昨年の11月26日に行われた瀬戸内しまなみ・ゆめしま海道サイクリング大会2017。日本を代表するサイクリングルートに成長したしまなみ海道で行われた走り納めイベントを坂バカモデル、日向涼子さんがレポートします。



来島海峡大橋を望む今治会場のスタート地点来島海峡大橋を望む今治会場のスタート地点 photo:Kenji.Hashimoto
新年明けましておめでとうございます。2018シーズンもよろしくお願いします。春からのロングライドシーズンが待ち遠しいところですが、今回、昨年の自転車イベントの走り納めとなった「瀬戸内しまなみ・ゆめしま海道サイクリング大会2017」の様子をレポートします。

11月26日、広島県と愛媛県にまたがるサイクリングの聖地で開催されたロングライドイベントには、約2000人のサイクリストが参加。私は大会ゲストライダーとして参加し、参加者の皆さんとともに、晩秋のしまなみ海道を駆け抜けました。

スタート前のセレモニーで挨拶するゲストの日向涼子さんスタート前のセレモニーで挨拶するゲストの日向涼子さん 参加者と一緒にゆったりとサイクリングを満喫した参加者と一緒にゆったりとサイクリングを満喫した


日本のみならず世界からも注目を集めるサイクリングスポット「しまなみ海道」。スポーツバイクを始めたら、必ず走りに行きたい場所として、不動の人気を誇っています。おだやかな瀬戸内海に浮かぶ島々を橋でつなぐサイクリングロードは息を呑む絶景の連続。ブルーラインと呼ばれる専用の自転車道が整備されて、初心者でも安心のサイクリングを楽しめます。

大会コースとエイドステーション大会コースとエイドステーション (c)しまなみジャパンここで、瀬戸内海の島々をつなぐ3つの海道を紹介。まず、広島県の尾道市と愛媛県の今治市を結ぶ全長約80kmのブルーラインが敷かれた「しまなみ海道」。5つの島を巡りながら、瀬戸内海を縦断するルートは、もっともメジャーです。この他にも「しまなみ海道」の東に位置する「ゆめしま海道」。西に位置する「安芸灘とびしま海道」。それぞれに魅力があり、サイクリングの聖地のバリエーションは実に豊富です。

さて、「瀬戸内しまなみ・ゆめしま海道サイクリング大会2017」は、しまなみ海道とゆめしま海道が舞台のロングライドイベントです。この大会、走るエリアや距離によって、幅広く7つのカテゴリーが用意。そのため、参加者が体力に合わせて、走りたいコースを自由に選べます。

まず、会場は尾道(広島)と今治(愛媛)の2つ。最長コースである「尾道80コース」と「今治70コース」は、それぞれの会場からしまなみ海道のほぼ中央に位置する「多々羅しまなみ公園」を目指して折り返すコースです。初心者や中級者には満足度の高いロングライドですね。そして、最長コース以外は、家族同伴で小学4年生から参加できるため、親子での参加がとても多かったです。また、広島側には、ゆめしま海道を走れる「上島60コース」も用意。サイクリングとフェリーに乗船しての瀬戸内クルージングを楽しめることもあり、エントリーはあっという間に締め切られたそうです。

女性たちの参加も多く華やかな雰囲気女性たちの参加も多く華やかな雰囲気 ファミリーでの参加者も多かったファミリーでの参加者も多かった


風の冷たさは感じるものの、晩秋のしまなみ海道は、まだまだロングライドを楽しめる気候です。1年の走り納めイベントとしての参加者も多かったようです。大会前日には、尾道と今治のそれぞれの会場で前日イベントが開催されました。私は、尾道会場の向島運動公園でトークショーを行いました。この他、会場では、地元のプロロードレースチーム「ヴィクトワール広島」の選手たちによるライディングスクールも開催。イベント前日にプロ選手から直接教われる貴重な機会となったようです。

ヴィクトワール広島によるライディングスクールヴィクトワール広島によるライディングスクール
前日の尾道会場でトークショーが行われた前日の尾道会場でトークショーが行われた 地元企業はじめ、出展ブースも並んだ賑やかな会場地元企業はじめ、出展ブースも並んだ賑やかな会場


大会当日、スカッと晴れ渡る空模様とはならなかったものの、曇り空でも絶景と海の上にかかる橋を思う存分に楽しめるのが、しまなみ海道の素晴らしいところです。私は、多くの参加者との交流を持てるようにという大会主催者の配慮もあり、今治からスタートし、尾道へとゴールするワンウェイの80km特別コースで参加しました。

今治側の起点になる来島海峡大橋のたもとからスタート! 橋へのアプローチはループ状の上りになっていて、さっそくしまなみ海道らしい景色を満喫します。今回は、広島の自転車ブランドNAGIのクロスバイクとフラットペダルにスニーカーという気軽なサイクリングスタイルで楽しみます。大島へと渡り、ブルーラインに沿って爽快にペダルを漕ぎます。

今治会場をスタートする参加者たち今治会場をスタートする参加者たち
 地元広島の自転車NAGIとともにライド 地元広島の自転車NAGIとともにライド 各エイドステーションにはバイクラックが完備各エイドステーションにはバイクラックが完備


あっという間に、最初のエイドステーション「よしうみバラ公園」へ。普段は、ご当地バーガーも楽しめるしまなみサイクリングの定番スポットですね。今回は、まだランチ前なので、エイドの軽食だけ済ませてからバラ園を散策。バラの中での撮影という乙女なシチュエーションに、ちょっと照れてしまいました! 伯方島の「伯方SCパーク」のエイドでは、にぼしなどの小魚、みかんなど瀬戸内らしい食べ物をいただけました。そして、のどを潤す檸檬ジュースやはっさく水も嬉しかったです。一緒になったグループの皆さんと、大島大橋を眺めながらひと休憩。

そろそろお昼が近づいてきた頃、尾道コースと今治コースの合流地点である大三島の多々羅しまなみ公園を目指します。単調な平坦な道が続くだけでなく、飽きないころに橋へのアップダウンがあり、コースや景色に変化があるところがしまなみ海道の魅力ですね。多々羅しまなみ公園のエイドステーションではお弁当タイム。ごはんの中身は贅沢な鯛めしでした。多々羅大橋と海を眺めながら美味しくいただきました。鶏卵まんじゅうや神島まんじゅうなどのスイーツも振舞われ、お腹いっぱい!

 バラ園の中で休憩がてら記念撮影 バラ園の中で休憩がてら記念撮影 みかんや煮干しなど地元ならではの食材が振る舞われたみかんや煮干しなど地元ならではの食材が振る舞われた

 多々羅しまなみ公園ASではお弁当サービス 多々羅しまなみ公園ASではお弁当サービス  仲間たちでランチタイムを楽しんだ 仲間たちでランチタイムを楽しんだ


「瀬戸田中学校」のエイドステーションでは、広島県警サイクルポリスのお姉さんとともに敬礼ポーズで記念撮影!サイクルポリス部隊も参加者とともにコースを巡回していましたよ。このエイドでは、みかんがカゴに入ったままどっさり。「ご自由にお取り下さい」の立て札も!「袋あげるから持って帰る?」と聞かれるほどで、カゴ付き自転車で参加したらよかったかな。このほか、美容効果も高く女子には嬉しい万田酵素。「買うと高いですよね!」と嬉しそうにしたら、スタッフのお兄さんが沢山くれました!私を含め、参加者がゴール地点に戻ってきたのは夕方ごろ。丸1日、じっくりと時間をかけてしまなみ海道を満喫できるイベントです。

さて、エイドステーションでは地元の企業の協力、地元食材を生かした食べ物が振る舞われましたが、しまなみ海道にはエイド以外にもサイクリストに人気の飲食店が多くあります。時間が許せば、少々コースを外れてお店に立ち寄っても許容の範囲内。「終わったら戻ってきてくださいね。」と言われる程度。サイクルポリスも見回りをしているけれど威圧感はないし、警察や地元の方に見守られながら?マイペースにサイクリングを楽しめる感覚があります。

広島県警察のサイクルポリスと敬礼広島県警察のサイクルポリスと敬礼
みかん食べ放題! ご自由にお取りくださいみかん食べ放題! ご自由にお取りください  定番の記念碑「サイクリストの聖地」にて 定番の記念碑「サイクリストの聖地」にて

向島運動公園にゴールする日向涼子さん向島運動公園にゴールする日向涼子さん  夫婦でゴールテープを切る 夫婦でゴールテープを切る


シーズンの走り納めとなった「瀬戸内しまなみ・ゆめしま海道サイクリング大会2017」。女子やファミリーでの参加率も高く、華やかな印象を受けました。単独でしまなみ海道を走るには、少し勇気がいるというビギナーの皆さんにもオススメですね。この大会は、「サイクリングしまなみ」(瀬戸内しまなみ海道・国際サイクリング大会)との隔年開催なり、次回は2019年の秋を予定しています。

それでは2018シーズンもイベントを通じて、皆さんと走ることを楽しみにしています!


text:Ryoko.Hinata
photo:Kenji.Hashimoto