1月15日に行われた美ら島オキナワセンチュリーラン。沖縄の美しい風景に心奪われながら軽快に突き進む新入編集部員のムラタの、美ら島センチュリーコースを160km実走取材したレポート後編をお届けします。前編はこちら



沿道ではハイビスカスも花を咲かせる沿道ではハイビスカスも花を咲かせる
エイドではスポーツデポさんによるメカニックサービスもエイドではスポーツデポさんによるメカニックサービスも 黒麹醪酢で疲労回復、好みに合わせて水で薄めて飲める黒麹醪酢で疲労回復、好みに合わせて水で薄めて飲める


古宇利島、屋我地島の2つを通過し一行は再び名護市へ向かって歩を進める。各島から沖縄本島へ向かう途中にはハイビスカスも花を咲かせていたり、やんばるの風景を遠くに望むことができたりと、また雰囲気の違った景色が楽しめる。

名護市へ向かう国道58号線は建物も増え、市街地の道を進む。すこし道を逸れればツール・ド・おきなわでもお馴染みの羽地ダムがある場所だが、我々は構わず直進。意外と走ったぞ、と思いながらサイコンを確認するとまだまだ60km地点。残りはあと100kmもあるのだ。市街地ながら、飲食店の店舗に赤瓦が使われているなど、ところどころで沖縄の風情を感じられた。

チーム員に背中を押してもらう。登りはキツいがガンバレーチーム員に背中を押してもらう。登りはキツいがガンバレー 登りきった先からは今度は東側の海が望める登りきった先からは今度は東側の海が望める


シーサーが見守る沖縄の道シーサーが見守る沖縄の道
第3エイドはJAファーマーズマーケットやんばるにて休憩。沖縄の柑橘「たんかん」や黒酢などの酸味で疲労回復だ。塩分を摂りたい人は、塩(マース)がそのまま用意され、それを舐めると言うなんともワイルドな補給。また、ピットではスポーツデポさんによるメカニックサービスも行われ、まだまだ先の長い旅に向けて機材を調整する人も。

朝に通った道を南下しながら戻りつつ、途中で左折して県道71号へ。沖縄本島を横断し、島の逆サイド宜野座村へ向かう。2kmほどの登りを頑張れば、後は一気に海岸線まで下りとなり、今度は東側の海を再び左手に見ながらの走行だ。道中には阪神タイガースの宜野座キャンプを行う野球場横を通るため、野球ファンからも嬉しい道のりだろう。

エイドで振る舞われた紅いもタルト、一口大にカットされて食べやすいエイドで振る舞われた紅いもタルト、一口大にカットされて食べやすい 3枚目となる宜野座村章シールをもらい、残りもあと3枚!3枚目となる宜野座村章シールをもらい、残りもあと3枚!

芝生の上でゆっくり休憩しながらのランチタイム芝生の上でゆっくり休憩しながらのランチタイム 昼食は金武町が発祥の地とされるタコライス昼食は金武町が発祥の地とされるタコライス


宜野座村でのエイドは沖縄の海水療法施設かりゆしカンナタラソラグーナ。ここで3枚目のシールをもらい、残りはあと3市町村。距離的にも80kmを少し過ぎたちょうどコースの真ん中地点と言ったところだ。紅いもタルトともずく汁をいただくが、食べ過ぎは注意。次の金武町エイドでは昼食が待っているのだから。保養施設らしく足湯も用意され、疲れた脚を回復してくれる。

昼食地点となるのは金武町のネイチャーみらい館。となりを流れる億首川にはマングローブが生息し、熱帯地域の雰囲気を感じられるのも特徴だ。ちょうどお昼時の12時過ぎに到着し、金武町が発祥の地とされるタコライスが昼食に振る舞われ舌鼓を打つ。パックにパンパンに詰められたタコライスは、男性の皆さんでも満足のボリュームだったのではないだろか。施設内ではボディケアも実施しており、後半戦に向けて多くの人がサービスを受けていた。

お昼にかけて気温もぐんぐん上がり、中には半袖ジャージの人もいるほど。自分もウインドブレーカーを脱ぎ身軽になって再出発だ。西側とはまた姿の違うヤシの木が植えられた、金武町の海岸線を楽しみつつ軽快に進んでいく。

昼過ぎは青空が広がり非常に暖かい昼過ぎは青空が広がり非常に暖かい 地元のお菓子屋「プティ・フール」の手づくりクッキー地元のお菓子屋「プティ・フール」の手づくりクッキー


天ぷらを美味しそうに頬張る天ぷらを美味しそうに頬張る
うるま市へ入ればすぐに次のエイドだ。うるま市石川庁舎では地元のお菓子屋さん「プティ・フール」のクッキーとともに、白身魚、かき揚げ、ちくわ、インゲンの4種の天ぷらが振る舞われた。天ぷらは一つ一つが大きい。全種食べたかったものの昼食後と言うこともありお腹いっぱいだ。うーん残念。

うるま市をさらに南下していき、目指すは三大美橋の最後「海中道路(平安座海中大橋)」である。道中は風が非常に強い。ちょうど良いスピードのグループに乗っかり、体力温存しながら進む作戦に。勝連半島から平安座島を結ぶ4.7kmの海中道路を走れるのは、この160kmコースのみ。低い位置に作られた道路からは、目線とほぼ同じ高さで両側に金武湾の美しいエメラルドグリーンの遠浅の海を観ることができ、気分はまるで海の中に居るかのよう。広々とした道路とともに圧巻の景色だ。

歩道橋の上から望める海中道路、スケールの大きさが伝わるだろうか歩道橋の上から望める海中道路、スケールの大きさが伝わるだろうか
海の駅あやはし館ではもずくコロッケとぬちあんぱんを補給海の駅あやはし館ではもずくコロッケとぬちあんぱんを補給 ちょっとシュールなオバァの人形、「東江ツルさん・85歳」を囲んで記念撮影ちょっとシュールなオバァの人形、「東江ツルさん・85歳」を囲んで記念撮影


爆風の中を突き進みたどり着くのは海中道路中のドライブイン、海の駅あやはし館。雲が厚くなり陽の光が届かない天気で、意外と寒く感じる。エイドで用意された暖かいグァバ茶が非常にありがたい。ここではもずくのコロッケと、海中道路を渡りきった平安座島のパン屋さんブロンジェリーカフェ・ヤマシタの「ぬちあんぱん」が並び、ホッと一息つくことができた。

残る最後の第8エイドは嘉手納町に。途中からは米軍嘉手納基地の真横を走り、迫力満点の戦闘機等を眺めながら走行できた。これも沖縄らしい風景と言えるかもしれない。台湾や韓国からの参加者も多く、この区間ではそれら外国人グループに加わり走ってみる。「ぬう、意外と速いぞこの人たち。今この瞬間オレは日本代表だ、負けてられねえ」と、必死についていく私であった。

様々な味が用意されるちんすこう様々な味が用意されるちんすこう
マルイの安達さんもメカニックカーにて同行。各エイドではプロのメカニックサービスを受けられたマルイの安達さんもメカニックカーにて同行。各エイドではプロのメカニックサービスを受けられた 道の駅かでなの展望場より嘉手納基地を望むムラタ道の駅かでなの展望場より嘉手納基地を望むムラタ


道の駅かでなでは黒糖とプレーンの2種類のサーターアンダギー(揚げドーナツ)が用意され、暖かいコーヒーとともにブレイクタイムだ。結局今日1日で何個サーターアンダギーを食べたのだろう、覚えていない。それほどたくさん用意されるのだから、サーターアンダギー好きはぜひとも参加して欲しいイベントである(笑)。

ゴールまでの残り20kmは緩やかにアップダウンのある国道58号を恩納村まで北上していく。初めての単独実走取材で時間配分が悪く、もはや日が傾いているではないか。ゴール写真を取り逃してしまうと、やや焦りながら消耗した足を回す。

元気にゴールアーチをくぐる参加者の皆さん元気にゴールアーチをくぐる参加者の皆さん 恩納村のキャラクター「ナビーちゃん」とともに完走の記念撮影恩納村のキャラクター「ナビーちゃん」とともに完走の記念撮影


編集部ムラタもゴール!沖縄の風景、堪能できました!編集部ムラタもゴール!沖縄の風景、堪能できました!
フィニッシュ地点はすでにゴールした人たちで賑わい、イベントボードの前では記念撮影も各々行っていた。長い1日がやっと終わったと安堵しながらゴールアーチをくぐる私。MCの「お疲れ様でした~!」の声が染み渡る。その後も続々と160kmコースの参加者がゴールしていくが、みな晴れやかな表情を見せ、本イベントの満足度がこちらにも伝わってくるというものだ。

強風や小雨はありつつも、1日を通して天気が大きく崩れることはなく、非常に走りやすい日となった。最も長いコースながら女性参加者も多く、エイドも充実しているので老若男女が楽しめるイベントだと大いに感じるところだ。景色の良いコースレイアウトで、来年もまた訪れたいな、そう思わせる良いイベントであった。

人生初めての沖縄でのライド体験は、素晴らしかった。また走りに来るぞ〜。そして、その夜は美味しい沖縄料理を食べつつオリオンビールで乾杯。ただし酒量は控えめに。実は、翌日の月曜日も新企画「アフターライド」が待っているのだ。ということでレポートはまだ続きます。

text&photo:Yuto.MURATA
photo:Makoto.AYANO