2016/10/05(水) - 09:16
9月最後の週末、日本国内でもシクロクロスシーズンが開幕。愛知県では東海クロス開幕戦が、IRC(井上ゴム工業)の90周年を祝うIRCカップとして豪華ゲストを招き盛大に開催された。その模様をレポート。
#crossiscoming!とうとう(もう?遂に?)シクロクロスシーズンがやってきた。関東で茨城シクロクロス第1戦が開催されたこの日、ラリーレースでも有名な愛知県は新城市では、東海シクロクロス第1戦となる「IRC TIRE 90thアニバーサリーカップ」が開催。思い出したかのようにやってきた夏の太陽に照らされつつ、日本国内のシクロクロスカレンダーが動き出した。
会場となったのは、豊かな自然とアウトドアスポーツが盛んな新城市にある「ふれあいパークほうらい」。中京圏はもちろん、関西や関東、信州からもシーズンインを待ちわびていたクロッサーが大挙押し寄せ、その数は優に400名以上!会場は朝早くからシクロクロスのキックオフにふさわしい賑やかさに包まれることになる。
タイトル通り、今回は創業90周年を迎えた地元名古屋のIRC(井上ゴム工業)が東海シクロクロスとコラボレーションした記念イベントとしての開催であり、それを祝うように塚本岳氏、柳原康弘氏、高松健二氏、鈴木雷太氏というかつてのMTB黄金期を支えたレジェンドが来場し、彼らが深く開発に携わった懐かしのタイヤとバイクたちもズラリと展示。トークショーやフォトセッションも開催され、往時を知る人にとってはタイムスリップした気分になったよう。
もちろんBUCYO COFFEEやCLT、深谷産業(ミノウラやエディメルクス)といった東海に欠かせないタレントも一同に集結。BUCYO COFFEEで使えるパスタやサンドイッチ、小倉トーストの無料チケット配布や参加記念Tシャツを着ていればドリンク飲み放題になるサービス、メカニックサービスなどなど、参加費3000円で大丈夫なの?と思ってしまうほどの充実ぶりで、来場者のIRC好感度もより一層急上昇したことは間違い無し?
さてレースはというと、珍しくトップクラスのC1から始まるタイムスケジュールで進行。太陽は出たものの、1週間降り続いた雨を吸った土は最後まで乾かず、1日を通してマッドコンディションに。しかも時間が経つにつれて水分が乾き、後半のカテゴリーでは重くまとわりつく泥でシーズンイン早々にディレイラーをもぐ方々も。。
最高峰カテゴリーのC1には松本駿(SCOTT)、山中真&國井敏夫のMilePost BMC RacingコンビらIRCのサポートライダーが集結。次第に山中と斎藤朋寛(GIANT)の先頭グループを國井が追う形となり、最後は激しいデッドヒートからパワーで抜け出した山中が勝利。フィニッシュ後には健闘を称え合う固い握手が交わされた。
SERAC CXに耐パンク強化バージョン「X-Guard」登場
このIRCカップで最も注目を集めていたのは、従来からホビーレーサーから高い人気を得ているチューブレスタイヤ「SERAC CX」の耐パンク強化バージョン「X-Guard」の発売がアナウンスされたことだろう。決戦タイヤとしてのチューブレスを一般化させたSERACだが、しなやかさと引き換えに唯一、サイドカットに弱いという弱点があった。そこで耐パンクベルトを強化し、さらに低圧でのエアリークを防ぐために剛性を高めたのが、今回発表されたX-Guardだ。
以下に開発ライダーとして協力した蜂須賀智也選手(CLT BUCYO COFFEE)のインプレッションを紹介しよう。特に今回のような泥コースでは低圧にできることのメリットが光ったようだ。
「ほぼ製品版まで仕上がったプロトタイプを去年の秋から使用してきました。とても出来の良いタイヤで、もともとロードで培われたケーシングを使っていて、重量は少しかさみますが剛性がとても高い。だからタイヤサイドが路面に対して潰れないのでしっかりとグリップし、従来品よりも低圧で乗ることができるんです。ギャップがあっても恐れずに走れますし、今日も低圧にできていたから泥の中でもラインを見極めることができました。従来よりも使用できる幅が広がっているので、初心者の方にもオススメしたいですね。
あくまで自己責任の範疇ですが、私はタイヤが潰れる感覚をつかむために1barほどの極低圧で練習することもあります。でもそこまで落としてもエア抜け、シーラント漏れはありませんでしたし、この部分はノーマルよりも圧倒的に強い。芝生やドライ路面では軽さで有利な従来品、木の根っこや岩場が多いコース、今回のような泥コースでは低圧にでき、パンクリスクの低いX-Guardと使い分けるのが良いと思います。当日のコンディション次第でタイヤ交換ができることも、チューブラーに対してのメリットですね。」
3レースが開催されるほどの大盛況となったC4、各キッズレース、C3、C2、そして謎の魑魅魍魎(?)が闊歩したシングルスピードカテゴリーを終了し、特に大きなアクシデントも無く無事に全スケジュールは終了。ぶり返した真夏の暑さに一歩も劣らない、東海の、IRCのシクロクロス熱を感じた1日となった。
東海シクロクロスは今後、11月6日(日)のワイルドネイチャープラザ(JCX第4戦)、12月4日(日)の平田リバーサイドプラザと6戦が4会場にて開催される予定だ。
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji,Kikuzo,dsk24,So.Isobe
#crossiscoming!とうとう(もう?遂に?)シクロクロスシーズンがやってきた。関東で茨城シクロクロス第1戦が開催されたこの日、ラリーレースでも有名な愛知県は新城市では、東海シクロクロス第1戦となる「IRC TIRE 90thアニバーサリーカップ」が開催。思い出したかのようにやってきた夏の太陽に照らされつつ、日本国内のシクロクロスカレンダーが動き出した。
会場となったのは、豊かな自然とアウトドアスポーツが盛んな新城市にある「ふれあいパークほうらい」。中京圏はもちろん、関西や関東、信州からもシーズンインを待ちわびていたクロッサーが大挙押し寄せ、その数は優に400名以上!会場は朝早くからシクロクロスのキックオフにふさわしい賑やかさに包まれることになる。
タイトル通り、今回は創業90周年を迎えた地元名古屋のIRC(井上ゴム工業)が東海シクロクロスとコラボレーションした記念イベントとしての開催であり、それを祝うように塚本岳氏、柳原康弘氏、高松健二氏、鈴木雷太氏というかつてのMTB黄金期を支えたレジェンドが来場し、彼らが深く開発に携わった懐かしのタイヤとバイクたちもズラリと展示。トークショーやフォトセッションも開催され、往時を知る人にとってはタイムスリップした気分になったよう。
もちろんBUCYO COFFEEやCLT、深谷産業(ミノウラやエディメルクス)といった東海に欠かせないタレントも一同に集結。BUCYO COFFEEで使えるパスタやサンドイッチ、小倉トーストの無料チケット配布や参加記念Tシャツを着ていればドリンク飲み放題になるサービス、メカニックサービスなどなど、参加費3000円で大丈夫なの?と思ってしまうほどの充実ぶりで、来場者のIRC好感度もより一層急上昇したことは間違い無し?
さてレースはというと、珍しくトップクラスのC1から始まるタイムスケジュールで進行。太陽は出たものの、1週間降り続いた雨を吸った土は最後まで乾かず、1日を通してマッドコンディションに。しかも時間が経つにつれて水分が乾き、後半のカテゴリーでは重くまとわりつく泥でシーズンイン早々にディレイラーをもぐ方々も。。
最高峰カテゴリーのC1には松本駿(SCOTT)、山中真&國井敏夫のMilePost BMC RacingコンビらIRCのサポートライダーが集結。次第に山中と斎藤朋寛(GIANT)の先頭グループを國井が追う形となり、最後は激しいデッドヒートからパワーで抜け出した山中が勝利。フィニッシュ後には健闘を称え合う固い握手が交わされた。
SERAC CXに耐パンク強化バージョン「X-Guard」登場
このIRCカップで最も注目を集めていたのは、従来からホビーレーサーから高い人気を得ているチューブレスタイヤ「SERAC CX」の耐パンク強化バージョン「X-Guard」の発売がアナウンスされたことだろう。決戦タイヤとしてのチューブレスを一般化させたSERACだが、しなやかさと引き換えに唯一、サイドカットに弱いという弱点があった。そこで耐パンクベルトを強化し、さらに低圧でのエアリークを防ぐために剛性を高めたのが、今回発表されたX-Guardだ。
以下に開発ライダーとして協力した蜂須賀智也選手(CLT BUCYO COFFEE)のインプレッションを紹介しよう。特に今回のような泥コースでは低圧にできることのメリットが光ったようだ。
「ほぼ製品版まで仕上がったプロトタイプを去年の秋から使用してきました。とても出来の良いタイヤで、もともとロードで培われたケーシングを使っていて、重量は少しかさみますが剛性がとても高い。だからタイヤサイドが路面に対して潰れないのでしっかりとグリップし、従来品よりも低圧で乗ることができるんです。ギャップがあっても恐れずに走れますし、今日も低圧にできていたから泥の中でもラインを見極めることができました。従来よりも使用できる幅が広がっているので、初心者の方にもオススメしたいですね。
あくまで自己責任の範疇ですが、私はタイヤが潰れる感覚をつかむために1barほどの極低圧で練習することもあります。でもそこまで落としてもエア抜け、シーラント漏れはありませんでしたし、この部分はノーマルよりも圧倒的に強い。芝生やドライ路面では軽さで有利な従来品、木の根っこや岩場が多いコース、今回のような泥コースでは低圧にでき、パンクリスクの低いX-Guardと使い分けるのが良いと思います。当日のコンディション次第でタイヤ交換ができることも、チューブラーに対してのメリットですね。」
3レースが開催されるほどの大盛況となったC4、各キッズレース、C3、C2、そして謎の魑魅魍魎(?)が闊歩したシングルスピードカテゴリーを終了し、特に大きなアクシデントも無く無事に全スケジュールは終了。ぶり返した真夏の暑さに一歩も劣らない、東海の、IRCのシクロクロス熱を感じた1日となった。
東海シクロクロスは今後、11月6日(日)のワイルドネイチャープラザ(JCX第4戦)、12月4日(日)の平田リバーサイドプラザと6戦が4会場にて開催される予定だ。
text:So.Isobe
photo:Kei.Tsuji,Kikuzo,dsk24,So.Isobe
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