2周目、與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)がペースを上げて鶴CC上りをクリアする2周目、與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)がペースを上げて鶴CC上りをクリアする photo:Hideaki.TAKAGIオープン女子 独走勝利を飾った與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)オープン女子 独走勝利を飾った與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!) photo:Hideaki.Takagiこれから世界への挑戦が始まる與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)これから世界への挑戦が始まる與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!) photo:Hideaki.TAKAGI
全日本2位の與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)が経験1年で制した女子、ベテランの戦いを岩島啓太(なるしまフレンド)が、そして好調の黒枝士揮(鹿屋体育大学)が制した男子2クラス。いずれも実力者達が栄冠を手に。

與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)が制したオープン女子

3周42.3kmで行われたオープン女子。有力候補は過去2勝の西加南子(LUMINARIA)、一週間前のMTBアジア選手権優勝の片山梨絵(SPECIALIZED)、山岳に強い金子広美(イナーメ・アイランド信濃山形)、トラックもこなす上野みなみ(鹿屋体育大学)そして4月の全日本選手権ロード2位の與那嶺ら。

上りで金子、片山、與那嶺らがペースを上げるが集団のまま。2周目後半の鶴CCの上りで與那嶺が先頭に立つなどペースを上げて人数が絞られる。
そして3周目の古賀志林道で與那嶺がさらにペースを上げて単独で頂上を越える。後続は片山単独、さらに上野みなみ(鹿屋体育大学)らが続く。
下りから平地区間でも與那嶺のペースは落ちず、むしろ2位以下との差を広げていく。そしてゴールへ大差をつけて飛び込んで見事初優勝。

ゴールするときにはすでに泣いていた與那嶺。「たくさんの人にお世話になった。武井さんに言われたとおりに走って勝つことが出来て嬉しい」と語る與那嶺は自転車を始めてまだ1年。今春4月の全日本選手権ロードでは、優勝した萩原麻由子(サイクルベースあさひレーシング)に、ゴールぎりぎりまで先行しながら負けて2位。6月の全日本個人TTでも同じく2位。しかし経験たった1年で国内の頂点に立つことができた。
「2位以下だったら自転車を辞めさせることも考えていた。そして圧倒的な力で勝つことが目標だった。それが達成できた。これからは世界を目指して戦わせたい」と語るのはバイクショップフォルツァの武井きょうすけ氏。
與那嶺の世界への挑戦はまだはじまったばかり。期待の新人が早くも結果を出した。

オープン男子1組 最終周回に入る先頭集団オープン男子1組 最終周回に入る先頭集団 photo:Hideaki.TAKAGIオープン男子 第1組 高岡亮寛(イナーメアイランド・信濃山形)とのスプリントを制した岩島啓太(なるしまフレンド)オープン男子 第1組 高岡亮寛(イナーメアイランド・信濃山形)とのスプリントを制した岩島啓太(なるしまフレンド) photo:Hideaki.Takagiオープン男子2組 最終周回へ、先頭集団オープン男子2組 最終周回へ、先頭集団 photo:Hideaki.TAKAGIオープン男子2組 ゴール前、黒枝士揮(鹿屋体育大学)が伸びるオープン男子2組 ゴール前、黒枝士揮(鹿屋体育大学)が伸びる photo:Hideaki.TAKAGI
男子オープンは200人を越えたため規程どおりに、U23とジュニアの2組目と、それ以外の1組目に分けられた。2分差のスタート。5周+1周の計80.8kmで行われた。

岩島啓太(なるしまフレンド)が制した1組目

オープン男子1組目は23歳以上の選手たち。西谷雅史(オーベスト)、高岡亮寛(イナーメアイランド・信濃山形)、岩島啓太(なるしまフレンド)らがペースを作り集団は上りのたびに小さくなる。2周目に20人ほど、3周目には10人ほどになる。最終周回、高岡が逃げるがこれに岩島が追いつき2人でゴールへ。ゴール前で岩島が高岡を離して優勝。2人ともツール・ド・おきなわ市民最長クラスやこのジャパンカップオープンなど優勝の実力者。1組目は終始逃げを打つ積極的な走りに。

好調の黒枝士揮(鹿屋体育大学)が圧倒した2組目

オープン男子2組目は2分の時差スタート。1周目鶴CCではは小石祐馬(チームユーラシア)がやや先行するが2周目は一団に。3周目に岡篤志(キャノンデール・スペースゼロポイント)、黒枝士揮(鹿屋体育大学)、面手利輝(EQADS)の3人が逃げる。4周目にはこの3人に小石が合流。
5周目に先頭は黒枝、岡、山本隼(中央大学)、木村圭佑(京都産業大学)、小石の5人に。メイン集団では前年の覇者、小橋勇利(ボンシャンス飯田)がアタックをかけて独走、これに橋詰丈(昭和第一学園高校)らが反応、やがて集団に。先頭の5人でのゴール勝負を黒枝がスプリントで圧勝。第2集団は小橋先頭でゴール。
「スプリントには自信があった。山本元喜が途中まで引いてくれたりして、2週間前の学生クリテの雪辱を果たせて嬉しい」と語る黒枝は、ツール・ド・北海道第1ステージ優勝など今シーズン好調。2位には高校2年の岡が入り非凡な力を見せた。
2分差スタートで1組目のメイン集団を2組目の先頭が追い抜く際など、選手にとってわかりにくい場面もあったようだが最終的には勝敗に影響しなかった。



結果
ジャパンカップオープン女子
1位 與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)1時間17分01秒
2位 片山梨絵(SPECIALIZED)+1分18秒
3位 上野みなみ(鹿屋体育大学)+1分53秒
4位 西加南子(LUMINARIA)
5位 金子広美(イナーメ・アイランド信濃山形)+2分01秒
6位 福本千佳(同志社大学)+2分10秒

ジャパンカップオープン男子 第1組
1位 岩島啓太(なるしまフレンド)2時間09分20秒
2位 高岡亮寛(イナーメアイランド・信濃山形)+09秒
3位 青木峻二(エル・ドラード)+24秒
4位 ノハレスニエト・エドガー(Peugeot Cycles Nippon)
5位 西谷雅史(オーベスト)
6位 原充弘(竹芝サイクルレーシング)
7位 田端伸行(SPACEZEROPOINT)+2分09秒
8位 大村寛(Peugeot Cycles Nippon)+3分10秒
9位 大場政登志(チームユーラシア)
10位 石垣賢(エルドラード)

※1組2組総合成績は第1組1位から6位に同じ

ジャパンカップオープン男子 第2組
1位 黒枝士揮(鹿屋体育大学)2時間12分15秒
2位 岡篤志(キャノンデール・スペースゼロポイント)
3位 木村圭佑(京都産業大学)
4位 山本隼(中央大学)
5位 小石佑馬(チームユーラシア)
6位 小橋勇利(ボンシャンス飯田)+51秒
7位 鈴木龍(明治学院大学)
8位 広瀬樹(横浜高校)
9位 住吉宏太(日本大学)
10位 橋詰丈(昭和第一学園高校)

photo&text:高木秀彰



photo&text:高木秀彰

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