「磯部さん、泥のシクロクロスレース走った後の洗濯ってどうやってるんですか?シミがぜんっぜん落ちないんですけど!」とヘタレが言ってきた。



「洗濯するまでがシクロクロス」、あるいは「洗車するまでがシクロクロス」とは、クロッサーの間で良く使う台詞である。そう言えば自分の洗濯だって汚れが落ちていることは落ちているけれど、完全に普通の洗い方だし、言われてみれば過酷な状況でウェアを酷使するプロ選手達はどのように洗濯をしているのか気になってきた。もしかしたら、プロはウェアの汚れ落としもプロフェッショナルたる技術を持ち合わせていたりするのだろうか?

と思いたったのが折しも11月半ば。日本シクロクロス界の一大イベント、野辺山シクロクロスの目前である。そう。野辺山シクロクロスといえば、泥。バイクに、そしてウェアにまとわりついては毎年幾多のディレイラーをもぎ、帰宅したシクロクロッサーにため息をつかせてきた、あの泥の祭典だ。

という訳で、日本はもちろんのこと、海外のトップ選手やそれに帯同するメカニックも一同に集う野辺山シクロクロスにおいて、この疑問を彼らにぶつけてみることにした。非常に緩いが、果たして自転車メディアにおいて前例の無いであろうこの企画、読者の方々の参考になれば幸いである。



CW: と、いうわけで野辺山は滝沢牧場にやって参りました。近年稀に見る泥地獄でブースエリアを歩くのも大変ですね。あ、設営のハイエースが片っ端からスタックしてる…。駐車場に弱虫ペダルシクロクロスチームを発見したので早速お話を聞いてみましょう。まずは山本和弘選手から。

整備に勤しむ弱虫ペダルシクロクロスチームの佐藤監督整備に勤しむ弱虫ペダルシクロクロスチームの佐藤監督
「レースから洗うまでウェアを絶対濡れた状態にキープすること。これが肝心です」(山本和弘・弱虫ペダルシクロクロスチーム)「レースから洗うまでウェアを絶対濡れた状態にキープすること。これが肝心です」(山本和弘・弱虫ペダルシクロクロスチーム) 山本:なになに?ウェアの洗い方とな。それはもう高圧洗浄機しかないでしょう!まず汚れたら高圧洗浄。自宅に帰ったらガソリンスタンドの洗車場でシューズもウェアもやっちゃいます。

CW:おおっと高圧洗浄ですか。ウェアまで高圧洗浄をかけてしまうのはプロの間ではスタンダードなのですか?

チームがサポートを受ける泥スッキリ本舗の洗剤チームがサポートを受ける泥スッキリ本舗の洗剤 山本:それとチームが「泥スッキリ本舗」という洗剤メーカーからサポートをして頂いていて、そこの環境に配慮した無リンの515という商品を使っていますね。黒土用の303、赤土用の305など、色々な種類があるんです。まず高圧洗浄して、洗剤を入れたお湯に浸け置きして手洗いします。

山本:あと一つ忘れちゃいけないのが、「レースから洗うまでウェアを絶対濡れた状態にキープすること」です。もう乾かしたら終わりです!そこです!そこがミソです!(だんだんと熱の入るカズさん)これはMTB時代から変えていませんよ!

CW:それは全部ご自分で?奥様は洗ったりしてくれないのでしょうか…?

山本:やって…くれないですよね(笑)。全部自分で片付けるのも昔から変わりません(笑)。

CW:ありがとうございました。カズさんは「高圧洗浄からの浸け置き手洗い派」でした。同じく弱虫ペダルシクロクロスチーム、U23の中原義貴選手にも話を聞いてみましょう。

中原:僕は手洗い派ですよ。洗剤で浸け置きですね。カズさんみたいにノウハウはあまり無いです(笑)

CW:中原選手もご自分で?

中原:合宿の時はもちろん自分ですよ。自宅でですか?...時たま、お母さんに…。

CW:中原選手は「浸け置き手洗い派」。若手ならではのご回答を頂きほっこり。ありがとうございます。

「洗濯機と家庭が壊れない程度まで手洗いします」(斎藤朋寛氏)「洗濯機と家庭が壊れない程度まで手洗いします」(斎藤朋寛氏) CW:ジャイアントブースに斎藤朋寛さんがいらっしゃいますね。ジャイアント・ジャパンのプロダクトマネージャーとしてフルタイムワークをこなしながら、現役か?というほどの結果を残す「サラリーマンレーサーの鏡」を地で行く凄い方です。さて、どのようにして泥を…

斎藤:いやね、僕くらいの選手になると1回使ったら捨ててます!!!

CW:!! ほんとですか?

斎藤:…嘘です(爆)。

真面目に言うと、レース現場には高圧洗浄機を持ち込んでいるので大まかに泥を落とし、自宅に帰ってから手洗いして洗濯機という3回工程です。ここまでしないと洗濯機と共に家庭が壊れちゃいますから。「洗濯機が壊れない程度まで手洗いする」ここまでやるのがシクロクロス。大丈夫ですかこれ?記事になるんですか(笑)。

CW:大丈夫です。全国のホビーシクロクロッサーにプロの洗い方を伝授するという使命がありますから。大事なことなので繰り返しますね。「洗濯機と家庭が壊れない程度まで手洗いする」。ご協力ありがとうございました。

「ホルメンコール製品を使っています。高圧洗浄機は使いません」(斉藤亮・ブリヂストンアンカー)「ホルメンコール製品を使っています。高圧洗浄機は使いません」(斉藤亮・ブリヂストンアンカー) CW:反対側のアンカーブースでは斉藤亮選手がアップしていますね。今年のMTB全日本選手権では3位、シクロクロスにも積極的に取り組むトップ選手。ウェアが白基調なので洗濯が大変そうです。

斉藤:泥汚れは基本的に風呂洗いですよ!自分がお風呂に入る時に一緒に洗います(笑)。今はホルメンコールにサポートして頂いているので、基本は「テキスタイルウォッシュ」を使い、シミになってしまった場合は「プレウォッシュスポーツ」というシミ抜きですね。これ使えばほぼ間違いありません。高圧洗浄機は使いませんね。

CW:斉藤選手は「入浴と一緒に手洗い派」。ありがとうございました。さてお次は三船雅彦さん。言わずと知れたシクロクロス、いや、日本自転車界のレジェンド。今回の野辺山ではチームのサポートに、自身のレース参戦に獅子奮迅のご活躍でした。

「高圧洗浄機はパワーがあるほどに良いよ」(三船雅彦氏)「高圧洗浄機はパワーがあるほどに良いよ」(三船雅彦氏)
三船:泥落とし言うたら、そらもう濡らしたまま高圧洗浄機しかないよね。特に全日本チャンピオンジャージみたいな白いのは、これ(高圧洗浄)やらんと白が戻らないのよ。濡れた状態をキープして、そしてから家で手洗いね。高圧洗浄機はパワーがあればあるほど良い。これは間違いない。

CW:レジェンドからのありがたいお言葉でした。「高圧洗浄機はパワーがあるほどに良い」。どんどん行きましょう。次はChainRingの山川惇太郎選手です。真っ白なジャージは大変じゃないですか?

山川:正直大変ですねー。僕はアレですよ。「ウタマロ石けん」です。

CW:出ました定番。固形派ですか?リキッド派ですか?

山川:固形派ですね。あとね、洗濯板を使うんです。

CW:.......おお!



現在6人中、高圧洗浄派3名:手洗い派3名(うち洗濯板派1名)

Vol.2へと続く。

text&photo:So.Isobe

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