人数でユキヤを引っ張るチーム9101のみなさん今回の企画最多人数でユキヤを引っ張るチーム9101のみなさん


最後にユキヤと走る栄誉をゲットしたのは、こちらチーム9101のみなさん。なんと、長野のチームとのことで、今回でもてぎエンデューロは2回目。ちなみに長野からは4時間かかるとのことですが、それでもユキヤと走れるのだったら、来た甲斐があったというものでしょう!ありましたよね?

そして、今回の3チームの中で最も走り屋だったのもこちらの皆さん。ペースが速く、なんと3周で来てしまったとのこと。「ユキヤを発射したいんです!」と語られていた通り、最終周回ではしっかりとトレインを組み上げてユキヤを発射!なかなか見事なトレインだったようで「途中で列車が崩壊してる瞬間もありましたが、最後はちゃんと立て直してしっかりアシストしてもらいました!」とユキヤも満面の笑み。

エースの周りを固めますエースの周りを固めます
だんだんとペースが上がりトレイン形成だんだんとペースが上がりトレイン形成 やっぱりプロのバイクは軽い!と驚くやっぱりプロのバイクは軽い!と驚く


「しっかりアシストしてもらいました!」とユキヤも満面の笑み「しっかりアシストしてもらいました!」とユキヤも満面の笑み
まさに企画通りの走りを見せてくれたわけですが、最後のスプリントを間近で見た皆さんは一様に、同じ人間とは思えないくらい速かった、と口を揃えていたのが印象的。「これまでは記事などでしか見たことが無くて、優しい人なんだろうなとは思っていたのですが、実際同じ空間で走ると改めてそのすごさが実感できました!今度はレース現場に応援しに行きたいですね!」とすっかり心酔された様子でした。



3チームそれぞれにユキヤとのひと時を楽しむことが出来たもてぎ7hエンデューロ。きっと来年もユキヤはもてぎに来てくれるはず。同じ企画が続くかはわからないですが、ぜひ来年は自分が一緒に走りたい!という人は、今から希望を出してみては!

text&photoNaoki.Yasuoka