2013年8月31日(土)、山梨県北杜市に8m級スタートヒルを擁する世界基準のBMXコース「Yuta's Bike Park(通称YBP)」がオープンした。この施設は2008年よりオリンピックの正式種目となったBMXスーパークロスでのメダリスト輩出を目的としている。

完成した8m級スタートヒルとYBPを発案した栗瀬裕太(mongoose)完成した8m級スタートヒルとYBPを発案した栗瀬裕太(mongoose) (c)YBP Project
中央自動車道の長坂ICや小淵沢ICから車で約15分、八ヶ岳や権現岳の麓に位置する山梨県北杜市に「Yuta's Bike Park(通称YBP)」がオープンした。このコースはBMXスーパークロス(SX)でのオリンピックメダリストを輩出を目的として、プロのBMX・MTBライダーである栗瀬裕太(mongoose)がコースのデザインから建設、資金集めを行った上で完成した。

そもそも、BMX SXとは車輪径が20インチ以下のBMXレーサーを使用し、大小様々な形状のジャンプやバームと呼ばれるコーナーなどが設けられた約400mのコースで争われる競技のことを指す。高い競技性がある一方、時速50kmにも達するスタートヒルと呼ばれるスタート地点からのダウンヒルや大きなジャンプなどエンターテイメント性が高いことが特徴だ。

ビル2階分の高さを誇るスタートヒルビル2階分の高さを誇るスタートヒル (c)YBP Projectスタートヒルからの眺めスタートヒルからの眺め (c)YBP Project

世界を基準とした難易度の高いジャンプ世界を基準とした難易度の高いジャンプ (c)YBP Project栗瀬が実際に重機を動かしてコースの建設を行った栗瀬が実際に重機を動かしてコースの建設を行った (c)YBP Project


2008年の北京オリンピックから正式種目になっており、日本人選手としてはの長迫吉拓や三瓶将廣が世界選手権等で活躍している。しかし、世界レベルの選手がいるにも関わらず、全国各地に存在するBMXコースに対応して折らず練習環境が不足しているといった問題があり、これまで国内最大級であった6m級よりも高いスタートヒルなどの建設が急務となっていた。

この様な背景からプロライダーとしての経験とコース建設の技術・ノウハウを持つ栗瀬が自ら立ち上がり、地域住民などの力を借りてYBPを建設。加えてネット上でプロジェクトへの賛同者を募り資金を集める「クラウドファンディング」と呼ばれるサービスを利用し、234人の支援者から260万円以上の支援金が集まったことで巨額の建設費が掛かるスタートヒルの建設にこぎつけた。

コースはアジア初の8m級スタートヒルに加え、高く長い飛距離が出る様に設計されたジャンプなどで構成され難易度の高いレイアウトとなっており、国内トップ選手たちに向けて開放されるとのことだ。

三瓶将廣(右、システマティックBMX)など国内のトップレーサーがYBPの完成を待ちわびていた(写真は完成披露イベントの様子)三瓶将廣(右、システマティックBMX)など国内のトップレーサーがYBPの完成を待ちわびていた(写真は完成披露イベントの様子) (c)YBP Project栗瀬の活動から将来の五輪メダリストが生まれることを願わずにはいられない栗瀬の活動から将来の五輪メダリストが生まれることを願わずにはいられない (c)YBP Project


現在のところ、YBPはエリートライダーに向けたコースのみとなっているが、来春を目処に初中級ライダーに向けたコースが造設される予定で、完成次第正式オープンになる。また、フリースタイルBMXでも活躍する栗瀬とあってYBPにはダートジャンプ用のコースも併設され、同競技のスター軍団「TEAM HARO」によってテストが行われ好評を博している。

まだまだ日本国内においては知名度が低いBMXスーパークロスだが、他のマイナー競技同様に世界、そして将来を見据えて日々鍛錬する選手がいることも確かだ。YBPがそんな選手たちの支えとなり、ここから将来のオリンピックメダリスト、延いては先日開催が決定した2020年東京オリンピックで金メダルを獲得する選手が現れることを願わずにはいられない。

オープンまでのコース造設の様子とプレゼンテーション当日の模様を動画で紹介する。

Yuta's Bike Park
場所:山梨県北杜市長坂町小荒間1823
アクセス:中央自動車道 長坂IC、小淵沢ICから車で約15分
コースの詳細などはこちらから


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