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ワタキ商工株式会社 ニコー製作所

豊富な在庫と商品量 スポーツバイクなら何でも揃う名古屋市北区の住宅街にあるプロショップ
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ワタキ商工株式会社 ニコー製作所 外観
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店舗入口から縦に長くスペースがとられたパーツコーナー
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気持ちのいい笑顔で迎えてくれる吉田幸司店長(左)とスタッフの飯塚さん(右)、小林さん(中央)
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店の奥は元作業スペース。ロードバイクの完成車が展示されている
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ずらりと並ぶヘルメットやフレームの数々。掘り出し品があるかも?
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店舗奥の展示コーナーにはハイエンド系スポーツバイクがずらりと並ぶ
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右手ビルのシティバイク、クロスバイク、タウンバイクの展示ルーム
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置いてある自転車の種類だけ様々な層のお客さんが来店する
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「何でもある」と感じさせるほど天井までびっしりとバイクやフレームが並べられる。
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都市型のショップとあってクロスバイクのコーナーも品揃えは豊富だ
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スタッフ皆がサイクリストなので、ライディングのアドバイスは的確だ
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お客さんの相談に乗る飯塚さん。パーツの使い方や選び方のアドバイスなどを聞きながら買い物ができる
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スポーツバイクのサイズ選びはフィッティングマシンを使って細かくチェックする
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マルチなサイクリストである吉田店長のアドバイスは的確かつ親切だ
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店舗内にはゆっくりアドバイスを受けられるスペースが用意されている
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天井のストックヤードから整備済みバイクが降りてくる。かつて工房だった面影がある
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各ブランドごとのバイクが並ぶ。その在庫数の多さに楽しく選べそうだ
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旧車を探している人にも嬉しい在庫量と展示だ
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30年モノのチネリ・スーパーコルサが良い状態で展示されていた。コレクターにもたまらないだろう
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ガラスケース内の商品展示量に圧倒される
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車種選びの相談にはとことん時間をかけて説明に応じる
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店が常時用意する駐車場はじつに24台ぶん! クルマでの来店にも万全だ
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店舗裏手の休憩スペース。お客さんの憩いの場だ
名古屋周辺には、歴史のあるショップや、大規模のサイクルプロショップが他のエリアと比較してとても多いように感じる。今回取材を行った「ワタキ商工 ニコー製作所」も例外では無く、創業1921年という、長い歴史を持つ大型サイクルショップだ。

ニコー製作所が店舗を構えるのは、名古屋駅から地下鉄を乗り継いだ、黒川駅から徒歩およそ10分の場所。マップを頼りに「ここで合っているのかな…。」とやや不安になりながら、住宅街の中を進んだ先にショップはある。4代目を務める、爽やかスマイルの店長・吉田幸司さんが迎えてくれた。「ずっと昔からこの場所ですね。建物を直したり、増築を続けながらやってきました。」というショップは3つの建物からなり、販売・メカニックブースは120〜130㎡と広い。ちなみに駐車場は24台ぶんを常備し、クルマでの来店に万全に対応する。

店内にはロードレーサーを中心としておよそ250台、多い時ではおよそ350台の展示車がディスプレイされるという。取材時には2017年モデルの展示車が入荷しており、聞けば「なるべくお客様に「旬」のものをスピーディーにお渡しできるような体制を整えています。」と幸司さん。ロード中心ながらクロスバイクやMTB、ランドナー、パーツ・アパレル類も非常に在庫量が多く、全て巡るには丸一日がかりになるだろう。見て楽しむこともできるショップだ。

「ワタキ商工 ニコー製作所」という、一瞬工務店かと思ってしまうような店舗名は、その昔、オリジナルブランドのフレーム製作を行っていたことに由来する。幸司さんは小さい頃から祖父(現会長)がフレームのロウ付けや、ヤスリがけしている姿を見てきたそうだ。自転車一家・家族経営。そう言われてみると、店内には何となく、作業場だった時の雰囲気を感じ取れる。
歴史あるお店というと、頑固な職人さんがいて、店内もごちゃっとしていて…。というイメージがあるが、ニコー製作所はそんなステレオタイプに当てはまらないショップだ。働いているスタッフは幸司さんを含めて若く、店内にはポップな音楽が流れている。

「歴史がありつつも、それにこだわる訳ではありません。どんどんと新しいものを取り込む柔軟性を大事にしていますよ。」と幸司さんは語る。昔から家族のみで経営を行い、スタッフが増えたのは7年前のこと。家族経営であることの「良い所」、つまり親身な対応は昔から一貫しており、これからも変えないそうだ。前述した「柔軟性」も、この部分に繋がることだろう。

ニコー製作所は、初心者からコアなサイクリストにまで対応できるお店作りを行っている。だが、一番大切にしているのは、これから始めたい、そして乗り始めたばかりのビギナー。仲間内で集って楽しむお店ではなく、初心者さんが気軽に入店しやすい雰囲気づくりに気を使っているという。

「例えば僕が別の趣味をはじめようとして、専門ショップに行ったとします。でも常連さんがたむろっていると、"ちょっとなー…"と二の足を踏んでしまいます。外へ出ればすぐに気づきますが、当事者になるとなかなか気づきにくいこと。常に外から見た時のことを意識していますね。」と幸司さん。自身もすぐに家業に就いた訳ではなく、一般企業で仕事を経験してから入社したそう。常に"外側から見た時"に注意を払うのは、そういった経験があるからこそだろう。「僕もまだまだ勉強中の身ですから」と笑う。
続いて幸司さんに、メカや整備面に関する心得を聞いた。「自分が乗って、嫌だなと思うバイクは絶対に売らないこと。つまり少しでも何か不満があれば調整し、妥協点を安易に求めないんです」にこやかに対応してくれた幸司さんだが、整備面に関する話となると時折真剣な表情がのぞく。曰く、"安価なコンポーネントがついているから変速が悪いのはしょうがない"と捉えるのではなく、できる限り最大限の性能を発揮させたい、と。

商品の在庫や展示台数の多さのほか、持ち込み修理の依頼も非常に多いことがニコー製作所の特徴だろうか。スタッフそれぞれが多くの台数を触っているため、自然と練度も上がってくるのだろう。ケミカルを変えてみたり、ワイヤーの長さや張りに関しても、毎回毎回微妙に変えたりして、試行錯誤しているそうだ。

「見て、実際に触ってみないと技術というものは身に付きません。」と吉田さんは言う。展示会はもちろん、メーカーの試乗会にはできる限り参加して見聞を広めているそうだ。他のショップで組まれたバイクが修理で持ち込まれた場合でも、「断るどころか、むしろ勉強になります」と、ポジティブかつ勉強熱心な姿勢を崩さない。
メカニックの基本は実践主義でありながら、アメリカで運用されているセロッタなど、整備マニュアルに関しても「そういった教科書には間違いを書いてある訳ではありませんよね」と、全く肯定するわけでもなく、自分の経験もあわせて判断する姿勢を崩さない。常に柔軟で、お客のオーダーに対しても「これはダメ」と決めつけず「一緒に考えて取り組む」というスタンスだ。安全が確保される場合には、かなり突っ込んだカスタム工作にも対応できるという。それは確かな技術力あってこそのものだろう。

ニコー製作所が大事にしているのは、お客様第一に考えること。「ビジネス的な目だけで見た場合あまり良くないことかもしれませんが、あまり商売商売していないんです。真摯に対応して、僕らも楽しんで、大きなお店ではできないような柔軟な対応もしています。それは父親の時から同じです。多分、その前からずっとそうだったんでしょうね」と幸司さん。

取材時には、平日の午前中にも関わらずひっきりなしにお客さんが来店していたが、幸司さんやその他のスタッフの丁寧な対応が目立った。そして、スタッフ同士は皆仲が良く、気軽に意見しあえる環境が見て取れた。お客目線で見ても安心して通える小さくないポイントの一つだ。

取材の最後に幸司さんが語ってくれた。「お客様と一緒に長くつきあって行きたい。僕らはなるべく要望に応えるように努力するし、気兼ね無くリクエストを出して頂きたい。それはどんな価格帯の自転車であっても一緒です。最初クロスバイクから乗り始めた人が、面白さにはまってステップアップしていく姿を見るのが嬉しいんです」と話す。

ロードバイクにマウンテンバイク、そして最近はトライアスロンに挑戦している吉田店長。そしてスタッフは皆サイクリングを趣味として楽しんでいる。だからお客さんの視点に立ってアドバイスができる。

歴史がありながらもそれに固執せず、柔軟な対応を心掛けるニコー製作所は、さながら自転車界のニューウェーブといったところだろうか。どんなオーダーにも応えうる、信頼のプロショップだ。
店舗情報
郵便番号
462-0059
住所
愛知県名古屋市北区駒止1-116
営業時間
10:00~19:00

新型コロナ対策のため営業時間の短縮やご来店制限など変更されている場合があります。必ずホームページにて確認のうえご来店ください。
定休日
水曜日(祝日・祭日除く)
TEL
052-981-0170
アクセス
地下鉄黒川駅より徒歩8分

35.198960661202, 136.90227535

スタッフからのメッセージ
住宅街の中にあるスポーツバイクプロショップです。ロードバイクの取り扱いが多いですが、MTBにも本気です。パンク修理からカスタムチューニングまで幅広く対応していますので、ほんの些細なことでもお気軽にご相談頂ければと思います。

お客様と永くおつきあいをし、一緒に自転車を楽しみたいですね。ちょっと場所が分かりにくいかもしれませんが、ご来店お待ちしております。