ツール・ド・スイスを制したサクソバンクが、7月4日に開幕するツール・ド・フランスのメンバー9名を発表した。アンディとフランクのシュレク兄弟(ルクセンブルク)を始め、ファビアン・カンチェラーラ(スイス)やスチュアート・オグレディ(オーストラリア)らが揃う。

エースを担うアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)エースを担うアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:Cor VosチームCSC時代の昨年ツールで、カルロス・サストレ(スペイン)を総合優勝に導いたサクソバンク。その主人公サストレはチームを離れたが、ビャルヌ・リース監督率いるこのデンマークチームは相変わらずの強力なラインナップを揃えてきた。チームは大会連覇を狙ってフランスに降り立つ。

リース監督はチーム公式サイトの中で「今年に限ったことではないが、メンバーセレクトは難しい決断だった。この(ツールの)時期に調子を合わせている選手が多いので、贅沢な悩みだったよ。今回セレクトした9名は精鋭揃い。彼らが力を合わせれば、初日から最終日まで主導権を握れる」と、自信をのぞかせる。

弟とともに5度目のツールに挑むフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)弟とともに5度目のツールに挑むフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:http://www.aotdl.com/チームの主軸となるのはアンディとフランクのシュレク兄弟だ。グランツール初出場の2007年ジロ・デ・イタリアで驚きの総合2位に入った弟アンディは、昨年のツールで失速しながらも総合11位&マイヨブラン(新人賞ジャージ)獲得。グランツールの未来を担うと期待されるこの逸材は、今年のリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで勝利して再び注目を集めた。

兄フランクも総合を狙える実力の持ち主。ツールでは2006年にラルプデュエズを制し、昨年はマイヨジョーヌを着用した(最終的に総合6位)。今シーズンはツアー・オブ・カリフォルニアの最終ステージを制し、パリ〜ニースでは総合2位。地元のツール・ド・ルクセンブルクでは総合優勝に輝いている。

シュレク兄弟を支えるファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク)シュレク兄弟を支えるファビアン・カンチェラーラ(スイス、サクソバンク) photo:www.tds.chこの最強ブラザーズを支えるのは強力なアシストたち。山岳から平地系の選手まで、様々な状況に対応できるよう、バランスよく選手を揃えてきた。

中でも注目はツール・ド・スイスでステージ2勝を飾り、見事初総合優勝に輝いたカンチェラーラ。昨年のツールでは、このカンチェラーラのアシストぶりが光った。リース監督も「ファビアン(カンチェラーラ)の調子がとてもいいので、初日からマイヨジョーヌを獲得するチャンス」と期待を寄せる。

リース監督は「総合成績の基礎が作られる(第4ステージの)チームタイムトライアルでも、チームは強さを発揮するだろう。チームにはフランクとアンディ(シュレク)という強力なカードが2枚あり、他のメンバーはアシストとして彼らを支える。サクソバンクにとって素晴らしいツール・ド・フランスになることを信じている」と、シーズン最大の闘いに向けて意気込みを語っている。

サクソバンクのツール布陣
アンディ・シュレク(ルクセンブルク)
フランク・シュレク(ルクセンブルク)
ファビアン・カンチェラーラ(スイス)
スチュアート・オグレディ(オーストラリア)
イェンス・フォイクト(ドイツ)
ニキ・セレンセン(デンマーク)
クリスアンケル・セレンセン(デンマーク)
グスタフエリック・ラーション(スウェーデン)
クルトアスル・アルヴェセン(ノルウェー)