2018/07/14(土) - 11:02
起伏に富んだ丘陵地帯を行き、北のグルメを満喫するグレイトアース富良野ライド。北海道の”へそ”へと集まったサイクリストたちが、次々にスタートしていく。その先に待つのはダイナミックなコースと魅力的なグルメの数々でした。Vol.1はこちら
スタート会場に参加者が集まってくる
朝6時、メイン会場となる富良野総合スポーツ公園へ、続々とサイクリストたちが集まってくる。前夜にパラパラと落ちてきた雨も上がり、路面はほぼドライな状況。見上げた空も半分以上青に染まりつつも、流れる空気は涼やかで最高のサイクリング日和になりそうだ。
ちなみにここ何年か、このグレイトアース富良野ライドは天候に恵まれず、かなり寒い思いをしながら走ることになっていたのだとか。確かに大会HPに掲載されている動画では、かなり強い風と雨に打たれているシーンもあった。でも、今年はそんな心配はせずとも良さそう。
富良野市長の北氏があいさつ
コース説明を行う平野さん 「熊が出るので注意して下さいね」とのこと
朝はメカニックも大忙し
恒例のラジオ体操
スタートラインにならぶ皆さんも明るい表情。しかし、取材する私には一つ悩みがあった。そう、出走カテゴリーである。今年、新たに160㎞のスーパーロングコースが加わったのだ。大体、もっとも長いコースを取材するのが通例なのだけれど、どうやらかなり制限時間が厳しいらしい。
「150人くらいの出走で、100人が完走できればいい方だと思います!完走したい人は、頑張ってください!」とスタート前にブリーフィングする白戸さん。具体的には、13時の時点で120㎞地点を通過する必要があるのだとか。7時スタートなので、制限時間は6時間。撮影とエイド休憩こみで平均時速20㎞の計算だ。
それでは行ってきます!と気合十分なプレミアムエントリー組
グレイトアース北海道富良野ライドスタート!
ちなみに、通常の取材ペースだと平均時速15kmほど。この差を埋めるには、ペースを上げることと、撮影のための降車回数を極力減らすことが必要になる。どうしたものか、と考えているうちに、スタート時間が迫ってくる。ええい!ままよ!ということで、「できるだけ先頭集団へついていく」という方針で取材することに。
定刻どおり、7時に先頭グループがスタート。いつもなら、何グループかスタート写真を抑えるところだが、今日はすぐさま追いかける。白戸さん、そして地元の脚自慢のサポートライダーが牽引する第1グループだが、これがまたなかなか良いペースだった。
良いペースで走る先頭集団
北海道らしい道を行く
富良野から一路南へと向かう。いかにも北海道!というアップダウンが続く直線路を快走していくトレイン。ほとんど信号もなく、車通りも少なく、視界を遮る障害物もない。この上なく走りやすく、北海道の魅力を再確認。
ハイペースの集団と共に、第1エイドの生涯学習センターへとなだれ込む。こちらでは、ミートパイとコーンスープが待っていた。地元のふらのスパゲッティさん謹製のミートソースにパイをディップしていただく形式で、これがまた絶品。サクサク香ばしいパイに酸味の効いたミートソースがマッチして、あっという間に平らげてしまう。まろやかなコーンスープもゴクリと飲み干し、優雅な気分の朝食エイドでございました。
白戸さんと一緒にぱしゃり
コーンスープとミートパイ なんだかお洒落な朝ごはんに
美味しいですよこれ!と笑顔をいただきました
そうこうしているうちに先頭グループはスタート
さて、次なる目的地は北海道でも有数のダム湖となるかなやま湖。空知川の流れを堰き止めて作られたこの湖は、人造湖ながらなんと幻の魚と呼ばれるイトウも生息し、ここには1mを越える大物も釣り上げられている。そんな釣り師にとっても憧れの地を目指して再び出発!
エイドで到着した後続グループも合流し、大きくなった集団の中からは、中国語ぽい言葉も聞こえてきた。なんと香港からの参加者ということで、観光地として北海道が持つポテンシャルを改めて実感させられる。
金山シェルターの辺りはかなりの激坂
さて、私事で恐縮なのですが、第2エイドとなるかなやま湖畔キャンプ場には、学生時代2度ほどお世話になったことがあり、実はかなり懐かしいエリアでもある。10年ほど前の記憶を思い出しながら、かなやま湖への道を走っていくと、出ました!金山シェルターの激坂!
下流側となる西側からアプローチするとダムへ向けて登っていく必要があり、10%を余裕で超える激坂が500mほど続くのだ。いろいろとうろ覚えになりつつある学生時代だけれど、この強烈な激坂は未だに記憶に残っている。
森の中の道を第2エイドへ向けて行く
重いクロスバイクにパニアとテントを積んで、えっさほいさと登ったあの頃に比べれば、カーボンロードで荷物も軽い今なら軽々と登れるはず、と思いきや一つ目のシェルターで見事に失速。結局ヘロヘロになりつつピークへと向かうことに。まあ、あの頃から体重10kg増えてますからね、自転車や荷物との合計重量は同じくらいと思えば宜なるかな。
さて、ピークまで登れば、湖畔沿いの林間道路をエイドステーションまでひとっ走り。たどりついたエイドステーションでは、エゾシカのローストを贅沢に使ったピタサンドが。鹿肉とともにたっぷり野菜も巻き込まれたロールサンドをかなやま湖の開放的な景色とともにいただく。学生時代のツーリングの昼ごはんなんて、オープンサンドと称し食パンになぜか海苔とかサバ缶とかを載せて食べていたことを思い出し、いいご身分になったものだな、なーんて感慨にふけってしまう。
ゆったりとした時間がながれていたかなやま湖キャンプ場
鹿肉ローストピタサンドが待っていました
みんなでかぶりつき!おいしー!
さてさて、そんなノスタルジーに駆られている時間はあまり無い。なんてったって、自分は平均時速20㎞で走らなければいけないのだから。先頭グループの出発に合わせて、再びかなやま湖畔の道へと飛び出す。
名作映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった根室本線の幾寅駅近くをかすめつつ、コースは今大会の最高標高地点となる樹海峠へ。最高標高地点とはいえ、そこまで強烈な登りというわけではなく、斜度は大体5%程度で距離も3kmほど。
かなやま湖畔を出発!
かなやま湖の対岸へと渡ることに
爽やかな色使いの橋を行く
こちらが樹海峠のピーク。頑張って!
ピークまでは先頭集団の牽きについていくものの、なんども撮影して追いつきを繰り返してきた脚にはかなりのダメージに。だって、終始280wくらい出てるんですもの。やむなくここで集団からドロップすることを選び、しばらくピークで撮影タイム。でも実はこれが判断ミスだったとすぐに悟ることに。
樹海峠を下った先はかなりの向かい風区間に。先頭からドロップしてきた人たちと隊列を組んで走っていく。できれば次のエイドで先頭に再合流したいところ。協調してローテを回し、何とか大きな時間差なく第3エイドの東山直売所へと滑り込んだ。
第3エイドでは3種類のトマトが登場
焼きトマトは甘さが増していたような
美味しいトマトで元気出ました!
こちらでは富良野名物のトマトを冷やしと焼き、そしてマリネの3種類の食べ方でいただくことができた。同じトマトながら、少し手を加えるだけで全然違う味が楽しめることに素朴な驚きを感じる。
さて、ここからは細やかなアップダウンの続く区間へと入っていく。波打ちながらどこまでもまっすぐに道路が伸びていく光景は、やっぱり北海道ならでは。植えている作物によって異なる色を見せる畑の間を貫く道を北へ北へと向かうのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
![スタート会場に参加者が集まってくる](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0076.jpg)
朝6時、メイン会場となる富良野総合スポーツ公園へ、続々とサイクリストたちが集まってくる。前夜にパラパラと落ちてきた雨も上がり、路面はほぼドライな状況。見上げた空も半分以上青に染まりつつも、流れる空気は涼やかで最高のサイクリング日和になりそうだ。
ちなみにここ何年か、このグレイトアース富良野ライドは天候に恵まれず、かなり寒い思いをしながら走ることになっていたのだとか。確かに大会HPに掲載されている動画では、かなり強い風と雨に打たれているシーンもあった。でも、今年はそんな心配はせずとも良さそう。
![富良野市長の北氏があいさつ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0132.jpg)
![コース説明を行う平野さん 「熊が出るので注意して下さいね」とのこと](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0087.jpg)
![朝はメカニックも大忙し](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0095.jpg)
![恒例のラジオ体操](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0143.jpg)
スタートラインにならぶ皆さんも明るい表情。しかし、取材する私には一つ悩みがあった。そう、出走カテゴリーである。今年、新たに160㎞のスーパーロングコースが加わったのだ。大体、もっとも長いコースを取材するのが通例なのだけれど、どうやらかなり制限時間が厳しいらしい。
「150人くらいの出走で、100人が完走できればいい方だと思います!完走したい人は、頑張ってください!」とスタート前にブリーフィングする白戸さん。具体的には、13時の時点で120㎞地点を通過する必要があるのだとか。7時スタートなので、制限時間は6時間。撮影とエイド休憩こみで平均時速20㎞の計算だ。
![それでは行ってきます!と気合十分なプレミアムエントリー組](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0174.jpg)
![グレイトアース北海道富良野ライドスタート!](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0187-cut.jpg)
ちなみに、通常の取材ペースだと平均時速15kmほど。この差を埋めるには、ペースを上げることと、撮影のための降車回数を極力減らすことが必要になる。どうしたものか、と考えているうちに、スタート時間が迫ってくる。ええい!ままよ!ということで、「できるだけ先頭集団へついていく」という方針で取材することに。
定刻どおり、7時に先頭グループがスタート。いつもなら、何グループかスタート写真を抑えるところだが、今日はすぐさま追いかける。白戸さん、そして地元の脚自慢のサポートライダーが牽引する第1グループだが、これがまたなかなか良いペースだった。
![良いペースで走る先頭集団](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0213.jpg)
![北海道らしい道を行く](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0234.jpg)
富良野から一路南へと向かう。いかにも北海道!というアップダウンが続く直線路を快走していくトレイン。ほとんど信号もなく、車通りも少なく、視界を遮る障害物もない。この上なく走りやすく、北海道の魅力を再確認。
ハイペースの集団と共に、第1エイドの生涯学習センターへとなだれ込む。こちらでは、ミートパイとコーンスープが待っていた。地元のふらのスパゲッティさん謹製のミートソースにパイをディップしていただく形式で、これがまた絶品。サクサク香ばしいパイに酸味の効いたミートソースがマッチして、あっという間に平らげてしまう。まろやかなコーンスープもゴクリと飲み干し、優雅な気分の朝食エイドでございました。
![白戸さんと一緒にぱしゃり](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0240.jpg)
![コーンスープとミートパイ なんだかお洒落な朝ごはんに](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0251.jpg)
![美味しいですよこれ!と笑顔をいただきました](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0262.jpg)
![そうこうしているうちに先頭グループはスタート](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0285.jpg)
さて、次なる目的地は北海道でも有数のダム湖となるかなやま湖。空知川の流れを堰き止めて作られたこの湖は、人造湖ながらなんと幻の魚と呼ばれるイトウも生息し、ここには1mを越える大物も釣り上げられている。そんな釣り師にとっても憧れの地を目指して再び出発!
エイドで到着した後続グループも合流し、大きくなった集団の中からは、中国語ぽい言葉も聞こえてきた。なんと香港からの参加者ということで、観光地として北海道が持つポテンシャルを改めて実感させられる。
![金山シェルターの辺りはかなりの激坂](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0361.jpg)
さて、私事で恐縮なのですが、第2エイドとなるかなやま湖畔キャンプ場には、学生時代2度ほどお世話になったことがあり、実はかなり懐かしいエリアでもある。10年ほど前の記憶を思い出しながら、かなやま湖への道を走っていくと、出ました!金山シェルターの激坂!
下流側となる西側からアプローチするとダムへ向けて登っていく必要があり、10%を余裕で超える激坂が500mほど続くのだ。いろいろとうろ覚えになりつつある学生時代だけれど、この強烈な激坂は未だに記憶に残っている。
![森の中の道を第2エイドへ向けて行く](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0373.jpg)
重いクロスバイクにパニアとテントを積んで、えっさほいさと登ったあの頃に比べれば、カーボンロードで荷物も軽い今なら軽々と登れるはず、と思いきや一つ目のシェルターで見事に失速。結局ヘロヘロになりつつピークへと向かうことに。まあ、あの頃から体重10kg増えてますからね、自転車や荷物との合計重量は同じくらいと思えば宜なるかな。
さて、ピークまで登れば、湖畔沿いの林間道路をエイドステーションまでひとっ走り。たどりついたエイドステーションでは、エゾシカのローストを贅沢に使ったピタサンドが。鹿肉とともにたっぷり野菜も巻き込まれたロールサンドをかなやま湖の開放的な景色とともにいただく。学生時代のツーリングの昼ごはんなんて、オープンサンドと称し食パンになぜか海苔とかサバ缶とかを載せて食べていたことを思い出し、いいご身分になったものだな、なーんて感慨にふけってしまう。
![ゆったりとした時間がながれていたかなやま湖キャンプ場](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0390.jpg)
![鹿肉ローストピタサンドが待っていました](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0382.jpg)
![みんなでかぶりつき!おいしー!](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0385.jpg)
さてさて、そんなノスタルジーに駆られている時間はあまり無い。なんてったって、自分は平均時速20㎞で走らなければいけないのだから。先頭グループの出発に合わせて、再びかなやま湖畔の道へと飛び出す。
名作映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地となった根室本線の幾寅駅近くをかすめつつ、コースは今大会の最高標高地点となる樹海峠へ。最高標高地点とはいえ、そこまで強烈な登りというわけではなく、斜度は大体5%程度で距離も3kmほど。
![かなやま湖畔を出発!](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0436.jpg)
![かなやま湖の対岸へと渡ることに](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0464.jpg)
![爽やかな色使いの橋を行く](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0482.jpg)
![こちらが樹海峠のピーク。頑張って!](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0505.jpg)
ピークまでは先頭集団の牽きについていくものの、なんども撮影して追いつきを繰り返してきた脚にはかなりのダメージに。だって、終始280wくらい出てるんですもの。やむなくここで集団からドロップすることを選び、しばらくピークで撮影タイム。でも実はこれが判断ミスだったとすぐに悟ることに。
樹海峠を下った先はかなりの向かい風区間に。先頭からドロップしてきた人たちと隊列を組んで走っていく。できれば次のエイドで先頭に再合流したいところ。協調してローテを回し、何とか大きな時間差なく第3エイドの東山直売所へと滑り込んだ。
![第3エイドでは3種類のトマトが登場](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0519.jpg)
![焼きトマトは甘さが増していたような](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0525.jpg)
![美味しいトマトで元気出ました!](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/06/30/img0529.jpg)
こちらでは富良野名物のトマトを冷やしと焼き、そしてマリネの3種類の食べ方でいただくことができた。同じトマトながら、少し手を加えるだけで全然違う味が楽しめることに素朴な驚きを感じる。
さて、ここからは細やかなアップダウンの続く区間へと入っていく。波打ちながらどこまでもまっすぐに道路が伸びていく光景は、やっぱり北海道ならでは。植えている作物によって異なる色を見せる畑の間を貫く道を北へ北へと向かうのだった。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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