シーズン中盤も選手権大会が続く。全日本の個人TTとMTB、学生選手権TTから高校生と大学生の頂点の戦いまで。6月から8月までを振り返ってみよう。

6月

チャンピオンジャージを着る山本幸平(スペシャライズドレーシングチーム)と片山梨絵(SPECIALIZED)チャンピオンジャージを着る山本幸平(スペシャライズドレーシングチーム)と片山梨絵(SPECIALIZED) photo:Akihiro.NAKAO全日本MTB選手権はオリンピックの関係で例年より早く行われ、それぞれの選手が連覇記録を伸ばした。XCOは山本幸平(スペシャライズドレーシングチーム)が5連覇、片山梨絵(SPECIALIZED)が9連覇をそれぞれ達成。2人とものちにオリンピック代表選手に。ジュニアは沢田時(ブリヂストン・アンカー)が2連覇。DHIは清水一輝(AKI FACTORY TEAM)が2連覇、末政実緒(FUNFANCY/INTENSE)は13連覇を達成。片山はシーズン終盤に引退を発表した。
東日本ロードで廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)がキャリア初の優勝東日本ロードで廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)がキャリア初の優勝 photo:Hideaki.TAKAGI

この6月には学生選手権が3レース行われた。チームTTは2位に4分近い大差をつけて中央大学が圧勝。個人TTは安井雅彦(東京大学)と小島蓉子(日本体育大学)が優勝。個人ロードは木村圭佑(京都産業大学)と上野みなみ(鹿屋体育大学)がそれぞれ優勝。この結果を受けてツール・ド・北海道への推薦校が決まった。

実業団Jプロツアーでは栂池と富士山のヒルクライムで増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が連勝、ヒルクライムではもはや敵なしに。そして群馬で行われた東日本ロードは廣瀬佳正(宇都宮ブリッツェン)がキャリア初の優勝。チームを4年前に立ち上げた男がそのジャージをまとって表彰台の中央に。そしてシーズン終盤に引退を発表した。


全日本選手権個人タイムトライアルは、男子エリートは西薗良太(ブリヂストンアンカー)が初優勝、女子エリートは萩原麻由子(サイクルベースあさひ)が5連覇を達成。佐野淳哉(チームNIPPO)は2年連続2位に。結果、男子エリートと学生選手権男子はそれぞれ東京大学のOBと現役生が制したことに。

全日本選手権個人タイムトライアルで優勝した西薗良太(ブリヂストンアンカー)全日本選手権個人タイムトライアルで優勝した西薗良太(ブリヂストンアンカー) photo:Sonoko.TANAKA萩原麻由子(サイクルベースあさひ)が5連覇を達成萩原麻由子(サイクルベースあさひ)が5連覇を達成 photo:Sonoko.TANAKA


7月

宇都宮ブリッツェンの快進撃は止まらない。広島で行われた西日本ロードで中村誠が、福島県石川町での石川ロードは増田が制し5連勝。特に石川ロードはワン・ツー・スリーを達成し、シーズン中盤にして年間総合優勝を見据えられるほどに。
高校生たちの頂点の大会、それがインターハイ。今年は新潟県で行われ、ロードはその地元新潟の片桐善也(吉田高校)が優勝。冬場にロードトレーニングができない逆境を円谷崇監督とともにはねのけた。ポイントレースは小林泰正(高崎工高)が高校生離れの走りで圧倒。団体追抜は和歌山北高校が精鋭ぞろいの昭和第一学園高を下して優勝。

石川ロードで増田成幸と飯野智行(宇都宮ブリッツェン)がワン・ツーフィニッシュ石川ロードで増田成幸と飯野智行(宇都宮ブリッツェン)がワン・ツーフィニッシュ photo:Hideaki.TAKAGIインターハイロード優勝の片桐善也(新潟・吉田3)。地元大会での快挙だインターハイロード優勝の片桐善也(新潟・吉田3)。地元大会での快挙だ photo:Hideaki.TAKAGI


8月

東京・お台場で初の自転車レースが行われた。Jプロツアー湾岸クリテだ。フジテレビジョンのお台場サイクルフェスティバルの注目イベントとしておこなわれ、辻善光(チーム右京)が優勝、チームも個人も今季2勝目。
ジュニア世界選トラックで日本チーム(高士拓也、伊藤和輝、小林泰正、鈴木康平)は4分16秒248というエリートをも上回る日本新記録を樹立した。これはJCFのジュニア世代強化策とギヤ比緩和がもたらした結果と言っていい。
屋内板張り250mバンクの伊豆ベロドロームで行われた全日本選手権トラックでは好記録が続出。なかでも橋本英也(鹿屋体育大)が4km個人追抜で出した4分30秒441の日本新記録は18歳で出したことも意義が大きい。

湾岸クリテで辻善光(チーム右京)が今季2勝目湾岸クリテで辻善光(チーム右京)が今季2勝目 photo:Hideaki.TAKAGI全日本選手権トラック、個人パーシュート 橋本英也(鹿屋体育大)が4分30秒441の日本新記録全日本選手権トラック、個人パーシュート 橋本英也(鹿屋体育大)が4分30秒441の日本新記録 photo:Hideaki.TAKAGI


大学生達の頂点の戦い、それがインカレだ。今年は鹿児島県で行われた。トラック種目では屋外にもかかわらず好記録が続出。4km団体追抜は4分20秒の争いとなり鹿屋体育大学(高宮、山本、長瀬、橋本)が4分20秒293の学連新記録で優勝。また末木浩二(日本大学)は短距離3種目優勝を2年連続の偉業を達成。ロードは鹿屋と日大の攻防の中、抜け出した中尾佳祐(順天堂大学)が優勝、女子は上野みなみ(鹿屋体育大学)が制した。注目の大学対抗総合は日本大学がついに驚異の30連覇を達成した。

順天堂大学初のインカレロードチャンピオンの中尾佳祐順天堂大学初のインカレロードチャンピオンの中尾佳祐 photo:Hideaki.TAKAGIインカレ男子総合 日本大学は驚異の30連覇を達成インカレ男子総合 日本大学は驚異の30連覇を達成 photo:Hideaki.TAKAGI


photo:Sonoko.TANAKA、Akihiro.NAKAO、Hidaki.TAKAGI
text:高木秀彰

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