レース中の落車でE3ハーレルベーケを途中リタイアしたファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)。病院の検査で腰椎の骨折が判明し、この後のクラシックレース出場を断念することになった。



落車したファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)の顔が歪む落車したファビアン・カンチェラーラ(スイス、トレックファクトリーレーシング)の顔が歪む photo:Tim de Waele


再び走りだすも厳しい痛みで途中リタイア再び走りだすも厳しい痛みで途中リタイア (c)CorVos腰椎横突起の右側の骨折が判明した腰椎横突起の右側の骨折が判明した (c)Trek Factory Racing「非常に速いスピードでそれは起きた。誰かが突然ブレーキをかけ、僕には行き場がなく、ただ突っ込むしか術がなかった。」と、カンチェラーラは40km地点で起きた落車を振り返る。

逃げを見送り、平穏が訪れたかに見えたプロトンを襲った大クラッシュ。下りの石畳区間で抜け落ちたボトルがその原因だった。セバスティアン・ラングフェルド(オランダ、キャノンデール・ガーミン)、ラース・ボーム(オランダ、アスタナ)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)らが巻き込まれる中、一番大きな被害を被ったのはカンチェラーラだった。

カンチェラーラは落車後に再スタートを切るも、ほどなくリタイアを選択。病院のレントゲン検査で腰椎横突起骨折していることが判明し、カンチェラーラのクラシックシーズンは突如終わりを迎えることになってしまう。

レース序盤に発生した大落車レース序盤に発生した大落車 photo:Tim de Waele「倒れていた2、3人を飛び越え、積み重なっていたバイクの上に落ちたんだ。あちこちに選手が倒れていて深刻な集団落車だとすぐに悟った。落車した後しばらくしてからバイクに再び乗り、レースを続けようと試みたが腰と左手首、肋骨の痛みがひどくレースを終えざるをなかった。ギプスも手術も必要なく、この骨折にできることは何も無い。あるのは激しい痛みだけ。」

カンチェラーラのクラシック戦線脱落を受け、トレックファクトリーレーシングGMのルーカ・グエルチレーナは以下のようにコメントしている。

「ロードレースで落車は遅かれ早かれ誰にでも起こること。でもファビアンは我々にとってどれだけ重要な選手か理解しているからこそ、今回のニュースを聞いて落胆した。まずは彼の健康と、100%のコンディションを取り戻すことが重要だ。確かに今回のニュースはチームにとって良いニュースではないが、ファビアンが休んでいる間は、彼らにとってステップアップとアピールをする機会となるだろう。」

また水曜日のドワーズ・ドア・フラーンデレンで落車し、怪我を押して出場したラース・ボーム(オランダ、アスタナ)も巻き込まれており、日曜日のヘント〜ウェヴェルへムを欠場する見込み。同じく落車したジョン・デゲンコルブ(ドイツ、ジャイアント・アルペシン)やグレッグ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシング)には大きな怪我が無かった。

text:Gakuto.Fujiwara,So.Isobe
photo:Tim de Waele,CorVos
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