2016/07/31(日) - 09:50
7月上旬、東京・麹町にあるベルギー大使館にて、同国を代表する自転車ブランド「EDDY MERCKX(エディ・メルクス)」の2017モデル展示会が開催された。イベントの模様と共に、新型フラッグシップ「EM-525」を始めとした各モデルの概要を紹介していく。
多くのショップスタッフやメディア関係者が来場したエディ・メルクス2017モデル展示会
生涯通算525勝という空前絶後の戦績を誇る、ベルギーの史上最強ロードレーサーのエディ・メルクス氏。現役時代から機材へのこだわりが強かったという氏が立ち上げたバイクブランドがエディ・メルクス社だ。国内では深谷産業が正規輸入代理店を務めている。
7月に東名阪の3箇所で開催されたエディ・メルクスの2017モデル展示会。昨年に引き続き、東京の開催場所となったのは麹町にあるベルギー大使館だ。普段なら立ち入る機会すらないが、さすがは自転車競技を国技とする国の大使館。「ベルギーの発展に貢献できるイベント」ということで使用許可が下りたのだとか。ちなみに、2016年はベルギーと日本にとって国交樹立150周年という節目の年だ。
会場となった東京・麹町のベルギー大使館
レースシーンを切り取った風景写真で、ベルギーの雰囲気を演出
会場の各所にエディ・メルクス氏のレース写真が展示された
エディ・メルクス社に投資を行うPALM社のベルギービールが振る舞われた
天井が高く開放感のあるホールには、ほぼ全てのエディ・メルクス2017モデルが集結した。会場内にはメルクス氏の現役時代のレース写真や、ベルギーのレースシーンを切り取った風景写真が飾られ、自転車競技大国の雰囲気を演出。さらに、商談や新製品チェックの間には、エディ・メルクス社に投資を行うPALM社のベルギービールが振る舞われた。また、エディ・メルクス本国から2017モデルの案内役としてクリストフ・ウェイン氏が来日し、来場したショップ関係者と交流を図った。
この数年ラインアップが減少するなどやや元気が無かったエディ・メルクスだが、2017モデルの充実ぶりを見ると、2000年台前半の最盛期の勢いを取り戻してきた感がある。最大のトピックは、4年ぶりにハイエンドモデルを刷新したこと。そして、ロードとシクロクロスでディスクブレーキ仕様が増えている。
新型フラッグシップモデルEM-525を手にする本国スタッフのクリストフ・ウェインさんと深谷産業の赤田匠さん
ディスク仕様は前後共に12mm径のスルーアクスルを採用。RDのハンガーもリムブレーキ仕様とは異なる構造だ
ダウンチューブには「NO-ONE CAN TAKE THEM AWAY FROM ME. EVER.(これまで、誰一人としてこの記録を奪える者はいなかった)」と記されている
新たなハイエンドモデル「EM-525」は、メルクス氏のイニシャルと、空前絶後の現役通算勝利数を車名に冠した1台である。ベースとなったのは、恐らく一般に流通するロードバイクの中でも1、2を争うほど高い剛性を持つ従来モデル「EMX-525」。基本的な設計を受け継ぎながら、ダウンチューブの断面形状を変更し、スッキリとした見た目の内蔵シートクランプを採用するなど各部をアップデート。更なる高剛性化を図ると共に振動吸収性や安定性を高め、走行バランスを追求した。
ブレーキは、昨今のトレンドに合わせてリムブレーキ仕様とディスク仕様の2種類が用意される。ディスク仕様は前12x100mm/後12x142mmのスルーアクスル搭載で、キャリパー台座はフラットマウントだ。加えて、両ブレーキ仕様でレーシーな「Perfomance」とアップライトな「Endurance」という2種類のジオメトリーを用意されており、レーシングフレームにありがちな「フィットしないのでは?」という心配は無用だ。価格も見直され、EMX-525よりも買い求めやすくなった。
ディスク仕様が登場したレース系モデルのSanremo76
カーボン製エントリーグレードのSallanches64はリムブレーキとディスクの両仕様で展開される
完成車については全車種ともデダ・エレメンティのハンドル&ステムがアッセンブルされる
ディスク仕様は全車種ともフラットマウントに対応する
コンペティション向けモデルに位置づけられる「Sanremo76」と、グランフォンド向けのエントリーグレード「Sallanches64」にはディスクブレーキ仕様が登場。両モデルとも前後にスルーアクスルを搭載しており、エンドの寸法は前12x100mm/後12x142mm。キャリパー台座はフラットマウントで、両モデルともにジオメトリーはリムブレーキ仕様と共通。もちろん、リムブレーキ仕様も継続してラインアップされる。
エンデュランス指向の「Mourenx69」やアルミ製エントリーグレード「Blockhaus67」、レディースモデルの「Milano72」「Montreal74」はいずれも新カラーに。コロンバスZONAチューブ採用のクロモリフレーム「Liege75」と「Roubaix70」は2016年と同仕様となる。
カーボン製のレディースモデルMilano72
コロンバスZONAチューブ採用のクロモリフレームRoubaix70
スルーアクスル化&フラットマウント対応となったカーボン製CXバイクEEKLO70
TTバイクは、ステム及びブレーキに汎用品が使用可能なLugano68に一本化される
アルミ製グラベルロードSTRASBOURG71
シクロクロスのマスターズ全日本王者である筧五郎選手らも使用するCXバイク「EEKLO70」は、カーボン製のディスク仕様と、アルミ製のカンチ仕様という展開となる。ディスク仕様は前後ともスルーアクスル化され、キャリパー台座がフラットマウントとなり、今年のトレンドに沿った形だ。アルミ製のグラベルロード「STRASBOURG71」も同様である。
TTバイクはステム及びブレーキに汎用品が使用可能な「Lugano68」に一本化される。その「Lugano68」を設計ベースとし、サポートチームのトップスポート・フラーンデレンが各地の6日間レースで使用するトラックモデル「Copenhagen77」の国内展開も開始される。
より充実した2017モデルのエディ・メルクス
なお、「パーツにも妥協を許さない」という方針から、完成車については全車種ともシマノのコンポーネントをフルセットで採用する。ホイールはシマノ、フルクラム、DTスイスのいずれかのブランドで、ハンドルはデダ・エレメンティ、サドルはプロロゴと隙のないパーツアッセンブルとなっている。
各モデルの詳細やインプレッションについては、順次レビューコーナーで紹介していく予定だ。
text&photo:Yuya.Yamaoto
![多くのショップスタッフやメディア関係者が来場したエディ・メルクス2017モデル展示会](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/1-IMG_9845.jpg)
生涯通算525勝という空前絶後の戦績を誇る、ベルギーの史上最強ロードレーサーのエディ・メルクス氏。現役時代から機材へのこだわりが強かったという氏が立ち上げたバイクブランドがエディ・メルクス社だ。国内では深谷産業が正規輸入代理店を務めている。
7月に東名阪の3箇所で開催されたエディ・メルクスの2017モデル展示会。昨年に引き続き、東京の開催場所となったのは麹町にあるベルギー大使館だ。普段なら立ち入る機会すらないが、さすがは自転車競技を国技とする国の大使館。「ベルギーの発展に貢献できるイベント」ということで使用許可が下りたのだとか。ちなみに、2016年はベルギーと日本にとって国交樹立150周年という節目の年だ。
![会場となった東京・麹町のベルギー大使館](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/2-IMG_9966.jpg)
![レースシーンを切り取った風景写真で、ベルギーの雰囲気を演出](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/4-IMG_9846.jpg)
![会場の各所にエディ・メルクス氏のレース写真が展示された](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/3-IMG_9814.jpg)
![エディ・メルクス社に投資を行うPALM社のベルギービールが振る舞われた](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/5-IMG_9961.jpg)
天井が高く開放感のあるホールには、ほぼ全てのエディ・メルクス2017モデルが集結した。会場内にはメルクス氏の現役時代のレース写真や、ベルギーのレースシーンを切り取った風景写真が飾られ、自転車競技大国の雰囲気を演出。さらに、商談や新製品チェックの間には、エディ・メルクス社に投資を行うPALM社のベルギービールが振る舞われた。また、エディ・メルクス本国から2017モデルの案内役としてクリストフ・ウェイン氏が来日し、来場したショップ関係者と交流を図った。
この数年ラインアップが減少するなどやや元気が無かったエディ・メルクスだが、2017モデルの充実ぶりを見ると、2000年台前半の最盛期の勢いを取り戻してきた感がある。最大のトピックは、4年ぶりにハイエンドモデルを刷新したこと。そして、ロードとシクロクロスでディスクブレーキ仕様が増えている。
![新型フラッグシップモデルEM-525を手にする本国スタッフのクリストフ・ウェインさんと深谷産業の赤田匠さん](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/6-IMG_9827.jpg)
![ディスク仕様は前後共に12mm径のスルーアクスルを採用。RDのハンガーもリムブレーキ仕様とは異なる構造だ](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/7-IMG_9830.jpg)
![ダウンチューブには「NO-ONE CAN TAKE THEM AWAY FROM ME. EVER.(これまで、誰一人としてこの記録を奪える者はいなかった)」と記されている](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/8-IMG_9836.jpg)
新たなハイエンドモデル「EM-525」は、メルクス氏のイニシャルと、空前絶後の現役通算勝利数を車名に冠した1台である。ベースとなったのは、恐らく一般に流通するロードバイクの中でも1、2を争うほど高い剛性を持つ従来モデル「EMX-525」。基本的な設計を受け継ぎながら、ダウンチューブの断面形状を変更し、スッキリとした見た目の内蔵シートクランプを採用するなど各部をアップデート。更なる高剛性化を図ると共に振動吸収性や安定性を高め、走行バランスを追求した。
ブレーキは、昨今のトレンドに合わせてリムブレーキ仕様とディスク仕様の2種類が用意される。ディスク仕様は前12x100mm/後12x142mmのスルーアクスル搭載で、キャリパー台座はフラットマウントだ。加えて、両ブレーキ仕様でレーシーな「Perfomance」とアップライトな「Endurance」という2種類のジオメトリーを用意されており、レーシングフレームにありがちな「フィットしないのでは?」という心配は無用だ。価格も見直され、EMX-525よりも買い求めやすくなった。
![ディスク仕様が登場したレース系モデルのSanremo76](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/9-IMG_9854.jpg)
![カーボン製エントリーグレードのSallanches64はリムブレーキとディスクの両仕様で展開される](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/10-IMG_9871.jpg)
![完成車については全車種ともデダ・エレメンティのハンドル&ステムがアッセンブルされる](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/11-IMG_9864.jpg)
![ディスク仕様は全車種ともフラットマウントに対応する](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/12-IMG_9861.jpg)
コンペティション向けモデルに位置づけられる「Sanremo76」と、グランフォンド向けのエントリーグレード「Sallanches64」にはディスクブレーキ仕様が登場。両モデルとも前後にスルーアクスルを搭載しており、エンドの寸法は前12x100mm/後12x142mm。キャリパー台座はフラットマウントで、両モデルともにジオメトリーはリムブレーキ仕様と共通。もちろん、リムブレーキ仕様も継続してラインアップされる。
エンデュランス指向の「Mourenx69」やアルミ製エントリーグレード「Blockhaus67」、レディースモデルの「Milano72」「Montreal74」はいずれも新カラーに。コロンバスZONAチューブ採用のクロモリフレーム「Liege75」と「Roubaix70」は2016年と同仕様となる。
![カーボン製のレディースモデルMilano72](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/15-IMG_9788.jpg)
![コロンバスZONAチューブ採用のクロモリフレームRoubaix70](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/14-IMG_9888.jpg)
![スルーアクスル化&フラットマウント対応となったカーボン製CXバイクEEKLO70](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/16-IMG_9906.jpg)
![TTバイクは、ステム及びブレーキに汎用品が使用可能なLugano68に一本化される](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/18-IMG_9928.jpg)
![アルミ製グラベルロードSTRASBOURG71](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/17-IMG_9939.jpg)
シクロクロスのマスターズ全日本王者である筧五郎選手らも使用するCXバイク「EEKLO70」は、カーボン製のディスク仕様と、アルミ製のカンチ仕様という展開となる。ディスク仕様は前後ともスルーアクスル化され、キャリパー台座がフラットマウントとなり、今年のトレンドに沿った形だ。アルミ製のグラベルロード「STRASBOURG71」も同様である。
TTバイクはステム及びブレーキに汎用品が使用可能な「Lugano68」に一本化される。その「Lugano68」を設計ベースとし、サポートチームのトップスポート・フラーンデレンが各地の6日間レースで使用するトラックモデル「Copenhagen77」の国内展開も開始される。
![より充実した2017モデルのエディ・メルクス](https://www.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2016/07/17/19-IMG_9957-1.jpg)
なお、「パーツにも妥協を許さない」という方針から、完成車については全車種ともシマノのコンポーネントをフルセットで採用する。ホイールはシマノ、フルクラム、DTスイスのいずれかのブランドで、ハンドルはデダ・エレメンティ、サドルはプロロゴと隙のないパーツアッセンブルとなっている。
各モデルの詳細やインプレッションについては、順次レビューコーナーで紹介していく予定だ。
text&photo:Yuya.Yamaoto
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Eddy Merckx: The Cannibal (English Edition)
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