関東圏における春のサイクリングシーズン到来を告げるイベントとして定着したもてぎ7時間エンデューロ 春。3月27日(火)のエントリー締め切りを前にもう一度、舞台となる国内有数の国際サーキット「ツインリンクもてぎ」のコースを解説しよう。



幅広のコースと綺麗な舗装でロードバイクを思う存分楽しめるツインリンクもてぎ幅広のコースと綺麗な舗装でロードバイクを思う存分楽しめるツインリンクもてぎ
今年で6回目の開催となる「もてぎ7時間エンデューロ 春」。もともと10年以上に渡って開催されてきた秋のもてぎ7時間エンデューロの人気を受け、春にも開催されるようになった人気のエンデューロイベントである。例年、5月の大型連休に合わせての開催であったが、今年は4月22日(日)と少し早めに開催される。

このもてぎ7時間エンデューロの舞台となるのが日本を代表する国際サーキット「ツインリンクもてぎ」である。日本のサーキットというと、F1やSUPER GTを開催することで知られる三重県の鈴鹿サーキットや、WECなどで知られる静岡県の富士スピードウェイなどが特に有名なところだろう。しかし「ツインリンクもてぎ」も世界最高峰のバイクレースとして知られるMoto GPの日本グランプリや、過去にはアメリカンモータースポーツの王様と云われるインディなど、多彩なビックレースの開催実績を持つ国際サーキットなのである。

ほぼアップダウンのみで構成されるツインリンクもてぎほぼアップダウンのみで構成されるツインリンクもてぎ (c)モビリティランド全長4.8km、計14ヶ所に及ぶコーナーから構成される現在主流となっているヨーロピアンスタイルのコースレイアウトを持つツインリンクもてぎ。ストレートは長めが多いが、その後に登場するコーナーは確実な減速が必要とされる中低速コーナーであるため、ブレーキング、荷重移動、ライン取り、そしてコーナー出口でのアクセルワークとスポーツドライビングの基本が重視されるコースとなっている。

このコースをもてぎ7時間エンデューロでは車やバイクのレースとは逆回りとなる反時計回りで走行。直線の下りを無くし、760mの直登に置き換えることで、スピードの出しすぎを抑制し、より安全に楽しく走れるように工夫されている。またコース幅も12~15mという広い道幅を活かして、高速するライダーは右側、マイペースに走るライダーは左側と決められているため、混走の危険も少なく安心だろう。ということで実際にコースを解説していこう。



コース幅いっぱいにならんだ大勢のエンデューロ参加者がスタートを待つコース幅いっぱいにならんだ大勢のエンデューロ参加者がスタートを待つ
ホームストレートをスタートして最初に出てくるコーナーが30R。若干の下り勾配の中を左に90度曲がった後、そのまま右に曲がるいわゆるSコーナーである。走行開始直後に現れるテクニカルセクションということもあり、物怖じしてしまいそうになるが、速度が出過ぎないようにブレーキを当て効きさせ、スピードコントロールしていけばさほど難易度が高いものでもない。

ただ、1つ気をつけてほしいのが、車のレースのように最速ラインを取ろうとしてコーナーのインを繋いで走ろうとしないこと。自転車の集団走行では最速のラインを走るのではなく、自分の走行ラインをキープすることが大事なのだ。そのため急なライン変えは落車の原因となってしまう。常に周りの状況に気を配りながら走るようにしよう。

スタート直後の下り基調S字コーナーは走るラインに注意スタート直後の下り基調S字コーナーは走るラインに注意 国内でも珍しいオーバルサーキットを尻目に走る国内でも珍しいオーバルサーキットを尻目に走る


インディなどが開催されていたスーパースピードウェイの下を潜り抜けると左に曲がる90°コーナーが登場する。この90°コーナー出口から760mに及ぶ直登が始まるため、段々スピードが落ちてくるのが注意ポイント。前走者や周りの人達の様子に気を配り、車間距離が縮まり過ぎないように注意しよう。

それと下りから登りに勾配が切り替わるため、フロントのギアチェンジは必須だろう。登りはコーナー途中から切り替わるため、コーナー侵入前にはフロントギアをインナーに落としておく必要がある。登り始めてトルクをかけた状態でフロントディレイラーを操作するとチェーンが落ちてしまうこともあるので、注意が必要だ。

もてぎエンデューロ名物とも言える直登が参加者を苦しめるもてぎエンデューロ名物とも言える直登が参加者を苦しめる
その後はもてぎエンデューロ名物とも言える760mに及ぶ直線の登りが待ち構える。序盤は7%という何気に厳しい勾配となっており、最高標高地点となるヘアピンカーブに向かい勾配が落ち着いてくるプロフィール。登りの先まで見通せる直線に心を砕かれるため、サーキット内の高低差など大したことないと高を括っていると痛い目を見ることになってしまう。なお登りで苦しんでいる顔は、撮り応えがあるということで、CW編集部員もよく出没するスポットである。

登り終わりとなるヘアピンコーナーを曲がると下り区間に突入。その後のV字コーナーにはかなりのスピードで侵入することになるため、手前でしっかりとブレーキングすることが大切だ。アールもV字ということもあってかなり鋭角なため、慎重にコーナリングをしてもらいたい。

先を行く人が小さく見えるほど見通しの良いS字コーナー先を行く人が小さく見えるほど見通しの良いS字コーナー
そのまま下り基調のが続く中、次に現れるのがS字コーナー。緩めのカーブで気持ちよくワインディングを楽しめるパートになっている。ここ来るまでには登りもこなしたりと、身体と気持ちが高ぶり始めるタイミング。それでも冷静に自分の走行ラインを守ってマナーよく走ってもらいたい。インコーナーを繋ぐ走り方は避けよう。

そのまま大きな左カーブをこなすと、再びスーパースピードウェイの中に入る。第5コーナーを過ぎた当たりで長かった下り区間も終わりを告げ、再びの登り。と言っても勾配は1~2%ほどで、ほぼ平坦なようなものだ。この緩斜面をどう走るかが長く速く走るためのポイントかもしれない。ペーシングを考えて走ってみよう。

先頭集団はプロライダーがペースメークしてくれるので挑戦するのも楽しい先頭集団はプロライダーがペースメークしてくれるので挑戦するのも楽しい ミニベロライダーなどいろんな楽しみ方をしている人達がサーキットを走るミニベロライダーなどいろんな楽しみ方をしている人達がサーキットを走る

先頭集団はガチンコのレース状態になることも。先頭集団はガチンコのレース状態になることも。 肩を組んで仲良くゴールだ肩を組んで仲良くゴールだ


第3、第4コーナーを抜けるとパドック裏。ここからホームストレートまではほぼ平坦と言いって良いだろう。ホームストレートでお気に入りのあの娘に勇姿を見せるため、息を整えても良いし、ライバルチームに負けないようペースを上げていくのもいいだろう。そのまま第2、第1コーナーを抜ければホームストレートだ。

ピットインするライダは手信号で意思表示をしてピットロードに入ろう。必ず周りに気を配り、無理な進路変更はしないように。チップを交換するまでレースだ。そのままもう1周走る人もここで離脱または合流してくるライダーがいるということを気にしながら走りたいところ。応援してくれるあの娘のために頑張りたいのはやまやまだが、落車してしまっては楽しい1日も台無しになってしまうぞ。

男湯、女湯共に2週類の内湯と露天風呂がある男湯、女湯共に2週類の内湯と露天風呂がある (c)モビリティランドのぞみの湯イメージのぞみの湯イメージ (c)モビリティランド


普段はモータースポーツで使用されるということもあり、なかなか自転車で走る機会も少ないサーキット。特にこの「ツインリンクもてぎ」は道幅が広く、路面も綺麗なため、走りやすいのが特長だ。普段乗っている愛車の性能を存分に活かせる1日。コースマップを頭の中に入れて怪我なく楽しみたい。

ツインリンクもてぎ内には「のぞみの湯」という温浴施設もあるため、イベントが終わったらここでリフレッシュして帰路につくと良いだろう。ご利用は大人650円、中学生までは350円となっている。バスタオルやフェイスタオルのレンタルも行っているので手ぶらで行っても大丈夫だ。営業時間は11時から19時となっているため、遅くなり過ぎないように気をつけたい。詳細はこちら



エントリー受付中!

もてぎ7時間エンデューロではより多くの家族やチーム、仲間に気軽に参加してもらうため、エントリーがおトクな学割やチーム割引が設定されている。参加メンバーに応じた割引があり、仲間を誘って参加するとドンドンお得になっていく料金体系だ。申し込み用サイトは公式サイト内エントリーページにアップされている。エントリー締め切りは3月27日(火)まで。そろそろ締め切りも近いのでエントリーはお早めに。

第6回もてぎ7時間エンデューロ 春
開催日時:2018月4月22日(日)
会 場:栃木県ツインリンクもてぎ ロードコース
種 目:2・4・7時間エンデューロ、キッズレース、ひよこレース
参加費:2,000円(ひよこレース)~60,000円
募集期間:1月9日(火)~3月27日(火)
※各種目定員になり次第締め切ります
※全ての種目において当日エントリーはございません

text:Kosuke.Kamata