大会2回目の休息日を迎えたブエルタ・ア・エスパーニャ。スペイン北部、カンタブリア州のサンタンデール近郊でゆったりとした一日を過ごした土井雪広(アルゴス・シマノ)にインタビューを行なった。

超級山岳クイトゥ・ネグルを登る土井雪広(アルゴス・シマノ)超級山岳クイトゥ・ネグルを登る土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Kei TsujiQ. ここまで2週間を振り返って

あっという間だった。「まだ5日もある」ではなくて「気付いたらあと5日しかない」という印象。昨日のステージは「山が1つ多すぎだ!きっつい!」と思ったけど、それでもやはり一番キツかったのは集団をひきまくったステージ(第13ステージ)。疲れているけど調子が良いので、去年よりも仕事量は増えているのに余裕はある。

Q. ステージ4勝チームの雰囲気は良い?

去年は登りで遅れたエーススプリンター(キッテル)を待つ必要があったけど、今年はそれがない。むしろコースによってはジョン(デゲンコルブ)のほうが登れるぐらい(笑)だからみんな誰もジョンのことを心配していない。帯同している監督もいいし、チームの雰囲気はすごく良い。ツール・ド・フランスのチームよりもまとまりがあると思う。「勝てるスプリンター」がいることで逃げに入れないのは残念だけど。

メイン集団を牽引する土井雪広(アルゴス・シマノ)メイン集団を牽引する土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Sabine JacobQ. デゲンコルブのグリーンジャージ獲得は可能?

マドリードのステージを含めて、少なくともジョンはあと1勝する。100%出来る。そう確信している。でもグリーンジャージは、正直、厳しいと思う。仮に残りの平坦ステージを3つ全て穫って、ロドリゲスが山岳ステージで上位に絡まなければ可能性はある。そのためにも、山岳ステージでは逃げても良いというオーダーが出ていた(逃げ切ることでロドリゲスの獲得可能ポイントが消える)。

Q. ブエルタ2年目、プロトンの中の雰囲気は?

チームメイト以外の選手でも、プロトンの中の選手とはみんなと話す。グランツールに出ている選手はみんなそれぞれを認め合っている。変な選手はここには1人もいない。集団をひきまくったステージの次の日のスタートでは「昨日はすごく良い仕事をしたな!」という労いの言葉を沢山もらったりして面白かった。

Q. 毎日欠かさずブログをアップしようと思い立ったきっかけは?

まだまだ日本にはロードレースのことをよく知らない人が多いので、「伝えられる時に伝えないと」という思いから。いつもレースが終わってから移動中のバスの中で書いている。朝ご飯・レース・ブログを書く・マッサージ・ブログをアップ・晩ご飯・寝る、という一日の流れが出来ているから別に手間じゃない。

笑顔が眩しい土井雪広(アルゴス・シマノ)笑顔が眩しい土井雪広(アルゴス・シマノ) photo:Kei TsujiQ. オランダ開催の世界選手権は特別な存在?

ブエルタの閉幕から2週間で世界選手権。8年間住み続けた地域を走るコースなので、地元レースだと言っていいぐらい。自分にとっては、地元の山形で世界選手権があるような気分。それだけにレースに懸ける思いは強いし、フォーカスしている。でもあのコースはキツイ。おんぶに抱っこでも(どれだけアシストされても)、力が無いと結果は出ない。グランツールで3週間しっかり走ると、必ず調子は上がる。去年もブエルタ後はすごく調子が良かった。だからこのブエルタから上手く繋ぐことが出来ればかなりいい状態でレースに挑めると思う。

Q. 世界選手権の後のレース出場予定は?

今シーズンの最終レースは、チーム初出場のジロ・ディ・ロンバルディア。だから9月中に2012年シーズンが終了する。オフシーズンは日本でシクロクロスに出場するつもりです。

text&photo:Kei Tsuji in Santander, Spain
Amazon.co.jp

ウノ!

ワーナーミュージック・ジャパン

最新ニュース(全ジャンル)