さて、前回のレポートで大会最難関のハートブレイクヒルを超えたホノルルセンチュリーライド。まだ全体の10%ほどしか走っていないのに、密度の濃さに圧倒されぎみな編集部員・安岡がお届けする本大会のレポート後編です。



さて、意外と”なんてことはない坂”だったハートブレイクヒルに「ドキドキさせるなよ」心の中で文句をつけながらも通過した私。丘を登り切ったら一路海に向かって下っていく。海沿いの道路と合流するとすぐに表れるのが今大会初のエイドステーションであり、25マイルの折り返し地点であるサンディー・ビーチパークだ。

日本語で言えばなんてことはない”海水浴場”なわけだが、ビーチパークというとなんだか急にリゾート感が大幅アップするので、日本の海水浴場もビーチパークと改名するとイメージアップするかも。いや、しかし私の故郷大阪にある海水浴場の名前が”ぴちぴちビーチ”と”ときめきビーチ”だったのを思い出し「そういう小手先の問題ではないな」と思い直す。やはり大阪とハワイでは持って生れたリゾート力が違うのだろう。”ぴちぴち”ってなんやねん。

アメリカンに盛られたプレッツェルの山アメリカンに盛られたプレッツェルの山 スポーツドリンクがどんどん作られていくスポーツドリンクがどんどん作られていく

大会初めてのエイドとなるサンディー・ビーチパーク大会初めてのエイドとなるサンディー・ビーチパーク
メカニックブースも各エイドごとに用意されていたメカニックブースも各エイドごとに用意されていた まずは無事に第1エイド到着記念まずは無事に第1エイド到着記念


少し話が逸れてしまったが、サンディービーチパークのエイドステーションではオレンジやバナナといったフルーツやプレッツェルが用意されていた。日本のイベントでもよく出てくる果物であるのだけれども、南国の太陽を浴びているオレンジをみると数倍おいしそうに見えてくるから不思議だ。他のエイドでも出されたプレッツェルはどことなく”かりん糖”に似た感じ。

水やスポーツドリンクの補給もあったのだが、日本の水とは違った味わい。硬水というのだろうか、日本の水が無味無臭とするとすこししょっぱいような味がする。最初は慣れなかったが汗をかいてミネラルが不足してくると、むしろおいしく感じられてくる。

補給を済ませて、再びカラニアナオレ・ハイウェイを走っていく。住宅街の中を通ってきたこれまでのパートと海岸線沿いのパートは同じ道とは思えないほど、違うイメージを与えてくれる。海の匂いを感じるような、シーサイドライドをしばらく続けると、岬への登りが姿を見せる。

ハートブレイクヒルよりも斜度が緩いうえ距離も短いので、ここも少し我慢すればすぐに通り過ぎることが出来る程度の登り坂。それでも登り切ったところに絶景というご褒美が用意されているのは、さすがリゾートライドの面目躍如といったところ。マカプウ湾に浮かぶマナナ島は、”ラビット・アイランド”と呼ばれており、「昔たくさん食用ウサギが放されていた」とか、「ウサギの形に見える」とか、由来には諸説あると聞いてはいたものの、私には全くウサギには見えない。

マカプウ岬へと登っていきますマカプウ岬へと登っていきます
すぐそこに青い海が広がっているすぐそこに青い海が広がっている カラニオナレ・ハイウェイのシーサイドエリアカラニオナレ・ハイウェイのシーサイドエリア

マカプウ湾の絶景を眺める参加者たちマカプウ湾の絶景を眺める参加者たち マカプウ湾に浮かぶラビットアイランド。ウサギに見えます?マカプウ湾に浮かぶラビットアイランド。ウサギに見えます?


自分の貧困な想像力に涙しながらも、車列は一路ジャングル地帯へと突入していく。ハワイって海と砂浜しか無いんじゃないんじゃないの?というようなステレオタイプな思い込みに支配されていた私にとって、こんなジャングルがハワイにあることが想像の埒外。再び想像力の欠如を思い知らされながらも、ムワっとした空気に満ちたジャングルを進んでいく。

ちなみに前日からの天気予報では雨予報だったのが、ここまではぐずついているもののなんとか曇りという状況。しかし私たちがジャングルに入ったところで路面が濡れており、ところどころには水たまりが。どうやら、局地的に雨がかなり降ったよう。

ギリギリセーフ、「やっぱり日ごろの行いが良かったんだな」と考えていると一緒に走っていた今中さんがストップ。どうやらパンクのようで、先に行っていてくれとのこと。普通なら、いや止まって待ってますよ、というところだが「今中さんだし、どうせすぐに追いついて来るよね?」ということでそのままエイドに向かって走り続ける一同。

第2エイド手前で、猛追してきた今中さんと合流。ジャパンカップレジェンドクリテリウムにむけて練習するためにわざと止まったのでは?という疑念を胸にしまいこみながら、第2エイドへと到着。このエイドの名物はシェイブアイス。まあなんのことはない、かき氷である。ただちょっと、少しカラフルなだけのかき氷である。かき氷であることには間違いない。うん。

メロンを掻きこむ今中さんメロンを掻きこむ今中さん ブルーハワイを食べる絹代さんブルーハワイを食べる絹代さん

カラフルなシロップがふんだんに掛けられたシェイブアイス。往復ともに出してもらったので、私は全色制覇しました。頭がキーンとなりました。カラフルなシロップがふんだんに掛けられたシェイブアイス。往復ともに出してもらったので、私は全色制覇しました。頭がキーンとなりました。
エイドにはミニゲームコーナーもエイドにはミニゲームコーナーも スプロケットのタトゥーをいれたカメラマンスプロケットのタトゥーをいれたカメラマン


日本でもかき氷ブームといわれているが、天然氷を使ってふわっふわに仕上げられた芸術作品のようなかき氷が人気を集めているのに比べると、いかにもアメリカといった具合の原色のオンパレード。しかも、作ってくれているのが地元の小中学生のようで、楽しんで作っているのがビンビン伝わってくる。

人生でこんなにかき氷を作る機会はそうそうないだろうし、テンションが上がるのは理解できる。そしてそのテンションそのままに、シロップをかけまくるのだ。そして、混ぜたりもするのだ。その様子はまさにカオス。ちょっと手を出すのに勇気がいるが、食べてみると普通においしい。しかし、黄色のシロップはレモンだろうと思って手をだしたら、バナナシロップで酸味が一切なかった時の衝撃は忘れられない。

さて、色とりどりのシロップで口をカラフルに彩ることに成功したら、次のエイドへ向けて出発。75マイル折り返しとなるエイドまでは、内陸部を通るルートで緩いアップダウンが連続するコース。オーバーペースにさえ気を付けていれば問題は無いはず、だったのだけれどもここでまさかのミスコース。

事前のコース地図では、右に曲がるところが当日に直進に変更されており、それに気づかないまま右折してしまったのだ。しかも間違えたのが今中さんを含む速い人達だったので大変。気づかずに下り坂を飛ばすグループに必死になって追いつき、ミスコースを伝えてくれた参加者の方の優しさに救われ、なんとか正規のルートへと復帰。

カメハメハ・ハイウェイの海沿いの区間を走る。すぐそこが海で落っこちそう。カメハメハ・ハイウェイの海沿いの区間を走る。すぐそこが海で落っこちそう。
少し前は天気が悪く、海も黒かったのですが、走っていると少し晴れ間が出てきました。少し前は天気が悪く、海も黒かったのですが、走っていると少し晴れ間が出てきました。 でも走っているうちに、海が青く見えてきました。やった!でも走っているうちに、海が青く見えてきました。やった!

ところどころは舗装が悪いところもあります。私はこの後パンクしました。ところどころは舗装が悪いところもあります。私はこの後パンクしました。 もう少しで海沿いの区間ですよもう少しで海沿いの区間ですよ


スタート前のアナウンスで言っていたのはこれか。完全にしてやられた、と思いながら、第3エイドへ急ぐ私たち。そう、第3エイドは妙に制限時間が厳しく、ここを通過できないと100マイルは走れないのだ。次々と折り返してくる参加者と挨拶を交わしつつも、時計とにらめっこしながらもくもくと走り続ける。少し、いやかなり焦る私。

さすがに100マイル折り返しまでいけなかったら取材としては失敗ではないのか。いや、むしろオイシイぐらいのポジティブシンキングで行くべきか。そんなことをぐるぐると考えている私の前を走る編集長は、泰然自若に構えて淡々と走り続けている。これが組織の長としての器の違いか。あと10分……8分……6分……。

5分を切りそうになったところで、なんとか第3エイドに到着。しかしさすがに時間が無いので、ここでは水を汲んでトイレにいくだけでそそくさと出発。エイドのスタッフも、しきりに残り時間を連呼していたのでそそくさと退散。チキンの屋台が出ていたのが気になっていたけれど、ここはグッと我慢だ。

さあ、最後の区間となる100マイル折り返し地点までの道のり。事前勉強として、昨年のレポートを読んでいた私は、この区間がホノルルセンチュリーライドのハイライトであると知っている。そう、道路のすぐ脇にまで青い海が迫ってきており、もうすぐにでも飛び込みたい!というような絶景が私たちを待っている、そのハズなのだ。

100マイル折り返し地点到着!100マイル折り返し地点到着! あとは折り返すだけですよ!あとは折り返すだけですよ!

走り切ったも同然記念にパシャリ走り切ったも同然記念にパシャリ ノースショアの海を眺めながら昼ごはんノースショアの海を眺めながら昼ごはん

堤防に腰掛けながらお昼タイム堤防に腰掛けながらお昼タイム ここまでくればかなり安心ですここまでくればかなり安心です


うきうきしながらペダルを踏む私。心なしかペダリングも軽やかだ。そしてついに、絶景区間にたどり着いた。しかし、そこにあったのはどんよりとした曇り空とその空を映してすこし灰色の海。ガーン。これは悲しい。悲しすぎる。そこに追い打ちをかけるように、小雨がパラついてくる。なぜだ。私が一体何をしたっていうんだ。ずーんと重くなる気持ち。あわよくば飛び込んでやれと、背中に入れておいた水着が急に重く感じられてしまう。

そんな重い私の気分を反映するように急にペダリングが重くなってしまう。心の疲れは身体にも影響するものなのか、人間とは不思議なものだ、とボケたことを考えてしまったが、どう見てもパンクです。ありがとうございました。といっている間にも柔らかくなっていくリアタイア。しかし、75マイル地点をクリアしたとはいえ、時間に余裕があるわけでも無く、みなに迷惑をかけないため100マイル折り返しまではリアホイールをゴトゴト言わせながら走る私。

まさに踏んだり蹴ったりである。だんだんと集団から遅れていき、あわや視界から消えてしまうぐらい離れたところで、なんとか100マイル折り返し地点であるスワンジービーチパークへと到着したのだった。命からがら、という気分でまずはパンク修理。ちょうど、トップツアーのサポートカーが到着しており、メカニックの栗田さんにお願いしてササッと直していただいた。

原因は雨によって浮いてしまった細かいガラス片。ありがちなパターンであるが、このタイミングじゃなくてもと思ってみたり。しかし、なんとか無事に100マイル折り返しまで到着できたので良しとしよう。むしろ、ちょうどエイドに辿りつける距離だっただけ幸運だともいえるハズ。

ゴール地点に向けて走っていきますゴール地点に向けて走っていきます 私、安岡も気を抜かず走っていきます(2度パンクしましたけど。)私、安岡も気を抜かず走っていきます(2度パンクしましたけど。)

途中ツアー参加者がトラブルに見舞われても、すぐにサポートできるよう、取材道具に加えてパンク修理キットや応急セットも持っていました。途中ツアー参加者がトラブルに見舞われても、すぐにサポートできるよう、取材道具に加えてパンク修理キットや応急セットも持っていました。 編集長も今中さんと走っていきます編集長も今中さんと走っていきます

エイドとなった学校はいつもはキャンパスで自転車は禁止。エイドとなった学校はいつもはキャンパスで自転車は禁止。 急に雨に降られてエイドステーションへ緊急避難急に雨に降られてエイドステーションへ緊急避難


最後尾に近いため、スワンジービーチパークでもエイドのふるまいはあまり変わらず。ちょうどコンビニが近くにあるため、参加者は思い思いにお弁当やおにぎりを買って昼ごはんにしている。私もスパムおにぎりを二つ買って海を眺めながらパクつく。そうしていると、少し空が明るくなり、海の色もきれいに見えてきた。落としてから、上げるとはハワイはどうしてなかなかニクイ演出をするところである。

すっかりテンションも元通りになって、折り返しの帰路に就く。基本的には同じ道なので特筆すべきものもないだろう、というのは甘い考えだった。左にあった山が右に、右にあった海が左に見えるだけで、景色は全く違った表情を見せてくれる。同じコースながらも新鮮な気分で残りの50マイルを走ることができるのだ。

とはいえ、一度通っているコースは短く感じるもの。順調にゴールにむかって進んでいた私たち取材班。しかしその時突然のスコールが取材班を襲う。素早くビニール袋を出してカメラを覆うものの、あまりの雨足の強さに編集長のカメラが故障してしまうというトラブルに見舞われてしまった。

そして悪いことは立て続けに起こる。そう、本日2度目のパンクが私を襲ったのだ。またしても、というタイミングである。本来、他のツアー参加者さんのトラブル時に対応できるように持ってきたチューブを自分で2本も使い果たしてしまった私に編集長の目線が突き刺さる。つらい、つらすぎる。

100マイルの旅路を終えてゴール!100マイルの旅路を終えてゴール!
夫婦仲良く手をつないでフィニッシュ!夫婦仲良く手をつないでフィニッシュ! 現地ライダーも次々に帰ってきます現地ライダーも次々に帰ってきます

こちらは仲間とフィニッシュこちらは仲間とフィニッシュ ゴール後にはトップツアーブースで一休みゴール後にはトップツアーブースで一休み


しかし、ここでまた折よくサポートカーが到着したことで、手際良く修理することができた。トップツアーさまさまである。どちらかといえばサポートする側でもあったのだが、取材としては一般参加者の目線に立つことも大切だ。特に今年は、道端でパンク修理をしている参加者が多く、メカニックは忙しかったよう。ついでに、壊れてしまった編集長のカメラと、明日以降の取材のために大事をとって私のカメラを車に積んでもらってゴール地点を目指す。

最後のエイドでは、ツアー参加者のかたがパンクしてしまったとのことで、ここぞとばかりに修理をお手伝い。しかしカメラは預けてしまったので証拠写真は残念ながら、ない。うーん、なんだか間が悪い。仕方がないので、ゴールへ向けてひた走る。

ゴール地点となるカピオラニ公園で、カメラを再度ピックアップし、フィニッシュしてくる参加者を迎える。100マイルの長旅を終えて、ゴール地点に帰ってきた参加者たちの表情はみな明るい。走り始めにダイアモンドヘッドでみた、朝焼けにも負けないほど明るい笑顔で帰ってくる皆をみていると、いろいろとトラブルがあったけれども、本当に良いライドだったなと実感できる。

普通のイベントなら、雨が降って、カメラが壊れ、2度もパンクしてと不運に見舞われればもうやってられるか!となるところを、ま、いっか。と前向きに捉えられたのは、南国ハワイならではの雰囲気ゆえ。その上、トップツアーのサポートがしっかりしているので、トラブルが起きてもストレスが最小限に抑えられるということも大きい。

完走証をゲットしたら後はホテルに戻るだけです完走証をゲットしたら後はホテルに戻るだけです
さて、本番を走り終わってホテルに帰った後には、後夜祭。おいしい料理を頂きながら、絹代さんの司会で大会本番でのエピソードを語り合ったり、豪華賞品の当たる抽選会があったり。次回は、参加者の皆さんのエピソードを紹介しつつ、後夜祭の様子をお届けしよう。

text:Naoki.Yasuoka
photo:Makoto.AYANO Naoki.Yasuoka

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