4月12日(土)、千葉県袖ケ浦市に位置する袖ヶ浦フォレストレースウェイにて、「THE KAIMAKU '14 powered by WizSpo!!~キタゼッ!自転車シーズン!~」が初開催された。その名の通り、本格的なシーズン開幕を告げるこのサーキットエンデューロには613人のライダーが集った。それでは今大会の模様をレポートしていこう。



春を感じる陽気の中約600名のサイクリストが袖ヶ浦に集まった。春を感じる陽気の中約600名のサイクリストが袖ヶ浦に集まった。
晴れ渡る晴天がサイクリングシーズン開幕を祝福してくれるかのようだった晴れ渡る晴天がサイクリングシーズン開幕を祝福してくれるかのようだった 陽炎ができるほどの暖かな陽気のなかイベントを満喫できた陽炎ができるほどの暖かな陽気のなかイベントを満喫できた


公道イベントを含め、多くのエンデューロイベントを擁するWizSpo!!Bicycleシリーズの第1戦として、春の柔らかな陽射しの下開催された「THE KAIMAKU '14 」。その名の通りWizSpo!!Bicycleシリーズの、そして自転車イベントシーズンの「開幕」を告げるイベントだ。冬の間トレーニングを積んできたサイクリストの目標となるレースとしてはうってつけ。

アクアラインを使えば都内からもアクセス良好なのが特長で、地元の千葉県からだけではなく、東京都や神奈川県等、東京湾を越えて参加したチームが多かったとのこと。397チーム、613人が袖ヶ浦に集まり、中には仙台からはるばる参戦された方も。多くの参加者に恵まれたイベントだが、人気の秘密は、シリーズ戦方式を採用することにもあるだろう。

2014年は全8戦を予定するWizSpo Bicycleシリーズでは、各イベントごとの上位者にポイントを割り振っていき年間チャンピオンを決定する。そして、年間チャンピオンには豪華な賞品(2013年はGURU製カーボンフレーム)が贈られるという、レーサー心をくすぐる仕組みだ。他にも、記録速報を確認できたり、WizSpo Bicycleシリーズのレース会場や周辺で使用でいるクーポンを入手できたりするスマートフォン向け専用アプリ「WizSpo!!メンバーズ」をリリースし、シリーズ全体を盛り上げていく仕掛けを随所に施している。

WizSpo!!ガールのみなさんWizSpo!!ガールのみなさん WizSpo!!ガールは選手の応援に始まり、表彰式、給水、計測チップ回収(!)と大活躍WizSpo!!ガールは選手の応援に始まり、表彰式、給水、計測チップ回収(!)と大活躍

ゲストライダーの中村誠選手と佐藤咲子選手ゲストライダーの中村誠選手と佐藤咲子選手 オリジナルの応援グッズも販売されるオリジナルの応援グッズも販売される


6時半の駐車場オープンでは、他のエンデューロで見られるような渋滞はほとんど発生せず、穏やかな雰囲気の中参加者が開場入りしていく。それは、袖ヶ浦フォレストレースウェイが潤沢に駐車場を備えていることと、参加チームごとにピットの割り振りが事前に決まっているため、我先に争わずともスペースがきちんと確保されている安心感によるものだ。

7時半からはコース試走が始まるため、早々に準備を終えた参加者たちはゼッケンと計測チップを装着し、コースに出ていく。ほとんどの方にとって、久しぶりのイベントとなるであろう本イベントでは事前の試走の重要性がMCの絹代さんのアナウンスによって何度も説かれていた。特に本大会のコースは道幅が広く走りやすいものの、ヘアピンカーブなどのテクニカルなセクションもあるため、事前に試走することは安全上の観点からも非常に重要だ。

ローリングスタートを先導するバイクにはサインを出す大会スタッフがタンデムするローリングスタートを先導するバイクにはサインを出す大会スタッフがタンデムする 主催者より、諸注意が周知されるライダーズMTG主催者より、諸注意が周知されるライダーズMTG

号砲と共に一斉にスタート!号砲と共に一斉にスタート!
今大会では8時25分~12時25分までの4時間エンデューロ、13時30分~15時30分までの2時間エンデューロ、そして両方に参加する6時間エンデューロという3つのカテゴリーが設けられている。4時間エンデューロのみの参加であれば、午後には帰宅できるため渋滞に巻き込まれることもない。一方、2時間エンデューロのみであれば、13時の受付終了までにゆっくり会場入りすることもできる。もちろん6時間エンデューロに参加して、1日中レース三昧という楽しみ方をしているチームも非常にたくさん参加していた。

4時間、2時間の各レース開始15分前からはライダースミーティングが行われ、ピット入り口が右側にあるため遅い人は右側走行、早い人は左側走行とする、キープライトの説明や、各種フラッグサインの意味や、ローリングスタートといった走行ルールについての説明がきちんと行われ、参加者への周知徹底が図られていた。

ヘアピン手前で減速を呼びかけるコース監察員ヘアピン手前で減速を呼びかけるコース監察員 落車発生時に二次災害を防ぐためにアウト側へと参加者を誘導する大会スタッフ落車発生時に二次災害を防ぐためにアウト側へと参加者を誘導する大会スタッフ

AEDを装備した救護スタッフが常にコースを見守っているAEDを装備した救護スタッフが常にコースを見守っている 集団のコントロール方法を打ち合わせする集団のコントロール方法を打ち合わせする


アップダウンがそれほど激しくなく全体を通して緩やかなコースプロファイルと十分に広いコース幅、良好な路面コンディション、そしてなんといっても参加者を照らす春の暖かな陽射しによって参加者は気持ちよく1周2.4kmのサーキットを走り抜けていった。

ただ、あまりにも気持ち良い天候のせいか、つい踏みすぎてしまった参加者も多かったようで2か所のヘアピンを中心に何度か落車も発生していたよう。ただ、そんなアクシデントが発生しても、固定監察スタッフが慌てず走行中のライダーを誘導することで2次災害を防ぐとともに、AEDを持った移動救護スタッフがすぐさま駆けつけるという万全の体制がとられており、緊急事態でもしっかりした対応をしてくれる安心感のある運営であることが見てとれた。

チップ交換すれば直ぐに走り出せるようチームメイトを押してあげる姿もチップ交換すれば直ぐに走り出せるようチームメイトを押してあげる姿も 「出し切ったぜえー!!」「「お疲れさまー。」」「出し切ったぜえー!!」「「お疲れさまー。」」

無線を駆使して戦略を練るチームもありました無線を駆使して戦略を練るチームもありました おいしそうなにおいにつられていくとなんと豚汁を作っているチームもおいしそうなにおいにつられていくとなんと豚汁を作っているチームも

コーディネートがばっちり決まったキッズも応援!コーディネートがばっちり決まったキッズも応援! 子供が多い大会でした子供が多い大会でした


スタートから30分もたつと、ピットエリアには、第一走者のたちが次々と帰ってくる。シリーズ戦の序盤ということもあり、トップ争いは接戦となっており優勝争いに絡んでいるチームのスピーディーな計測チップ交換は1秒のタイムロスをも許されないF1のピットを思い起こさせるほど。

一方、走り終えた人や出番を待つチームメンバーは、ピットの外にブルーシートやテントを設営し、仮眠をとったりご飯を食べたり、ローラー台でアップをしたりとさまざまな時間を過ごしていた。普段は自転車に乗りながらのコミュニケーションが多いチームメンバーとまったりと過ごせる時間はエンデューロイベントの魅力だろう。

スタッフが1時間ごとの速報を掲出すると、たくさん参加者が集まってきますスタッフが1時間ごとの速報を掲出すると、たくさん参加者が集まってきます 記録計測をおこなってくれたスタッフのみなさん記録計測をおこなってくれたスタッフのみなさん

ホームストレート後の坂がきつくここでちぎれる人は多かったようホームストレート後の坂がきつくここでちぎれる人は多かったよう ピット閉鎖前に交代しておく作戦ピット閉鎖前に交代しておく作戦


また、出展社も大会規模に比して非常に多く、カナダのハンドメイドオーダーカーボンフレームブランド「GURU」を始め、オーパスやトンプソン、タオカスといった普段あまりお目にかかることのできない通好みのバイクブランドがブースを構えていた。バイクメーカーに加え、テーピング体験ができるファイテンや、オーダージャージのチャンピオンシステムも出展しており、待機中の参加者が多く訪れていた。

競技終了時間が近づきピット閉鎖がアナウンスされると、ホームストレート沿いの観戦エリアには出走していないチームメイトがびっしりと詰めかけ、最終走者に全てをゆだねて熱の入った応援が繰り広げられた。特に2時間の部の終了時には、6時間の部の総合成績も決まるため応援には一層熱が入っていた。

フィニッシュに向けて縦に伸びる先頭集団フィニッシュに向けて縦に伸びる先頭集団
フィニッシュ後にチームメイトに迎えられるフィニッシュ後にチームメイトに迎えられる 渾身のスプリント勝負が繰り広げられました渾身のスプリント勝負が繰り広げられました


最後のスプリント勝負も終わり、クールダウンの周回が終わった参加者たちはピットロードを経由して仲間たちの元に帰ってくる。2時間、4時間、はたまた6時間共に戦ったチームメイトを暖かく迎え入れる姿を見ていると、自分のためだけに走るのではなく、チームにつなぐために走るエンデューロっていいなあとしみじみ感じてしまう。

競技が終われば、表彰式が待っている。2時間、4時間、6時間の種目ごとに性別、車種、ソロ/チームとカテゴリが分かれているため、入賞の門戸はかなり広く開かれている。中には、WizSpo!!Bicycleシリーズポイント獲得数によって「叙々苑焼き肉30,000円分」(!)が争われる「焼き肉争奪!パーティーCUP」というような特別賞も設けられており、レースの後のたんぱく質をかけて盛り上がりを見せていた。

シリーズ戦の人気投票が行われ、1位の大会に投票した人の中から抽選で完成車がプレゼントされるシリーズ戦の人気投票が行われ、1位の大会に投票した人の中から抽選で完成車がプレゼントされる ソロカテゴリーではチャンピオンジャージが送られていました。ソロカテゴリーではチャンピオンジャージが送られていました。
入賞したぜ、どやっ!!入賞したぜ、どやっ!!
さて、このようにビギナーから上級者まで様々なレベルのホビーレーサーが楽しめる「THE KAIMAKU '14 powered by WizSpo!!~キタゼッ!自転車シーズン!~」。全8戦となり、よりパワーアップしたWizSpo Bicycleシリーズの幕開けに相応しい、笑顔あふれるイベントだった。次戦は5月25日(日)に開催される温泉ライダーin加賀温泉郷となる。現在、ソロ部門は定員に達しているものの、チームエンデューロは若干空きがある模様。4月30日(水)がエントリー締切となるため、早めのエントリーが良いだろう。

text:Naoki.YASUOKA
photo:CW編集部

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