ニセコクラシックの開催など、自転車熱が年を追うごとに高まっている北海道は倶知安町とニセコ町。涼しく、湿度も低いサイクリングに最高の環境となる夏のニセコをロードバイクで駆け巡ったレポートを紹介します。



冬は極上のパウダースノーを求めて全国、全世界から多くのスキーヤー、スノーボーダーで賑わう倶知安町とニセコ町。しかしニセコの魅力はそれだけでなく、夏場にも雄大な自然の中でサイクリングや様々なアクテビティを楽しめる魅力的な街であることはご存知だろうか?

ジャガイモの花が満開。今がニセコの夏期ハイシーズンだジャガイモの花が満開。今がニセコの夏期ハイシーズンだ photo:Hideaki TAKAGI
ボードマンバイクスの熊坂和也マネージャーボードマンバイクスの熊坂和也マネージャー photo:Hideaki TAKAGI先日開催された市民ホビーレース、ニセコクラシック先日開催された市民ホビーレース、ニセコクラシック photo:Hideaki TAKAGIここニセコ周辺では近年、既にレポートをしたニセコクラシックの開催やRapha Prestageの開催など、夏場は自転車で町起こしをしようという機運が高まっており、花園ヒルクライムやネイチャーライドニセコなどと合わせて様々なイベントが企画されている。今自転車乗りにとってホットな地域と言って良いのだ。

そんな倶知安町とニセコ町にニセコクラシックの取材とともに北海道入りした渡邊が、倶知安町観光協会様から頂いたアドバイスを元に、実際にニセコの街を自転車で走りながらサイクリスト目線での取材を行った。

今回取材を行ったのは、ニセコクラシックの前後2日間。この地域にボードマンバイクスの代理店を構えるインテグレイテッドライディングジャパン株式会社様のご好意により、2日間ともボードマンバイクスの自転車をお貸しいただき、2日目にはニセコクラシックの70kmオープンレースで2位になった熊坂さんとともにニセコの町を疾走したのだった。

さて、ここから倶知安町とニセコ町のサイクリストおすすめのお店を、実際に走りながらポイントごとに紹介をしていきます。

ここニセコは、6月〜7月中旬頃は本州では梅雨の時期であるが北海道には梅雨がないため、カラッとした青空の中で自転車に乗ることができるのがとにかく最高だ。気温も30℃に届く日はほとんどなく、美しい独立峰の羊蹄山や、広大な土地に広がるジャガイモ畑の花をバックにサイクリングをすることができるという素晴らしい環境が整っているのだ。

1日目はとてもいい天気に恵まれて絶好のサイクリング日和。いつも走っている東京と比べると空がとても広くて空気が美味しい。大自然と青空のコラボレーションの下サイクリングをするだけでこんなにも心が洗われるものかと感動したほどだ。

取材中、ニセコクラシックのコースを試走する米田和美(Ready Go JAPAN)選手を発見。北海道出身の選手だ取材中、ニセコクラシックのコースを試走する米田和美(Ready Go JAPAN)選手を発見。北海道出身の選手だ photo:Hideaki TAKAGI
午前中の遅い時間から取材がスタートしたため、まずは腹ごなし。サイクリストにとって外せないランチポイントが「ニセコカリー小屋」だ。ここではスープカレーと自家焙煎した豆を使った美味しいコーヒーが何といっても最大の魅力だ。

今から28年前、今でこそ有名なスープカレー屋も札幌に4〜5軒ほどしかない時代からこの地で親しまれてきた老舗。オーナーの三好康司さんは愛媛出身ながら自転車で日本一周の最中に立ち寄った北海道が忘れられず、札幌に移り住んで会社務めをした後、ここニセコでロッジ兼レストランオーナーになった生粋のサイクリストだ。

スープカレーは土鍋と同じ素材のボウルに盛り付けされ、アツアツで提供される。具沢山な野菜とともに食べるカレーはスパイシーで辛さの中にコクがあってとても美味しかった。辛さは1〜13辛(!)まで選べるので辛いのが苦手な方にも、辛いのが好きな方にもオススメ。トッピングもさまざまな種類があり、人気なのはチキンカレーとポークカレーだそう。トッピングに揚げ物を選ぶこともでき、私は北海道産ジャガイモを使ったホクホクでジャガイモ本来の甘さを味わえるコロッケをチョイス。変わり種で三好さんの地元、愛媛のフグをつかったフライを選べることも。さらに持ち帰り用に自家製のレトルトも販売しているのでお土産にはぴったりだ。

ニセコカリー小屋のスープカレー。コロッケをトッピングニセコカリー小屋のスープカレー。コロッケをトッピング photo:Hideaki TAKAGIニセコカリー小屋 こだわりの自家焙煎コーヒーニセコカリー小屋 こだわりの自家焙煎コーヒー photo:Hideaki TAKAGI

ニセコカリー小屋では自家焙煎コーヒーのテイクアウトが楽しめるニセコカリー小屋では自家焙煎コーヒーのテイクアウトが楽しめる photo:Hideaki TAKAGIニセコカリー小屋代表の三好康司さん。自転車で日本一周をしたときの北海道のよさに惹かれて愛媛から移り住んだニセコカリー小屋代表の三好康司さん。自転車で日本一周をしたときの北海道のよさに惹かれて愛媛から移り住んだ photo:Hideaki TAKAGI


食後のコーヒーは日替わりで豆の種類が違うので、訪れるたびに違う味を楽しめるのが魅力。数種類の豆のコーヒーを飲ませて頂いたがどれも味のバリエーションに富んでいて、香りが良くとても美味しい。羊蹄山を窓辺に見ながら楽しむコーヒーは美味しさも倍増だ。

コーヒーを飲みながら店主と自転車談義に花が咲き、ついつい長居してしまう居心地の良さ。ここニセコの人々は外から来た人に優しいのが嬉しい。コテージも併設されているのでここに宿泊してニセコを満喫するのも良し。惜しみながらも店主に別れを告げ、次の目的地へ向かった。

ニセコカリー小屋
〒044-0081 北海道虻田郡倶知安町ニセコ高原ヒラフ山田74
http://www.curry-koya.com

起伏に富んだ走りやすい道と素晴らしい景色。取材日は好天に恵まれ、本当に走っていて気持ちが良い。都会と違って補給ポイントが少ないことに気を付けたいが、サイクリング途中にぜひとも立ち寄りたいスポットがある。それが「甘露水」と名付けられた湧水だ。

ニセコで有名な湧き水「甘露水」取材中も次々とサイクリストが訪れていたニセコで有名な湧き水「甘露水」取材中も次々とサイクリストが訪れていた photo:Hideaki TAKAGI
この天然水は昭和天皇、皇后両陛下がニセコを訪れた際にここの水を飲み、「甘露である」とおっしゃられたことから名付けられたそう。この周りのサイクリストには定番スポットのようで、取材中も次々と訪れているのが印象的だった。

実際に飲んでみるとキリッと冷たい水ながら柔らかい口当たりで、確かに甘いような気も?ミネラル分豊富とのことなので、水分補給にぜひ立ち寄ってみてほしい。ちなみに今回は立ち寄らなかったが、向かい側のニセコグランドホテルにある源泉掛け流しの日帰り温泉「若返りの湯」もオススメ。

〒048-1511 北海道虻田郡ニセコ町ニセコ412番地
甘露水はニセコグランドホテル向かい

この地を走っていると必ず目にするのが牧場。サイクリストなら皆大好き?なソフトクリームもあちこちで食べることができる。今回は生乳の生産量日本一の北海道の牛乳で作るソフトクリームを食べるためにニセコ町字曽我にある髙橋牧場が直営する「ニセコミルク工房」にお邪魔しました。

髙橋牧場直営のニセコミルク工房髙橋牧場直営のニセコミルク工房 photo:Hideaki TAKAGI
ニセコミルク工房 ソフトクリームは濃い牛乳の味ニセコミルク工房 ソフトクリームは濃い牛乳の味 photo:Hideaki TAKAGIニセコ昆布温泉 ホテル甘露の森ニセコ昆布温泉 ホテル甘露の森 photo:Hideaki TAKAGI髙橋牧場で朝絞った新鮮な牛乳をたっぷり使用したソフトクリームは牛乳以外の添加物を極力控えているため、牛乳の味がしっかりするがさっぱりとした後味がたまらない。素材に自信があるからこそ、この味が出せるのだなぁ、、と羊蹄山を眺めながら思う。他にもジェラートやシュークリーム等、こだわりの牛乳を使ったスイーツがたくさん揃っているニセコミルク工房、甘いもの好きであればぜひ立ち寄ってもらいたいスポットだ。

高橋牧場 ニセコミルク工房
〒048-1522 北海道虻田郡ニセコ町曽我888-1
http://www.milk-kobo.com

もっと走りたい!と思いながらも一日目の取材が終了。今回の取材で拠点とさせて頂いたホテルニセコアルペンは冬場はゲレンデにかなり近いことからスポーツギアを取り扱う売店や温泉等が充実。ヒラフ坂の頂上近くにあり、ここの坂はかなり良い斜度なので坂好きのサイクリストにはたまらないかも?もちろん自転車の部屋内への持ち込みはOKだが、予約の際にはご確認を。もちろん宿のお風呂は天然温泉で今日の疲れをゆっくりと癒すことができたのだった。

ホテルニセコアルペン
〒044-0081 北海道虻田郡倶知安町字山田204
http://www.grand-hirafu.jp/hotel_niseko-alpen/

次回はさらなる立ち寄りスポットとニセコのグルメを紹介します。気になるお土産のお酒情報も。乞うご期待!

取材協力:北海道後志総合振興局
report:Takuto.Watanabe