今年も多くのオフロードライダーたちが集まった、シマノバイカーズフェスティバル。その中から各種目の優勝者が駆ったバイクをピックアップして紹介していきます。



浅井 秀樹さん (BBQ with A)スペシャライズド S-Works Stumpjumper

浅井 秀樹さん (BBQ with A)スペシャライズド S-Works Stumpjumper 浅井 秀樹さん (BBQ with A)スペシャライズド S-Works Stumpjumper
4時間エンデューロ 5人組で優勝したBBQ with Aからは、マスターズ50代で全日本チャンピオンに輝いた浅井さんの愛車を紹介。浅井さんの走りを支えるのは、スペシャライズドのXCハードテールのフラッグシップであった。S-Works Stumpjumper。FACT10mカーボンを使用し、軽量かつ高剛性なピュアレーシングバイクである。

29erで高くなりがちなハンドルポジションを出すために、ステムは73度の3Tを使用する。ホイールは前後で異なるものを使用していたが、これはマッドコンディションに対応するため、フロントのタイヤを交換するため。「ロヴァールのホイールは軽いんですが、フロントはグリップ重視で持ってきていたマッドタイヤを着けていたホイールに交換したんですよ」と浅井さん。

グリップはリザードスキンズだグリップはリザードスキンズだ スペシャライズドMTBのアイコンでもあるブレインショック搭載サスペンションスペシャライズドMTBのアイコンでもあるブレインショック搭載サスペンション

ロヴァールのカーボンホイールロヴァールのカーボンホイール ドライブトレインはスラムのフロントシングル仕様ドライブトレインはスラムのフロントシングル仕様


ドライブトレインはスラムのフロントシングル仕様。「変速に関して迷うことが減ったので、速さに繋がっているとは思います」とその効果を語ってくれた。変速系はスラムだが、ブレーキはシマノのXTR。こちらは信頼性と制動力でのチョイスだという。グリップはリザードスキンで、ホールド感がぴったりなのだとか。



坂手 潤一さん(BOUNCE)リッチー P-29

坂手 潤一さん(BOUNCE)リッチー P-29坂手 潤一さん(BOUNCE)リッチー P-29
シングルスピード60分XCを制した坂手さん。自転車ショップ「BOUNCE」の店長でもあり、最速店長選手権へも出場している坂手さんが駆るのはリッチーのスチール29er、P-29だ。29インチ対応のフレームに、27.5+のWTB TRAILBLAZERを組み合わせているところが特徴的。

「去年はノーマルの29インチで出たのですが、今年はグリップ重視でセミファット仕様で挑戦してみました。シングルトラックでかなり余裕が出来るので、走りやすくて良かったですね」とその威力を語っていただいた。フロントフォークはリジッドで、「このコースであればリジッドのほうが速いですし、タイヤのキャパシティーもありますから」と坂手さん。

チューブに合わせてカラーコーディネートされるボトルケージチューブに合わせてカラーコーディネートされるボトルケージ グリップもリッチーで揃えるグリップもリッチーで揃える

足回りはWTBで統一する足回りはWTBで統一する カラーチェーンが遊び心を演出するカラーチェーンが遊び心を演出する


走行性能はもちろんのこと、カラーコーディネートもバッチリ決まっている。アメリカブランドらしいレッド×ブルーのフレームにマッチするよう各パーツもチョイスされている。ボトルケージもダウンチューブとシートチューブにそれぞれ合わせられる他、チェーンもレッド、ハブはブルーとバランスを考えられた配分だ。グリップやヘッド小物などはリッチーでまとめられる一夫、ステムとシートピラーはトムソン、ハンドルはグラファイトデザインとなっている。



神永 真一さん(Pro Ride)モンドレイカー PODIUM

神永 真一さん(Pro Ride)モンドレイカー PODIUM神永 真一さん(Pro Ride)モンドレイカー PODIUM
2時間エンデューロソロとMTBヒルクライムの2冠そして連覇を果たした神永さん。ユースカテゴリ―で活躍する選手でもある神永さんの愛車はサポートを受けているモンドレイカーのハイエンドXCレーシング、PODIUMだ。「今年乗り換えたばかりですが、軽くて速くてとても気に入っています」という。

昨シーズンまではフロントダブルのXTRを使用していたコンポーネントも1x11のスラムXOに。「シフト操作が単純なので、追い込むレースでは助かります」とのこと。スラムXOを採用するがシートチューブにはDi2用のバッテリーが装着されているのに気付いた方もいるだろう。こちらはフォックスの電子制御フロントサス用の電源となっている。

タイヤはミシュランのFORCE XCタイヤはミシュランのFORCE XC ドライブトレインはスラムだが、なぜかDi2のバッテリーが。ドライブトレインはスラムだが、なぜかDi2のバッテリーが。

フォックスの電子制御フロントサスのコントロールスイッチフォックスの電子制御フロントサスのコントロールスイッチ ワイヤーの代わりに電子ケーブルが接続されているワイヤーの代わりに電子ケーブルが接続されている


「操作感が軽くてとても気に入っているんです」と語る神永さん。少し触らせて貰ったところ、確かにかなり軽いクリック感のダイヤルで、一度味わってしまうとワイヤー式のリモートロックアウトレバーには戻れなさそうだ。タイヤはミシュランのFORCE XC。走りの軽さと必要十分なグリップが気に入っているとのことだった。



鈴木 浩史さん(すーさんず)モンドレイカー PODIUM

鈴木 浩史さん(すーさんず)モンドレイカー PODIUM鈴木 浩史さん(すーさんず)モンドレイカー PODIUM
2時間エンデューロ 2人組を親子で制したチーム・すーさんずからは息子さんのモンドレイカー PODIUMを紹介。先ほど紹介した神永さんのチームメイトでもあるそうで、こちらのバイクもサポート供給を受けている一台。しかし、細かなところのセッティングの違いが個性的なところ。

コンポーネントは1x11のスラムXOで、ブレーキシステムもXOで揃えている。ホイールは手組で、スタンズのチューブレスリムをフロントはホープ、リアはXTRのハブで組み上げたもの。サスペンションはフォックスの軽量モデル、FLOAT32FACTRY SCだ。「重さも動きも軽くて、速さに繋がっていると思います」と鈴木さん。

ポラールのサイクルコンピューターを使用するポラールのサイクルコンピューターを使用する サスペンションはフォックスの軽量モデル、FLOAT32FACTRY SCサスペンションはフォックスの軽量モデル、FLOAT32FACTRY SC

ブレーキはAVIDブレーキはAVID Qファクターの狭いディズナのペダルを使用するQファクターの狭いディズナのペダルを使用する


ハンドルはイーストンの軽量カーボンモデルEC90を採用し、プロ選手にも人気のESIグリップを装着する。モンドレイカーのオリジナルステムの上にはポラールのM460がマウントされていた。タイヤはマキシスのIKONで「ウェットでしたけど、特にグリップに不足は感じませんでしたね」とのことだった。



竹田 佳行さん(kei's power! )モンキー

竹田 佳行さん(kei's power! )モンキー竹田 佳行さん(kei's power! )モンキー
4時間エンデューロ 2人組で優勝したチーム・kei's power!。埼玉・坂戸のプロショップ、じてんしゃ屋佳の店長を務める竹田さんの愛車は高田馬場のMTBショップモンキーのオリジナルモデル。27.5インチのスチールフレームで、特徴的なフレームワークと目を引く蛍光グリーンが印象的な一台だ。

コンポーネントは今回紹介する中で唯一のフロントダブル仕様のシマノ・SLX。「中級グレードのコンポーネントですが、十分すぎるほどの性能ですよ!」とのこと。フロントディレイラーはサイドプルモデルとなっており、フレームもそれに対応した位置にワイヤーホールが空けられている、と思いきや「実はこれ、ドロッパーシート用のワイヤーホールなんですよね(笑)」なんだとか。

ジャイアントのドロッパーポストを使用するジャイアントのドロッパーポストを使用する サスペンションはSRサンツアーサスペンションはSRサンツアー

グリップはODIを愛用するグリップはODIを愛用する サイドスイングのFD ワイヤールートはもともとドロッパーポスト用のものを流用しているというサイドスイングのFD ワイヤールートはもともとドロッパーポスト用のものを流用しているという


自転車としてはトレイルライド向けのバイクとのことだが、「なんでもできる万能さが良いバイクなんですよ」というとおり、XCレースでもしっかりと成績を残しているのは流石の一言だろう。普段の山遊びももちろんこのバイクとのことで、シートピラーはジャイアントのドロッパーポストを使用している。「実はこのシートポスト27.2㎜なんですけど、ジャイアントさんの単体ラインアップにはないんですよね。ちょっとした秘密がありまして……。」この続きを知りたい方は、ぜひじてんしゃ屋佳へ!

text&photo:Naoki.Yasuoka