厳しくも、美しく走りごたえのあった石見グランフォンド2009から一週間。前後編のレポートを寄せてくれた矢口さんが今大会を雑感を交えつつ総括します。

1.参加者数

大会公式ホームページの中にある掲示板に完走者数が出ていました。(以下、引用)

200キロコース:完走者58名
180キロコース:完走者97名
140キロコース:完走者87名
リタイヤ:11名
当日欠席:15名   合計268名

140kmコースの人数ってのは大体分かるかな。色んな人とも話していたんですが、最初から140km目当ての人も少なくないだろうと。

意外だったのは180kmを選択した人が多かったこと。本当は200kmを目指していたのにチカラ的に諦めたのか、180/200分岐の時間足きりに間に合わなかったのか…。事情は人それぞれと思いますが、ここが多いのは意外でした。

大会前に感じていたこと。180と200の違いが良く分からないな、と。距離的には大差ないんじゃないかって。

だが、実際に走ってみて良く分かった。あの雲月の峠を走るかどうか。私もインナー・ローを使ってしまった、あの雲月。そこが無いだけでも、やはり違いは大きいんだなと。ってことで、今回のコース設計、140/180/200kmってのはとてもウマい設計だったんだなと感心してます。

140km or 180/200kmの分岐点140km or 180/200kmの分岐点 photo:Kenji Yaguchi

しかし、200kmコースが58名ってことは、私はほぼ終わりの方だったんじゃね。やれやれ。みんなスゴいわ。

2.天気

昨年の石見2008は2日間開催で1日目の天候が極めて悪く、多量リタイアを生んだが一転、今年はとっても快晴で気温が高かった。

もう少し曇ればいいのに。って走りながら雑談してたんだが、暑い1日でした。来年以降もウェア類は様々な天候に対応できるよう、レパートリー多目に持参すべきと思いました。

当日はこれ以上無いほどの快晴!むしろ暑すぎなくらいだった当日はこれ以上無いほどの快晴!むしろ暑すぎなくらいだった photo:Kenji Yaguchi

3.声援

朝のブリーフィングの時に言われていたのですが、コース沿道の地域の方々には、事前にアナウンスされているとのことでした。新聞の折込広告、地域の防災無線での放送など。
その甲斐あってか、おばあちゃんを中心として、沿道からの「がんばってねぇ~」って声援が今までの大会の中で一番多かったと感じた。嬉しいよね、元気出るよね。

各AS/CPのサポータの方の丁寧な対応や声援も十分に有難いのですが、沿道からの声ってのは本当にいいもんです。

4.機材トラブル

前日のアクアス→大田に走る時にパンクしてしまったし、プーリー辺りがキュルキュル鳴いてるのも気になって、当日の大会最中での機材トラブルを一番心配していた。もし自分がリタイアするなら機材トラブル原因やな。ってスタート前に思ってましたもの。

しかし当日はキュルキュル音はあるものの、パンクは1回も無くて良かった。けれど、登坂でダンシングするとBBが鳴っていたのも気になる。大会直前の大幅メンテは良くないですね。メンテした後、100kmほど走ってからエントリーすべきと感じた。

ロングライドにはしっかりと整備された愛車で挑もうロングライドにはしっかりと整備された愛車で挑もう photo:Kenji Yaguchi

5.体力/気力

走る前から昨年の300km/2日よりも、今年の200km/1日の方がハードルが高いとは思っていた。距離的な意味よりもアップダウンが多いって意味でね。完走できるかどうかって自信も半分だったってのが正直なところ。

グランフォンドの言葉の意味からして、また秋の出雲路センチュリーライドとの差別化って意味でも、今後も石見はよりハードなコース設計であり続けて欲しいと思います。日々鍛錬しときますから、また私らをヒィヒィ言わせちゃって下さい。

石見のコースは毎年変わりますが、様々なコース・レパートリーを組めると言うことは、島根の道はサイクルイベントに適した良い土地柄なんですね。

登りが多く、厳しいコースだけれど、それでこそ石見!登りが多く、厳しいコースだけれど、それでこそ石見! photo:Kenji Yaguchi

6.運営

だんだん良くなる法華の太鼓なんて云えば失礼なのですが、今回の大会は運営が良かったです。天候が荒れなかったってのもあるとは思いますが、各AS/CP、バイクサポート、関係者の皆さまのご苦労の賜物だと思います。本当にお疲れ様でした。
お陰で私ら参加者は幸せなロングライドを愉しませて頂きました。

各ASでの補給食やドリンクの量や種類も、私は適切だと感じてます。グランフォンドなのですから、田舎の接待みたいにやる必要は無いと思います。

要所要所でコース案内をしてくれるスタッフさん。おかげで気兼ねなく走れます要所要所でコース案内をしてくれるスタッフさん。おかげで気兼ねなく走れます photo:Kenji Yaguchiエイドステーションはロングライド参加者の心のオアシスエイドステーションはロングライド参加者の心のオアシス photo:Kenji Yaguchi


7.コース上で…

単なる偶然なのかも知れませんが、コースの道路って事前に清掃入ってませんでしたか?小腸道路のとこでも、路肩の草が刈られてアスファルト上の砂が除去されていたように見えたんですが…。

その他の場所でも、明らかに清掃してんだろうなと感じる地点がありました。これもサイクリスト・ビューさんのご苦労の賜物なのかと感じてます。

突き抜けるような道。気持ちよく走れました突き抜けるような道。気持ちよく走れました photo:Kenji Yaguchi

8.コース案内

例の矢印でのコース誘導。初めての人には難しいんだろうな。とは思います。でも主要な分かれ道では誘導サポートの方が立っておられ、安心できましたし何より、個人的にアップしてくれてたYoutubeのコース案内動画を何度も見てイメージトレーニングしていた甲斐がありました。

9.雑感 - 愉しんでなんぼ

今回の大会で思った。自転車雑誌とか見てると、正しいライド指南が良く出てるよね。ケイデンス上げて登りでもキープなどなど…。

でも他の参加者の方の走りを見て思った。56Tのアウターでゆっくりとしたペダリングなのに、スゲェ速さで登っていく姿。フロントホイール、あんなにフレてんのに…。バーテープ代わりにコットン巻いて。

そのほかにも、色んな人の色んな走り方を見て思った。セオリーはあくまでセオリー。走り方は人それぞれ。愉しんだモン勝ちやなと。

愉しんだモン勝ちの石見グランフォンド。愉しんだ参加者の方々と愉しんだモン勝ちの石見グランフォンド。愉しんだ参加者の方々と photo:Kenji Yaguchi

コンポのグレードが高い方が愉しめるなら、それでえーやん。高いフレーム乗るのが愉しみにつながるなら、それでえーやん。

所詮私らはホビー(趣味)ライダー。何に乗るか、どんなに走るか、どこにこだわりのポイントを置くか。プロには無い自由度が私らホビーには無限にある。完成車のブランド、どこがいいとかなんて、自転車乗りの満足度に与える影響度なんてほんの僅かなモノなんだなと。つくづく思う。

共に愉しみましょう、ロードバイク。


そして最後に…何度貰っても嬉しい完走証です。

何度もらっても嬉しい完走証。200kmの道のりが思い出される何度もらっても嬉しい完走証。200kmの道のりが思い出される photo:Kenji Yaguchi


text&photo:矢口 賢二


※3回に渡って石見グランフォンド2009の参加記を寄せてくれた矢口さん。ウェブ上ではサイクリストの雑感を綴るブログを好評運営中。こちらもご覧ください。

こなきの'ドンマイ10%'