2018/10/03(水) - 12:38
山形県高畠町を起点に、周辺の4市町を舞台として開催されたグル麺ライド。4つのご当地麺を求めて、全国から500名が集まった、ロングライドイベントの様子をスポーツジャーナリストのハシケンさんがレポートしました。
大会前夜、駅前広場でグル麺ナイト初開催!
昨年初開催ながら500名が参加した注目のロングライドイベントが、今年も開催された。全国でも珍しい県をまたいでのコースは、山形県と宮城県の両県を行き来する109km。そして、大会のコンセプトは、その名のとおり麺を食べ尽くすこと。その土地自慢のラーメンや蕎麦に加え、高級ぶどうとして人気のシャインマスカットなどフルーツ、ブランド米の「つや姫」おにぎりなど、全国でも指折りのボリューム満点のグルメライドと言えるだろう。
9月23日(日)に開催された今年、大会ゲストライダーでありシンガーソングライターの水越ユカさんとともに、カメラを持って実走取材をしたスポーツジャーナリストのハシケンが完走ではなく完食!?めざし、胃袋を張ってレポートします。
大会前日、東京から山形新幹線に乗り込み2時間14分。東京〜大宮〜福島〜米沢などを通過して今大会のメイン会場がある山形県高畠町のJR高畠駅へと降り立った。なんと乗り換えなしという素晴らしいアクセス環境だ。
車窓からの風景は米沢あたりから田園風景が広がりのどかな雰囲気に変化。高畠駅はまさにローカル駅舎といった佇まいで、なんとも言えない昭和レトロな赤おにさんと青おにさんがお出迎え。自動でない改札をくぐると、そこはグル麺ライドの前夜祭会場だ。
「より地元高畠の魅力を知ってもらい楽しんでもらいたい」という実行委員の思いから、初めて開催された「グル麺Night」は日没前18時からスタート。月明かりの夜空の下、参加者同士でお酒をくみかわし、地元のシンガーソングライターやギタリストのライブステージを楽しんだ。
大会ゲストライダーでもあり、シンガーソングライターの水越ユカさんもステージに立ち、マイク片手に熱唱。翌日のロングライド自体は当日受付もあり、地元山形や宮城からの参加者も多いため、前夜祭はアットホームな中で行われた。芋煮や高畠産「つや姫」おにぎりやオードブルをつまみながら、日本酒やワインなどの地酒がすすんだ前夜祭。
せっかくイベントに参加するなら、前夜祭から楽しんだ方がお得だなあと、心地よいそよ風に吹かれながら約2時間のグル麺Nightを終えて、ほろ酔いのまま三々五々。会場から徒歩1分、高畠駅併設の宿泊ホテルへ入って、心地よい眠りについたのだった
大会当日 定員500名のサイクリストがみちのくおとぎ街道へ
JR高畠駅舎でお出迎えしてくれた赤おにさん青おにさんが登場する童話「泣いた赤おに」や名作「鶴の恩返し」。これら日本を代表する童話が生まれた土地として知られる山形県高畠町と南陽市。そして、山形から宮城への山越えの街道沿に置かれた宿場町がある宮城県七ヶ宿町。白石城はじめ史跡が多く残る白石市。これら2県4市町をつなぐ大動脈が国道113号、別名「みちのくおとぎ街道」だ。豊かな自然を残すよき日本の原風景の中、時を超えて語り継がれてきた童話と歴史を感じられるこの魅力的な地域が今回のコースだ。
大会会場は高畠駅から4kmほどの距離にある高畠町文化ホール「まほら」。7時のスタート1時間前に会場入り。外はやや肌寒いものの朝日に照らされ出すと、半袖ジャージ一枚でも気持ち良いコンディションだ。集まり出す参加者に声をかければ地元宮城出身の方が多かったが、まだ2回目の開催ながら関東や東北の参加者もいて広く認知されている印象。午前7時ちょうど、スタート直前に全員で集合写真を撮って、朝陽にキラキラと照らされた愛車とともにグル麺の旅がスタートした。
休日の早朝、クルマ通りも少ない高畠の街中へとペダルを踏んで走り出す。この先、待っているであろう様々な出会いと4つのエイドで振る舞われる麺に期待して! 街中を抜けて、今回のメインルートになる国道113号線(みちのくおとぎ街道)へ入ると、さっそく緩やかな坂道が始まった。まだスタートしてから10kmも走ってないけれど、朝っぱらから心拍数はやや高めだ。でもコースを知るサポートライダーに聞けば、この上りがコースの中で唯一のしっかりした坂道だという。
しかも、サイコンに表示される斜度も4〜5%ほどで、身構えるほどではない。また、コースの大部分が国道でもクルマ通りが少ないので想像以上に快適。山間部のトンネルをくぐり、陸橋をわたりながらコース最高地点となる山形と宮城の県境までヒルクライムを満喫した。
ピークを超えたら、40km地点の七ヶ宿ダムまでは緩やかに起伏しながら、全体的には下り基調。黄金のじゅうたんと化した田圃に感動をおぼえながら、快調にペダルを漕いでいく。秋の心地よい爽やかな風が、背中を押してくれて気持ちいい。
あっという間に最初の休憩ポイント「Book&Café こ・らっしぇ」に到着。ここは地元のオシャレな図書館カフェ。まだ25km地点だけど、なにやらイースト菌の香りに誘われてエイドの列に並ぶと、そこには山盛りの焼きたてパン! 今回のグル麺ライドは、麺が登場する4つのエイドステーションの他にも、3つの休憩ポイントが用意されているのだ。
朝食がわりのパンをいただいて小休憩をしたら、みちのくおとぎ街道のハイライトシーンの一つである七ヶ宿(しちかしゅく)エリアへ走らせる。江戸時代の交通の起点となっていた宿場の面影を残す七ヶ宿。茅葺屋根の家屋などが多く並び、歴史街道の世界観が広がっている。「頑張って〜」と手を振って応援してくれる地元のおばあちゃんの姿を見つけて、ちょっと足を止めておしゃべりタイム。
ここで改めて、グル麺ライドのコースを紹介しよう。全長109kmのコースのうち60km以上は、この風光明媚な「みちのくおとぎ街道」を走る。山形県高畠町の会場をスタートしてから宮城県白石市の七ヶ宿ダムを目指し、ダムを時計回りに周回しながら行きに走ってきた「みちのくおとぎ街道」を戻るルートだ。
30kmすぎ、一旦国道113号にお別れし、白石川にかかる大橋を渡ってダム対岸の周遊道路へ入っていく。道こそ細いがクネクネと変化に富んでいて、みちのくおとぎ街道とは違ったアドベンチャーな雰囲気で、マイナスイオンもたっぷりだ。トンネルを抜けると見晴らしの良いダム湖のパノラマが広がり走っていて飽きがこない。
約42km地点、材木岩公園の第一エイドで、グル麺ライドの最初の麺とご対面。みちのく宮城の名産麺、白石温麺こと「うーめん」だ。油を使わず作られた麺でカラダにやさしく、そうめんよりはやや太麺を特徴とするそうだ。材木を垂直に並べたような自然の造形美が美しい高さ64mの巨大な「小原の材木岩」を眺めながら麺を一気にすする。小腹の空いたカラダに、麺が気持ち良いほどにチュルチュルっと吸い込まれていった。
最初のミッションを達成して、第二エイドを目指して出発だ。走り始めてすぐに登り坂が待ち受ける。グループで一緒に再スタートしたのに、一瞬でバラバラになってしまった(笑)。ふと、県境のピークを超えてから、ここまで基本的には下り基調だったことを思い出した。
しかも、前半随分と快調だったと思ったのは、追い風だったから。上り基調に加えて、やや向かい風のダブルパンチ。ゲストライダーの水越さんもちょっとペースダウン!? でも、第二エイドの「旬の市(滑津大滝)」までは15kmほどと近いので頑張れる。行きとは違いダムを左手に眺めながら、一人ひとりマイペースで第二エイドを目指した。そして、街道沿いを埋め尽くす黄金色のじゅうたんが相変わらず美しく目を奪われる。
後半の緩やかな登りを頑張ったら、第二エイドステーションに到着。本日二つ目の麺は、そばの里として知られる七ヶ宿のお蕎麦だ。宿場の職として古くから親しまれた蕎麦を冷たい麺つゆにつけていただく。ちょうど気温が上がりだしたランチタイムにはピッタリだ。
この日は、まさに絶好の秋のロングライド日和に恵まれた。スタート時は16℃、日中も30℃に届かない爽やかな秋晴れ。エイドで立ち止まっても、爽やかな初秋の風が汗を乾かしてくれる。二つ目の麺も無事に完食して、グル麺ライドも後半へ。麺は残り2つ。しかし、この後まさかのハプニングが発生!? グル麺の期待に恥じないボリュームに、ゲストライダー水越さんもギブアップ!?
text&photo:Kenji Hashimoto
大会前夜、駅前広場でグル麺ナイト初開催!
昨年初開催ながら500名が参加した注目のロングライドイベントが、今年も開催された。全国でも珍しい県をまたいでのコースは、山形県と宮城県の両県を行き来する109km。そして、大会のコンセプトは、その名のとおり麺を食べ尽くすこと。その土地自慢のラーメンや蕎麦に加え、高級ぶどうとして人気のシャインマスカットなどフルーツ、ブランド米の「つや姫」おにぎりなど、全国でも指折りのボリューム満点のグルメライドと言えるだろう。
9月23日(日)に開催された今年、大会ゲストライダーでありシンガーソングライターの水越ユカさんとともに、カメラを持って実走取材をしたスポーツジャーナリストのハシケンが完走ではなく完食!?めざし、胃袋を張ってレポートします。
大会前日、東京から山形新幹線に乗り込み2時間14分。東京〜大宮〜福島〜米沢などを通過して今大会のメイン会場がある山形県高畠町のJR高畠駅へと降り立った。なんと乗り換えなしという素晴らしいアクセス環境だ。
車窓からの風景は米沢あたりから田園風景が広がりのどかな雰囲気に変化。高畠駅はまさにローカル駅舎といった佇まいで、なんとも言えない昭和レトロな赤おにさんと青おにさんがお出迎え。自動でない改札をくぐると、そこはグル麺ライドの前夜祭会場だ。
「より地元高畠の魅力を知ってもらい楽しんでもらいたい」という実行委員の思いから、初めて開催された「グル麺Night」は日没前18時からスタート。月明かりの夜空の下、参加者同士でお酒をくみかわし、地元のシンガーソングライターやギタリストのライブステージを楽しんだ。
大会ゲストライダーでもあり、シンガーソングライターの水越ユカさんもステージに立ち、マイク片手に熱唱。翌日のロングライド自体は当日受付もあり、地元山形や宮城からの参加者も多いため、前夜祭はアットホームな中で行われた。芋煮や高畠産「つや姫」おにぎりやオードブルをつまみながら、日本酒やワインなどの地酒がすすんだ前夜祭。
せっかくイベントに参加するなら、前夜祭から楽しんだ方がお得だなあと、心地よいそよ風に吹かれながら約2時間のグル麺Nightを終えて、ほろ酔いのまま三々五々。会場から徒歩1分、高畠駅併設の宿泊ホテルへ入って、心地よい眠りについたのだった
大会当日 定員500名のサイクリストがみちのくおとぎ街道へ
JR高畠駅舎でお出迎えしてくれた赤おにさん青おにさんが登場する童話「泣いた赤おに」や名作「鶴の恩返し」。これら日本を代表する童話が生まれた土地として知られる山形県高畠町と南陽市。そして、山形から宮城への山越えの街道沿に置かれた宿場町がある宮城県七ヶ宿町。白石城はじめ史跡が多く残る白石市。これら2県4市町をつなぐ大動脈が国道113号、別名「みちのくおとぎ街道」だ。豊かな自然を残すよき日本の原風景の中、時を超えて語り継がれてきた童話と歴史を感じられるこの魅力的な地域が今回のコースだ。
大会会場は高畠駅から4kmほどの距離にある高畠町文化ホール「まほら」。7時のスタート1時間前に会場入り。外はやや肌寒いものの朝日に照らされ出すと、半袖ジャージ一枚でも気持ち良いコンディションだ。集まり出す参加者に声をかければ地元宮城出身の方が多かったが、まだ2回目の開催ながら関東や東北の参加者もいて広く認知されている印象。午前7時ちょうど、スタート直前に全員で集合写真を撮って、朝陽にキラキラと照らされた愛車とともにグル麺の旅がスタートした。
休日の早朝、クルマ通りも少ない高畠の街中へとペダルを踏んで走り出す。この先、待っているであろう様々な出会いと4つのエイドで振る舞われる麺に期待して! 街中を抜けて、今回のメインルートになる国道113号線(みちのくおとぎ街道)へ入ると、さっそく緩やかな坂道が始まった。まだスタートしてから10kmも走ってないけれど、朝っぱらから心拍数はやや高めだ。でもコースを知るサポートライダーに聞けば、この上りがコースの中で唯一のしっかりした坂道だという。
しかも、サイコンに表示される斜度も4〜5%ほどで、身構えるほどではない。また、コースの大部分が国道でもクルマ通りが少ないので想像以上に快適。山間部のトンネルをくぐり、陸橋をわたりながらコース最高地点となる山形と宮城の県境までヒルクライムを満喫した。
ピークを超えたら、40km地点の七ヶ宿ダムまでは緩やかに起伏しながら、全体的には下り基調。黄金のじゅうたんと化した田圃に感動をおぼえながら、快調にペダルを漕いでいく。秋の心地よい爽やかな風が、背中を押してくれて気持ちいい。
あっという間に最初の休憩ポイント「Book&Café こ・らっしぇ」に到着。ここは地元のオシャレな図書館カフェ。まだ25km地点だけど、なにやらイースト菌の香りに誘われてエイドの列に並ぶと、そこには山盛りの焼きたてパン! 今回のグル麺ライドは、麺が登場する4つのエイドステーションの他にも、3つの休憩ポイントが用意されているのだ。
朝食がわりのパンをいただいて小休憩をしたら、みちのくおとぎ街道のハイライトシーンの一つである七ヶ宿(しちかしゅく)エリアへ走らせる。江戸時代の交通の起点となっていた宿場の面影を残す七ヶ宿。茅葺屋根の家屋などが多く並び、歴史街道の世界観が広がっている。「頑張って〜」と手を振って応援してくれる地元のおばあちゃんの姿を見つけて、ちょっと足を止めておしゃべりタイム。
ここで改めて、グル麺ライドのコースを紹介しよう。全長109kmのコースのうち60km以上は、この風光明媚な「みちのくおとぎ街道」を走る。山形県高畠町の会場をスタートしてから宮城県白石市の七ヶ宿ダムを目指し、ダムを時計回りに周回しながら行きに走ってきた「みちのくおとぎ街道」を戻るルートだ。
30kmすぎ、一旦国道113号にお別れし、白石川にかかる大橋を渡ってダム対岸の周遊道路へ入っていく。道こそ細いがクネクネと変化に富んでいて、みちのくおとぎ街道とは違ったアドベンチャーな雰囲気で、マイナスイオンもたっぷりだ。トンネルを抜けると見晴らしの良いダム湖のパノラマが広がり走っていて飽きがこない。
約42km地点、材木岩公園の第一エイドで、グル麺ライドの最初の麺とご対面。みちのく宮城の名産麺、白石温麺こと「うーめん」だ。油を使わず作られた麺でカラダにやさしく、そうめんよりはやや太麺を特徴とするそうだ。材木を垂直に並べたような自然の造形美が美しい高さ64mの巨大な「小原の材木岩」を眺めながら麺を一気にすする。小腹の空いたカラダに、麺が気持ち良いほどにチュルチュルっと吸い込まれていった。
最初のミッションを達成して、第二エイドを目指して出発だ。走り始めてすぐに登り坂が待ち受ける。グループで一緒に再スタートしたのに、一瞬でバラバラになってしまった(笑)。ふと、県境のピークを超えてから、ここまで基本的には下り基調だったことを思い出した。
しかも、前半随分と快調だったと思ったのは、追い風だったから。上り基調に加えて、やや向かい風のダブルパンチ。ゲストライダーの水越さんもちょっとペースダウン!? でも、第二エイドの「旬の市(滑津大滝)」までは15kmほどと近いので頑張れる。行きとは違いダムを左手に眺めながら、一人ひとりマイペースで第二エイドを目指した。そして、街道沿いを埋め尽くす黄金色のじゅうたんが相変わらず美しく目を奪われる。
後半の緩やかな登りを頑張ったら、第二エイドステーションに到着。本日二つ目の麺は、そばの里として知られる七ヶ宿のお蕎麦だ。宿場の職として古くから親しまれた蕎麦を冷たい麺つゆにつけていただく。ちょうど気温が上がりだしたランチタイムにはピッタリだ。
この日は、まさに絶好の秋のロングライド日和に恵まれた。スタート時は16℃、日中も30℃に届かない爽やかな秋晴れ。エイドで立ち止まっても、爽やかな初秋の風が汗を乾かしてくれる。二つ目の麺も無事に完食して、グル麺ライドも後半へ。麺は残り2つ。しかし、この後まさかのハプニングが発生!? グル麺の期待に恥じないボリュームに、ゲストライダー水越さんもギブアップ!?
text&photo:Kenji Hashimoto
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